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201.  ウォンテッド(2008) 《ネタバレ》 
◆一番凄いと思ったのは、ネズミを千匹も捕まえたことかな。実際やってみると大変だと思うよ。それに一匹、一匹に時限爆弾を仕掛けるのだから。 ◆一番不可解なのは、ウェズリーの父親クロスだ。息子を守るのなら、電話するとか、手紙出すとかしなさい。金銭的援助くらいしてやってよかったと思うよ。それに何故息子を轢き殺そうとしたり、実際に腕を撃ったりしたのか。呼び出したいのなら電話するか、弾丸を届ければよい。 ◆一番不思議なのは、貯金の残高が増えたり、減ったりするところ。 ◆一番驚いたのは、親爺の協力者(弾丸製作者)が、川に落ちたウェズリーを救出したところ。いったいどうやったらそんなことが出来たのか?病院に運ばれたのを連れ帰ったのか。 ◆一番がっかりしたのは、フォックス(アンジー)の360度回転同士撃ち+自殺弾。一人一人との対決が見どころになった筈なのに残念。 ◆一番知りたいのは、1000年も続く「運命の機織り機」の正体の謎。暗殺すべき人物の名前が暗号の二進法で織られて出てくるらしいが、同姓同名がいたらどうなるの?「Death Note」じゃないけど、名前を知られていなければセーフ? ◆一番疑問なのは、飛び杼を掴んだり、蝿の羽を撃ちぬいたり、弾丸を曲げることは訓練で可能としても、超ジャンプや超カー・アクションはどうやってできるようになったのかということ。 ◆一番ひっかかるのは、スローンはクロスを殺すのに息子を暗殺者に仕立てるという手の込んだやり方をし事た。普通に考えれば、息子を人質にとり、おびきよせればよかったのだ。 ◆一番バカバカしいと思ったのは、ウェズリー最初の暗殺方法。わざわざ走っている電車の屋根の上から会議室を狙うなんて。相手に近づいて撃てばいいじゃないか。 ◆一番欲しいと思ったのは、あのすぐに傷が回復する風呂。特許で食っていける。 ◆一番哀れなのは、ウェズリーに勘違いで射殺されたネズミ爆弾男。「流れ弾にやられた」なんてウェズリーを庇っている。
[DVD(字幕)] 5点(2010-10-13 05:53:22)
202.  偽牧師 《ネタバレ》 
◆チャップリンお得意の巻き込まれ型のドタバタ・コメディ。次から次へとハプニングが起こり、気の弱い主人公が事件に巻き込まれてゆきます。そこそこ笑えるので見て損はありません。 ◆一方で、後期の名作に到る過渡期の作品として観れば、尚興味深いものがあります。 ◆脚本にいくつかの難点があるように思います。 ①男はいくつかの罪を冒している。入獄に到った何らかの罪と脱獄の罪。そして牧師の服とお金を盗んだ罪。母娘のお金を悪人から取り戻したというだけで、これらの罪がチャラになるだろうか。 ②男がどういう罪で刑務所に入ったか不明。ジャン・バルジャンのように男に同情すべきようなシナリオを用意すべき。脱獄も同様。偶然脱獄のチャンスが訪れたとか、どうしても誰かに会わなければならないとか。それが無いので人間が描けていない。少なくとも悪い男ではないという点をもっと強調すべき。その前にあんなドジな男が脱獄などできるはずないと思うのだが。 ③男は教会ではお金に執着を見せるが、母娘の家ではお金に無頓着。それは娘に対する恋心に起因するものだろうが、このところが弱い。心変わりする決定的な契機が欲しい。 ④ラスト・シーン。男は保安官の親切心に助けられるのですが、これが弱い。これが当時のチャップリンの限界か。後のチャップリンなら男は収監され、その悲劇性と社会批判とで観客の心をつかんだはず。喜劇と悲劇の両立の域に達するまであと一歩の作品。笑いだけにこだわった作品。 ◆それにしてもカメラのズームもパンも無いが、当時は技術的に難しかったのでしょうか。ピントを合わすのに一苦労したものと推測します。それでも今でも笑えるのは、やはり凄いことです。
[ビデオ(字幕)] 5点(2010-10-11 02:16:23)
203.  エアポート’80 《ネタバレ》 
◆違法に兵器輸出している兵器残業の機密が漏れる話。兵器会社社長のケビンはジャーナリストのマギーと恋愛関係にある。不正を暴こうとする社員Aは、何故かマギーの元へ暴露書類を持ってゆく。すぐに始末屋が現れ射殺、マギーも殺されそうになる。マギーはケビンに相談。飛行機に乗る直前マギーの元へ殺されたA妻が現れ、書類を渡す。◆どうして警察に渡さないのだろうか?夫の事件捜査で事情を聞かれている筈だが。マギーも警察に事情を話すべきだろう。◆ケビンはマギーをコンコルドごと葬ってしまおうと考える。無人戦闘機と戦闘機ファントムの攻撃を二度もかわしたコンコルド!この奇想天外の展開は、一応褒めておこう。ここしか見せどころが無いのだから。◆マギーは事の真相を糺そうとケビンに会う。ここで拉致するなり、殺すなりすればいいのに、何もしないケビン。先ほどの殺意はどこへやら。ぬるい展開だ。◆攻撃され緊急着陸したコンコルドにまた同じ乗客が乗る。普通は別便が出るが。悪い整備士が荷物室のドアが自動で開くように仕掛ける。何故か体中に報酬の札束を巻いて高飛びしようとする。札束が落ちて怪しまれると、逃げ出し、何故かコンコルドの離陸するところに飛び込む。意味不明だ!報酬は銀行に預けなさい。◆荷物室のドアが開いて、第2のパニック。雪のアルプスに緊急着陸。全員脱出した後「爆発するぞ」で爆発。ケビンは自殺。◆モスクワ五輪、選手の国境を越えた恋愛、機長の復縁、機長らの友情、手術予定者、心臓移植、サックス黒人、トイレおばさんなど、多材料をちりばめていたが、うまく料理できていない。◆特撮技術がお粗末だが、それは重要ではない。それ以前に脚本の基本が分っていないのだ。パニック映画には悲劇性が重要。途中で犠牲者が出るからこそ、緊張感も持続する。本作は暴露社員が殺されただけ。後は社会通念から逸脱したような無茶な展開で、パニックも生ぬるく、乗客に死者は出ない。観客の期待はおいてきぼりだ。◆「同じ飛行機が2度も」という展開は無理で、1回にまとめるべき。死者も次々に出て、最後は機長の英雄的行為や機知で奇跡的に着地成功⇒喜ぶ観客⇒悪会社の不正が暴露。こういう普通の展開でいいのだ。あとは群像劇の心理描写や特撮スペクタクルでいくらでもふくらませる。反面教師として利用できる”失敗した映画”だ。脱がないシルヴィアも期待はずれ。
