61. 主人公は僕だった
《ネタバレ》 SF小説などで何度かみたテーマ、自由意志の有無で思い悩んでもしょうがない。何を信じるかが全て。その証明としてその疑問を持つ前の君は楽しくやってただろ。 といった内容にするのかと思って鑑賞していると、展開は予想外の方向へ。 わざわざこのアイデアを使ってこの方向でまとめる意味がよくわからない。 アイデアそのものも作家のスランプはキャラクターが抵抗しているからだ、というものだと思ってたら、そういうことでもなくかなり中途半端で曖昧。 自分の作品の登場人物が訪ねてくることで作家自身も自由意志を疑い始め、確かめるべく神に逆らうように今までの自分ならやらないであろう突飛な行動を二人でとるようになる。そして、次第に二人の距離は縮まってその時間を楽しんでいるのを互いに覚り、自由意志なんてどうでもいい。何を信じているかなんだと覚り、二人は恋仲に納まる。 てな感じの文芸作品としてまとめた方がしっくりいくんじゃないでしょうか。 これなら登場人物だと名乗る男の扱いをファンタジーにも、狂人のたわ言にも出来て、曖昧で徹せるし(かなり諸々の設定を変えなきゃならないですが)。 [DVD(吹替)] 4点(2007-12-19 19:12:01)(良:1票) |
62. パラダイスの逃亡者
《ネタバレ》 「ミッドナイト・ラン」の脚本家であるジョージ・ギロ監督、脚本作だけあって前々から観たかったのですが、DVD化もされてなければレンタルでも見当たらなかったので地上波放送をかなり楽しみにしていました。 「ミッドナイト・ラン」と同様に物語の構造上の役割を各々別個のベクトルでまかない収束させる手腕はさすが。 ただ、長男が銀行強盗しようと思い立つ動機が不明(それ以前の描写ではそんな奴ではなかった)、サラは何で強盗だと見抜いていながら見逃すのか(そもそも何故見抜けたのか)、サラとのロマンスは一目惚れでしかないので軽薄、と欠点は多数。 地上波放送用にカットされた部分にそれらを補完する内容があることを祈って、甘めの採点。 [地上波(吹替)] 7点(2007-12-18 21:50:36) |
63. ユナイテッド93
あの事件をわざわざ脚色した作品など観たいなんて思っていませんでしたが、「ボーン・アルティメイタム」の出来に感動して、監督の手腕目当てで鑑賞。 観賞後は自分の認識の甘さに反省しきりでした。 あれだけ乗客と外部が接触できる状況であるのなら、現実を随分再現されているのでしょうね。 そして、当日の混乱をここまで想像できていなかったのを痛感。 やはり対岸の火事にしか思えていなかったんだな・・・。 多くの概念を覆す一大事であったのをよりリアルに実感させてくれる良作。 [DVD(字幕)] 9点(2007-12-18 21:28:38) |
64. レディ・キラーズ
《ネタバレ》 観ていないと思ってレンタルしたのですが、既に鑑賞済みだったのがショック。 コーエン兄弟好きなんですけどね。それだけ記憶にすら残らない代物だったんだ・・・。 要は殺そうと思った奴らが自滅していくという1本ネタのコント。 しかも、そのどれもが取って付けたような内容ばかり。 そりゃ、忘れちゃうわけだ。 [DVD(吹替)] 1点(2007-12-18 02:48:08) |
65. ペギー・スーの結婚
何だか中・高生が書いたような話ですね。 とんでもなく直球で短絡的。 [地上波(吹替)] 2点(2007-12-17 22:37:24) |
66. ボーン・アルティメイタム
《ネタバレ》 いまだかつてここまで興奮しながら観た映画はない(劇場で観たのもプラスになっているでしょうが)。 このシリーズは基本的に好印象だったのですが、前作、前々作ではいびつな構成、記憶の回復で状況解決するなど、減点せざるを得ない内容があり、半端な点数しか投じることができませんでした。 しかし、見事な有終の美を飾ってくれたシリーズ完結作。大々満足です(思わずサントラCD買って帰るほど)。 演出の匠もさることながら、ゲーム性だけで突っ切るなんともパワフルな脚本。 こういう潔い勝負をしている作品は少ないですし、実際満足に至ることも難しいと思います。 シリーズ徹してこの水準に仕上げることが出来なかったのが残念でならないですね。 1作目、2作目で見切りをつけてしまった人は、とりあえず最後まで観ることをお勧めします(是非、劇場で)。 [映画館(字幕)] 10点(2007-12-17 18:54:23)(良:1票) |
67. シンプル・プラン
自分もあの境遇で、あの状況で、あの仲間がいれば同じ展開になりかねないという設定の匠に感嘆しましたし、恐怖を覚えました。 止めようと諭していた側が状態の変化でコロッと立場を逆転させてしまう描写など素晴らしい。 その他にも脚本上の技巧は多彩で、惚れ惚れさせられました・・・美しい。 [ビデオ(字幕)] 10点(2007-12-17 13:21:50) |
68. アナライズ・ミー
《ネタバレ》 もっていきたい方向は充分にわかるのですが、医師とのエピソードが強引ですし、彼の人物設定が曖昧。 マフィアの父の死の真相を知って捜査協力を放棄する理由がないし、会合での堂々とした立ち振る舞いへの豹変など。 医師の内的変化を要する流れなのだから、ドラマが施されていなければ腑に落ちない代物になるでしょう。 [DVD(吹替)] 4点(2007-12-17 13:14:18) |
