221. デモリションマン
《ネタバレ》 細かい突っ込みはいろいろとありますが、そんなことはもはやどうでもよく、スタローンとスナイプスの筋肉超人vs格闘超人の闘いというだけでとにかく熱いです。 スタローンは相変わらずな役で安心、スナイプスもひょうきんだけど実はむちゃくちゃ強い凶悪犯を好演していて楽しいです。まあ凶悪性はあまり感じられませんでしたが、それがこの人の味ですし。 しかしお互いネタにし合っているとはいえ、州知事になっちゃったシュワちゃんが“大統領”として説明されているくだりは、あのころのあらまだしも今なら有り得そうで怖いです(笑) そして、さりげなくジェフリー・ダーマーまで冷凍されていたとは…。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-31 00:47:19) |
222. ザ・フライ2/二世誕生
《ネタバレ》 これ単体ではそれ程悪い作品ではないと思います。 ボーイ・ミーツ・ガールあり、わんことのささやかな友情物語あり、必死の逃走劇あり、そして阿鼻叫喚の大虐殺あり…。 しかし名の知れた作品の続編という時点である程度過度の期待を寄せられるわけで、無理とは判りつつ観てしまうのです。 厳重な警備下の筈の区画なのにちびっ子マーティンがいとも簡単に潜入できたり、テレポッドが本来の用途からかけ離れた用途で悪用されそうになっていたり、後半にいたっては単なるモンスター映画と化しているも…。 まあ、わんこの伏線が活かされていたのは嬉しかったですが。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-30 04:50:38) |
223. ザ・フライ
《ネタバレ》 クローネンバーグの作品として考えれば特に普通の作りをしていると思いますが、オリジナルが古典的なホラーというかミステリーの手法だったのに対しこちらは徐々に変身をしていく博士の心境や身体的変化を丁寧に描いており、また別の傑作になっております。 無論、特殊効果は単なる被り物にしか見えなかったオリジナルと比べれば雲泥の差、しかし安易にすべて見せてしまうのではなく、究極の変身は終盤という描写は、最後の最後で蝿男の頭が出てくるオリジナルと同じく衝撃度抜群。やはりここがちゃちにならない理由でしょう。 嫌悪感を抱く人もいると思いますが、これで嫌悪感を抱くということはある種の褒め言葉でしょう。でかい蝿を見て尚何も感じない人なんていないだろうから…。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-30 04:38:34)(良:1票) |
224. 蝿男の逆襲
《ネタバレ》 前作がカラーだったのに対し本作が白黒という時点でもはやトホホな線が有力になってくるわけですが…。 強引なこじつけですが確かに前作の続編、ということは間違いないんですが、娯楽要素に走りすぎたのか聊か質が落ちています。 皆様仰るとおり蝿の特撮だけはパワーアップしているのですが、ここぞという時に登場させていた前作違いほぼ出ずっぱり、そして自分を陥れた連中を殺しにうろつくって「蝿男の恐怖」の続編というブランドネームがなければ本当にただのB級ホラー映画です。 そう考えると、わざわざ物質転送機に蝿を入れたのはもはやこじつけとしか思えません。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-30 04:20:14) |
225. 蝿男の恐怖
《ネタバレ》 蝿の頭は今見るとやはりどうしてもそこらの玩具屋で買ってきたかのような安っぽさが拭えませんが、問題の蝿男が終盤まで殆ど画面に映らないとことであまり気になりません。 むしろ、蝿男のもたらす恐怖ではなく実験の失敗によって自分の身に起きた異変に対する脅威、恐怖という設定、そして冒頭で物語の結末を提示し、そこから何が起きたかを究明していくミステリーの手法共々、特殊メイクによって阿鼻叫喚の変身シーンを見せ付けたクローネンバーグ版とはまた違ったスリルがあります。 そして、人間の頭に摩り替わった蝿が叫ぶラストも、冷静に観れば滑稽ですが、なんともいえない余韻を残します。 古きよき怪奇ホラーに7点。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-30 04:13:43)(良:1票) |
226. エクソシスト/トゥルー・ストーリー<TVM>
