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241.  インソムニア 《ネタバレ》 
インソムニアは英語で不眠症の意味。ドーマーはフランス語で眠るの意味。そんなシャレを考えている暇があったら内容をちゃんと考えて欲しいものです。 ◆メインの事件は、女子高生が殴り殺された殺人事件。連続殺人や猟奇殺人でもないのに、何故ロスの名刑事が応援にアラスカまで出張するのか疑問です。この事件が面白くないので盛り上がりません。事件が単純すぎます。髪を洗い、爪を切るなどして証拠を消してからゴミ捨て場に放棄。被害者バッグは殺害現場に放置。動機は笑われたから殴った。証拠から犯人に至るのではなく、おびきよせる。推理要素が薄く、名刑事の出る幕はなさそうです。 ◆もう一つの事件は名刑事の証拠捏造に関係。殺人事件が発生し、名刑事は犯人が一目で判ったが証拠がない。そこで死体から血液を盗みだし、犯人の服につけた。でもね、死後5日以上も経っている死体から血液は採取できません。完全に凝固してますから。それはともかく、名刑事は内務捜査班の嫌疑を受ける。相棒刑事は名刑事の捏造を知っていて内務捜査に協力する予定。名刑事もそれを把握。でもね、秘密裡の捜査ですから、名刑事がそれを知る筈ないんですが。又そんな二人をどうして組ますのですか?ロス警察はアホですか。それもさておき霧の中名、刑事は相棒刑事を誤射してしまう。そして真相発覚を恐れ、またしても証拠捏造をする。 ◆そこへメイン事件の犯人から電話。目撃した証拠捏造を黙っていてやる代わりに、被害者の彼氏を犯人に仕立てよ、という取引です。眠れなくなる名刑事。取引の内容のテープは録音されているし、犯人は勝手に凶器の拳銃を彼氏の家に置くしで、結局冤罪逮捕される。しかし天網恢恢疎にして漏らさず。女刑事が名刑事の捏造の証拠の薬莢を発見。のこのこ犯人の家に出かけて監禁される。名刑事は全てを白日に曝す決意をして犯人の家へ。あとはご都合主義の展開。女刑事は造作なく脱出に成功。名刑事と犯人は相撃ち。女刑事が薬莢を捨てようとするのを名刑事は止めて「道を見失うな」◆道を失っているのは脚本だと思います。犯人が女刑事を監禁する必要がないでしょう。犯人のキャラの掘り下げ不足。性悪な極悪連続犯人で、将来も罪を重ねるような性格づけにしないとバランスが悪い。そして知能犯にすべき。悪人が狡知であればあるほど名刑事が光るというものです。あー、言いたいことが言えたので今日はぐっすり眠れそうです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-09-19 17:05:29)
242.  Mr.&Mrs. スミス 《ネタバレ》 
娯楽コメディ映画としては人を殺しすぎ。銃社会に生きているとこういう演出が平気になるのか?
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-16 22:24:23)
243.  刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM> 《ネタバレ》 
刑事が鬼の首を取ったように断言する「フィルムが切れたせいで映写時間が伸び、犯人のアリバイが成立しない件」は、本人が意図的に巻き戻したとすれば説明がつく。例えば、再び見たい部分があったとか、トイレに行っていたとか、うとうとしていたとか、言い訳はいくらでも可能。詰めにキレが無い、というかバカバカしいほどだ。裁判で一蹴されること請合いである。物証なら硝煙反応のついた犯人の手袋。 ◆犯人は認知症なので、責任能力はなく、逮捕しても起訴は不可能。記憶を喪失する病気で、余命二ケ月となれば万人の同情を買う事必死である。友人がかばって犯人の名乗りを上げるのはわかるが、寄り添ってあげた方が親切かもしれない。◆犯人の夫はいつ妻グレースの病気、動脈瘤のことを知ったのか?知っていたのなら医者なのだし、当然治療に専念させるべき。知人たちにも内内に話し、妻がゆめゆめ舞台復帰など本気で考えないように差し向けるべきではなかったか。少なくとも妻のパートナーには打ち明けるべきでしょう。又本人に告知するという選択もあった。世界一周の旅を計画していたそうだが、病気のことを思えば論外で、妻の舞台復帰をやめさせるための方便と推量される。それにしても妻が重篤というのに、ユーモア冒険譚「マクトウィグ夫人の変身」をわざわざ求めて読むなんて、どういう神経をしているのか。◆グレースは帰宅してすぐに睡眠薬をくすね、運動しやすい黒服に着替えた。その時すでに夫殺害の意志があったのは確実。それならあらかじめ車庫から拳銃を持ちだしておけばよかった。これも脳障害の影響?◆犯行動機は表面上「舞台復帰を反対する夫を殺害し、資金を調達するため」だが、認知症のためどこまでが本気で、どこまでが妄想なのか判断できない。しいて動機を忖度すれば、スターだった若く輝かしい日々への過度の憧憬と脳の病気が重なり、自己中心的な考えに憑りつかれたというところか。それで愛する夫を殺害してしまったのだから、悲劇である。翻って犯行はアリバイ考察、拳銃による自殺偽装と非の打ちどころがなく、用意周到さを窺わせる。このあたり脚本の矛盾を感じる。咄嗟的で幼稚な犯罪だったが偶然の産物により、プロと見まがう犯行に見えるようになったとする展開ならリアリティが増しただろう。◆二ヶ月は持ちこたえてみせる⇒三日程度。◆木を伝うシーンは二人ともスタントマンが行っている。残念。 
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-31 21:27:16)