[ビデオ(吹替)] 5点(2010-09-30 21:26:52)
204.  街の灯(1931) 《ネタバレ》 
オープニングが出色。塑像のオープニングセレモニーの幕が開いたらFが寝ていて、早々に追い出される。これだけでFは浮浪者で、社会と関わりを持たず、社会にとって異物でしかないことがわかる。ただ歩いているだけで新聞売りの少年にからかわれる始末。◆そんなFが二人の人間を助ける。一人はお金持ちM。Mが自殺しようとしたのを偶然助けた。Mは酔ったときだけ彼を覚えていて、親友として扱い、金銭援助も惜しまない。だが素面では何も覚えていない。都合のいいときだけ良い顔をする世間を象徴するようだ。◆もう一人は盲目の花売り娘K。きっかけはKがFをお金持ちだと勘違いしたことから。Kが貧しく、祖母との二人暮らしだと知ったFは真面目に働いてお金を稼ぎ、生活の援助をしようとする。人間は頼られると期待に沿いたいと願うもの。まして美しい娘やである。ここでFと社会との関わりができる。だが元来不器用な彼は仕事が続かない。Mと再会して大金を貰いKに渡すが、警察には泥棒扱いされ逮捕される。◆【喜劇から感動へ】Fが刑務所を出てからはシリアス路線。Fはみすぼらしい身形で、顔に精気はなく、新聞売りの少年に対してもやり返せない。そこへ偶然Kと再会。Fは瞬時に理解する。目の手術が成功したことと、花の店を構えて成功していること。Kから目が離せないF。労苦は一瞬にして報われたのだ。Kは浮浪者に一目惚れされたと勘違いする。小銭を恵もうとして手に触れて、Fの正体を知る。名乗りを上げるF。真実を知ってショックを隠しきれないK。落ちぶれたFの姿はKにとって理解できないものだろう。しかしその優しい眼差しは隠されたFの真心と誠意を照らしだしているように見える。◆ちょっとして親切心がその人の人生を変えてしまうことがある。貧しい者が、より恵まれない人のために努力する姿は美しい。一方で「成功したのはお金持ちが気まぐれでくれたお金のお陰に過ぎない」という強烈な皮肉も籠められている。社会矛盾を鋭く衝いているのだ。「City Lights」=Lightは人間のこと。お互い支え合って(照らしあって)ささやかに生きている社会のこと。◆ご都合主義が目立つが、当時の映画としてはこんなもの。サイレントでは複雑な展開や心理描写など望めない。喜劇と感動を融合させ、単なる「喜劇王」から「天才チャップリン」へと変貌を遂げた記念碑的作品。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-08-02 15:52:40)
205.  シャーロットのおくりもの(2006) 《ネタバレ》 
◆平凡、普通であることがキーワード。「普通の生活の中に起きる奇跡」が主題。ごく普通の町の普通の農家の普通の子豚の奇跡の物語。「平凡なものがタイミングよく二つ揃うと、お互いが輝きだすことがある。子ブタと臭い納屋のように」それぞれは平凡でも、両者に絆が出来れば奇跡が起こることがある。 ◆発育不良で殺されそうになる子豚の生命が少女によって救われる。「私が育てる」小さな生命を助けたい素直な心の叫び。これが最初の奇跡。ウィルバーと名付けられて人格が生じる。 ◆納屋の動物達は皆元気がなかった。でも子豚が泥遊びをしたり、無邪気に「遊ぼうよ」と話しかけてくることによって心を開くようになり、元気を取り戻してゆく。これが第二の奇跡。 ◆子豚は嫌われものの蜘蛛と友達になる。「君は美しいよ」無邪気さの中に真実を見抜く眼がある。蜘蛛の美しさは生命の美しさそのもの。蜘蛛は初めて友を得て喜ぶが、彼女は子豚を導く母のような存在でもあった。 ◆やがて子豚は家畜の運命を知る。冬まで生きられないのだ。蜘蛛は誓う。私が助けてみせると。そして奇跡を起こす。巣に「たいした子豚」という文字を編んで。 ◆あくまで子豚は普通の豚だが、蜘蛛にとっては”特別”な存在。両者に絆が出来たからだ。星の王子様ときつねとの関係と同じ。 ◆人間にとって家畜とは、その命を断って、人の命を継ぐもの。だが家畜の立場に立てば、そうは割り切れない。「食べられる生命の問題」に簡単な答などない。蜘蛛は生きるために蝿を獲る。そして生命と引替えに卵を産む。卵から子供が生まれた。子豚に死と新しい生命の連環を示した。生命の問題に対して間接的な回答を提示したのだ。これが最後の奇跡。主人公はあくまで蜘蛛。子豚は受け身なだけ。◆誰でもいつか死ぬ運命。故に「生きていること」は奇跡。生命の躍動する日常はどんなに平凡に見えても奇跡に充ちている。だからこそ我々は毎日を大切に生きなければならない。これが原作者のメッセージ。監督がこれを理解していないのは残念。少女にボーイフレンドを作らせたり、大人が心ない発言をするなど、不要な要素を混入したので主題が解りにくい。原作では少女が動物達の話を完全に理解できるのだが。名作童話が平凡、普通の映画になったのは皮肉か。ただCGは素晴らしく、子供たちに是非見せてあげたい。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-25 03:45:35)
206.  スティーブン・キング/ランゴリアーズ<TVM> 《ネタバレ》 
