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261.  アリス・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 
原作はナンセンスが持ち味。ナンセンス詩やギャグが満載。登場人物がみなおかしい。女王が頭でっかち、兵隊がトランプ、猫が笑って消える。読む人を煙に巻く内容。映画では「その後のアリス(A)」を描く意欲作。結婚という親の引いたレールに乗るかどうか迷うAが、ワンダーランドを再訪。Aはワンダーランドは夢だと思っていたが、実在することを知り子供時代の冒険心を取り戻す。現実に戻り進むべき道を発見する。作品の意図はわかります。 ナンセンスはそこそこあり笑えます「机と鴉が似ているのは何故」「首をはねてくれ、(さもないと)殺される」「朝飯前に6つのMで始まる問題を考える」など。ただ弾けるほどではない。イカレ帽子屋、ヤマネ、青虫、双子などサブキャラは十分な働きをしている。正義感の強いヤマネ、青虫の教訓、帽子屋の「自由の舞」など。赤女王が仰向けになったブタで足を休めるところがツボだった。素晴らしいセンスだ。欲を言えば、もっと「場」やストーリーをかき乱すキャラ(トリックスター)がいれば楽しくなっただろう。混乱してあらぬ方へ行けば行くほど「沸騰」するはず。 キャラを善悪に分けて戦わせるのは問題あり。本来の持ち味である「おかしみ」が消えてしまう。兵隊なのに薄っぺらなトランプであるところが笑えるところ。本当に強そうに見えてはだめ。「首をはねろ」がギャグでなくなってしまう。訳のわからない連中が好き勝手なことをやっていて、理屈は通らず、それが楽しいのだ。 少年なら剣をもって龍と戦うこともあるだろうが、大人になったとはいえ少女Aのすることじゃない。理不尽や無理難題を言う相手に対して知性やウィットでやりこめるのが本来の姿。 預言書なる絵巻物は不要。Aが龍を倒すのが決まっているのならAの存在意義は薄れてしまう。Aがアイデンティティを確立するためには何らかの通過儀礼が必要で、予定調和では感情移入すべくもない。 独断専行の赤女王を懲らしめるのはいいが、白女王を君臨させることに意義が見つからない。白女王は何者も殺さないと誓っている点が美徳だが、どこか怪しい雰囲気がある。そういう意味ですっきりしないのだ。もうひとつヒロインに魅力が無いことも指摘しておこう。年増に見える。 蛇足だが、貴族の求婚を大勢の前で行う慣習があるのだろうか?それも花嫁だけは内緒にして。大恥をかきたいのか?それとも断られることは考えられないのか。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-17 17:07:55)
262.  プラダを着た悪魔 《ネタバレ》 
カタルシスはアンが成功一歩手前で意に沿わない職を放棄し、本来の自分に戻るところ。サクセスストーリーではなく、成長物語。アンはファッションの奥深さを学び、ファッションセンスを磨き、仕事も先読みでき、上司から認められる。しかし望んでいない世界で、上司のような犠牲の多い生き方は出来ないと悟る。二人はお互いを認め合いながら別れます。それに恋愛を絡める。意図は良いですが、デフォルメしすぎたためか、ふに落ちない点が多いのが欠点。 ①就職面接に行くのにニンニク入りのハンバーグを食べながら行く。行儀が悪すぎ。 ②ジャーナリスト希望だったら最初からミラー紙の面接を受ければいい。軟派作家に書いたものを送ったのにも関わらず、編集者を紹介してもらうのは断った。 ③どうしてジャーナリスト志望なのか、何をしたいのかの説明が無い。 ④アンは父に「このファッション出版社に就職したのは腰かけに過ぎず、一年も経てばパリで人脈が出来、ジャーナリストとして有利であるため」と説明。上司に似て元来が打算的人物。一方で彼女は雑誌名やファッション界のカリスマ編集者ミランダの名前さえ知らなかった。矛盾してます。 ⑤上司は時間外労働を強要し、嵐の中を飛行機を飛ばせとか、出版前の本を手に入れろとか、要求が度を越えている。しかもそれは仕事ではなく「私ごと」。真に仕事のできる人のやることではない。 ⑥恋のパートがあやふや。最初から同棲している設定が間違い。アンと男とは恋人未満だったが、最後にはお互いの自分の本当にやりたい道を見つけ、恋人同士になる展開にすればすっきりした。最後二人はニューヨークとボストンにそれぞれ就職が決まる。別れるのか、元さやか。「考えてみる」という返事はダメ。軟派作家と寝るのは言語同断。それをやっちゃおしまいよ。単なる尻軽女。 ⑦社会人の男性が誕生日を友人たちと祝う?同棲している恋人が誕生会に来れなくなるとあんなにスネる?アンの頑張っている姿を見てるのに。 ⑧コートやハンドバッグを投げ出したりして乱暴。 ⑨上司の子供が若すぎる。高齢出産?又子供を甘やかしすぎる。 ⑩コーディネートをしてもらっていたけど、あのブランド服を全部買ってたの? ⑪アンのファッションセンスがよくなってゆくのは「仕事と心の成長」を意味していると思ったが、最後に全否定された。アンは何を学んだのか?
