541. ある日モテ期がやってきた
これは凄い、と思ってしまうくらい、まったく面白くない。一番の敗因は、主人公のダメお君ぶりが中途半端な点。この路線で行くんだったら、根暗でオタクなんだけどそこそこ才能を発揮する場面もあるか、逆に自虐と内向が突き抜けててかえって笑える状態になっているかの、どっちかでしょう。その辺の前提の作り込みがしっかりしてないので、いくらそれに美女がとか言われても、物語が始まらないのです。一方でヒロインの方も、それなりの美女ではあっても、この設定が生きるほどの存在感はないです。 [DVD(字幕)] 2点(2018-03-08 01:15:29) |
542. ブルージャスミン
何でブランシェットがこの作品でオスカーなのか、さっぱり分かりません。彼女はこれより良い演技をほかの作品でいくらでもしています。ちなみに、2013の主演女優部門だったら、私が推すのはゼロ・グラビティのサンドラ・ブロックなんだけど、あの作品は視覚・音響・撮影の技術方面ばかりが異様に注目されてしまったから、仕方ないのかなー。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-03-06 00:53:41) |
543. ラビリンス/魔王の迷宮
これはさすがに、中身がまったくない、としか・・・。ジェニファー・コネリーも、初期の頃はこんなに演技がぎこちなかったのかということと、デヴィッド・ボウイのアホコスチュームが笑えることしか、見所がない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2018-03-03 00:18:37) |
544. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 このシチュエーションからは、さぞかし主人公は最後の再会に向けて延々と艱難辛苦を体験し・・・みたいな光景を想像していたのですが、何と予想外に軽い(!)ノリで最後まで押し切ってしまう。主人公が生きていることは割と早々に把握されるし、通信も順調に回復するしね。で、孤独の苦闘系の作品はすでにいくつもありますし、これはこれでOKかと思っていたのですが、実はがくっときたのは最後の講義の場面。ここで一気に、それまで長期間宇宙にいた重みまで半減してしまって、普通のアドベンチャードラマっぽくなってしまいました。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-02-26 00:57:23) |
545. ロック・スター
《ネタバレ》 ストーリーは定番中の定番、というかありがちを通り越してむしろ陳腐ですらあります。主人公の彼女の下積み時代の共働が描かれてないので、スターになった後のギャップも出ない、とか、主人公のスター生活に対する疑念がどこから出たのか不明、とか、突っ込みどころはいろいろあります。しかし、この作品の価値を保っているのは、肝心のライブシーンを、照明や客入れや大道具も含めてきっちり撮りきっていることです(大ステージはもちろんだが、一方でクラブ演奏の方もこの辺の手抜きがない)。で、バンドメンバーがザック・ワイルドにジェフ・ピルソンにジェイソン・ボーナム!(え、ブラス・エリアスも出てた?)そりゃ、ちゃんとしたステージ映像になるってものです。いや、マーク・ウォールバーグ自体、ジャンルはまるで違うとはいえ元マーキー・マークだけあって、ステージ上の動きにもそつがありません。まあ、この辺は、映画というより、よくできたライブ・クリップを見ているような気もしますが、それでも、主人公の初ステージに向けて緊張が盛り上がるくだりなど、つい見入ってしまいます。それと、よくインタビューとかで言われる「音楽性の違い」が、実際はあんな下らない会話の積み重ねだということも分かって、ちょっと笑えます。 [DVD(字幕)] 6点(2018-02-18 00:31:32) |
546. ジャッジ 裁かれる判事
《ネタバレ》 法廷以外の場面が緊張感なさすぎでだらっとしている。兄弟、妻、娘、元カノ、その娘といったサブキャラが全然効果的に使われていない。弟が持っているカメラとかコンビニで買った卵とか、伏線なんだろうと思ったら見事に何もなし。登場人物の心の闇や影をあぶり出すのが得意な名手ヤヌス・カミンスキーの撮り方と、暖かく穏やかで力強い方向に物語を向けようとする演出がまったく合っていない。内容の割に尺長すぎ。と、突っ込みどころは満載なのですが、実はびっくりしたのはロバート・ダウニー・Jrの芝居でありまして、ここまで自然で堅実な演技ができる人だとは、今まで気づきませんでした。仕事の実力はあるんだけど人間関係は万事苦手で、何となく距離を置いてしまう・・・という立ち位置を、オーバーアクトすることなく、台詞や動作ではなく「存在」で示しています。この作品は彼に大幅に救われています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-06 23:30:41) |