◆飛行機がタイムスリップする。寝ていた人は助かり、起きていた人は消失。消失した人はどうなったのか?しかも肉体と服が無くなっているという不思議さ。服の中身、歯の矯正器、ペースメーカーは残されたまま。この謎は謎のまま。S・キングに細かいことを望んでも仕方がありません。でもこの作品は整合性が取れている方です。 ◆過去は過去のまま取り残されて存在する。その取り残された過去の時空をバクテリアのように食べ尽くすのが無数のランゴリアー。歯と毛だけの外見。イメージが膨らみますが、CGがしょぼいのでがっかり。全然怖くないのです。 ◆時空の裂け目を通って、未来に戻ることが出来た。だがそこは無人の世界だった。そこへ時間が未来に追いつくというアイデアは秀逸。感心しました。飛行機は無事生還したが、消失した人々は戻って来ないと解釈しました。  ◆登場人物はほぼセオリー通り。自己犠牲で英雄となる特殊工作員、状況を素早く理解する推理小説家、盲目の超能力少女、心に傷をもつパイロット、そして最重要人物がイカレたビジネスマンのトゥーミー。父親から精神的虐待を受け、「大物になれなければ、怠け者としてランゴリアーに喰われてしまう」という強迫観念に取りつかれている。彼の存在がランゴリアーを引き寄せ、飛行機をタイムスリップさせたのかは不明だが、彼が偶然に乗り合わせていたのではないことは確か。作者は「心の傷」と「取り残された過去」を対比して提示している。「取り残された過去」は各人の「心の傷」でもあるのだろう。心の傷が妄想を生み、時には時空の裂け目も作り出していますのだろう。 ◆トゥーミーは錯乱して少女を刺す。少女はトゥーミーを囮として利用。このあたりの展開はスリリング。でも少女は助からなかった。少女は自分は助からないと知りながら、皆のためにトゥーミーを操ったのですね。そして生還のためには、更なる自己犠牲が必要だった。眠りについた皆を起こす役目の人は消失する運命。それは暗殺者でもある工作員の過去の罪の贖罪でもあった。芽生えはじめた恋も儚く消える。ソツのない展開ですが、感情移入するほど深くは描かれてはいません。監督の技量不足でしょう。才能のある監督がリメイクすれば名作になる可能性があります。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-19 23:20:40)
207.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
◆全体的に緊迫感が足りない。冒頭場面では脱出者が銃で撃たれた。これは厳しい収容所だなと思っていたが、あとはゆるゆる。ハッチ(スタローン)が脱出する場面はうまくいきすぎ。何度か気づかれそうになるが何とか切り抜けるという演出を何故しない。それからハッチは一度収容所に戻るように説得される。ここの葛藤も描かれていない。同じく腕を骨折させられる選手の人間性がどれだけ描かれていたか?上辺をなぞっているだけだ。そして最大のクエスチョンは、ハーフタイムで脱出するのを選手たちが拒否する場面。それまで選手たちのサッカーに対する思い入れが語られてはいない。だから彼らの思いが伝わってこないのだ。このあたりの演出の不首尾が映画全体としてのドラマ性の希薄につながっている。演出上のタメがなく、なにもかもあっさりと進みすぎる。 ◆恋愛部分にしてもしかり。子持ちの未亡人じゃヒロインにはなれない。せめて彼女の悲惨なバックグランドが語られていたら反戦映画になれたのに。女性レジスタントという魅力的なキャラがもったいない。 ◆捕虜にハングリーさが感じられないのも残念。顔や眼にぎらぎらするものがほしい。彼らはただ安穏と生活しているように見える。 ◆サッカーの試合が決まったとき、コルビーコーチは各収容所から有名選手を集める。これは明らかに間違い。あの収容所のメンバーで試合することが大切なのだ。素人が一丸となって我武者羅に練習し、チームワークにより、奇跡的に勝利するという筋書きが一番感動できる。寄せ集めチームじゃ感情移入できない。 ◆サッカー場面はそこそこ見れたが、不満要素も多い。もっと華麗なプレーが見たかったし、スローやアングルにも工夫が欲しい。実際のサッカー選手を使っているのだからもっと魅せることはできたはず。ハッチのキーパーは全くの素人で見どころがない。最後ももっとぎりぎりのところでセーブすべきだろう。ところで同点の場合は延長戦があるはずだが、アメリカ人は知らないのだろうか。 ◆最後のどんでん返しは賞賛できる。なだれこんだ観衆と共に脱出というアイデアにはしびれた。脱帽です。ドイツ軍将校が紳士的なのにも好感。同点で終わらせたのも気遣い?サッカーファン、脱出ものファンなら楽しめる作品には仕上がっています。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-07 03:40:49)(良:1票)
208.  太陽の帝国(1987) 《ネタバレ》 
冒頭場面は、揚子江に漂う棺桶を軍艦が蹴散らす。最終場面は揚子江に漂うジムの鞄。川は時の流れ、棺桶は死、鞄はジムの少年らしい心の象徴。死と共に戦争がやってきて、ジムの少年らしい心を奪っていった。それは時代の流れであり、個人にはどうすることもできない。「太陽の帝国」とは、多感で夢見がちであり、ロマンと冒険を求める少年の心のことである。戦闘機マニアの少年が、戦争が始まっても敵国の戦闘機に思いを寄せるのは実に子供らしい。しかし戦後には、もう何かにあこがれる心を持ってはいない。一足飛びに「大人の打算世界への精神的脱皮」を強制させられたのだ。不憫でならない。原作者は「奪われた少年時代」を批判するわけではなく、乾ききった目で淡々と述する。事実としては、原作者は捕虜収容所を家族と一緒に過ごした。独りだったとするのは体験の異常さを強調するためだろう。監督は原作に忠実でありすぎた。その為観客は肩すかしを食い、感動できない。主題が解りにくいのだ。 【肩すかし】①ジムは日本軍に入りたいと言い、あこがれの零戦を撫でて飛行兵に敬礼していたのに、米軍のP51ムスタングに狂喜乱舞する。②米国人ベイシーとの友情物語と思って観ていると、ベイシーはジムを利用しているだけ。蘇州行の車に乗せようとしなかったし、地雷地帯に行かせるし、脱走も置いてきぼり。③少年と日本人との友情物語と思って観ていると、最後までナカダ(伊武)とは心が通じないし、唯一心の通じていた少年兵は頓死。