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-12 06:35:00)(良:2票)
263.  ワルキューレ 《ネタバレ》 
ノルマンディー上陸作戦の一月後、敗戦濃厚で、時期は熟していた。あれだけの人数が揃っているので、ヒットラー暗殺だけなら比較的容易に達成できたはず。しかし目的がクーデターであり、短時間による政府と軍の完全掌握を目指していたので、ヒムラーやゲッペルスなども同時に暗殺などと余計なことを考えて何度か機会を逃している。実行犯の大佐が新政府の要職に予定されていたため、爆発物セット後、すぐに逃げ出したが、これが最大の失敗。何をおいても、総統の生死を確認すべきだった。確認がないままクーデターを実行するのはお粗末。大佐は障害者なので、ボディチェックはほとんど受けなかった。いざとなれば総統もろとも自爆する覚悟があれば成功しただろう。カリスマ総統を倒しておけば後をヒムラーが後を継ごうが倒すのは容易である。二段構えの周到さがほしい。暗殺が失敗することは既知だが、サスペンス、緊迫感は十分伝わってきた。そこは評価できる。だが大佐の人間性の描き方が希薄だ。反ナチ思想を持つ経緯を描くべき。戦争の悲惨さも伝わらない。最後は家族の安否を心配するだけの弱い男になってしまっている。彼の兄も連座して処刑されたが描かれていない。夫人と五人の子供はどうやって生き延びたのか?他に関係者6~700人が粛清され、ロンメル元帥も自殺。これらの人の死に大佐たちは責任があるだろう。「計画は失敗したが、彼らの目的は戦争をやめることであり、命をかけた彼らは英雄である」という単純な考えはできないだろう。後半、総統が姿を見せないのは、サスペンスを重視した脚本構成の所為だが、史実を描きたいのなら、総統側の様子も見せるべきた。一方だけを描いても真実は伝わらない。総統のカリスマ性も対等に描くべきだろう。「史上最大の作戦」のように敵味方、両側を描けば、より見ごたえのある映画になった。大佐の人間ドラマをより深めれば「シンドラーのリスト」のような深みが出た。「暗殺=テロ」なので、現代人にとって彼らの行動を無条件に賛美することはできない。歴史の正当な評価は時代と共に変わる。そんなことを考えされられた。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-09 23:17:34)(良:2票)
264.  ダンボ(1941) 《ネタバレ》 
ダンボはしゃべれない。母親のジャンボも歌えるけどしゃべれない。きっと製作者が、表情で母子の愛情を表現しようと意図したからでしょうね。表情はとても豊かで、成功しています。「泣かないで」の歌の場面は愛情あふれてましたね。耳が大きいせいで仲間はずれにされるダンボ。ネズミがいなかったら、どうなっていたでしょう。どうしてネズミはダンボの味方になったのか?道義に厚い性格なんでしょうね。子供のころ一人ぼっちの思いをしたのかな。カラスへの演説は実感がこもっていましたね。カラスも根はいいやつらでよかった、よかった。■ダンボの耳が大きいことが奇妙がられて、仲間にも人間の子供にもばかにされる。大人にピエロにされて、高い場所から飛び降りさせられる。しかし耳で飛ぶことが出来、立場逆転、一躍人気者になる。逆転の発想、ワンナイトサクセスです。しかし考えてみれば、その栄光もサーカスの一員としての成功でしかない。人間に使われたままで本当の幸せ・自由があるのか?幼いダンボにはまだそんな発想もないんでしょうね。今は母親のもとで楽しい日々を過ごしてください。■蛇足ながら、父親はどうなってるんだと気になります。あと「ダンボ」って悪口だったんですね。酒を飲ますのはまずいと思いました。
[DVD(吹替)] 6点(2010-03-04 22:49:28)
265.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
導入部は秀逸。冒険家マンツにあこがれる少年と少女が出会い、気球での冒険を夢見る。二人は成長し、結婚。二人で家をリフォームする。壁も椅子も郵便受けも思い出がつまっている。赤子を望んだが、授かることができず、妻は消沈。妻を励ますため夫は冒険を計画するが、頓挫、やがて老境に達し、妻は亡くなってしまう。老人は妻との夢を果たすため、風船の家で冒険に出かける。ここでは「家」がキーワード。少女は、アジトを幻の滝の近くにおくのが夢だった。大人になってからもそれを壁に描いた。だから老人は家が壊されるのに耐えられず、どうしても家を滝にまで運びたかったのだ。だがここからは失速。よくしゃべるデブキャラ少年はかわいげがない。犬が機械を通してとはいえ、しゃべったり、料理をしたり、戦闘機に乗って銃を撃ったりは無理がある。マンツは二人のあこがれだったのに、悪人だったのでは設定が台無しであり、エリーの夢を壊してしまっている。悪人はマンツの成功を横取りしようとする連中などに設定すればよかっただろう。超高齢者が敵では楽しめないし、彼の狂気も理解しがたい。幻の滝への冒険のはずが、幻の鳥の奪い合いとなり、殺し合いとなる展開にはついていけない。戦いも老人らしくソフトで知恵を利用したものにすべきだった。サブストーリーは老人と少年が理解しあうこと。老人にとって家がすべてだったのに、少年を救うために家を手放す。「たかが家だ」の言葉は重い。このあたりの表現はうまい。ただ老人は風船売りだったのに、子供嫌いの偏屈キャラになっているのはどうしたことか。少年は両親が離婚して、心に傷を抱えている。それをまぎらわずためにボーイスカウトの勲章集めに精を出す。少年が鳥に対して特別に感情移入するのは、鳥が子育てしているからだろう。自分の家族とだぶらせているのだ。このあたりはうまく表現できていない。少年が無邪気すぎるのだ。無口で不良っぽいキャラにすればすっきりしただろう。最後に二人は理解しあい、無事帰還し、疑似家族になるのだが、さほどハッピーエンドとも思えない。彼らの幸せが小じんまりとしすぎているから、カタルシスを得ることができない。二人は、冒険家として有名になったくらいにしてほしかった。実際に幻の動物の化石がたくさんあるマンツの飛行船を探し出してきたのだから。老人は妻の思い出よりも大切なものを見つけ出すことができたのだろうか?