《ネタバレ》 最初にテレビ放映で観た時はつまんねーと思いましたが、先日久々に観返す機会があって観返してみると、そこまでつまらない作品ではないとの印象を受けました。 確かに、元祖エクソシストのように憑依された子どもがグロテスクに変容したり、マックス・フォン・シドーのような威厳もティモシー・ダルトンからは感じられませんが、戦争体験によるトラウマを抱えた神父、 カトリック教会の近代化を図る大司教様、それゆえ悪魔祓いには否定的、 悪魔祓いの記録を文献で当たり、それに基づいて悪魔祓いを取り行う、 と云った点を描くことにより、現代的に解釈されたオカルトものとして観られます。 まあ、子役に鬼気迫るものがないだとか、前半から超常現象飛ばしすぎとか、演出に崇高な雰囲気がないというか淡々とし過ぎているとか単に偏屈な親に注目してほしいがための行為と取れなくもないだとか色々と挙げればキリがありませんが、 元祖で感じられた、「そもそも何で管轄外のカトリック教会が乗り出してくるのさ?」という違和感を本作では感じられなかったので、この点数で。 [地上波(吹替)] 6点(2011-03-24 03:59:54) |
227. 続・猿の惑星
《ネタバレ》 前作の人間性を問うような作品から、冷戦の影響などからか、平和と云う名の大義名分の下の侵略、戦争行為を皮肉った作品へとシフトチェンジされています。 流石に前作のインパクトがあるせいか、旧地下鉄構内跡を発見し地球だと判明する場面はやや衝撃度に欠けたり、 前作のラストで異端審問にかけられたジーラとコーネリアスは刑期終わったの?とか、旧人類の遺跡発見してもゴリラたちがほぼ無反応… 等といった点が気になりましたが、続編としてはしっかりとした見せ場もあり、結局は平和の名の下のも大量虐殺しかできない、ということを痛烈に感じられたので、及第点以上ではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-24 03:28:18) |
228. 猿の惑星
《ネタバレ》 数年ぶりに再観賞。 もはやその有名すぎるオチにより前情報なしの観賞は不可能に近いですが、オチを知っていてもやはり傑作は傑作だということを証明してくれる作品の一つだと思います。 今までの世界がすべて逆さまになっていて、支配する側から支配される側に落ちるというもどかしさ、絶望感。 害獣による被害や、動物実験の是非、真理の探究と異端審問といった人類のこれまでの歴史の縮図。 そして、それらすべての現況が結局はすべて人の業であるという痛烈なラスト、及びザイラスの最後のセリフ等、舞台設定やストーリー展開などを含め今見ても痛烈な社会批判とエンターテイメント性に満ちた作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2011-03-24 03:17:40)(良:1票) |
229. アイランド(2005)
《ネタバレ》 冒頭の“近未来”の造形は無機質でなかなか素晴らしく、クローンは人間か否かというテーマや派手なアクションなど、見応え充分な作品ではあるのですが、前半部分が少々情報過多になっている気がして、“生存者の正体”や虫の発見、“アイランドの事実”と云った印象的であろう場面がどんどん過ぎ去っていく気がします。 まあアクションが売りの映画+予告で半分ネタばれしているような作品だったらしいので突っ込んでも仕方ないのでしょうが。 打って変わって中盤以降の逃走劇は少しくどいかなぁと思ったり。ただ後半になるにつれてまたスリルが増してきて巻き返し、と云った感じですが、何故彼女を捕獲した時点で身体検査をしなかったのか等、雑な部分もチラホラ。 終盤の余韻がよかっただけに、あと一歩と云ったところでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-22 02:24:50) |
230. ブレイド(1998)
《ネタバレ》 2011年の時点で映画が3作品作られている中で本作が一番面白いのはまあ言わずもがなですが、元々がマーベルコミックス原作というらしいですが観ているうちはそんなこと一切気にせず楽しめました。 言われてみればブレイドのキャラ設定や武装だとかバンパイアたちの地下社会の構図だとか、漫画的な部分は随所に感じられますがそんなことより黒のロングコートにサングラスで剣や銃をブンまわすブレイドが最高に決まっていて爽快感抜群です。 アクションについては、近年の作品から比べると標準的という感じもしますが、演じるウェズリー・スナイプスが本物の武道の達人なので技の切れは全然違います。 確かに、絶対無敵のはずの地の神マグラがあっけなく倒されてしまうなど、後半にかけてやや尻すぼみな感もしますが、全体的には結構いい作りをしているのではないかと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-22 02:02:35) |
231. ダークマン