④ジムの成長物語として観ていると、生存のためとはいえその世知辛い世渡りぶりは痛い。心が豊かになるのではなく、空虚になり崩壊してゆく。⑤反戦映画として観ると、戦争の悲惨さは最低限にしか表現されていない。爆撃シーンでは死も記号的。原爆を神の写真などと変容させている。⑥家族との愛情物語かと思って観ると、ジムは家族の顔も思い出せない。再会時の父親の存在の薄さ。 【日本人】美しい映像が際立つ。夕日が美しい。火花が背後の零戦が美しい。P51の爆撃場面、原爆の火が美しい。音楽も美しい。ベイシーや医者も躍動している。だが日本人だけは美しくない。トラックから降りてすぐに石を持たせて運べなどとは言わない。飛行場に重機関銃も高射砲もない。少年飛行兵がとってつけたように殺される場面は失笑。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-06 10:48:04)
209.  インビジブル2 《ネタバレ》 
◆透明人間を兵器として考えた場合。ものを携帯できない。冬は寒くて外出できない。雨の日もだめ。足音がする、足跡が残る。ビデオカメラには映る。などで余り役に立ちそうにない。ケータイで連絡もできないし、銃も持てないのだ。だからさほど怖くはない。待ち伏せてインクでも大量に噴射すればOKだ。網でもよい。軍は何故それらを用意しなかったのだろうか?インクをかければただの素っ裸の男である。刑事も水鉄砲くらい用意すればいいのに。 ◆透明人間は悪ではない。人体実験に使われ、自らの生存をかけて緩衝材を求めているのだ。復讐に燃えて残忍になってしまったのは残念である。軍隊を悪として描き、透明人間の復讐に正当性をもたせればもっとましな映画になっただろう。無実の女刑事を殺してしまったことで、おかしな展開になった。透明人間が暴走しただけでは内容が薄い。この人物に感情移入できるような挿話が欲しかった。そうすれば観客は彼を血肉ある人物として認識できた。単なるモンスター映画で終わっている。そしてモンスターとして見れば魅力がないのだ。いくらでも膨らませる話を小さくしている。女博士を奪う話に終始するのはもったいない。最後は殺鼠剤とスコップ刺しの刑。ああ、あわれ。可哀そうとも、爽快とも感じない。透明人間という魅力的なキャラに頼り切っただけのB級映画に成り下がっている。モンスター映画でも人間を描かなければ感動を与えることはできない。 ◆透明人間はいきなりパーティ会場で暴れるが、これはいただけない。正体がばればれではないか?透明人間の知能指数の低いこともわかってしまう。他人のいないところで尋問をすべきだった。 ◆女博士を襲う前、隣の家に侵入していたが、あれは何のためだろうか?しかみ家の人(バカップル)に居ることがばればれではないか。この手の映画は、悪キャラが狡知を尽くしてこそ魅力あるのだ。 ◆刑事が透明人間になって、透明人間と対決するのはグッドアイデア。続編が作られそうな終わり方である。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-05 18:17:43)
210.  マーシャル博士の恐竜ランド 《ネタバレ》 
◆SFアドヴェンチャーの形式を取っているけど、本質はオバカ路線のB級コメディ映画。70年代の同名TVドラマのリメイク。ラジー賞(最低映画賞)も2部門受賞している。 ◆マーシャル博士は異次元空間やタイムワープの研究をしていたが、誰も相手にしてくれない。 そこへホリーという若い女性が登場。博士の仮説は正しいと力説し、彼女が発掘した2億6千万年以上前の化石にライターの刻印があったのを見せる。それは博士のライターだった。しかも彼女はタキオンの純粋な結晶を発見したという。 翌日彼女が再訪すると博士は食べ過ぎで爆睡していた。問い質すとワープマシンは完成しているという。試す勇気がなかっただけと言う。ワープマシンはリュックサック型で何故かミュージカルの名作コーラスラインの曲"I Hope Get It"が鳴り、とてもチープな作り。二人はさっそく化石を発見した砂漠地帯へ向かう。そこは時空間の歪みがある場所だ。着くと奇妙なものばかり売っている店があり、そこの店員ウィルが案内をしてくれることに。そして三人でタイムワープする。 ◆それ以降の話はあって無きが如し。帰還するために失くしたワープマシンをひたすら探し求める話。類人猿、トカゲ人間、恐竜が登場する。ホリーは動物園で働いていたので類人猿と会話が出来る。類人猿はコーラスラインの曲を歌える。トカゲ人間の一人はワープマシンとタキオン結晶を利用して宇宙を征服しようと企んでいる。T-REXは何故か博士の言葉を理解する。ウィルだけその時代に残るが、類人猿の村に着くと人間の美女が大勢いた。このように時代も設定も支離滅裂だ。パラレルワールドに紛れこんだようだ。 ◆下ネタなど下品なギャグが多いのでついていけない人が多いと思う。日本人の感性と合わないのだ。コーラスラインの曲など知っている人は少ないだろう。大蟹が一瞬にして茹蟹になってしまうのはいいが、ワープしてきたアイスクリーム屋の店員が一瞬に恐竜に食べられるのはどうだろうか。感性がついてゆくだろうか。ギャグヒット率が低いのがイタイ。その原因を考えるとT-REXやトカゲ男の造詣が怖ろしいことに由来する。マンガのようにもっとかわいいキャラに仕立てて、絶対に殺されないことがわかれば、お笑い世界に没頭できただろう。 
[DVD(字幕)] 4点(2010-07-05 13:17:05)
211.  25年目のキス 《ネタバレ》 