[映画館(字幕)] 6点(2010-02-24 18:46:47)(良:1票)
266.  アビス/完全版 《ネタバレ》 
海底エイリアンとの遭遇は取ってつけたようなもので、メインは、おバカ軍人の核弾頭に対する異常な行動とロシア人がいると勘違いしている海底への核攻撃の後始末。全くありえない話で、物語にのめり込めない。後半から海上の人間の様子が全く映らなくなり、ドラマに深みがない。サイド・ストーリーの離婚危機にある中年夫婦が愛を取り戻す話は、人間が描けてなく薄っぺら。「脚本入門」に書かれてあるような典型的な話で、退屈だ。クライマックスはいくつかある。最初は嵐でクレーンが落下する場面。次にリンジーが仮死状態から蘇生するところ。そしてバッドが深海に潜り、核弾頭処理をするところ。四つ目は海底エイリアンの都市に入るところ。五つ目は津波の場面。最後に海底都市が浮上する場面。いろいろありすぎて散漫になっている。エイリアンとのコンタクトに焦点を絞るならば愚かな軍人などいらないのだ。エイリアンの立場で考えてみる。彼らは人間が核実験するのに対して怒り、戦争を繰り返す人間性に失望した。そして原子力潜水艦を襲い、沈没させた。さらに嵐を起こし、核回収作業を邪魔した。最後に大津波を発生させたが、これは人類への警告の意味で、途中で止めた。止めたのはバッドとリンジーの愛のやり取りに感動し、人類を見直したから。彼らの本質は愛のようだ。だはなぜ潜水艦を襲ったのか?核弾頭を始末しないのか?謎が残る。影像はそこそこ見せるのだが、主題が古くて、陳腐で、どうしようもない。感動させるものがないのだ。リンジーが蘇生するところは心動かされるが、それは人間の命が戻ることへの感動であり、映画の感動ではない。バッドの自己犠牲も、深海3000メートルの核弾頭を解除する意味がよくわからないので、感動できない。放っておいてさして問題ではないだろう。危機に瀕しているとは思えないのだ。リンジーのキャラが魅力的ではないのも欠点。彼女がもっと超人的な活躍をしたり、夫を奇跡的に助けるのであればよくなっただろう。彼女は、わざわざ嵐の中をやって来た意味のだから、それなりに活躍の場がほしかった。観客は、主人公が悪党を懲らしめたり、危機から脱出するのに感動するわけで、愚かな行為の知り拭いや意味不明の核処理などには感動はしない。それにエド・ハリスの恋愛を誰が見たいか?冒険ものとしても、アクションものとしても失格。アビス(深淵)からは浮き上がれない映画だ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-08 02:55:37)
267.  きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 
ヘンリーとクレアの恋愛物語。ヘンリーは5歳のとき、母の運転する自動車がクラッシュする寸前に瞬間移動する。初めてのタイム・トラベル(以下TT)である。母は死亡。本能が危険を感じたときにTTするのかと思ったが、関係なかった。ヘンリーの前に未来からやってきた本人が出現し、いつか理解できる時がくるからと励まし消える。TTは自分の意思に関係なく、ある日ある時ある場所に勝手に移動していまう病気のようなもの。ただ自分に重要な場面に飛ぶ傾向があるらしい。母は歌手で死ぬ前にも歌ってくれた。またヘンリーの娘も歌えばTTを管理できるようなことを言っていた。だが歌は何の伏線でもなかった。こういう無駄な部分が目立つ。ヘンリーとその胎児、娘たちにはTT能力がある。時間遺伝子を持つからだ。ではヘンリーの父はどうか?たびたび登場するが、その人物像は描かれない。ヘンリーがTTで苦しんでいるのは父が一番理解しているはず。父子の関係を濃厚に描けば、人間ドラマに厚みが増しただろう。又未来からやってきた娘のアドバイスでケンドリック博士に診断を依頼するが、結局何の役にも立たない。無駄キャラである。ロトナンバーを覚えて財を成すのも観客の反発を買うだけ。クレアは6歳でTTしてきたヘンリーと会う。同時代に二人はいるのだがクレアが18歳くらいになるまで会わない。二人は結婚するが、TTの妻としてはストレスも多い。子供ができても胎児がTTして流産。悪趣味である。夫がパイプカットしても別の夫がTTしてきて妊娠。掟破りである。TTものとしては美しくないのだ。自分の死期が迫っており、そのことを未来の娘から聞く。とすれば何とか回避できそうなものだが、期待はずれに終る。死んでも別の夫がTTして出現。何でもありである。節操がなさすぎではないか?夫婦と未来の子とが協力しあって、問題や困難に打ち勝つような展開にすべきだった。ヘンリーは常になすすべがなく、逃げ回るだけで、それでは観客は手に汗を握らないのだ。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 02:22:51)(笑:1票)
268.  エスター 《ネタバレ》 
