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 > 目隠シスト さん
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2285
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 お世話になっております。
只今『真・女神転生VV』攻略中のため新規投稿お休みしております。
2024.6.28
とりあえず1周目クリアしたのでぼちぼち投稿再開しています。
2024.7.19


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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81.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 
『アルマゲドン』と同年制作。20世紀末に量産された人類滅亡系ディザスター映画の代表格です。とっくに観た気になっていましたが、実は未鑑賞だった事が判明したため、この度のお籠り期間を機に初鑑賞しました。正直いいますと『アルマゲドン』と大差無い気がしますが、本作の方がちょっとだけリアリティ路線のような気がします。最後まで諦めなかった人たちが助かる展開はOK。でも諦めて穏やかな最期を迎えようという姿勢も理解できます。公開当時だったら、また違った感想だったと思いますが。大津波シーンの迫力は、今観ても震えます。こんな映画を観ると、ちょっと本気でシェルターが欲しくなります。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-02-20 21:56:59)
82.  ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル 《ネタバレ》 
『ジュマンジ』は、アップデートされボートゲームからTVゲームへ進化。さらにアクションRPG仕様となりました。シリーズ映画として、またファミリー映画として、過不足ない注文通りの出来映えだったと思います。驚きが無い代わりに、失望感もありません。こういう映画はこれで正解。私は支持いたします。ただ、一点注文を。それはクライマックス。あのアイデアをフィニッシュに使うのであれば、それ以前に使用してはいけません。必殺技とはそういうもの。スタン・ハンセンは試合途中でつなぎ技としてウエスタン・ラリアットを放ったりしません。そこだけ、気になりました。
[インターネット(吹替)] 6点(2021-02-05 22:00:45)
83.  スポンジ・ボブ/スクエアパンツ 《ネタバレ》 
私が子どもの時分よく観ていたTVアニメは、ご存じ『トムとジェリー』。そして現在小学生の娘たちが夢中になっているのが本作『スポンジ・ボブ』です。ハンマーで叩かれペチャンコになってヒラヒラ。傍で眺めている分には『トムとジェリー』と変わらないカートゥーンアニメに見えます。Eテレ(かつてのNHK教育テレビ)で放送ですから内容も問題無いはず。しかしこのような認識は、本作を2分も観れば吹き飛びます。一言でいうなら『狂気の毒アニメ』。安心安全なんてとんでもない。害しかありません。日本が誇る良識アニメ『アンパンマン』と同じ擬人キャラクター作品ですが、教育的要素はゼロ。お話はアンモラル&刺激過多で、社会風刺から差別偏見・下ネタに至るまで広域に渡り、基本どうかしています。とりわけギャグの手数の多さは圧巻で、ケンシロウも舌を巻くでしょう。『クレヨンしんちゃん』に眉をひそめる親御さんがいると聞きますが『スポンジ・ボブ』を観たら即死です。こんなアナーキーな作品がEテレで放送されているですから、とかく批判の多い国営放送も捨てたものではありません。 なお本作は劇場公開作品だそうで、TV版には無い『実写とコラボ』の特別仕様となっています。『ロジャー・ラビット』みたいなヤツですな。“お困りごとは全てスーパーカーがジャンプで解決”『ナイトライダー』からマイケル役のデヴィッド・ハッセルホフ氏がゲスト出演という悪ふざけが絶妙で(日本だと錦野旦みたいな肌感覚ですかね)、マイケルにはだいぶ無茶な発注がされています。おじいちゃんスターに何ってことさせるの。よく承諾したものだと感心しますが、それだけ愛されているコンテンツなでしょうね(あるいは大金を積まれたか)。いずれにしても、ギャグクオリティの高さは相当なものです。ただし、子供が30分スポンジ・ボブを観たら、2時間白湯でも飲みながらジブリでも観て精神のバランスを取らせる必要があるでしょう。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-25 18:44:46)