◆ジョジーにとって高校生活は悲惨そのもの。みんなからブスと貶され、プロムではあこがれの人に騙され卵を投げつけられた。真面目一筋でキスもしたことない。大学を出て新聞社にコピーエディターとして就職するが、記者になる夢を持っていた。その夢を叶えるチャンスが来た。それが高校潜入取材。 ◆最初はドジばかり踏み、からかわれ放題。優等生の女生徒に親切にしてもらい仲間に入るのがやっと。記事は書けず、スッパヌキ記事を連発するライバル社からは水をあけられる一方。しかし同じく高校に偽装潜入した弟の活躍と引き立てで何とか「スターたち」の仲間入りを果す。弟は野球部に入りスカウトされるのが目的だった。一方で英語教師コールソンとも親密になってゆく。やがてかつての雪辱を晴らす機会が来た。クラス1のスターからプロムに誘われたのだ。◆目出度くクイーンに選ばれるが、優等生の女生徒がいたずらされそうになるのを見て我に返る。いたずらを阻止して、全てを暴露する。何もかもぶち壊しになる。取材は失敗、ボスと共に会社はクビ、先生との恋は終り、弟の野望も水の泡。ここで彼女は乾坤一擲、捨て身の記事を書く。自分の惨めだった高校時代のことを吐露。潜入取材の経緯を説明。先生に愛を告白する。そしてお決まりのハッピーエンド。夢を追い続けた女性が、自分らしさを取り戻した瞬間、何もかも手にするというサクセスストーリー。◆最後の一発逆転の王道展開は素晴らしい。主演女優の顔の表情がほんとうに豊か。ズッコケダンスはぶっとんでいた。ただ「知らずに麻薬を摂取して」という設定は遺憾。彼女が十代のときに麻薬がらみで何度か騒がれたことが頭によぎった。やはり女性が自分らしさを出すことによって、みんなから認められるようになる進展が良い。そういう意味で弟の存在が物語を台無しにしている。最後はコーチに収まったが、恋はどうなったのか。またジェジーの同僚が性教育するなど無理な展開も目立つ。◆恋のパートだが、先生には恋人がいたのだが、どうなったのか?ジェジーも先生もお互いに恋をしているようには見えなかったのが残念ところ。忍ぶ恋を演出してほしかった。女は顔じゃないけど、男はイケメンに限る?◆実際問題、記者が高校生に成り済ます行為は違法だろう。日本では絶対に無理である。 
[DVD(字幕)] 5点(2010-06-27 02:38:19)
212.  西部戦線異状なし(1930) 《ネタバレ》 
◆1914年セルビアの18歳の愛国少年がオーストリア皇太子を暗殺。オーストリアはセルビアを懲らしめるために軍事行動を起こすが、安全保障条約の連鎖的発動により第一次世界大戦勃発。足かけ5年続き、戦死者900万人、非戦闘員死者1,000万人、負傷者2,200万人以上。スペイン風邪の猛威により漸く終結。ロシア革命の契機ともなった。驚くべきバタフライ・エフェクトだ。◆ライフル銃と機関銃の組織的運用で弾幕を避けるため西部戦線は塹壕戦となった。一進一退を繰り返す突撃戦。戦士達は射撃の前に生身の体を曝す。毒ガスも使われた。◆老教師は近代戦を知らない。若者の愛国心を鼓舞し「戦士になれ、英雄になれ」「死人は少し、勝利は今年中」などと煽る。若者の父親世代も無知である。◆「美化された戦争」しか知らない若者が、戦争の悲惨さをこれでもかと体験してゆく。気さくで心優しかった郵便夫が鬼軍曹に変身した。恐怖と食料不足と不潔さと落弾音による睡眠不足の地獄のような塹壕生活。親友が次々と死んでゆく。負傷して足を切断した友人が死に、その靴をもらった友人も死んでゆく。「死を初めて見た。生きているのはいいものだ。不思議なことを考えた。野原で遊んだこと。女の子のこと。地面から電気のようなものが伝わってきた」死に直面して初めて知る刀身のような生の実感。◆初めて人を殺した。夢中で刺したが、我に返ると敵兵は自分と変りのない善良そうな人間。「今は殺せない。さっきは敵だった。怖かったのだ、許してくれ。軍服を脱げば兄弟になれたのに」敵兵は苦しみながら死んでゆく。見守りながら、ただ許してくれと願うしかなかった。◆休暇で故郷に帰っても本当のことは言えない。大人達は戦争の実体を知らず、戦争を美化し、兵士を英雄視する。そこに語られるのは嘘ばかり。本音を語ったばかりに臆病者呼ばわりされる。休暇を切り上げ戦場へ戻る。そこでは少なくとも嘘はないからだ。軍に戻ると少年兵が入隊していた。敗戦が近いことを悟る。戦争で唯一得られたものは古参兵と友情だったが、その古参兵も死んでゆく。◆実家で見た蝶の標本。何も知らず遊びまわっていた子供時代の象徴だ。戦場にも蝶がいた。青年は感傷に浸り思わず手を伸ばす。次の瞬間一発の銃弾により命は潰えた。一個人にとって戦争は苦悩であり、苦痛であり、命がけのものだが、戦争を遂行する国家にとっては一個人の死など蝶の命ほどの軽さでしかない。
[DVD(吹替)] 9点(2010-06-25 18:05:20)
213.  サロゲート 《ネタバレ》 
【裏あらすじ】博士は体の不自由や人は老人のために擬人体を開発した。しかし人類はこれに夢中になり、ほとんどの人が擬人体として生活する社会に。擬人体は悪・中毒であると考えた博士は製造会社VSIを辞めて、反擬人体団体の首領・予言者として活動する。一方自身で預言者を含め、複数の擬人体を操作して人生を謳歌するという矛盾がある。VSIは博士の活動に危機感を抱き、殺害を計画。光線銃を買収済みの刑事ストーンに渡す。ストーンは強盗犯を保釈させ、殺害依頼。光線銃に当たると擬人体も操作者も死ぬ。実行犯は誤って博士の息子を殺してしまう。息子は博士の擬人体を借りて使用していたからだ。刑事と女相棒ピーターズ(P)が犯人を追う。預言者(博士)は犯人を見つけて殺し、光線銃も押収。博士は刑事に武器の出所を調べさせる。刑事は軍とVSIが共同開発したことを知り軍に乗り込む。軍は破棄した筈の武器があることを知り強制捜査。その際に予言者を射殺。しかし武器は既にPへ渡っていた。博士はPの実体を殺害し、Pに成り済ましていたのだ。刑事は上司ストーンを追い詰め、擬人体を破損させ、腐敗の証拠も入手。Pは中枢システムに侵入。説得に来たストーンを光線銃で殺害。光線銃から全システムにウイルスを注入して、擬人体を壊し、操作者を殺害しようとする。それを防ぐため刑事が博士宅に乗り込む。博士は自殺。刑事は人間は救うが、擬人体は破壊させる。 【感想】現実には絶対起こり得ない世界なのでのめり込めない。子供だったら外で遊びたいし、若者だったら生身でSEXしたいし、老人だって散歩・買い物・旅行したい。一日中寝ている生活は不健康。