最初にケイト(母)の死産のシーンがあるのですが、そのあと悪夢とつながっていて、どこまでが本当が分かりませんでした。それから池でマックス(聴覚障害の少女)を溺れさせたことがあるとかなんとか…、アルコール依存症の原因とか、よくわかりませんでした。死産したのが悪夢を見るようになった原因を推測します。いずれによせ母は精神が不安定でカウンセリングも受けている。それで解決策が養子をもらうというのもよく分かりません。子供が二人もいるのに、死んだ子への愛情を養子に捧げたいなんて心理があるんでしょうか?精神が不安定な母親に子育ては難しいのですが。そしてエスター登場。最初から怪しさ全開。悪魔のような子ですが、オチはあれです。子供にしては頭が良かったり、絵がうまかったり、ピアノが弾けたり、古いものが好きだったり、残虐だったり、などの謎が全てが説明できます。その点では矛盾はありません。よくいちゃつく夫婦で、しまいには台所で○○してしまいます。意味がないなあと思っていたのですが、これは伏線でした。楳図かずおの「洗礼」のような展開になります。この部分はホラー映画の中でも新しいのではないでしょうか。ただ全体を通じて怖くないです。怖がらせ方が中途半端。少女をもっと悪魔的に描かないとだめでしょう。残虐性は抑えつつ、より狡猾な手口で周囲を恐怖のどん底に落しこんでもらいたかったです。祖母はいるのに物語にはからまなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 01:33:54)(良:2票)
269.  プリティ・ウーマン 《ネタバレ》 
お金持ちの青年企業買収家と娼婦が知り合って、変わってゆく物語。男は離婚後、恋人と同棲していたが、別れる。母を冷淡に扱った父を許せず、父の会社を買収して乗っ取り、復讐する。その後は冷酷な買収家として名を馳す。父母は既に亡く、天涯孤独。酒、煙草、ドラッグはやらない真面目人間である。女は男を追ってロスまで来た。いろんな仕事をしたが家賃が払えず、娼婦に身を落す。それでもビジネスと割り切り、誇りは失わない。コンドーム装着、口にキスしない、ドラッグはやらない。一歩のところで転落しそうな人生から留まっている。「お金のためなら割り切れる」のが二人の共通点。ビジネスとして女を雇う。男は女に自由に服を買わせるが、これはビジネスのためでもある。男は不器用で、女を喜ばせるのにお金を使うことしか知らない。食事、酒、乗馬、飛行機、オペラ、ポロ見学など。男に反感を持った女は去ろうとする。だがお金を置いていった女の真意を知った男が引き止める。男は女を対等のパートナーとして認めだす。彼女の明るくて、自由奔放な姿を見て、癒され、心を開き、身の上話をし、失っていた人間らしさ感情を取り戻す。それで企業買収をやめ、共同経営者としての道を選ぶ。女も男の優しさに触れ、レディとして振舞ううちに、本来の自分を思い出してゆく。女は男を愛し、口にキスする。が、彼に愛人になってくれと頼まれると失望して去る決意をする。田舎に戻り、仕事を見つけ、学校に入り直すのだ。男も去ろうとするが、ふとしたことで、女を心から愛していることに気づき、彼女を迎えに行く。抱き合う二人。「王子が塔を登って王女を助けたあとどうなる?」と聞く男に女は「She rescued him right back」と答える。二人の立場は対等なのだ。男が一方的に女に金を与えて、女を美しくする物語ではないし、娼婦がお金持ちと結婚するだけの玉の輿物語でもない。二人が出会って、お互い成長し、自分らしさを取り戻す物語。支配人とホテルのボーイがいい味を出していた。最初の方で、金持ちのプレイボーイと下品な娼婦とに見せた演出がうまい。実際はストイックな二人だから成立する物語でした。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-09 09:36:50)(良:1票)
270.  スミス都へ行く 《ネタバレ》 
ジェームズ・スチュワートが若いのに驚きました!古い映画なので、よくわからないところがありますね。子供が議事堂で働いていたり、上院議員の秘書が一人だけだったり、議員が記者を殴っても問題にならなかったり、テイラーという一人の人間が全国のマスコミを牛耳れるのかとか、失われた大儀とは何とか。ラジオはそれなりに事実を放送していたようですが…。最初知事が上院議員後任にミラーの名前を出すと委員たちはテイラーの手下はだめだと猛反対する場面がありましたね。テイラーに反対する勢力も相当あるわけです。ところが後半では全員がテイラーの味方で、全然整合性がとれてない気がします。そもそも不正の内容がはっきりしない。建築予定のダム周辺の土地を買収しているのですが、それだけ?地味ですね。ダムは必要なものなの?テイラーの会社がダム建設を請け負うの?スミスの提案したキャンプ場とダムの土地がバッティングすることで事が動き出すのですが、キャンプ場の場所を変えればいいだけでは?