《ネタバレ》 漫画オタクライミ監督が撮った、コミック原作でないにも関わらずどこまでもアメコミ調のアクション・ホラー…SF? とにかく、設定がよくあるコミックヒーローのようなものですが、オタク監督である彼の事ですから、一癖も二癖もあります。 感情が爆発したときの演出はコミックを彷彿とさせるものですし、内容的には何方かも指摘されていましたがオペラ座の怪人、またはファントム・オブ・パラダイス(そして個人的にはフランケンシュタインの要素も少し加わっているのではないかと思います)と云った往年の作品にもオマージュが捧げられているように思えます。 また、元々心に葛藤を持った人物を描くのが上手い人ですから、そうした事も手伝って、笑いから狂気、または悲愴への転換がとても上手いです。 ま、B級であることには変わりないんですが、実はアクションが結構派手だったり、独特な世界観だったりと、近年彼が監督したスパイダーマンとはまた一味違う良さを放っています。 敢えて言うなら、死霊のはらわた至上主義者な自分としては、こっちの方が好みなんですが。 [DVD(字幕)] 8点(2011-03-22 01:47:04)(良:1票) |
232. 狼男アメリカン
《ネタバレ》 同年に公開された「ハウリング」と何かと比較されがちですが、とにかく、リック・ベイカーによる狼変身シーンは圧巻。 近年では「ウルフマン」でも仕事をしていますが、この時代の特殊メイクが自分には肌に合っているようで…。 物語は、冒頭は正統派ゴシックホラーの趣ですが、舞台をロンドンに移してからはどちらかといえばブラックユーモアを交えた作風になります。 登場する度に腐敗が進んでいく友人や、主人公に殺され、亡霊となってこの世をさ迷う羽目になった犠牲者たちが一堂に会す場面はなんともいえない場面です。 全般的に、それ程じめじめしない物ですが、テーマは結構陰気、そしてラストシークエンス(ロンドン市内でのクラッシュは結構見ごたえあり)で一気に現実に突き戻されるように唐突に終わるので、もう少し余韻を大事にしてほしかったですねぇ。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-20 02:33:55) |
233. ゴースト・ハウス(2007)
《ネタバレ》 皆さん仰るとおり、邦題ゴースト・ハウスに対しこの原題ですので観る前に半分ネタばらしをされているようなものです。 編集が平坦、というより、(モノクロのクレジットではなく)冒頭から超常現象が起こったり音響で驚かせる手法をところどころ使っているので、いざそういった場面になっても緊張感がまったく感じられません。 鳥やらポルターガイストやら、色々とオマージュしたであろう場面が出てきますが、それ程見所になってはいません。 まあ、ひまわり畑と、ジョセフ・ロドゥカの牧歌的な音響はそれなりに効果を発揮してはいましたが。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-20 01:49:07) |
234. サイコ(1998)
《ネタバレ》 元がサスペンス映画の最高峰だけあってこれを再映画化するのは相当な勇気が要ったでしょう。もっと云えばこれをリメイクできるということは相当な誉れなのかもしれませんが。 で、実際内容としては、「悪魔のような女」のような改悪はないにしても現代的な解釈もなく、最後にライラの一発が加わるだけで(あとは館の外観が違う)ほぼオリジナルと一緒です。 カラーになってとっつきやすくなった分、オリジナルが放っていた白黒の不気味さ云々がすべてなくなっているように思えます。登場人物については、言わずもがなでしょうか。 元々完成度の高い作品だけに、外れもしませんがリメイクの域は脱していません。まあ当然といえば当然なのでしょうが…。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-20 01:36:11) |
235. ロックンロール・ハイスクール
《ネタバレ》 低予算映画で有名なロジャー・コーマン製作総指揮っつーことで、とりあえず物凄く肩の力を抜いて観るのが正解。 ラモーンズが出ているというだけでファンには必見の映画かもしれないがそこを取れば普通のロック映画。 主人公を女の子にしてバカ要素を120パーセントくらい入れると出来上がるような作品。 トンでも設定も多数あるが、前半写真だけで出てきたロックネズミが後半しっかり実物が出てくる芸の細かさはある意味関心。 何にも考えないで映画観たいときには最適かもん。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-14 02:37:20) |
236. カプリコン・1