244.  刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM> 《ネタバレ》 
妻の色仕掛けでプロデューサーを籠絡し、マクベス公演を実現させるとはさもしい俳優夫婦です。相当おちぶれていたのでしょうね。その割には良い暮らしぶりですが。 ◆被害者であるプロデューサーは明日初演の公演を中止させるとわめくが、それならこそこそ誰にも見られずに楽屋裏からやってくる必要はないと思う。 ◆女優の投げたクリーム瓶があたっただけで死ぬのは不自然。心臓発作か? ◆楽屋番の男は、女優の楽屋に置いてあった被害者の高級傘を何故自分のものと間違えたのか?女優の楽屋に自分の傘を置いておいたのか?それに傘は入口の傘立てに置くものと思うが、あのホールには傘立ては無いのか?イギリスでは部屋の中に傘を持ち込む習慣があるのか?刑事はどうして傘が部屋にあったと考えたのか? ◆被害者はどういう方法でホールまでやってきたのか?歩きでは無理な距離。車は家に置いたまま。タクシーを利用したのか?それならタクシー運転手が名乗り出ると思うが?執事の話では被害者宅付近では雨は一滴も降らなかった。が、車には雨の跡があった。勘案すると被害者は自分で車を運転したことになる。そして車は犯人が元に戻した?細かいことを言えば、車体に雨の跡があったというが、それは埃などがつもった車体の話であり、毎日洗っている車に雨の跡など付かないと思うがどうだろうか? ◆階段から転落したと思われる被害者のポケットの老眼鏡が壊れていなかったことが事故死を疑うきっかけとなったが、老眼鏡はそんなに簡単に壊れるものではないだろう。死体は仰向けに倒れているのだし。 ◆なぜ長年脇役専門だった俳優夫妻の蝋人形ができてるの?さんざんモデルをやらされたと女優が言っているが、舞台で主役を務めたのはつい数日前。舞台の影響はそんなに大きいのか? ◆被害者の蝋人形は何故傘を持っているの? ◆最もロンドンらしいと感じたのは、パブの中が中流階級用と労働者階級用とに仕切られていたこと。そして上流階級の憩うクラブ。高級感あふれる室内、天井は高いし、ティーセットは豪華。階級社会を垣間見た。 ◆執事が夫婦を恐喝するのは絶対にコロンボの仕込みと思ったが違った。長年仕えた主人を殺した犯人に仕える気分はどうだろう? ◆刑事のスーツケースが一週間も経ってから見つかるのはなぜ? ◆刑事の傘のトリックは自白を引き出すためのご愛嬌。二人も殺しているのだから仕方が無い?
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-31 11:50:06)
245.  刑事コロンボ/美食の報酬<TVM> 《ネタバレ》 
事件のあったレストランで、コロンボが犯人と初対面する場面でゴッド・ファーザーのパロディをしている。遊んでますね。◆あの魚は河豚じゃなくてハリセンボンで毒は無い。◆被害者があのワインを飲むとは限らない。犯行方法が杜撰。◆犯人は有名人で金はあったはず。レストランを脅してまで金を取る必要があるのか?◆警察は組織で動いているので、刑事を殺しても意味はないと思うが、どうだろうか?刑事の態度と風貌のせいで、たった一人でぼんやり捜査しているように見えてしまうのだろうか。状況証拠のみで物証がないのに、わざわざ物証を持って出かけてゆく心理がわかりません。◆被害者が厨房の引き出しをバタンバタン開け閉めしたのは何故だろうか?小切手の控のありかを知らせているのなら締める必要はないはずだが。あんな場所に無造作に置いておくのも無造作すぎる。◆犯人は最後の対決シーンでワインの栓抜きを取り替えた。抜け目なく栓抜きに印をつけておいたコロンボにバレてしまったのだが、どうしてすぐに栓抜きを元に戻さなかったのだろうか?いくらでも隙はあったはずである。それにあの場合栓抜きなど使う必要もなく、直接ワインに毒を仕込むことも可能だった。◆栓抜き(ワインオープナー)はガス噴射式のものだろう。針がコルクを貫通して、ガスを送り込み、内側からコルクを持ち上げるもの。その知識がないとトリックがわからない。「CSI」だとCGを駆使して微に入り細に入り説明するが、コロンボシリーズでは口頭で説明するだけ。◆刑事はカートリッジが怪しいと睨み、鑑識に検査を依頼する。でもどうして針を検査しないのか?そもそも机の上にあった料理に関係するものは全て持ち帰り、鑑識に通すのが常道である。それなのに料理を作った調理人は容疑を晴らすため料理を食べまくり、コロンボも食べる。ワインオープナーは持ち帰らない。こんな杜撰な捜査がありますか?だから犯人は翌日やってきて栓抜きを交換できた。◆刑事は犯人が警察から被害者が毒で死んだと聞いて、医者にも行かず、まっすぐ店にかけつけてきたので怪しいと気づいたと高言する。しかし警察から詳細を聞かされているはずもなく、1時間以上も経過しており、それで体に異常がなければ医者になどいかなくて普通だろう。料理評論家であれば普通の人より中毒などの知識、経験も豊富であるはずだ。◆何故銀行員が刑事にケーキを出すんだ。
[DVD(吹替)] 6点(2011-07-31 00:47:02)
246.  刑事コロンボ/自縛の紐<TVM> 《ネタバレ》 