ダム法案の審議はほぼ終了しているので、スミスもそれに反対はしないでしょう。反対しても多数決で押せるはずです。テイラーが何を慌てたのか、スミスを呼びつけて、子飼いにしようとするからややこしくなりました。スミスの汚職のでっちですが、あれは無理。買ってもない土地を買ったことにするのは無茶です。土地売買の日のスミスのアリバイはすぐ証明されるでしょう。大金ですから、お金のないスミスには無理ですね。あと細かいことですが、議会を放り出して、デート優先というのもどうかと。「純朴な青年が政治の不正を暴く」という構図はいいのですが、詰めが甘い印象です。 また自分で不正を見つけたり、闘争方法を考えるのではなく、すべて秘書に依存しきっているところが減点。演説がうまいだけじゃ、物足りません。知恵を見せて欲しかったです。鳩が出てきたとき、ぜったいに何かの伏線だと予想したのですがね。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-06 22:12:07)
271.  雨の朝巴里に死す 《ネタバレ》 
フィッツジェラルドの短編小説「バビロン再訪」が原作。長く続いた戦争が終り、勝利に酔いしれる巴里。長く抑圧されてきた反動で、民衆の欲望が噴き出て、享楽を肯定するような時代がしばらく続く。これが時代背景。従軍記者チャーリーは、終戦の日美女ヘレンと会い、たちまち恋に落ちる。ヘレンは学校を放校になるなど奔放な性格。「戦争はもういや。毎日が最後の日と思って楽しく生きたいの。最後の日だけの人生。でも本当の最後の日は訪れなくていい」彼女の人生観である。二人は結婚して子供にも恵まれる。が、共に浪費家で、チャーリーは金策に苦労する。彼は通信社に勤めながら、小説をいくつか書き上げるが出版にまで至らない。そんなとき、ヘレンの父の土地から石油が出て金持ちになる。ヘレンは夜な夜な遊び呆ける一方で、彼は小説に専念する。ヘレンは夫の才能を信じて応援してくれるが、やはり出版されない。自分の才能にヤケを起こし、享楽に溺れるてゆくチャーリー。酒、カーレース、浮気で浪費される日々。ヘレンもテニス選手と不倫の関係に。愛しあいながらもすれ違う二人。ある日のパーティで二人は諍いをし、チャーリーは先に帰り、玄関に鍵をかけ酔って寝てしまう。ヘレンは家に入れず、雨に濡れて妹の家に行くが、病気になってしまう。やがて娘を夫に託して逝去。チャーリーは娘を妹夫婦に預け、アメリカに帰る。二年後作家として成功し、巴里を再訪。娘を引き取ろうとするが、義妹が許さない。義妹は姉を見殺しにし、自分の愛も受け入れてくれなかった彼を憎んでいるのだ。だが夫に諭され、彼に娘を引き合わせる。抱き合う父と娘。人生の崩壊寸前に追い込まれながら、何とか踏みとどまり、人間らしい生活を取り戻せた男の物語。二人の放蕩ぶりが中途半端にしか描かれていないので、底の浅い人生ドラマになってしまっている。二人の空虚感、疎外感、絶望感が深ければ深いほど、悲劇が盛り上がり、そこから立ち直ったときのカタルシスが大きいのだ。元来山師的な義父を物分りがよく陽気な性格にしたのも失敗の原因だろう。奇妙に明るい家庭に見えてしまうのだ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-05 07:17:50)(良:1票)
272.  若草物語(1949) 《ネタバレ》 
明治元年に書かれたオルコット女史の自伝的作品。作中の次女ジョーが作者。父不在の家で、母と四姉妹が貧しいながらも愛情に満ち、幸せに暮らす様子がみずみずしく描かれる。クリスマスに自分たちの欲しいものを買ったが、母親のみなりのみすぼらしいのを見て、母へのプレゼントに替える。年に一度の豪華な朝食を赤ん坊が生まれたばかりの貧しい家にわけてあげる。継ぎ当てのドレスで隣人ローレンスとこっそり踊る舞踏会。ローレンス老と四女ベスの年齢を越えた友情。ジョーは大切な髪を売って、母が父の入院先に行く旅費を作る。ベスは貧しい家の赤ん坊の看病をして猩紅熱にかかる。O・ヘンリーの「賢者の贈り物」のような心温まるエピソードが続きます。が、恋愛になると話は別。長女メグの恋愛は、一目ぼれのブルックの愛を受け入れるだけの定型。エイミーに至っては恋愛部分を全てカット、ヨーロッパでローレンスと結婚して戻ってきます。ジョーはローレンスと友情を育んでいましたが、その愛は拒みます。彼女は作家になりたいという情熱を持ち続けていましたが、それを理解してもらえないと悟ったから。傷心のまま、作家修行を兼ねてニューヨークへ家庭教師の仕事に就きます。そこで価値観を同じくするベアと知り合い、創作上の助言を受けたりしながら、清い愛を育みます。が、ベスの容態が悪化し、看病の為、帰省。最愛の妹ベスは亡くなります。ここが最大の泣かせどころなのですが、割愛されてます。