犯罪が減ったとかいうが、皆家で寝ているので強盗犯は仕事がしやすい。又擬人体と人間とが区別がつかないことはありえない。冷めた夫婦関係の修復を望む刑事は擬人体の妻に話しかけるが、どうして本人に伝えないのか。職場に出かけなくても家にいる。一緒に住んで、食事もするのだし。光線銃で人間まで死ぬなんてありえない。ラストで刑事が危機を回避しようとあくせくするが、単純に光線銃を壊すか、コードを抜いてシステムからはずせばいい。そして黒幕のVSIへのフォローなし。刑事は警官5人死んだといっているが7人。博士の矛盾した生活。タメが欲しい。預言者は簡単に撃たれ、博士の家にあっさり潜入。冷めた夫婦関係に力を入れる程度に各挿話に力を注いで欲しかった。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-18 15:01:31)
214.  アリス・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 
原作はナンセンスが持ち味。ナンセンス詩やギャグが満載。登場人物がみなおかしい。女王が頭でっかち、兵隊がトランプ、猫が笑って消える。読む人を煙に巻く内容。映画では「その後のアリス(A)」を描く意欲作。結婚という親の引いたレールに乗るかどうか迷うAが、ワンダーランドを再訪。Aはワンダーランドは夢だと思っていたが、実在することを知り子供時代の冒険心を取り戻す。現実に戻り進むべき道を発見する。作品の意図はわかります。 ナンセンスはそこそこあり笑えます「机と鴉が似ているのは何故」「首をはねてくれ、(さもないと)殺される」「朝飯前に6つのMで始まる問題を考える」など。ただ弾けるほどではない。イカレ帽子屋、ヤマネ、青虫、双子などサブキャラは十分な働きをしている。正義感の強いヤマネ、青虫の教訓、帽子屋の「自由の舞」など。赤女王が仰向けになったブタで足を休めるところがツボだった。素晴らしいセンスだ。欲を言えば、もっと「場」やストーリーをかき乱すキャラ(トリックスター)がいれば楽しくなっただろう。混乱してあらぬ方へ行けば行くほど「沸騰」するはず。 キャラを善悪に分けて戦わせるのは問題あり。本来の持ち味である「おかしみ」が消えてしまう。兵隊なのに薄っぺらなトランプであるところが笑えるところ。本当に強そうに見えてはだめ。「首をはねろ」がギャグでなくなってしまう。訳のわからない連中が好き勝手なことをやっていて、理屈は通らず、それが楽しいのだ。 少年なら剣をもって龍と戦うこともあるだろうが、大人になったとはいえ少女Aのすることじゃない。理不尽や無理難題を言う相手に対して知性やウィットでやりこめるのが本来の姿。 預言書なる絵巻物は不要。Aが龍を倒すのが決まっているのならAの存在意義は薄れてしまう。Aがアイデンティティを確立するためには何らかの通過儀礼が必要で、予定調和では感情移入すべくもない。 独断専行の赤女王を懲らしめるのはいいが、白女王を君臨させることに意義が見つからない。白女王は何者も殺さないと誓っている点が美徳だが、どこか怪しい雰囲気がある。そういう意味ですっきりしないのだ。もうひとつヒロインに魅力が無いことも指摘しておこう。年増に見える。 蛇足だが、貴族の求婚を大勢の前で行う慣習があるのだろうか?それも花嫁だけは内緒にして。大恥をかきたいのか?それとも断られることは考えられないのか。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-17 17:07:55)
215.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
カタルシスはアンが成功一歩手前で意に沿わない職を放棄し、本来の自分に戻るところ。サクセスストーリーではなく、成長物語。アンはファッションの奥深さを学び、ファッションセンスを磨き、仕事も先読みでき、上司から認められる。しかし望んでいない世界で、上司のような犠牲の多い生き方は出来ないと悟る。二人はお互いを認め合いながら別れます。それに恋愛を絡める。意図は良いですが、デフォルメしすぎたためか、ふに落ちない点が多いのが欠点。 ①就職面接に行くのにニンニク入りのハンバーグを食べながら行く。行儀が悪すぎ。 ②ジャーナリスト希望だったら最初からミラー紙の面接を受ければいい。軟派作家に書いたものを送ったのにも関わらず、編集者を紹介してもらうのは断った。 ③どうしてジャーナリスト志望なのか、何をしたいのかの説明が無い。 ④アンは父に「このファッション出版社に就職したのは腰かけに過ぎず、一年も経てばパリで人脈が出来、ジャーナリストとして有利であるため」と説明。上司に似て元来が打算的人物。一方で彼女は雑誌名やファッション界のカリスマ編集者ミランダの名前さえ知らなかった。矛盾してます。 ⑤上司は時間外労働を強要し、嵐の中を飛行機を飛ばせとか、出版前の本を手に入れろとか、要求が度を越えている。しかもそれは仕事ではなく「私ごと」。真に仕事のできる人のやることではない。 ⑥恋のパートがあやふや。最初から同棲している設定が間違い。アンと男とは恋人未満だったが、最後にはお互いの自分の本当にやりたい道を見つけ、恋人同士になる展開にすればすっきりした。最後二人はニューヨークとボストンにそれぞれ就職が決まる。別れるのか、元さやか。「考えてみる」という返事はダメ。軟派作家と寝るのは言語同断。それをやっちゃおしまいよ。単なる尻軽女。 ⑦社会人の男性が誕生日を友人たちと祝う?同棲している恋人が誕生会に来れなくなるとあんなにスネる?アンの頑張っている姿を見てるのに。 ⑧コートやハンドバッグを投げ出したりして乱暴。 ⑨上司の子供が若すぎる。高齢出産?又子供を甘やかしすぎる。 ⑩コーディネートをしてもらっていたけど、あのブランド服を全部買ってたの? ⑪アンのファッションセンスがよくなってゆくのは「仕事と心の成長」を意味していると思ったが、最後に全否定された。アンは何を学んだのか?