被害者の紳士靴が紐を結んだままロッカーにあり、 運動靴には誰かに結ばれたとわかる結び目。 これが被害者が何者かにより運動着に着替えさせられた動かぬ証拠であり、犯人しか知りえない秘密。 何故なら被害者はたった一人でオフィスに遅くまで残っていたのだから。 一方で犯人のアリバイ工作。 犯行後自宅に戻った犯人は、被害者の録音テープを使って自宅の別の電話にかけ、電話に出た秘書にその時点で被害者は生きているとみせかける。だかここで犯人は決定的なミスをおかす。「運動着に着かえてトレーニングしているそうだ」などと、客に余計な一言を加える。 捜査により、被害者が何者かによって運動着に着替えさせられた事実が判明した時点で、犯人が明らかになる。鮮やかで爽快感のあるエンディング。 犯人は墓穴を掘ったわけだが、被害者も墓穴を掘っているようにみえる。 まだ不正経理の調査が終わってないのに犯人に内容をぶちまけ、罵詈雑言を浴びせ、集団告訴すると脅している。そして今日から会社にたった一人残って調査を続けるとも。これじゃあ殺してくれと頼んでいるようなもの。普段には電話の会話を録音させている用心さはどこへいったのやら。 それにそんな調査は専門家にまかせればよいのに。後悔先に立たずである。 性急な行動が死につながった典型的な例。 原題「an exercise in fatality」は「死のエクササイズ」。これは「exercise in futility」(無益な行い、徒労)の語呂合わせだろうか。「無益な行い」は被害者にあてはまりそうだ。 ミステリーとしてはシンプル、1ボディ(死体)、2トリック。大部分は刑事のコミックショー。
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-30 19:12:47)
247.  刑事コロンボ/逆転の構図<TVM> 《ネタバレ》 
ユーモア・ミステリーとして秀逸。ユーモアは、教会の救済所で浮浪者に間違えられたり、灰皿がなくて葉巻の灰をポケットに落とすところなど傑作。 【疑問】 ①「良く練られた計画殺人」の筈なのに、事件当日に奥さんを待たせて、暗室で1時間もかけて脅迫文を作っていたのは何故だろう?わざと奥さんを怒らせているとしか思えないのだが。 ②そもそも殺人動機が不明確。性格の不一致で離婚すれば済むのに。それに夫婦不和は、犯人の浮気が原因では? ③犯人は共犯者の借りているモーテルの鍵をどうやって入手したのか? ④モーテルで共犯者のカメラを盗んだのは犯人。そのカメラで誘拐写真を撮る必要があったから。でもそんな手のこんだことをする必要はないだろう。普通に返してもらえば良いのだから。 ⑤犯人がモーテルに入ったときの鞄は黒だったのに、廃車場では茶色に変わっている。鞄の中には紙幣も入っており、代える理由が不明。 ⑥犯人は共犯者との約束の時刻にどうして30分も遅れたのか? ⑦犯人は共犯者に脅迫状を見せて巧妙に指紋をつけさせるが、元となった新聞にはつけていない。少し考えれば脅迫状に指紋をつける犯人などいないのだから、逆にすべきだったのだ。カメラには共犯者の指紋がついている筈で、これは正解。 ⑧刑事が共犯者の周囲を洗わないのはどうしてか?洗えば、簡単に犯人と交友関係が出てくる筈。また金の出どころも洗わないのはどうしてか?農場など買えるお金がある筈もないのだから。それに農家を買うお金があれば誘拐など行う必要がないので不自然さに気づくはず。農家を買ったのにモーテルに住んでいるのも変である。死体を始末しないで放置するのも不自然。普通は隠す筈。 ⑨殺害部屋は太陽光が差し込んでいるので影で時間のトリックが判明すると思う。 ⑩刑務所の写真集なんてあるの?肖像権の問題があるはずだが。 ⑪最大の欠点は死体がすぐに発見されるように仕組んだこと。どこかに隠せば、死体無き殺人で、捜査は困難を極める。 ⑫刑事の仕掛けたトラップは証拠としては弱い。プロカメラマンであれば、印画紙からそれを撮影したのはどのカメラか、ある程度察しがつくのではないか?あのカメラは特殊で、その場で印画できるタイプであり、メーカーも限られているだろう。
[DVD(吹替)] 6点(2011-07-28 01:25:41)
248.  刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM> 《ネタバレ》 
犯人に高い知性が感じられない。いつもおどおど、いらいら。こんな犯人なら捜査はラクだ。脚本も穴が多い。 ・犯人は奥さんが死んだのを確認しない。初歩の初歩でしょうよ。それに背後から絞殺というのも解せない。 ・遺体は翌日メイドが発見したはず。重要参考人なのに全く登場しない。 ・愛人と打ち合わせをしてあるにも関わらず、前日のパーティの夜に愛人の家に密会するのは合点がいかない。電話の記録を調べられれば愛人関係がばればれ。 ・犯人は奥さんにいきなり翌日の海外旅行を持ち出すが、普通は簡単に承諾するとは思えない。もっと計画的にしなさい。 ・妻が自宅で殺されたとしたら、先ずは夫が疑われる。離婚話が出ていたのならなおさら。通り魔の仕業と思われる犯行場所を選びなさい。 ・想定の犯人の侵入口はどこから?高層マンションだよね。 ・殺人未遂事件なのに、殺人課の刑事が調べてる。 ・コロンボは犯人が旅行から家に帰ったときに無言だったのが不審と主張するが、不審とは思えない。それをいうなら一度も電話してないことを指摘すべきだろう。喧嘩していても、いつ帰るかぐらいは電話する。 ・飛行機の喧嘩によるアリバイ作りだけど、愛人が若すぎてバレバレでしょ。スチュワーデスに何歳くらいでしたかと聞けばすぐわかる。それにパスポートの写真と会わないはず。監視カメラもあると思うけど。それに奥さんは友人に旅行をとても楽しみにしていると話しているので、喧嘩別れは整合がとれない。 ・宝石や銀の燭台を大量に持ち出しているけど、入国検査でひっかかるのでは?宝石は捨てずに燭台は売ればよかった。別のものを盗品申告すればバレないのだから。 ・愛人は大部屋女優なのに高台の豪華な一軒家に住んでる。 ・俺が犯人だと名乗り出た男の取り調べに、真犯人が同席するのはどうしてもおかしい。 ・最後の告白だけど。犯人が「愛人のことを愛していた」と言ったらどうなった?コロンボがそこまで読んでたのかな。それに警察と愛人が死んだ芝居をするなんて、違法捜査でしょ。それに犯人が現地にいかなければどうしたの?ワナとしてはうまくない。警察がそんなことしちゃだめでしょ。推理で勝負すべき。 