ジョーはベアの助言に従い、大衆に媚びずに自分の本当に書きたいことを書いた本「わたしのベス」を仕上げます。エイミーとローレンスがヨーロッパから帰宅した日、ベスが出版した「わたしのベス」を持って現れます。著者に知らせずに勝手に出版していいんでしょうか。それはともかくハッピーエンドです。父親が戻ってきたにも関わらずほとんど出番がなく、違和感あり。前半は四人がバランス良く描かれていますが、後半は完全にジョー中心で、一貫性を欠きます。ジョーは長女の結婚に大反対でしたが、いつの間にか喜んでます。その経緯が不透明。原作と三女と四女が入れ替わっていますが、それは幼い容姿の四女が結婚するのは不自然だから。原作では数年経ちますが、映画では1年くらいです。後半にアラの目立つ脚本です。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-04 19:06:46)(良:1票)
273.  愛と追憶の日々 《ネタバレ》 
どこにでもある平凡な家庭の母と娘の愛情物語。だが、それがテーマと分かったのが開始1時間も経ってから。エマは赤ん坊から結婚まで一足飛び。スカートがまくれてパンツが見えていたり、結婚前日にマリファナ吸ってはしゃぐ姿が強烈で、おバカキャラとしか思えず、旦那と不和になろうが、エマが浮気しようが、病気になろうが感情移入できませんでした。旦那はいい人なんですが、オーロラには嫌われる。オーロラは娘を奪われたくなかったのでしょうか。いずれにせよ、二人っきりの母と娘の間に溝が出来、それが埋まったり、広がったりの展開。エマの子供たちはいつも悲しそうな顔。両親が不和の家庭の子供は不幸そのものです。興味深いのはオーロラの恋。五十路女の恋なんて想像もしていませんでしたが、隣人の宇宙飛行士ギャレットのぶっ飛びキャラが見ていて楽しい。砂浜でクレージーな車の運転シーンや、空港での風変わりな愛の告白など印象に残ります。平凡な家庭に持ち込まれた”非日常”。最大の見所ではないでしょうか。シャーリーもチャーミングでした。後半、エマが難病にかかってからは悲劇的要素が強くなります。前半のコメディっぽい展開から、まさか亡くなると思ってなかったのでびっくり。亡くなったからといってすべてが丸く収まったわけではなさそうです。子供は母を許してません。旦那は子供をオーロラに託し、生徒とロマンスを楽しむのでしょう。オーロラとギャレットは結婚で、ここはOK。エマに浮気をさせたのは脚本の最大の失敗。弱い女を演出したかったのでしょうが、旦那の浮気を責める資格がなくなり、子供たちに対する言動にも説得力が失われます。「母の恋」はいいですが、「母の浮気」はNGでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-04 10:29:57)
274.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 
ジョージ(タクシー運転手)とブランチ(ニセ霊媒師)<以下GB>、アーサー(宝石商)とフラン<以下AF>の二組のストーリーが途中から交差する構成。GBはおまぬけで下品、完全にコメディ路線。AFは誘拐犯で殺人も辞さないシリアス路線。最後までかみ合わないままで終わってしまった印象がある。アーサーは成功した宝石商なので、犯罪に手を染めているのが不自然。GBがエディ(アーサー)を探すのは遺産相続のためなので、いい話。それなのに命を狙われたりするので、落ち着かない。ちぐはぐなのだ。そこを狙ったとしたらかなり高度なユーモアだ。一層AFもコメディ路線にすれば楽しさが盛り上がったのに。エディが育ての両親を殺したという設定のせいで、重くなりすぎた。おまけにその理由も不明のまま。誘拐の方法など、どこかとぼけた味わいがあるだけに惜しい。マロニーはがさつな殺人鬼で、事故死してしまう。これも重い。アーサーは実はエディというネタばれはもっと引っ張ってもよかった。ブランチのキャラがとてもチャーミングなので、彼女を中心に構成しなおせばよいリメイクが作れると思う。ブランチがサーサーを探して尋ね歩くところはキレがあった。「あなたは山羊座ね」「しし座よ」「だと思ったわ」の会話がツボでした。GBを隠し部屋に閉じ込める方法も大うけ。ラストでブランチが宝石のありかを見つけますが、その説明がつかないですね。シャンデリアがゆれて偶然落ちてきたほうがまだ納得。GBらしいオチになります。やはり映画は脚本が命ということを再確認。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-23 12:46:39)
275.  アフリカの女王 《ネタバレ》 