84.  ゾンビーバー 《ネタバレ》 
CG全盛の時代に、チープな縫いぐるみが暴れまくるゾンビコメディ。『ハング・オーバー』のスタッフが集結したとの触れ込みでしたが、確かに『悪ふざけ』だらけの内容でした。個人的には、『悪ふざけ』は『B級』とはまた違うカテゴリーな気がしておりまして、本作についてはアリかナシかでいうとナシかなあ。あまり笑えませんでしたし、どこが見どころかもよく分かりませんでした。おっぱいですか?ただ『ビーバー』に目を付けたセンスは流石です。程よいサイズ感、ダム作る習性や穴掘りスキル。毎度同じ面子で停滞していた感のある『危険野生動物』界に新たなヒーローが誕生したと言ったら過言でした。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-01-20 18:58:32)
85.  グッド・ネイバー 《ネタバレ》 
いきなりネタバレしております。未見の方はご注意ください。なお本作は予備知識なし、予断を持たずに鑑賞される事をおススメします。  ホラー映画の様式に基づく『観客の先入観』をミスリードに使い、裏に悲しきヒューマンドラマを配しながら、その実は極めてシリアスな問題を扱った社会派映画でありました。タイトルも意味深長で、物語の奥深さたるや見事なものです。 メインテーマは犯罪に対する量刑の意味と捉えます。刑法の目的は、罪を犯した者に適正な量の罰を与え更生を促し、社会復帰させること。ポイントは『適正』の部分。しかしながら本作で加害者に科された刑罰はあまりに軽いものでした。判決が出た瞬間、加害者及びその家族は安堵したように見受けられましたが、現実は甘くありません。法が機能していないとコミュニティが見なした場合、『善き隣人』が足りない分の罰を自主的に科すことになります。いうならば集団の自浄作用。それは時に、いや往々にして、適正な量を上回る熾烈なものとなり、加害者の再起は極めて困難となるでしょう。法の機能不全は、社会にとってのシステムエラー。言い方は変ですが、裁判で適正な量刑を受けられなかった罪人もまた不幸かもしれません。 人は過ちを犯します。自身が被告人とならない確約など誰にもありません。観客は、被害者ではなく加害者側に自身を当てはめ、物語と対峙するよう促されています。そこで生半可なホラーより遥かに恐ろしい『法の落とし穴』に気づかされるという仕掛け。『赦し』とは、与えられた刑に服する事にあらず。被害者に、そしてコミュニティに、贖罪を認めてもらうこと。裁判所の外の世界は、必要な罰を受けられなかった罪人にとって『地獄』そのものです。 (以下余談)『寄生獣』で田村玲子は、『人間は何十、何百、何万、何十万と集まってひとつの生き物である』みたいな主張をしていたと思います。これは言い得て妙で、私たちは個人の考えとは別に『集団の意思』に気を配りながら日々過ごしています。ここでいう『意思』とは、法律等で規定される厳格な枠組から、漠然とした『社会の空気』をも含む広義なもの。特に『社会の空気』は、漠然としている分移り気なのに、多大な影響力を有します。不倫した芸能人が赦しを乞う『世間様』もこの仲間。他者を思いやる『共感』が集団の意思を生み、我々を助けることもあれば、挫くこともあると。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-15 19:23:14)
86.  リンカーン弁護士
マシュー・マコノヒーが演じるミック・ハラーというキャラクターが実に魅力的です。手練手管で金をせしめる悪党の一面と、弁護士として真摯に職責を全うしようとする正義の顔を併せ持つ男。どちらが表とか裏ではなく、どちらもミックという人間の正面と考えます。非の打ちどころのない極悪人も、聖人君子もそうそう居ません。ミックは実に人間らしく、そして弁護士らしく、損得勘定を忘れず良心と相談しながら、難局に立ち向かっていきます。感情移入するに足る器量を持った人物でした。イメージ的には少しハリー・キャラハン刑事と重なるかもしれません(細身でヤサ男なルックスも含めて)。展開はスリリングですし、カタルシスも十分。脚本は非常に良質でした。ちなみにミックに対抗できる日本人弁護士だと古美門研介(『リーガル・ハイ』)になるのかな。うーん、タイプは違うけどどちらも素敵。それにしても動く車内で仕事をして酔わない体質は羨ましいです。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-01 00:00:01)(良:1票)
87.  ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey 《ネタバレ》 