[DVD(吹替)] 6点(2011-04-16 13:20:59)
249.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
【世界観】納得できない点が多数。世界観が分りづらい。人類に生殖能力がなくなったらしいが、どうして英国以外の国は崩壊してしまったのか。作物が収穫できなくなったわけでもないのに。まさか民衆が絶望して暴動を起こしたのか。何の目的で?主人公の勤めている官庁ではネットがあるが、どうして一般社会で情報(ヒューマン・プロジェクトなど)が伝わらないのか?ケータイは無いのか?反政府組織は、政府が難民を受け入れないのに反対しているだけなのか。どうして一般市民を爆弾テロに巻き込んで殺すのか?それでいてボスであるジュリアンは、平和主義的すぎるという理由で仲間から殺される。 【不妊】人類が同時に不妊になる筈が無い。ウイルスであれ、放射能であれ、影響の及ばない地域がある。あり得ない設定にするのなら、それらしき理由を提示せよ。人類は全力を上げてその原因を追究した筈である。クローン技術はどうした? 【赤ん坊】あんな簡単に赤ん坊は産めないと思うけど。18年ぶりの赤ん坊は人類の宝物。全女性不妊の原因解析にもなるだろう。主人公ファロンは、従兄弟が政府高官という強力なバックグランドがある。実際に通行証も入手している。どうして政府に保護を求めないのか?電話一本で済む話じゃないか。危険を冒してまで、実態も知らない組織に渡す理由が無い。マスコミに知らせるという方法もある。◆反政府主義者はどうして妊娠中のキーの乗っている車を襲ったのか?ジュリアンをを殺すのならいつでもチャンスはある。そもそも彼らはどう利用しようというのか?◆赤ん坊を見て感動を露わにしていた兵士たち。どうして赤ん坊を保護しないのか。最重要任務じゃないか。感動は嘘だったのか。赤ん坊の父親は無視で良いのか。父親も人類にとって重要なのだが。 【カメラ】長回しの失敗例。俳優の横に、こうカメラマンが立って、次はこう向きを変えた、とかが分ってしまうので映画に集中できない。カメラは神の目線なのに、血糊が付くのはおかしい。 【人物】魅力的な人がいない。主人公はいつもおろおろするだけ。元妻はすぐ死ぬ。黒人娘は無愛想。全く母親らしく無い。母性が無いのだ。活躍したおばちゃんは英語がしゃべれない。興行的には失敗で、制作費も回収できなかった点もうなづける。リアルな戦闘シーンだけが見どころ。ジョンレノンに似たおじさんや、ジョンの母ジュリアンの名を何故出すの?リスペクト?
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-19 18:16:14)(良:1票)
250.  殺しのドレス 《ネタバレ》 
エレベータの惨殺シーンや最後のバスルームでの殺害シーンなど演出は素晴らしい。動きながらの長回し、大袈裟な音楽を流しながらのスローモーション、分割画面、耽美的な映像に凝るのは結構なことだが、もう少し脚本に凝るべきではと思う。バランスが悪いのだ。実に残念な作品と思う。◆サイコ殺人なのに被害者が一人では物足らない。最初と最後の殺人は夢である。最初のシャワー殺人は主婦の性的欲求不満の表れを示している。最後のは観客を喜ばせるお遊びにすぎない。蛇足である。◆犯人は大柄で女装した男とすぐにわかるが、これは意図的だろうか?だとしたら、その狙いは何だろうか?サスペンスでは考えられない。やはり分らないと思ってやっているのだろう。観客との間にズレがある。◆登場人物だが、主婦の不倫相手は再び姿を現さない。見ず知らずの不倫相手をベットに寝かせたままどこへ行ったのか?娼婦と一緒にいた目撃者もしかり。刑事も頼りない。娼婦を脅して、医者を探らせるのはどうかと思う。殺されていたら責任問題に。主婦の夫は義理の息子にも警察にも無視されている。こういう不自然さが目立つ。伏線が収束されていない。主婦は不倫相手が性病と知り、絶望に突き落されるが、すぐ殺される。どうでも良い挿話に何の意味があるのか。観客を驚かせる遊びと考えているのだろうか。本筋で驚かせて欲しい。結局男らしい男、父性が存在しない。いつまでも少年である監督のやりたい放題になっている。志◆美術館でのしつこく粘着質のカメラの長回し+スローモーションの意味は何?本筋と無関係で、男女の出会いの場としての意味しかない。どれだけ時間と労力使っているの?「手袋落としましたよ」「ありがとう」で済む話。それにアメリカじゃタクシーの中でヤッテもいいのか?娼婦がクリニックに潜入して捜査するにしても、色気じかけ。エロが全開すぎる。犯人の二重人格やトラウマよりも、被害者の悩みの方を深く描いてどうするのだろう。力の入れ方が間違ってはいないだろうか。それにい精神科医が性同一障害と多重人格者で殺人鬼という設定は安直で、ひねりがなさすぎる。◆犯人は客のホテルから出る娼婦を待ち伏せして追跡するが、どうやって娼婦の居場所を知ったのか?自宅を知っているのなら、自宅で襲えば良いのに。◆少年の隠し撮りだが、最後の客が出たあと、先生が出て来なかった事に気づかなかったのか?
