1. MINAMATA ミナマタ
《ネタバレ》 この作品は、あくまで水俣病の実態を世界に伝えた写真家ユージン・スミスの姿を描いたアメリカ映画なので、やや当時の状況描写については「?」とところもありますが、心に響く作品でした。まあ、当時の状況をあまり生々しく描いてしまうと当時の日本社会の闇の部分が全開となってしまうのでメジャーでの映画化は難しいかなとも思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2023-02-26 12:05:22) |
2. 未来を写した子どもたち
《ネタバレ》 なんと言うか、悲惨な状況が日常となっているが故に悲惨であることすら気づかないような本当に厳しい状況に慄然としました。そんな中で、子どもたちに人生を変えるチャンスを与えようとする監督の姿には感銘を受けました。 当然ながら、同じ境遇の全ての子どもたちにチャンスを与えることが出来た訳ではありません。ただ、こういう作品に触発されて活動をサポートする人や同様の活動を行おうとする人が増えれば、チャンスを与えられる子どもたちの数も増えていくことでしょう。そういう意味ではこの作品にアカデミー賞(長編ドキュメンタリー部門)が与えられたことは大きな意味を持つと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2011-08-20 15:52:41) |
3. ミリキタニの猫
《ネタバレ》 路上画家といえば聞こえはいいが、いわゆるホームレスの画家ミリキタニとリンダ・ハッテンドーフ 監督が「911」前のニューヨークで出会い、その後「911」を受けてアメリカ社会にアラブ系やイスラム教徒排斥の空気が流れる中、かつてアメリカ市民でありながら敵性国民として排斥され強制収容所へ送られたミリキタニが自分の過去を語るという、まるでフィクションのようなドキュメンタリー映画でした。 この2人が出会わなければ、ミリキタニはただの絵の上手いホームレスとして生涯を終え、世に知られることもなかったかもしれませんし、幼い頃生き別れた姉とも再会することもなかったでしょうし、かつて収容されていたツールレイク収容所を訪れて長い間背負っていた心の澱を洗い流せなかったかもしれない・・・と考えると、本当にこの出会いは素晴らしい奇跡なのだなと感じましたね。 本当に素晴らしいドキュメンタリーでした。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-18 23:52:32)(良:2票) |
4. ミュージックボックス
《ネタバレ》 非常に難しいテーマを興味深い手法で描いています。 戦争犯罪、特に罪のない市民の虐殺は絶対に許すべきものではないということは当然の事ですし、その犯罪に携わった人間は厳しく罰せられるべきであるということも十分わかっています。ただ、自分がジェシカ・ラングの立場に立ったときに同じ行動を起こせるかというと、正直なところ難しいですね。 ただ、これはホロコーストの問題に限らず、自分が生き残っていくため、仕えている国家や企業、そして自分の家族を守るため嘘を貫き通し秘密を墓場まで持っていく人間というのは確実に存在しているということは良く理解できました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-08-30 13:34:54)(良:1票) |
5. Mr.ディーズ
《ネタバレ》 「オペラハット」のリメイクとしては全然駄目ですが、「オペラハット」の設定を使ったアダム・サンドラーのコメディ映画として見ればまあまあ楽しめる作品でした。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-16 19:31:59) |
6. ミスター・ベースボール
《ネタバレ》 まあ、コメディ映画に誇張は付き物なんで日本の野球や社会の描写についてはツッコミを入れながら楽しむのがこの映画の正しい観方ではないでしょうか。高倉健の人情味のある鉄拳監督役も中々よかったです。 何といっても、この映画はプロ野球が国民的娯楽の王様であった時代の思い出を甦らせてくれる作品でもあります。ゴールデンタイムには当たり前のようにプロ野球中継が流れ、視聴率もとっていた時代。当然メジャーに行く日本人などおらず、プロ野球こそがまさに国内の最高峰の選手たちが集う舞台であった時代。この映画で映されるナゴヤ球場の熱気は作り物ではありますが、今の球場に漂う空気とは異なる「熱狂」をリアルに作り出しています。当時、各地の野球場に通ってた野球マニアであった者としては非常に懐かしく感じます(まあ、パリーグに関しては今の方が全然いいですけど)。 当時は隔絶していた日米野球界もかなり交流が深まり、すっかり日本野球もメジャーに取り込まれてしまいましたね。そういう意味では、この映画は現在の野球界の流れを読んでいたということになりますね。その代わり、日本プロ野球はメジャーのマイナーリーグ化しつつありますが・・・・・。 [地上波(字幕)] 8点(2009-05-30 22:23:34) |