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-12 06:35:00)(良:2票)
216.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 
死者100人以上の大きな飛行機事故発生。生存者はわずか。 災害専門セラピストのクレアが抜擢され、生存者の心のケアにあたる。謎の生存者エレック。事故後なのに清々しい気分と言うし裸だし。クレアの姉のことを知っていて、バス事故に遭いそうと予言。クレアは、目撃証言から墜落原因が飛行機の欠陥であり、それを隠蔽しようとする会社の工作に気付いてゆく。賢くて正義感の強い美女カウンセラーが超能力者の協力を得て、事件の真相を暴いてゆく痛快な物語。とおもいきや、クレアは自分に自信がなく、セラピーで主導件を握れず、他の患者の前で薬を話するなど失格モード。姉との問題も抱えている。ストーカーのようにつきまとい、疑似自殺行為を繰り返すエレックと簡単に倫理規定に反した関係になってしまう。愚かな女だ。サスペンスからB級恋愛映画モードへ。途中次々と奇妙な人物が、奇妙なタイミングで現れ、言いたいことを言って去ってゆく。生存者が次々消えてゆくが、真実に近づけない。全くあり得ない展開。途中で駄作と確信しました。あららと思っていると意外なオチ。死後の恋、さまよえる霊魂の気づきと救いを描いていたんですね。でもそれを知ってストーリーをなぞっても整合がとれません。①機長は「すべて私のせいだ。疲れて、離婚問題を抱えていた」と言うが、爆発したエンジンはどう説明する?②会社関係者(実は機長だった)がクレアを混乱させることばかり言うのはどうして?機長の霊は何もかも知っているのに、どうしてさまよっているの?あれもお迎え?③クレアに飛行機に乗った記憶がないのは一時的記憶喪失?④クレアはお迎えの人達(叔母や先生)の顔を見ても何も思い出さなかったのは何故?別の顔に見えたのか?⑤霊だから冷たい海に入っても寒くないのにセックスして快感があるのだろうか?⑥エレックは何故姉のことを知っていたの?バス事故の予言は?⑦エレックは車に轢かれそうになり、寸前で車は止まる。あの車も運転手も幽霊なのか。【評価】クレアのセラピストとしてのヘタレぶりに減点。二人の恋愛の不自然さに減点。事故原因があいまいなままなのに減点。思わせぶりだけに終始した映画でした。この映画からは、暖かい気持ちは伝わりませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2010-06-10 16:31:58)(良:1票)
217.  バッファロー'66 《ネタバレ》 
【ビリー】父親には反発し、母親とは心が通わない。同級生に好きな女の子がいたが相手にされずじまい。女には奥手。裸を見られたくないなど神経質。酒、麻薬と無縁。愚図のグーンが親友。行動は行き当たりばったり。ボウリングの腕はプロ並。金も無いのに大金を地元チームに賭け大損。その償いで他人の罪をかぶり5年間の禁固刑。両親には結婚し、働いていると嘘。母を思いやる気持ちは強い。女を拉致し、妻として紹介。自分に絶望し、八百長選手を殺して自殺すると計画。 【母】アメフト依存症。ビリーを産まなければ地元チームの優勝場面が見れたのにと悔やむ。子供のチョコアレルギーを忘れるなど子への関心薄い。 【父】元歌手。ビリーの愛犬を殺す。短気。フォークが自分の方を向いているなどと難癖。 【女】まさにムーンチャイルド。踊りはヘタ、頭は悪そう。いつでも逃走できるのに従順。孤独で一人暮らしか。想像力は豊か。男の心を読み取る能力に長けている。風呂に押しかけるなど押しが強い。 【感想】奇妙なボーイ・ミーツ・ガールもの。あんな奇妙な女がいる?自分を拉致したムショ出男を愛するなんて。男は無害とすぐに見破ったのでしょう。愛は奇跡を生みますね。アイデアは秀逸。「あなたは世界一優しい男でハンサム」は優しさから出た言葉。女の愛情が男の殺伐とした心を癒し、殺人を思いとどまらせた。初めて無条件で愛され、ようやく自分の居場所を見つけた男。女の身上が語られないのは残念。人生に退屈しているのは明白。女は彼に何を求めたのか。最初は同情心から。徐々に彼の優しさ、心の弱さ、純粋さを見抜いたようだ。嫉妬も手伝い、母性をくすぐられたのだろう。車の運転できないし、恋には純真で、両親に反発しつつも愛し、粗暴で繊細、まるで子供だもの。女は自分を頼ってくれる人を欲していた。「かわいい駄目さ」は魅力がある。心に傷を持つ者同士は共感しやすい。冒頭トイレを探すシーンはギャグ?それともうまくいかない男の人生の暗示?。リアリティに欠けのが惜しい、いっそミュージカルにしたら。どちらかが自己犠牲を見せる場面があればよかった。四人いるのに三人しか映さない食卓シーンは興ざめ。ラストの銃撃シーンの3Dもどきもインパクト無し。写真は死後両親に送るものだが、誰が送付するのか。それに死ねばすぐに両親に知れる筈。やっぱりかわいいね。今後二人で成長してゆけそうです。
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-10 13:37:38)(良:1票)
218.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 