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-13 06:44:30)
251.  絞殺魔 《ネタバレ》 
【事実】1931年ボストンでデサルヴォ誕生。両親堕落、アル中、暴力、娼婦を連れてくるような悲惨な家庭環境。17歳で軍隊入り。5年間ドイツに赴任。結婚して娘(障害者)誕生。毎日5,6回性交する性欲過多。1956年9歳女子への性犯罪で軍隊除隊。1960年モデルのスカウトマンと偽り、部屋に侵入し、サイズ測量する犯罪300件。不法侵入罪で逮捕、強制猥褻としては裁かれず。11ケ月服役。妻から「あなたが真人間になるまで」と性交渉停止宣言。1962年6月から1964年1月までボストン絞殺魔事件発生。被害者11~13人、19歳~85歳。基本的に紐状のもので絞殺し蝶結び、強姦、性器露出。1964年11月別件の連続強姦事件で逮捕。被害者300人。1965年精神病院。その言動によりデサルヴォが犯人ではないかと怪しんだ同室の男が弁護士に通報。弁護士にあっさり自白。犯人しか知らない事実を知っていた。司法取引。1967年絞殺魔としては裁かれず、強姦罪で終身刑。1968年映画製作。1973年刑務所の独房で刺殺される。犯人不明。40年後最後の事件の精子DNA鑑定で無罪が確認。次の理由で犯人の可能性大。①性犯罪を繰り返す。②全事件でアリバイ無し。③犯人しか知らない事実の自白。④逮捕後事件が止む。【感想】不思議な事件だ。被害者の年齢の幅が極端に広く黒人も犠牲者。女性そのものへの憎悪があるようだ。警察のプロファイルも「母親を憎悪している若い白人男性」だった。最初の事件では部屋が物色されている。映画では二重人格説を採用。オランダの「超能力探偵」が事件に挑んだのも事実。◆物証が無いと言うが、いくつかある。先ず歯型を較べれば簡単に判定がつく。犯人の遺留品と思われる定規、箒、瓶、ドアノブなどの指紋、現場のススと靴のススの照合。◆次々起る殺人と性犯罪者を片っ端から逮捕する様子を描く前半部分。実験的なマルチ画面を多様しているが効果は薄い。画面に集中できないのだ。それでも次々起こる連続殺人には誰でも自ずと興味が湧く。犯人が判明してからは少々退屈。彼の過去に触れられていないのが不満。動機が提示されない。「人格が変わると殺人者」では誰も納得しない。その理由を示して欲しい。ジギル博士とハイド氏じゃないのだから。彼が裁かれた強姦にも触れていないのはどうしたことか。迫真の演技は良いが、密室でのカメラアングルが平凡で画面から緊迫感が伝わらない。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-12 00:37:41)
252.  ペイチェック 消された記憶 《ネタバレ》 
マイケルは(M)パクリの天才技術者。新3Dディスプレイもたった2か月で完成。機密保持のため開発期間の記憶は消される。そこまでする必要があるか甚だ疑問。◆Mはオールコム(O)社との3年契約の仕事を受諾。誰でも躊躇、リスクが大きく、内容も知らない。動機は金。これでは主人公に感情移入できない。◆Mは未来を見れる装置”未来ビュー”を開発。未来では、未来ビュー発明の影響で戦争が勃発し、核戦争が勃発していた。Mはウイルスで未来ビューを機能不全に。◆Mは記憶を消されるが、それなら自分宛のメッセージを密かに送っておけばよい。例えば切手に暗号化した情報(メモやアイテムの使用方法)を付加しておくとか。恋人に頼むとか。意味不明のアイテムを自分に送っても用をなさないリスクがある。◆刑事がMの煙草を吸うのは偶然。この場面をMが未来ビューで見た筈がない。未来を知ってからアイテムを用意したのだから。煙の中で特殊眼鏡を着用するが、どうしてそれに気づくのか?記憶は無いのだ。メモの数字とロトが一致するのを知るもの偶然。外部とは接触不可なのにエジソン社の鍵を入手している。◆原作ではアイテムは7つ。未来を見て、未来から物質移動させてきたものと説明だ。会社は悪く無く、開発目的は圧制に苦しむ民衆を支援するもの。Mも機械を破壊はせず、会社の経営に参画する。◆途中までアイテムを使ったサバイバル頭脳戦だったのに、アクションになり、最後は機械を爆発させるだけという単純な結末に脱力。だったら最初から爆発するように仕掛けておきなさい。流れも悪い。命がけでO社に侵入したのに、未来ビューのウイルスを除去して自分の未来を見るなんて流暢なことするな。時間が無い。またそのような危険な場所に恋人を連れてゆくな。それに記憶がないので恋人は赤の他人としか見えないはずだが。敵子分もMを追わず自分の未来見てるし。◆未来社会のはずなのにビルや車など現代社会そのもの。「マイノリティ・リポート」に較べるとB級。◆O社の見たMの未来はこうだ。MはFBIに拘束される。それはMの提出した特許(実はO社が勝手に提出)がデッカーの技術を応用したものだったから。残った記憶を調べるめに脳内を操作され脳温上昇で死亡。一方Mの見た未来は、O社で銃で撃たれるというもの。矛盾がある。◆設定は魅力的だが、内容が薄っぺらで、人類を大惨事から救ったというカタルシスを得られない。
[DVD(吹替)] 6点(2011-02-08 02:54:38)
253.  鳥(1963) 《ネタバレ》 
映像的に随所に見せ場はあるが、人類の終焉を予想させる内容を描いた作品にしては迫力不足。古い作品でオプチカル合成のチープさは言い訳が立つだろうが、脚本のドラマパートのチープさは言い訳が立たないだろう。◆高飛車でいたずら好きな上流階級の女と弁護士の奇妙な出会いは面白い。が、そこから恋愛に発展していくわけでもない。それなのに女が男の家に行きつくまでの描写が長いが、何を言いたいのか?鳥を部屋に置いてくるなんていたずら返しにしては度が過ぎていないか?「鳥」だからペットショップで出会うというのも芸が無いだろう。「ラヴバード」も物語に絡らない。男の母親が不気味で女を嫌っているが何故か?これがあるから、その後母が自分のことを語る場面があるが、共感できない。平凡で幸福そうな家族が動物に襲われてこそ万人が共感する。高飛車なヒロインを応援する人も少ないだろう。女教師と弁護士の過去の恋愛も活かされていない。準主役の女教師が死ぬ場面が省略されている。