69. 容疑者(2002)
確かにタイトルやパッケージからサスペンスを期待してしまった人には不満があがるでしょう。主人公は刑事だし、殺人起こるし。 ちゃんとヒューマンドラマだと認識できていれば、構造的に見せている良質の文芸作品だと思う。 ただ、2つ目の殺人はもう少し早く起こった方がいいような気もする。 [DVD(吹替)] 7点(2007-12-17 03:53:54) |
70. 隣のヒットマンズ 全弾発射
とんでもなくぐちゃぐちゃした内容。 脚本をたらい回しにでもされたのでしょうか? 何にしてもこの語り口であのオチでは娯楽作品としてどうなんでしょうか。 [DVD(吹替)] 0点(2007-12-16 23:52:13) |
71. あなたが寝てる間に・・・
《ネタバレ》 基本的に少々強引なシチュエーション。 だからこそどうケリをつけるのかと思っているとすぐに方向性が見えてきて納得。 それ故に納得して以降の展開は妙に予定調和の中から飛び出すこともできないままに終わる(結婚式までずるずるいっちゃうのもどうかと・・・)。 アイデアが優秀だっただけに勿体ない作品。 [DVD(吹替)] 5点(2007-12-16 23:49:34) |
72. 不機嫌な赤いバラ
《ネタバレ》 単純に夫人とSPの関係を見ている分には愉快ですし、心地よいのですが、構成としては・・・。 誘拐の前に二人の関係性は柔和しちゃいますし、誘拐の展開も唐突(ワンシーンぐらい伏線入れときましょうよ)。 誘拐はドラマの駄目押し的役割でしかない。 しかも、SPが夫人の安否を慮るのは愛情と責任感からなのでしょうが、愛情に至る部分は用意されたエピソードだけでは弱い。 [DVD(吹替)] 3点(2007-12-16 20:14:58)(良:1票) |
73. 市民ケーン
《ネタバレ》 先ず、語り口が下手でしょう。 「バラのつぼみとは何か」とふっておきながら、かなり漠然と関係者による想い出話を渡り歩くだけ。 最終的にケーンの言動は愛情の示し方、受け方を知らず育ったからなんだろうと想像させるような真相で、感慨深いものがあるものの、観客の興味を誘導する、あるいは持続させる技術が乏しい。やはり、まだ映画自体が発展途上な感じの作品。 登場人物の一人が言った「記憶は人類に科せられた呪いだ」って台詞が印象に残る。 [DVD(字幕)] 4点(2007-12-16 20:05:39) |
74. ニューヨーク東8番街の奇跡
ひとつの未知との遭遇で住民全て、終いにはチンピラのドラマさえも処理してしまう手腕は素晴らしい。 [DVD(吹替)] 8点(2007-12-16 19:58:00) |
75. ラブ・ポーションNo.9
自分の調べた限りではデイル・ローナー初監督作品であるらしく、その出来もそれを起因としているような失敗に満ちている。 先ず、テンポが最悪。 そして、構成の転換部がどれも唐突。 脚本的には、そこそこ芸がみられるだけに残念な出来。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-12-16 19:55:11) |
76. ラブ IN ニューヨーク
短絡的な成り行きで済ませてしまう展開が多いので、どうにもドラマに入っていけないのが残念。まあ、単純な文芸。 [地上波(字幕)] 5点(2007-12-15 08:43:37) |
77. キャッツ&ドッグス
《ネタバレ》 諸々雑な世界観ですね。 犬アレルギーを克服する薬がアレルギーを生む薬になるは、それで猫の天下になる、とか設定が飛躍し過ぎるため、置いてきぼりをくらう。 構成うんぬんを語る以前の代物。 [地上波(吹替)] 0点(2007-12-15 08:39:45) |
78. サハラ 死の砂漠を脱出せよ
ふたつのストーリー・ラインが交差しながら進むので、どうにも方向性が定まらない状態が続き、困惑させられる。 製作実現のために脚本が歪んでいったんだろうな・・・。 ぐちゃぐちゃしたアクションものになっちゃった。 [地上波(吹替)] 4点(2007-12-14 00:59:34) |
79. 恋するための3つのルール
《ネタバレ》 茶番に憤って、あの場で娘を殺すように部下へ命じるなんて展開は理解に苦しむ(直情径行のマフィアという設定でも「あの場で」ではただの馬鹿です)。 解決をいかに扱うかが何よりの芸当ですからね・・・評価は下がる。 [地上波(吹替)] 3点(2007-12-13 15:46:22) |
80. ザ・シューター/極大射程
《ネタバレ》 厳しい窮状やゲーム性豊かな攻防は楽しめるものの、成立しないでしょという突破の仕方もあれば、ご都合的な展開もある。 終いには黒幕の処理が出来なくなって、別個で復讐させて終わりなんて・・・。 魅力的な窮状を用意出来たものの、その処理の仕方までアイデアを用意出来なかった失敗作になってしまっているのでは。 それに殺し過ぎ。多分襲ってきている奴らも真相を知っているわけではないでしょう。 [DVD(吹替)] 3点(2007-12-13 15:39:10) |