脚本はよく出来てます。中年の牧師の妹が、飲んだくれのおんぼろ汽船の船長と、不可能と言われる激流くだりをなしとげ、魚雷で敵国ドイツ軍の砲艦ルイザを撃沈する。途中、あまたの障害、苦難に遭遇し、それに格闘し、打ち勝つうちに二人は恋に陥る。最後は失敗に終わったと思わせておいて、どんでん返しが待っています。障害の多彩さは見事です。小説なら最後まで退屈せず、楽しく読めたと思います。リメイクすれば、そこそこのヒットが見込める作品です。で、映画ですが。まず砲艦ルイザが小さくてがっかりしました。ドイツ人をお人よしのように描いたのは逆効果。あくまでも「巨悪に立ち向かう正義の二人」という路線を貫くべきでしょう。お人よしのドイツ人の乗る小さなルイザを爆発させても、カタルシスは得られません。オルナットのキャラですが、もっと酷い荒くれ男にすればより面白くなりました。女に従順すぎるのが欠点です。大好きなお酒を勝手に捨てられて、怒ることもできないんじゃ、だめ人間です。不可能な作戦にはもっと逆らいましょう。わがままで傲慢、まるで言うことの聞かない男を女がどうやってその気にさせるか、そこが見所になる筈です。ローズは敬虔なクリスチャンで、か弱い中年淑女ですが、死の激流下りを恐れるどころか、楽しむという勝気のところがあります。そのアンバランスが魅力なのですが、勝気さが中途半端にしか描かれず、感情移入しにくいです。いっそうのこと、ローズが冒険を通じて、自分らしさと自由を取り戻す「自分探しの旅」にすればよかったのです。ローズの心の成長をもっと見たかったです。それにしても牧師さん、あんなことで死ぬなんて…。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-11 02:37:53)
276.  G.I.ジョー(2009) 《ネタバレ》 
武器や戦闘アクションシーンが好きな人向きの映画。善悪がはっきりと分かれていて、とてもわかりやすい。簡単に敵の基地がわかって、もぐりこめたりします。武器も自分で作っておいて、それをわざわざ盗むとか、チープ感満載です。そーいえば、ライバルをほめただけの理由で自分の武道の先生を殺す少年とかでてきて、完全にお子様向けの作品ですね。ナノテクを使ったユニークな武器が登場しますが、中途半端で終わります。どの場面をとっても緊張感がないんですね。CGが満載なのだが、残念ながら質は高くありません。カーチェイスはパワードスーツの人間が活躍しますから、少しは楽しめました。いまだに日本と中国の違いを理解できないハリウッドを確認するにはうってつけの作品です。あ、そうだ、最後がよくわからなかったですね。「戦いはまだ始まったばかりだ」と追い詰められた悪役がいいますが、ナンバーのついた部屋が現れ、閉じ込められます。あれは独房なのでしょうか。それにしても、あの悪人、大統領になりすまして何をしでかすことやら。知能の低いことに決まってますがね。次作は見る必要なさそうです。
[映画館(字幕)] 6点(2009-09-01 00:53:38)
277.  ノウイング 《ネタバレ》 
最初に魅力的な謎が提示される。その正体が明らかになるにつれ、人類滅亡という壮大なスケールの物語であることがわかる。最後は地球はフレアに飲み込まれ、全生物は滅亡。心優しい宇宙人がノアの箱舟的発想で、選別した人類を宇宙船で連れ去ってゆく。飛行機、地下鉄、フレアのCGは迫力があった。多方面からのカットを小気味よくスイッチし、ほどよい時間に編集されており、見るものを飽きさせません。この監督の次回作も観たいと思いました。さて、この手の映画の評価は、鑑賞後ストーリーを検証してみて、納得できるかどうかにかかっています。1.少女は予言の数値を受け取ります。最初は意味がわかりませんが、やがてその意味を知ります。それなら、彼女の正しいことは簡単に証明されるはずです。何しろ全部あたるんですから。世界中から注目されること必至です。2.宇宙人は未来を知っており、全知全能に近い存在。でも何度か子供達をさらうのに失敗していますね。わざと?4.宇宙人が予言のメッセージを送った意図は何か。テレパシー能力があるかを判断するため?未来を知ってるなら、誰を連れていくかもわかるはずですが。5.ジョンと息子、ジョンと父の関係はうまくいっていません。その関係が修復されるのがサブストーリーですが、上っ面だけの修復で、失敗しています。5.あの黒い石はどういう意味があったのか?6.ケレイブ(息子)も取り付かれたように数字を殴り書く場面がありました。あれは何の数字だったのか?未来はほとんど残ってないのです。7.女先生が、まだ数字を書いている少女の紙を、時間だといって、無理に取り上げますね。あんなことしないでしょ。8.飛行機と地下鉄の事故がありますが、あれに家族をからめればよかったですね。悲劇性が高まります。自己犠牲の要素も取り入れるべきでした。9.ルシンダは何故、ベットの裏にメッセージを書いたの?10.ルシンダはどうして娘の死ぬ日を予言できたんだろうか?娘にそれを伝えた理由は?11.ねえ、宇宙人ってフレア止められないの?12.宇宙人は何故間際になって人類を連れていくのだろう。もっと何年か前から計画的にやったほうがいいのでは?