妹の少女は泣き叫んで逃げるだけの役回り。登場人物がぜんぜん噛み合わないのだ。人間が描けて無いので、苦悩や苦痛が伝わらない。皆が協力して知恵を出し合って危機から脱出するからこそ盛り上がるのだが、逃げ回るだけの登場人物に失望。◆肝心なパニックパートにしても、小さな町を鳥が襲っただけ。小規模な鳥の反乱で終わっている。広がりが無いのだ。警察や軍隊との闘いくらいは見せて欲しかった。大人しい鳥がただ止まっているだけの凡庸なエンディングにはただ、ただ失望。せめて防具つけて松明で鳥を追い払いながら車に移動するくらいの演出がほしい。人類滅亡かと思わせるほどの衝撃的なエンディング希望。「終末だ、世界の終わりだ」とわめく人物が登場するが、滑稽としか見えない。鳥が全人類を敵として攻撃し始めたということを分らせるカットが必要だろう。子供を襲うシーンが多いが、子供は助かるのは分っているので恐怖は感じない。鳥がいる中を避難させるのも不自然。女が二階で鳥に襲われるシーンがあるが、ドアを閉めればいいだけじゃないか。◆確かにサスペンス撮影はうまい。でもアクションが弱い。多カットで見せる細やかな演出も不発ぎみ。人工的すぎるのだ。ただ暖炉から急襲する鳥大群と、飛行している鳥目線で見せる炎上する町の俯瞰カットは素晴らしかった。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-21 05:04:49)
254.  ミッドナイトクロス 《ネタバレ》 
撮影技師ジャックが偶然録音したテープから、大統領候補の知事の暗殺事件の真相を知るところ迄はスピーディで良かった。映像フィルムにダビングして検証するところは成るほどと唸ったものである。真相を掴んだが、仕組んだ相手は大物で、既に警察に手が回っており、ジャックの証言は揉み消されそうになる。そして近づく殺し屋の影。一庶民対巨黒組織の対決かと思って後半に期待した。が、ここからはジャックとおバカキャラ、サリーの恋物語に転落。 ◆まずあの殺し屋がだめ。中盤で顔出しして怖くない上に、間違い殺人する馬鹿だった。言い訳は「彼女から誘ったんだ」。人格障害者だったのだ。がっかり。案の定、無関係な娼婦も殺しているし。典型的な無秩序型なのに、電話を盗聴したり、TVレポーターになりすましてサリーに近づいたりする知能犯でもある。これは無理な設定。巨悪の組織の犯罪どころか、たった一人の単独行動。しかも暗殺はこいつの独断行動。その組織は対立候補で、知事のイメージダウンを狙っただけで、巨悪にはほど遠い。どんどんしょぼくなってゆく。 ◆それでも最後には期待がかかる。どう解決するのか。犯人は部屋にいる女やジャックを襲えばいいのに、駅に呼び出すんだね。ホームで殺す計画なんて最悪の部類。失敗して来た電車に乗ってニューヨークへ。まるでギャク。女はワイヤを付けてるので、ジャックに現在地や行き先を知らせるところだが知らせない。馬鹿じゃしょうがないか。女を追ったジャックが車ですっとんで行く。この場面はスリリングだったが、事故を起こしてお休み。この中断はいただけない。犯人の方もその場で女を殺せばいいものをフィルムを捨てたり、女の口と塞いで高い所へ移動したりと異常行動。とても目立つ二人なのに誰も気づかない不思議。ジャックが駆け付けるも時既に遅し。泣くジャックの背景に花火が揚がるが、その合成のしょぼいこと。その前のスローモーションもさほど効果を上げてはおらず、この監督はセンスが無い。 ◆結局事件はうやむや。「被害女性は最後の力を絞って犯人を殺しましたが、力尽きました」だと。ジャックはどんな証言をしたんだ。真相を語れ!音声はあるんだから証明できる。映像フィルムはTVで放送されたのを使えば良い。女の最後の絶叫を映画に使うなんて悪趣味。被害者遺族の感情を考えたことがあるのか。◆サリーに瓶で殴られた男はどうなったのか?
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-26 21:02:37)(良:1票)
255.  誘拐犯(2000) 《ネタバレ》 
途中までは十分に楽しめた。”ハプニング誘拐”で、妊婦が予想外の行動を取るとろに魅かれた。赤ん坊の父親が裏社会の人間で、大金持ちという設定が面白い。しかもお金を払えば出元がばれるのでお金は出せないという設定。少々無理があるが許容範囲だ。思わぬ人間関係のつながりが明らかになり、サスペンス度は増す。しかし間違った出口に向かってしまったようだ。最終的には偶然の出来事が重なっただけの錯綜した物語という印象。複雑な人間関係をうまく処理できてない。というより人間が描けてないのだ。◆まず誘拐犯だが、これは生活の必要上、偶然耳にした情報から誘拐をするのだから、悪人であってはならない。いつしか妊婦と心を通わせ、妊婦を守る立場を堅持すべきだった。それが途中で人殺しのプロのような行動を見せるようになり、貧乏なはずなのに高価な銃を何丁も所持し、何人も人を殺す。これじゃあ感情移入できない。妊婦を解放するのが目的に変更したのだから、お金は放っておけばよかったのだ。それでうまく逃げおおせればハッピーエンドで好印象だったのに。 ◆妊婦は自分の子供を奪われたくないからボスの元から逃げ出そうとする。なら誘拐犯と協力をすればいい。それなのに銃をぶっ放す。それに産めば100万ドルの代理母報酬はありえない。相場は5万ドル。代理母なんていくらでもいる。又普通に考えれば、生物学上の母親(卵子提供者)はボス妻の筈だ。どうして妊婦の卵子が使われたのか?医者と普通にセックスして妊娠したということになる。代理母詐欺だ。子供が欲しかったのか、お金が欲しかったのかどっちなんだ。お金が欲しかっただけが、母性が目覚めて心変わりしたのか。医者と恋愛関係にあったのか?また医者はどうしてそんな無理な要求に同意したのか。父親を困らせたかったのか。困らせる方法ならいくらでもあるはずだ。結局赤ん坊は誰の子供として育てられるのか?当然医者の子としてだろう。だから最後のボス妻が妊娠するという都合のよいオチがある。そして妊婦の父が掃除屋だと?観客を馬鹿にするな! 【気になった点】①ボスが代理母に4人ものボディガードをつけて監視している。 ②ボス妻は異常行動が多いのに事件には絡まない。誰の子を妊娠したんだ。 ③女店員のあの目つきは何?④黒人ボディーガードがホテルの経営者を誤射した。⑤掃除屋は誘拐犯の足しか撃たなかった。 