人気サブキャラクターを主演に据えるスピンオフ企画は映画界ではよくある手法。今回はDCコミック映画『スーサイド・スクワット』からハーレイ・クインの登場です。かの作品の中でのハーレイの存在感は格別ですので、スピンオフの流れは当然と考えます。作品世界の番付を壊さないため、また有名俳優のギャラ削減の観点からも、本体作品のメインキャラを重用しないのがスピンオフの流儀ではありますが、それにしてもハーレイ以外のキャラが誰も登場しないのは意外でした。それだけ徹底してコストカットされているとも言えますし、顔見せに程よいお馴染みキャラが不在なのかもしれません。キャラクター造形が命のコミック原作にも関わらず、この『駒不足感』はシリーズの弱点かもしれません。 さて、悪役が戦う敵は正義のヒーローではなく、別グループの悪党でした。ポイントは、奴らの方が主人公チームより罪の程度が重いこと。そりゃ、万引き・傷害・強盗より、殺人の方が憎むべき犯罪でしょう。善悪の概念は、絶対的なものから、相対的なものへと移行しました。とかく倫理に煩い映画において、本作を娯楽作品として難なく楽しめるのは、このような『倫理基準の調整』が施されているためです。なかなか巧妙ですね。 ハーレイちゃんの小悪魔な魅力は存分に味わえますし、アクションも見応えあり。ただし内容は無いため、余程ハーレイ・クインというキャラクターに価値を感じていないと、ツマラナイかもしれません。かくいう私はそうでした。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2020-12-30 19:23:56)
88.  スーサイド・スクワッド 《ネタバレ》 
『DCコミック』キャラクターで結成されたオールスター『ヴィラン』チームだそうで。そもそも『マーベル』と比べるとマイナー感が否めない『DC』ですが(失礼)、さらに敵役という『裏面』にフューチャーした事で、より一層地味な印象を受けます。ウィル・スミスやマーゴット・ロビーなど配役は豪華なものの、キャラの能力が化け物(メタヒューマン)に対抗できるかというと疑問。いくら銃の腕前が人間離れしていても、そもそも弾丸が効く相手なのかという話。ハーレイ・クインさんの武器に至っては木製バット。そのへんの輩同志の抗争にしたって、金属バットくらい用意するでしょうに。もっとも、このチーム編成で化け物を倒せたワケですから文句を言うのも筋違いなのでしょうけども。私にとっては、名前も顔も知らない微妙な能力の持ち主たちが、微妙な理由で、微妙な敵と戦うという、何とも微妙なお話でありました(ごめんなさい。基本的にこれは私側の事情です)。全体的に地味な色合いと個性の面々の中にあって、ハーレイ・クインさんの存在感は抜きん出ていました。スピンオフも製作されるほどの人気者ですから、彼女が影の主役なのは間違いないのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-12-30 19:22:45)(良:2票)
89.  マンイーター 《ネタバレ》 
野生動物系パニック映画は根強い人気を誇る定番ジャンル。本作の主役は『ワニ』でした。実績、見た目、ネームバリュー、どれをとっても紛うことなきA級の『危険動物』です。しかも邦題は華々しく『マンイーター』ときました。これはワニ版の『ジョーズ』かと内心期待しましたが、思惑とは少々趣が異なる仕上がりでした。 本作の敵ワニは、それはもう巨大です。何処にでもいる(?)駄ワニとは明らかに格が違う異様なサイズ。しかしその外見とは裏腹に、特別狂暴でもなければ、悪魔的な知性を持ち合わせている訳でもありません。見た目は怪物、中身は普通のワニ。いわば逆・江戸川コナン君。『投棄された核廃棄物で~』とか『科学工場が垂れ流した薬品が~』みたいなギミックで創り上げたモンスターではなく、純粋に『大きな野生ワニ』とした点は潔くて好感が持てますが、その反面、エンターテイメントな刺激的展開には欠けました。ワニにしてみれば、テリトリーに食糧が迷い込んできたから捕獲したまでの話。確かに、喰われた人より助かった人の方が多かったです。 パニックホラーにしては薄口な仕様で、もう一工夫欲しいと感じました。『地の利』を最大限活かすことで、普通のワニをモンスターに変える事は可能なワケで、終盤2人に課した試練を初めからパーティ全体に与えても良かったと思います。また薄口と感じるもう一つの要因は、登場人物に与えられた役割の部分。主人公とヒロイン以外のキャラは「喰われる人」か「喰われない人」の2択でしかなく、個別のドラマが欲しいと思いました。妻に先立たれた老人とか、カメラマニアとか。彼らにもっと仕事をさせてください。優れたパニック映画には、秀逸なサブストーリーが付き物です。 もっとも、濃いめ・脂マシマシがエンタメの正義ではありません。こんなアッサリ風味のパニックホラーも悪くない気がします。ただし、邦題『マンイーター』は大袈裟です。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-12-25 18:50:42)