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-04 03:47:28)(良:2票)
278.  天使と悪魔 《ネタバレ》 
反物質を作る計画があり、それを知ったヴァチカンの偉い人、カメルレンゴはそのような神に反抗するような行為はやめさせるべきと思いましたが、教皇は支持。激怒したカメルレンゴは教皇を自然死に見せかけて毒殺、殺し屋を雇って反物質を盗み出し、さらにイルミナティの仕業にみせかけ、教皇候補の四人を誘拐、一時間ごとに殺してゆき、最後は反物質を爆発させるという計画をたてる。流れからいうと3人死んで、四人目に阻止されるなと予想していると、予想はあたった。あの殺し屋はどうやって警備が厳重な実験室に入ったのか?どうやって実験が成功したのを知ったのか?どうやって教皇候補を誘拐したのか?何故ラングトン教授を殺さずに、俺の雇い主はヴァチカン関係者などと親切に教えたのか?殺し屋を殺した実行犯は誰か?カメルレンゴは何故ヘリを操縦でき、かつパラシュートもつけていたのか?そもそもヴァチカンを爆発させても意味がないわけで、反物質をどうするつもりだったのか?教皇になるつもりだったにしては計画に無理がないか?そもそも資格がないのだから。殺し屋がたった一人というのに無理がないだろうか?ランゴトン教授はどうしてラテン語も読めないのか?これらのことが気にならなければ、楽しめる映画です。いきなり謎が次々に提示され、すばやく展開し、ぐいぐい観客を引き込む手法はたいしたものです。
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-06 01:00:05)
279.  ドラゴン・キングダム 《ネタバレ》 
野暮を承知でシナリオに拘ってみました。キングダムで、将軍と悟空対決。将軍が悟空を石にして、不老長寿の薬を入手。悟空は石にされる前に如意棒を中国に飛ばす。それが現代の米国の雑貨店に存在、老店主は正当な持主を探している。店が不良に襲われる。カンフー大好き少年が如意棒を持つと、キングダムに移動。ルー(ジャッキー)の話から自分が悟空を救う予言の探索者と知る。少年は帰りたい一心で悟空のいる山を目指す。将軍の兵に襲われるが、スパロウに助けられる。彼女は両親の仇として将軍を狙っている。「賞金稼ぎが山に行くのを防いでいるの」などと説明するのでわかりにくい。突如馬に乗った僧(ジェット)に如意棒を奪われる。ルーと僧対決。聞けば、僧は探索者を探しているとのこと(実は孫悟空の分身)。最初に少年に如意棒を持っている理由を質せばよかったのに。少年はカンフー修行しつつ旅を続ける。砂漠を越えて山に近づく。ここで賞金稼ぎの白髪魔女に襲われ、ルーが瀕死の重態となり、一行は寺に避難。不老不死の薬があれば助かるのを知ると、少年は単独で如意棒を将軍に渡しにゆく。思慮に欠けますな。というか悟空を救う話が、ルーを救う話に変っている。だから悟空が蘇ったときカタルシスがなかったのか。魔女は妖艶だが、将軍の厚化粧に苦笑。薬を巡り、少年と魔女対決。途中で僧と寺僧乱入。何故か、ルーを板に載せて連れてきている。ルー復活、孫悟空も復活で怒涛の決闘シーンへ。生身の人間同士ではなく、魔術使いとの対決なので緊張感に欠ける。スパロウの持つ翡翠ダーツが将軍の弱点らしいが説明不足。スパロウ死ぬが、少年が翡翠ダーツで将軍退治。どういうわけか天帝が現れ、少年を現在に帰す。強くなった少年は、不良を倒す。うーん、将軍の悪者ぶりが中途半端。将軍どうして悪くなったんだっけ?雑兵ばかりで、猛者は魔女だけ。スパロウの悲惨さが浮いている。単なる暴れん坊キャラの悟空をやめて別の正義キャラとし、中ボス四人ほど用意すればすっきりしたはず。少年が精神的に成長してゆく過程を見せるべき。ところで悟空の分身は何故僧の姿だったんだろうか? 老店主がジャッキーだったのは驚きました。
[DVD(字幕)] 6点(2009-05-04 16:34:13)(良:1票)
280.  300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 
2500年ほど前のスパルタを中心とするギリシア軍とペルシアの遠征軍の間で行われた「テルモピュライの戦い」とそれに続く「プラタイアの戦い」を題材にしている。真面目に史実を描いているのだなと思っていたら、途中でクリーチャーのような巨大戦士が出てきて方向転換。うーん、そういう映画だったのか。「北斗の拳」の実写版と思えばいいのです。化け物のような処刑者はインパクトありましたね。1シーンだけでは惜しいです。ゾウとサイ、弱すぎです。えっ、火薬もあったことになってる。スクリームのような仮面部隊出すなら、いっそジェーソンも出してほしかった。所詮は原作がアメコミでした。とにかく凄まじい戦闘シーンのオンパレード。ここぞというときに必ずスローになり、悲壮感のある音楽とあいまって美しい舞踏のように描かれています。(本来重兵装部隊なのですが、上半身裸でがんばってます。筋肉のCG疑惑あり)でもすぐに飽きました。そればっかりなんで。300人(史実ではテスピアイ 、テバイ軍も一緒ですが、省略です)対数万の戦いなら、孔明、義経、高杉晋作などのように知力で勝負すればいいものを肉弾戦という無謀さ。「自由」「祖国」などと叫んでも、感情移入できず。ペルシャ軍に対するリスペクトがなく、子孫のイラク人が激怒したのもわかります。新たな紛争の火種にならなければいいのですが。ただペルシャ軍の使者はそこそこかっこよかったし、軍隊のデザインなども中々のものでしたよ。美的センスは認めますが、スローの多用はくどいです。ヴァイオレンスはもっと控えめに。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-06 15:04:57)(良:1票)
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