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-26 02:02:34)
256.  白いドレスの女(1981) 《ネタバレ》 
これでもかと畳み掛ける蒸し暑い夏の描写、汗染みの服、退廃的なジャズのメロディ、犯罪の匂いのぷんぷんする映画だ。◆遠くのホテルで火事がある。愛人との情事を楽しんでいる弁護士ラシーン。「放火らしい」と呟く。対岸の火事と思っていたが、やがてそれは自分に降りかかる厄災の火の粉だった。映画全体を象徴するうまい冒頭シーンである。音楽やカメラワークが洗練されており、質を高めている。映画作りを良く知った監督の作品と思う。◆男は人妻の色香に溺れる。独身で女性をつまみ食いするのが趣味、元々溺れやすいタイプだ。米の弁護士は数が多く、皆高所得とは限らない。仕事面でミスが多く、うだつは上がらない。◆女は男に、夫の悪口と財産の多さを強調して吹き込み、殺人へと誘う。すっかり騙された男は、殺人を実行する。だがそれは女の巧妙に仕組んだ罠だった。◆それにしても夫殺害の実行は、お粗末すぎる。自宅で殺し、廃屋に運び、発火装置で燃やす。発火装置を知人の放火マニアに作ってもらっているので、証拠も証人も残る。家に侵入しても音をたてて気づかれてしまう始末。もっと別な方法があったはずです。眼鏡の紛失も女の仕業とはいえ、気づかないのはうかつなことで、夫が外出したストーリーなのに車はそのまま。電話がかかってきたというが、記録は無い。これではきっとレンタカーの記録も残しているのだろう。弁護士にしては杜撰すぎる。◆誰が見ても証拠一つ残らない完全犯罪計画が破綻する様子を観たかったのに残念である。そこがこの手の知的犯罪映画の肝と思うがどうであろうか。計画が破綻してゆくサスペンス、犯人の焦り、犯罪を補完する次の手立てなどが無く、あっさりした印象である。あの立場で男は、ジョギングをしている暇は無い筈である。◆女が放火マニアに相談して、発火装置を作るのも解せない。告げ口されれば終わりである。そもそも二人に接点があったのか?女は身代わりのアンの死体を焼いて逃亡をするが、死後に焼かれたことは、調べればすぐに分ることである。これがわからない警察はありえないだろう。◆女の入れ替わり(名前を交換)であるアンの登場場面(男が女と誤解して卑猥な言葉をかける)や二人の情事を目撃した少女等は、徐々に綻びてゆく完全犯罪の伏線として魅力的であった。◆悪女映画としては成功している。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-10 14:01:38)
257.  スティーブン・キング/ランゴリアーズ<TVM> 《ネタバレ》 
◆飛行機がタイムスリップする。寝ていた人は助かり、起きていた人は消失。消失した人はどうなったのか?しかも肉体と服が無くなっているという不思議さ。服の中身、歯の矯正器、ペースメーカーは残されたまま。この謎は謎のまま。S・キングに細かいことを望んでも仕方がありません。でもこの作品は整合性が取れている方です。 ◆過去は過去のまま取り残されて存在する。その取り残された過去の時空をバクテリアのように食べ尽くすのが無数のランゴリアー。歯と毛だけの外見。イメージが膨らみますが、CGがしょぼいのでがっかり。全然怖くないのです。 ◆時空の裂け目を通って、未来に戻ることが出来た。だがそこは無人の世界だった。そこへ時間が未来に追いつくというアイデアは秀逸。感心しました。飛行機は無事生還したが、消失した人々は戻って来ないと解釈しました。  ◆登場人物はほぼセオリー通り。自己犠牲で英雄となる特殊工作員、状況を素早く理解する推理小説家、盲目の超能力少女、心に傷をもつパイロット、そして最重要人物がイカレたビジネスマンのトゥーミー。父親から精神的虐待を受け、「大物になれなければ、怠け者としてランゴリアーに喰われてしまう」という強迫観念に取りつかれている。彼の存在がランゴリアーを引き寄せ、飛行機をタイムスリップさせたのかは不明だが、彼が偶然に乗り合わせていたのではないことは確か。作者は「心の傷」と「取り残された過去」を対比して提示している。「取り残された過去」は各人の「心の傷」でもあるのだろう。心の傷が妄想を生み、時には時空の裂け目も作り出していますのだろう。 ◆トゥーミーは錯乱して少女を刺す。少女はトゥーミーを囮として利用。このあたりの展開はスリリング。でも少女は助からなかった。少女は自分は助からないと知りながら、皆のためにトゥーミーを操ったのですね。そして生還のためには、更なる自己犠牲が必要だった。眠りについた皆を起こす役目の人は消失する運命。それは暗殺者でもある工作員の過去の罪の贖罪でもあった。芽生えはじめた恋も儚く消える。ソツのない展開ですが、感情移入するほど深くは描かれてはいません。監督の技量不足でしょう。才能のある監督がリメイクすれば名作になる可能性があります。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-19 23:20:40)
258.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
◆全体的に緊迫感が足りない。冒頭場面では脱出者が銃で撃たれた。これは厳しい収容所だなと思っていたが、あとはゆるゆる。ハッチ(スタローン)が脱出する場面はうまくいきすぎ。何度か気づかれそうになるが何とか切り抜けるという演出を何故しない。それからハッチは一度収容所に戻るように説得される。ここの葛藤も描かれていない。同じく腕を骨折させられる選手の人間性がどれだけ描かれていたか?上辺をなぞっているだけだ。そして最大のクエスチョンは、ハーフタイムで脱出するのを選手たちが拒否する場面。それまで選手たちのサッカーに対する思い入れが語られてはいない。だから彼らの思いが伝わってこないのだ。このあたりの演出の不首尾が映画全体としてのドラマ性の希薄につながっている。演出上のタメがなく、なにもかもあっさりと進みすぎる。 ◆恋愛部分にしてもしかり。子持ちの未亡人じゃヒロインにはなれない。せめて彼女の悲惨なバックグランドが語られていたら反戦映画になれたのに。