90.  クーデター 《ネタバレ》 
シリアス且つリアリティある状況設定に対して、展開は思いのほか『ご都合主義』が目立ちます。ハリウッドの娯楽アクション映画のノリと大差ありません。少々アンバランスな印象を受けました。もっとも、そうでもしないとこの危機を乗り切るのは絶望的で、原題『NO ESCAPE』に偽りはありません。 主人公(お父さん)はよくやったと思います。「相手の10歩先を行く」の判断はまさに的確で、何度も絶体絶命のピンチを切り抜けました。いち早く状況を把握し、さらに腹を括れた事が功を奏しました。見事な判断力と行動力です。ただし、そんな優秀な主人公をもってしても、この状況を自力で打開する事は叶わなかったでしょう。最後は運。そして助けてくれる人。最善を尽くした者にだけ、彼らは救いの手を差し伸べてくれるのかもしれません。そうです。これは『ご都合主義』ではなく『必然の奇跡』と呼びましょうか。 もし異国でこのようなクーデターに巻き込まれたら、間違いなく助かりません。それはもうハッキリと自覚しました。政情が安定しているって本当に有難い。そもそもお家大好き人間である私の、外国旅行への意欲がますます遠ざかるうう・・・。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-12-25 18:47:13)
91.  アナと世界の終わり 《ネタバレ》 
ゾンビ+ミュージカル。この組み合わせは新しい気がしましたが、マイケル・ジャクソンのMV『スリラー』で既に映像化済みでしたね。とはいえ映画では珍しいことに変わりはなく、チャレンジングな試みであったと思います。ミュージカルの肝・楽曲はキャッチ―なメロディラインで悪くない仕上がり。ゾンビともミュージカルとも相性の良いコメディパートの散りばめ方も上々。“現状への不満と将来への不安”という青春ドラマ不動の命題を、ゾンビホラーで説く構想も間違っていないと思います。そう、何をとっても『悪くない』のです。しかし言い換えるなら『特別良くも無い』と同義です。先にチャレンジングな試みと申しましたが、そこそこ成功するであろう事は想像に難くない組み合わせ。洋食なら大体チーズをトッピングしてイケるでしょうよって話。正直、もっと面白くていい気がするのです。じゃあ何が物足りないかと考えると、結局『キャラクターの魅力』に行き着く気がします。ゾンビコメディの傑作『ショーン・オブ・ザ・デッド』が愛される所以は、パロディとして秀逸であること以上に、ポンコツコンビが実に愛らしいからです。本作のヒロインも決して悪くありませんが、やっぱり「悪くない」どまりと考えます。すごく惜しい気がします。全体的に。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-12-20 00:53:14)(良:1票)
92.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
今となっては『既視感』を覚える描写が多いものの、裏を返せば後発作品に与えた影響が甚大ということ。映画はもとより漫画など、数々の名作傑作を生む礎となった作品に低い評価など付けられるはずもありません。ちなみに1951年製作のオリジナルは鑑賞済みですが記憶は薄く、当時の感想を見返してみても正直あまりピンと来ません。その点、本作のインパクトは抜群で強く記憶に残るものであり、リメイクが成功した稀有な事例であるのは間違いなさそうです。というより、基本設定のみ頂戴したオリジナルと見立ててよいのかも。さて結末について。主人公はやけくそになって基地を爆破し『生き物』と心中を図ったように見えますが、極寒の地でも冬眠で生き残れるヤツらに対し有効な作戦とは思えません(その点、主人公は百も承知)。彼もまた『生き物』に同化されていた可能性も捨てきれない気がします。このあたり、真相を結論づける決定的な証拠は無いと思われ、それゆえに解釈に幅があります。エンドクレジットで感じる不穏な余韻は、本作が特撮技術だけではない、一級のホラー映画である証であります。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-10 19:29:54)(良:2票)
93.  ミッドサマー 《ネタバレ》 