547. 31年目の夫婦げんか
作中の夫婦は倦怠して停滞しているという設定なのですけど、ストリープとトミー・リーの芝居までが完全に停滞してしまってるんですよね・・・。肝心のカウンセリングの中身が、同じようなことを同じように繰り返しているだけで、突飛さもなければ鋭さもない。なので、すべてが予定調和にしか見えません。あと、この種の話では主人公周辺の脇役の使い方でいろいろ差が出るんだけど、この作品では脇役が全然機能してない、というかそもそも脇役が存在してない。●バーテンダーの姉ちゃんがエリザベス・シューだったとは!しまった、もっときちんと見ておくんだった・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-02-03 00:13:08) |
548. モネ・ゲーム
キャメロン・ディアスの役は、もっと若くて世間ずれしてなそうな人でないと意味ないでしょ。この人がオッサンたちの思惑など無関係に暴走して、その結果いろいろ変わっていくところに面白みがあるんですから。ここが原動力として機能していないので、コリン・ファースやリックマンの演技も停滞してしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-01-24 04:12:02) |
549. さらば冬のかもめ
《ネタバレ》 ロードムービーが面白くなくなるパターンに、この作品も陥っておりまして。個々のエピソードが単に順番に積み重なっていくだけで、必然性や変化がないのです。ただし、ラストで何も起こらずメドウズが淡々と収監されるところは、かえって全体の虚しさを醸し出していて、作品を救っています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-22 02:07:14) |
550. サタデー・ナイト・フィーバー
《ネタバレ》 トラボルタが脳天気に踊りまくるアホ青春映画かと思っていたら、むしろ真逆で、雰囲気はひたすらじめじめと鬱屈している。この作り方は前年の「ロッキー」を下敷にしたのかな、と思ったら、主人公の部屋にはポスターが貼ってあるし。しかも、アル・パチーノに似ていると言われた主人公が自分を見立てるのが「狼たちの午後」ですか。ただ、結局はその鬱屈がどこかで凝縮して反転するということなく、最後までそのまま何となくダラダラと終わってしまうし、輪をかけて登場人物の交通整理ができていない(脚本家が思い出した順番に出てくる、という感じ)ので、裏青春映画としても浸ることができない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-21 00:19:55) |
551. ラストベガス
スティーンバージェンも入れたら、オスカー俳優5人が揃い踏みですね。でも、こうやってドリームチームみたいな顔合わせにした場合、みんなに気を遣って、出番を整えたりとか役柄を調整したりとか、つまり俳優が中身に優先してしまいがちなのですが、この作品もやっぱりそうなってしまいました。4人が4人とも、背景を含めた描写があまりにも安直かつ浅薄で、みんな流しで演技をこなしているのがミエミエです。というか、そもそも実力を発揮すべき土俵も与えられていないのですけどね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-12-30 02:20:33)(良:1票) |
552. グレムリン2/新・種・誕・生
前作に輪をかけて面白くない。結局、グレムリンの造形自体に全部の力を注ぎ込んでしまい、そのキャラクターが何を考えてどう動くか、という肝心のところが考えられていない点が敗因ですね。なので、主人公たちが何を目標とすべきなのかも判然とせず、作戦や行動で光っていくわけでもなく、グズグズのままに終わってしまっています。突然一瞬だけ炸裂するスレイヤーの"Angel Of Death"に2点。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-12-16 01:18:04) |
553. 水曜日のエミリア
主人公には、子のいる男性と再婚する(しかも略奪婚で)という重大局面に対する気構えも覚悟も感じられないし、夫の方は夫の方でいろいろ発生する問題に対しまったく頼りになっていない。前妻は人格設定も言動も短絡的で描写が浅く、子供はまったく躾や教育がなされていない。つまり、出てくる人出てくる人がことごとく不愉快なので、見ていても不快感しか残らないのです。制作者は何が表現したかったんだろう? [DVD(字幕)] 3点(2017-12-15 22:43:14) |