7. ミスター・ロンリー
《ネタバレ》 人生は神の奇跡や他人に頼るのではなく自分で切り開いていくものだというメッセージを感じましたね。特に、マリリン・モンロー(のそっくりさん)とスカイダイビングを成功させた尼僧たちの運命がそれを象徴しているように感じました。 モノマネ芸人だけの集団生活というのも中々シュールで面白かったです。 [DVD(吹替)] 7点(2008-11-19 17:57:49) |
8. ミッシング(1982)
《ネタバレ》 ジャック・レモンのシリアスな名演技が光る、見応えのある社会派ドラマでした。 クーデターを成功させたチリ軍事独裁政権による残虐行為や国益のためには自国民の犠牲も厭わないアメリカの本音の姿をまざまざと我々に提示しています。 [DVD(吹替)] 8点(2008-06-23 18:44:47)(良:1票) |
9. ミスタア・ロバーツ
《ネタバレ》 軍隊を舞台にしてはいますが、中間管理職の悲哀等現代のサラリーマンにも当てはまるテーマですので非常に面白かったです。しかし、なかなか現実にはロバーツのようには振舞えないでしょうね・・・・。しかも、自分の希望が通ったからと言って、全てうまくいくわけではないですからね・・・。 [地上波(吹替)] 8点(2008-05-06 21:09:37) |
10. ミスター・グッドバーを探して
《ネタバレ》 孤独感が上手く描かれている作品ですね。非常に切ない話で、独り者の身には中々重い内容の作品でした。ただ、最後が余りにもショッキングな まるでホラー映画のような描写だったのが残念でしたね。正直、それまでの流れを台無しにするような酷いラストだったと思います。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-07 10:33:52) |
11. 未来は今
《ネタバレ》 フランク・キャプラの「群衆」に非常に似た感じの作品でした(設定等違いはありますが)。あと、おっさんの天使が出てくるところなんかは「素晴らしき哉、人生!」みたいでしたし、最後のセリフはビリー・ワイルダーの「あなただけ今晩は」みたいだったりで、昔の映画のオマージュという感じでした。 ストーリー的には、ちょっと強引なところもありましたね。それに、主人公が最初にきちんと職務を果たしていれば何の問題もなかったわけで、ポール・ニューマン演じる重役(憎めない敵役の演技が見事でした。)だってああいう風にはならなかったであろう事を考えると、ちょっと微妙な感じです。ただ、全体的に心温まる雰囲気の作品でした。 しかし、見終わった後フラフープとフリスビーの発明者が一緒かどうか思わず調べてしまいましたが、やっぱ違いますよね? [DVD(吹替)] 7点(2006-08-26 15:33:58)(良:1票) |
12. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 観ていて、これはアメリカ版「明日のジョー」だと思いましたね。貧しい主人公が、老トレーナーと共にボクシングで「明日のため」に栄光に向かって進んでいく様は、まさにジョーと丹下段平の物語を思い起こさせてくれます。(もちろん設定等違いはありますが) ただ、ジョーの場合は最後に「真っ白に燃え尽きて」しまったところで終わってしまいましたが、この作品では、その「燃え尽きてしまう」部分をもっと深く描いているように感じました。(まあその分悲惨さが出てしまってますが。) しかし、イーストウッドとモーガン・フリーマンというキャスティングはシビれますね。もう画面に出ているだけで味がありますから・・・・。アカデミー賞受賞は当然だと思います。 あと、マギーとフランキーがアイリッシュ系アメリカ人という設定なので、アイリッシュの歴史について事前に知っておくとこの作品について更に理解が深まっていくと思います。 [DVD(吹替)] 8点(2006-07-17 23:55:11) |
13. ミュンヘン
《ネタバレ》 非常に良く出来た作品です。スリリングな展開、アクションもハリウッド仕様でとても迫力がありました(爆発シーンは心臓が止まるかと思いました。)。 しかし、これが現実に起きた話を基に作られた作品であり、ここで描かれているパレスチナの問題はあまりにも惨たらしく、そして今なお殺し合いが続いている事を考えると、非常に恐怖を感じてしまいます。スピルバーグは自らの出自がユダヤ系であるにもかかわらず非常に中立的に描いており、逆にそれが双方が加害者であり被害者であり、また正義であり悪であるという救いようのない現実を浮き彫りにしています。 [映画館(字幕)] 8点(2006-04-16 22:10:41) |