女性レジスタントという魅力的なキャラがもったいない。 ◆捕虜にハングリーさが感じられないのも残念。顔や眼にぎらぎらするものがほしい。彼らはただ安穏と生活しているように見える。 ◆サッカーの試合が決まったとき、コルビーコーチは各収容所から有名選手を集める。これは明らかに間違い。あの収容所のメンバーで試合することが大切なのだ。素人が一丸となって我武者羅に練習し、チームワークにより、奇跡的に勝利するという筋書きが一番感動できる。寄せ集めチームじゃ感情移入できない。 ◆サッカー場面はそこそこ見れたが、不満要素も多い。もっと華麗なプレーが見たかったし、スローやアングルにも工夫が欲しい。実際のサッカー選手を使っているのだからもっと魅せることはできたはず。ハッチのキーパーは全くの素人で見どころがない。最後ももっとぎりぎりのところでセーブすべきだろう。ところで同点の場合は延長戦があるはずだが、アメリカ人は知らないのだろうか。 ◆最後のどんでん返しは賞賛できる。なだれこんだ観衆と共に脱出というアイデアにはしびれた。脱帽です。ドイツ軍将校が紳士的なのにも好感。同点で終わらせたのも気遣い?サッカーファン、脱出ものファンなら楽しめる作品には仕上がっています。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-07 03:40:49)(良:1票)
259.  インビジブル2 《ネタバレ》 
◆透明人間を兵器として考えた場合。ものを携帯できない。冬は寒くて外出できない。雨の日もだめ。足音がする、足跡が残る。ビデオカメラには映る。などで余り役に立ちそうにない。ケータイで連絡もできないし、銃も持てないのだ。だからさほど怖くはない。待ち伏せてインクでも大量に噴射すればOKだ。網でもよい。軍は何故それらを用意しなかったのだろうか?インクをかければただの素っ裸の男である。刑事も水鉄砲くらい用意すればいいのに。 ◆透明人間は悪ではない。人体実験に使われ、自らの生存をかけて緩衝材を求めているのだ。復讐に燃えて残忍になってしまったのは残念である。軍隊を悪として描き、透明人間の復讐に正当性をもたせればもっとましな映画になっただろう。無実の女刑事を殺してしまったことで、おかしな展開になった。透明人間が暴走しただけでは内容が薄い。この人物に感情移入できるような挿話が欲しかった。そうすれば観客は彼を血肉ある人物として認識できた。単なるモンスター映画で終わっている。そしてモンスターとして見れば魅力がないのだ。いくらでも膨らませる話を小さくしている。女博士を奪う話に終始するのはもったいない。最後は殺鼠剤とスコップ刺しの刑。ああ、あわれ。可哀そうとも、爽快とも感じない。透明人間という魅力的なキャラに頼り切っただけのB級映画に成り下がっている。モンスター映画でも人間を描かなければ感動を与えることはできない。 ◆透明人間はいきなりパーティ会場で暴れるが、これはいただけない。正体がばればれではないか?透明人間の知能指数の低いこともわかってしまう。他人のいないところで尋問をすべきだった。 ◆女博士を襲う前、隣の家に侵入していたが、あれは何のためだろうか?しかみ家の人(バカップル)に居ることがばればれではないか。この手の映画は、悪キャラが狡知を尽くしてこそ魅力あるのだ。 ◆刑事が透明人間になって、透明人間と対決するのはグッドアイデア。続編が作られそうな終わり方である。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-05 18:17:43)
260.  サロゲート 《ネタバレ》 
【裏あらすじ】博士は体の不自由や人は老人のために擬人体を開発した。しかし人類はこれに夢中になり、ほとんどの人が擬人体として生活する社会に。擬人体は悪・中毒であると考えた博士は製造会社VSIを辞めて、反擬人体団体の首領・予言者として活動する。一方自身で預言者を含め、複数の擬人体を操作して人生を謳歌するという矛盾がある。VSIは博士の活動に危機感を抱き、殺害を計画。光線銃を買収済みの刑事ストーンに渡す。ストーンは強盗犯を保釈させ、殺害依頼。光線銃に当たると擬人体も操作者も死ぬ。実行犯は誤って博士の息子を殺してしまう。息子は博士の擬人体を借りて使用していたからだ。刑事と女相棒ピーターズ(P)が犯人を追う。預言者(博士)は犯人を見つけて殺し、光線銃も押収。博士は刑事に武器の出所を調べさせる。刑事は軍とVSIが共同開発したことを知り軍に乗り込む。軍は破棄した筈の武器があることを知り強制捜査。その際に予言者を射殺。しかし武器は既にPへ渡っていた。博士はPの実体を殺害し、Pに成り済ましていたのだ。刑事は上司ストーンを追い詰め、擬人体を破損させ、腐敗の証拠も入手。Pは中枢システムに侵入。説得に来たストーンを光線銃で殺害。光線銃から全システムにウイルスを注入して、擬人体を壊し、操作者を殺害しようとする。それを防ぐため刑事が博士宅に乗り込む。博士は自殺。刑事は人間は救うが、擬人体は破壊させる。 【感想】現実には絶対起こり得ない世界なのでのめり込めない。子供だったら外で遊びたいし、若者だったら生身でSEXしたいし、老人だって散歩・買い物・旅行したい。一日中寝ている生活は不健康。犯罪が減ったとかいうが、皆家で寝ているので強盗犯は仕事がしやすい。又擬人体と人間とが区別がつかないことはありえない。冷めた夫婦関係の修復を望む刑事は擬人体の妻に話しかけるが、どうして本人に伝えないのか。職場に出かけなくても家にいる。一緒に住んで、食事もするのだし。光線銃で人間まで死ぬなんてありえない。ラストで刑事が危機を回避しようとあくせくするが、単純に光線銃を壊すか、コードを抜いてシステムからはずせばいい。そして黒幕のVSIへのフォローなし。刑事は警官5人死んだといっているが7人。博士の矛盾した生活。タメが欲しい。預言者は簡単に撃たれ、博士の家にあっさり潜入。冷めた夫婦関係に力を入れる程度に各挿話に力を注いで欲しかった。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-18 15:01:31)
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