554. グレムリン
《ネタバレ》 あれ?こんなにつまんなかったっけ?と思ってしまった。主人公側は揃って頭が悪そうな上に行動にも工夫がまるでないし、グレムリン側も、どばっと一度に出てくるだけでは、かえって怖くなくなってしまう。唯一の見所は、ママのキッチン対決シーンでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-12-12 01:11:32) |
555. 襲われた幌馬車
《ネタバレ》 冒頭、主人公が復讐の最後に失敗して敵の手に落ちるところまでは、まあ1つの定石。そこで何やら移動中の集団と合流してドラマが始まるんだけど、やたらと身なりが清潔で小綺麗だし、みんな宗教熱心で礼儀正しいし、なぜか美女が3人もいる。というわけでそこからは、随所で予想を外してくる展開が待ち構えているのです。泳ぎから帰ってきた後のシークエンスもインパクト大ですし、忘れた頃に出てきて絡んでくる軍隊の存在も面白い。ただ、いろいろ片付いた後の裁判がどうのこうのというところは、やはり余計だったかな・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-03 22:14:23) |
556. シャロンの屠殺者
《ネタバレ》 導入部では、天然で野放図な主人公のキャラクターに新鮮味があって、また3人組のかけ合いもそれなりに面白く、こんなウエスタンもありかと思っていたのですが・・・中盤以降、なぜか突然グダグダになってしまいました。登場人物を動かし切れなくなったというか、スタミナ切れになったのでしょうか。大佐の妻とのどうのこうのも、かなり無理矢理感満載です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-11-30 00:11:37) |
557. ボーダーライン(2015)
《ネタバレ》 描写を抑えることによってかえってその底から滲み出てくる恐怖と緊迫感を感じさせるセンスとバランスは、この監督ならでは。ただし、終盤はデルトロの復讐譚一直線みたいになってしまっていて、もっとヴィルヌーヴ独特の人間の業の深さとかどろどろした情感の部分を見たかった。あと、設定から何となく「ゼロ・ダーク・サーティ」と比較してしまいますが、ヒロインのダメージ食らいぶりとそれでも立ち向かう芯の強さみたいなものは、あっちのジェシカ・チャスティンの方が上ですね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-11-29 01:20:16) |
558. シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛
《ネタバレ》 こんな大人のラブロマンスがあったとはねー。演技面ではもちろんマーシャ・メイソンが中心なんだけど、ジェームス・カーンがそれをしっかり受け切っていて、さらに子役の彼も巧く絡んでいる。イーライ・ウォラックの使い方も絶妙。前半は、障壁乗り越え系(?)のロマンスとして堂々と進行し、あれ?ちょっと上手くいきすぎじゃない?と思っていたら、まさかの方向に話が進展する。終末部では、ビリヤードやナイフなんかの冒頭導入アイテムを用いて回帰を示し、祭りの後的な一抹の虚しさを感じさせ、「でも、でも最後に何とかなるよね?」と願わせておいて、本当に何とかしてくれました。お見事。 [DVD(字幕)] 7点(2017-11-27 03:21:16) |
559. ザ・スナイパー(2005)
《ネタバレ》 せっかくの設定なのですから、それぞれの背景や生業や感覚や意識の差を際立たせるだけで、もっと面白くなったと思うんだけどな・・・。双方の描き方が平坦なので、ギャップによる笑いが出てこない。殺し屋がスランプに陥るというギャグ部分も、変に真面目に描こうとしているので、何がしたいのか分からない。あと、奥様の絡み方も中途半端です。 [DVD(字幕)] 4点(2017-11-22 04:53:26) |
560. エルダー兄弟
《ネタバレ》 中盤くらいまで、何をやっていても妙にのんびりした雰囲気が漂っていて。画面上では、4人を同一フレームに入れたショットが妙に多いのですが、つまり、せっかく4人いるのに、それがひとかたまりになっていて、個性が殺されてしまっているのです。罠にかけられて捕らえられるあたりは、一つの盛り上がりどころなのでしょうが、あまり反撃らしい反撃もしないので、さらに陰気な雰囲気が立ちこめてくる。橋での銃撃戦くらいからやっと面白くなってきますが、その後の個々の処理も割と雑でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-11-21 02:02:00) |