【男】本来の自分を見失い、強い脱力感。中年の性に目覚め、昔の青春を取り戻したいと願う。筋トレとジョギングで鍛え、いやな仕事を辞めバイト生活。妄想と麻薬でハイ。あこがれていた車と無線カーを購入。家族に本音を話す。心の解放に成功したがその報酬は高くついた。娘と妻から憎まれ、挙句に死。 【妻】娘時代貧乏だったので、人一倍物質的豊かさにあこがれる。心の潤いをなくしセックスレス。常に成功のイメージを持つ。浮気を経験。家庭を壊す夫を殺そうとする。 【娘】会話のない家庭に嫌気。両親を憎む。自分を変えたいと思っている。思春期の情緒不安定、混乱。豊胸手術のお金を貯めている。自分を変えてくれる誰かを欲している。 【娘の恋人】ジャンキーでヤクの売人。ビデオマニア。死に美を感じる。死は神に近づく瞬間だから。父には従順。家を出る決意をする。娘の孤独さに魅かれる。 【大佐】DV親爺。ナチ崇拝者。ゲイを嫌うが、それは自分の中にゲイの素質があるのを抑圧しているため。息子をしごき育てようとする。 【大佐の妻】夫に従順なだけの生活で、生きる屍。 【娘の友】平凡が大嫌い。特別な自分でありたい。モデルを目指す。遊び人を気取っていた少女が実は処女だった。あるいは処女のふりをした。 【感想】死者が語る物語。死後は美のあふれた世界などと死の礼讃ともとれる。ゲイ、不倫、銃、麻薬、酒、暴力、セックスなどの混沌とした世の中、死だけが荘厳で美しく見えるのかもしれない。高度に発達した文明社会への批判。誰が主人公の男を殺すかというサスペンス仕立てにもなっている。冒頭の「父を殺して」と語る娘のビデオがミスリード。DV親爺による勘違い殺人のオチは納得いかない。播いた種は刈らねばならない方式でないと深みがない。アメリカン・ビューティは虚飾の象徴で、妻が庭に植え、食卓に飾ってあるもの。風に舞うビニール袋は自由な魂の象徴。人は失って初めて自分の持っていたものの価値に気づく。男は自分を「既に生きてない」「人生の敗残者」と思っていたが、自分の家庭、自分の人生は幸福なものであったと悟る。妻は夫を失って号泣。娘の友は処女を失いそうになり、初めて等身大の自分に戻る。娘はヤク中の男と家を去るだろうが、一緒になっても幸福にはなれない。大佐は刑務所行き。計算された映像や脚本はよく出来ていると思いますが、病的な部分が多いので好きになれません。
[DVD(字幕)] 8点(2010-06-09 23:36:21)(良:1票)
219.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 
①このような映画はもう作れないかも知れない。監督や演者の映画に対する意気込みが現代と違うのだ。最初に囚人たちが行進するシーンだけでも大変な手間がかかっている。今ではCGで簡単に出来ることが、当時は全て手作りだった。主演二人の演技は迫真を通り越して、神がかりといっていい。役者魂を見せてもらいました。 ②パピヨンは銀行強盗の罪を犯したが、無実である殺人罪で実刑を受けた。社会への反逆心が強く、脱獄に執着するのはこのためだ。特筆すべきは友情に厚いこと。差入れをしたドガを密告せず、命がけでかばった。尋常でない強靭な精神と生命力である。だからこそドガも心を開いたのだ。「誘惑に勝てるかどうかで人間の価値が決まる」 ③驚くべき展開の連続である。海で撃たれる囚人、船内で体内に隠したお金を奪うための殺人、ギロチン、ワニなどに先ず驚かされる。最初の脱獄は、窮地のドガを助けるために監視を殴り、その勢いで脱獄。独房の劣悪な環境。さらに食事半分で、光もない生活。次の脱獄は、用意されたボートが腐っていた。と思ったら、奇妙な刺青をした人物がハンターを殺し、手助けしてくれた。筏で着いた先で、ハンセン病の密輸業が船を用意し、お金もくれた。両者は共にアウトサイダーとして共感するものがあったのだろう。やっと着いたと思ったら、地元警察と鉢合わせ。見知らぬ犯罪者と一緒に逃走。警察と原住民に追われるが、危機一髪で海に飛び降り、なんとか脱出。行きついた先の原住民は穏健でパピを迎えてくれた。かわいい娘と一緒に暮らす平穏な日々。だが彼らはある日いなくなる。商人を殺したことに関係がありそうだ。真珠をもって町へゆき、修道院に紛れこむが、警察に突き出されてしまう。再び5年間の独房生活。その後島流しに遭い、ドガと奇跡の再会。椰子の実の袋で潮流に乗り、脱出成功。 ④「バカ野郎!俺は生きてるぜ」と叫ぶ。自由を勝ち取ることが彼の存在証明なのだ。「自分は既に死んでいる」「人生を無駄にした罪で有罪」という自覚があるため、人間らしく生きる=自由になることに挑戦し続けたのだ。諦めることは死んだも同然なこと。どんな逆境や困難にも決して諦めない彼の生き方には共感できる。 ⑤冒頭の行進シーンで「パピヨンきっと帰れるわ」と声をかけた女性がいた。あの女性の正体は自由の女神だったのだろう。14年もかかったが、蝶は自由になった。
[DVD(吹替)] 9点(2010-06-08 00:30:37)(良:1票)
220.  デッド・フライト 《ネタバレ》 
ツッコミましょう。 ①研究所の一人が誤って感染してしまい、彼女を救うために箱に封じ込め、極秘にパリに運ぶ途中の出来事。でもパリに入ってからどうするか決まっていない様子。だったらパリに行く必要がないと思うが。国内に潜伏すればいい。②ゾンビを閉じこめる箱がロックされていない。内から出れないように厳重に施錠する筈。 ③殺さないから出てこい、といって撃つのが卑怯。 ④死者が生き返るウイルスと説明があったが、人間を襲って食ったり、強くなる説明がない。ゾンビ同士で殺し合いはしないの?完全に食べれらちゃう人とゾンビ化する人がいる。大量失血したら動けなくはずだが。 ⑤血液感染するはずなのに、生存者の中に咬まれてもゾンビ化しなかった人がいる。 ⑥武器になりえるパターは飛行機に持ち込めない。タイガーウッズに似すぎている。パターで首は飛ばない。 ⑦問題について協議するペンタゴンの役人の人数が少ない。管制塔の従業員も数が少ない。そもそもジャンボジェット機なのに乗客が少ない。CAも少ない。 ⑧トイレの鏡の壁を破ってゾンビが飛び出てくる ⑨床を破ってゾンビ両腕が飛び出てきて、あたかも眼があるかのように人を捕まえる。 ⑩銃を乱射しても飛行機の壁に穴が開かない。 ⑪金玉撃つより脳を撃て。 ⑫戦闘機は撃墜命令を受けているのに、生存者がいるからと勝手にミサイルを爆破させた。 ⑬人間を乗せた椅子がぶつかっただけで戦闘機が爆発炎上。 ⑭生き残った人たちは不思議とゾンビのことを全く気にしていない。のんびりムード。
[DVD(字幕)] 4点(2010-06-07 09:51:43)
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