《ネタバレ》 他の方もご指摘の通り、アポロの月面着陸偽装問題を彷彿とされるストーリーですが、それをゴシップのネタ止まりではなくしっかりと一級のサスペンスに仕上げたところがすばらしい。 前半はNASAの威信をかけて、カプリコン1号の火星地表着陸映像及び船内通信を偽造するというSFの形を借りたサスペンス調で話が進み、中盤より、計器の数値及び船内映像の些細な違和感から調査を始め、真実に迫る記者、機密漏洩を防ぐために追われる身となった3人の宇宙飛行士を交互に描き、後半、事態が収束し、圧巻のスカイ・チェイスへとなだれ込む構成は観ていて非常に魅力的。 確かに、記者を追う政府の手が若干手ぬるいような印象を受けたり、追われる3人の宇宙飛行士の場面になると若干トーンダウンしてしまう気もしたが、何より、実際にありそうな(そして大センセーションである)国家の陰謀をここまでスリリングかつエンターテイメント感満載で描いたことがすごいと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2011-03-14 02:01:29) |
237. 第七の予言
《ネタバレ》 この題名、そして黙示録というテーマということで、「オーメン」のようなオカルト映画を期待してみると見事に外れます。 ハイチの海での魚の死や、イスラエルでの雪に閉ざされた村など、前半、というより冒頭はかなりいい雰囲気を出しているのですが、デミ・ムーアが出てきてからは現代劇になってしまい、少しトーンダウンします。 それでも、デミが真相に迫るシーンと黙示録の予言が交差する作風はなかなか緊張感があるのですが、その予言自体の描写が小ぢんまりしたものに見え、どうにも終末観が伝わってこないのも事実。 最大の欠点は、日ごろから新旧の聖書及びキリスト教の教義に触れる機会が少ない我々にはあまり実感がない、というところでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-12 21:18:21) |
238. 地球最後の男
《ネタバレ》 現代風にローカライズされたリメイク作「アイ・アム・レジェンド」を観てしまうとどうしても展開のかったるさが目に付いてしまいますが、雰囲気や物語展開などはオリジンだけあり流石によくできています。 特に、ロメロ作品の原型になったと思しき、夜の民家に集まる吸血鬼の不気味さはモノクロの画面も相まってことさら不気味に見えます。 まあ、設定は、伝性病の蔓延による終末ものと云ったモダンホラーと吸血鬼ものの古典ホラーの中間といった感じで、取りようによっては中途半端なものにも思えますが、ほかのリメイク作とは違い、原作通りの“伝説”のニュアンスを表現した作品として、色々と考えるところの多い作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-12 17:00:26) |
239. ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間
今から考えれば演奏はダラダラ&荒削りなものばかりで、今の音に慣れたロック・ファンには少々辛いところだと思うがこれが本物のロックだと思う。そもそもこの時代の音楽は全て社会の文化と一体のものであり、彼らミュージュシャンが社会に対して示したかった生き様そのものだったからである。「愛と平和」というのは確かに幻想に過ぎないのかもしれないが、この時ここ(ウッドストック)には確かに「愛と平和」が溢れていた。そして、音楽によってあらゆる人々が一つになった。当時のヒッピー文化を知る上ではやはり避けては通れないものだと思うし、サンタナやジャニス・ジョプリン、大トリをつとめたジミ・ヘンドリックスなど往年の大スター達の勇姿も見られるのでまさに一石二鳥。全ロックファン必見である! [DVD(字幕)] 9点(2011-03-11 03:26:59)(良:1票) |
240. ゾンビランド
《ネタバレ》 それこそゴミくずのような作品が無尽蔵にあるゾンビ映画の中にあってこれは意外とよくできた方。 しかもともすれば人体破壊見本市のような修羅場の映像集になりがちな(もしくはそれだけ映しておけばよい)この類の作品にのなかにあって、決して残虐描写のみに逃げず、王道ではあるがしっかりとした物語と一般人にも観賞可能なゾンビ映画に仕立てた点は評価できます。 ただ、生き残るためのルールが、いまいち使いきれていないように感じました。 確かに、内容自体はゾンビ映画の「あるある」なのですが、↓六本木ソルジャーさんの仰る通り、それを逆手にとって徹底的に笑いに転じるか、もしくはルールを守る者、守らない者の対比を描き、徹底的に有効性を取って頭でっかちさをアピールさせるか等の描き方をすればなおよかったのではないか、と思います。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-11 03:22:28)(良:2票) |