盛大にネタバレしています。未見の皆様はご注意ください。  学生たちが訪れた村は、いわゆる『カルト教団』のコミュニティ。その特異な風習は、我々の価値観(ルール)の範疇から逸脱するものでした。しかし学生たちは当初『文化の違い』と捉えました。研究対象としての魅力に抗えなかったのでしょう。もちろんこれは誤りです。我々の社会が許容できない価値観を『文化』とは呼びません。『蛮行』、いや『習性』でしょうか。狼が小動物を食らい、小鳥がさえずるが如し。村人は良心の呵責を一切感じる事無く人を殺せました。同じ顔、同じ言語を話しても、基本的な価値観を共有できなければ、それはもう『別種の生き物』です。DNA的にはどうあれ、『野生動物』や『宇宙人』に同じ。この要点を見誤ったが故に、学生たちは命を落としました。彼らは危機に対して鈍感過ぎました。 『別種の生き物』とは共存するのが人類の基本戦略です。豊かな生態系を維持することは人類にとって有益だからです。人の多様性を認めるのも然り。しかしカルトは、人間社会にとって百害あって一利なしです。我々の文化・生活圏と隔離されているならまだしも、彼らは人間社会に足を踏み入れ『尊厳』を踏みにじりました。これは看過不可。『文化の違い』などでは決してなく、我々にとってはただの犯罪集団、というより『害獣』です。世間に気づかれたら最後、コミュニティの解体は免れません。にも関わらず、長年集団が維持されてきたのは、そのシステムが巧妙であったからと考えます。 (ここからは完全推論です)最重要ポイントは、村人全員がそこで生まれた者ばかりということ。第1期(誕生~18歳まで)は教育期間。村の『常識』を植え付けます。『常識』に理論武装は必要ありません。だから最強。異なる価値観に触れたところで揺らいだりしません。工作員の学生は「自分も親を亡くした」と口にしていましたが、これは主人公を取り込むための方便でしょう。村に親子の概念なし。全員が家族ですから。我々にとって村人が『別種の生き物』であるように、村人にとっては外界の人間もまた同様。役目が終われば全員廃棄でしょう。また、注目すべきは村の憲法『経典』を常にアップデートできること。彼らは常に外界の文化文明に触れていますから、古の理では満足できなくなること必至です。時代の流れに沿うように経典を書き換えられる制度設計が、村の維持に大きく役立っているのは間違いありません。そういう意味では『蛮行』が廃止になる可能性もゼロではありません。しかし『伝統』は『常識』に負けない強固な概念。簡単には覆せません。ちなみに、意図的に障がい児を作り出し『無垢なる王』に据える手法も見事な知恵と言えましょう。神輿の上は軽いほど良く、有力者に都合がよい「神託」を出す便利な道具であります。  気づけばバッドエンド一直線の物語は恐怖でしかなく、ホラーとして一級と考えます。しかしその一方、サスペンスとしては選択肢がないため物足りません。学生たちには最低限、生きる為に足掻いて欲しかったなあと。これが本作に対する率直な感想です。同じ設定・脚本で、市川崑監督とか堤幸彦監督だったら、どんな物語になるのか見てみたい気もします。
[DVD(吹替)] 7点(2020-11-25 19:24:15)(良:3票)
94.  チャーリーズ・エンジェル(2019)
日本でも放送されたTV版はうっすら(ほぼ知識として)、2000年・2003年製作の劇場版は鑑賞済です。本作はてっきり劇場版旧作リメイクだと思っていたら、懐かしのエンジェルたちが写真で登場して来てびっくり。続編だったのですね。個人的にこのシリーズに思い入れがある訳ではありませんが、それでもリメイクより続編の方が作品の歴史を尊重しているので好きです。さて、今回のエンジェルについて。ビジュアルはかなり整っている印象です。誤解を恐れずにいえば、前作が48グループなら今回は坂道シリーズ。個性重視から平均品質重視へ。これが世界的にもトレンドなんですかね。とはいえ、ポスター等のビジュアルイメージだけだと『みな似たタイプの美人』に見えますが、動く彼女たちに触れると充分に個性的であることが分かります。また本作は、キャラクターに愛着を持ってもらうには持ってこいのチーム結成エピソード。シリーズ化を狙えますね。007、MIP、キングスマンとスパイ映画は高品質揃いの激戦区でありますが、美人さんのアクションは大好物ですので是非とも頑張って頂きたいと思います。個人的には、もっと、はっきり、コメディ寄りで良い気がしますが、旧作との差別化を図る意味でカッコイイ系なんですかね。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-11-15 01:55:40)(良:1票)
95.  ダークハウス 《ネタバレ》 
種明かしから店終いまでが早業なので、ちょっぴり混乱ぎみ。私自身が内容を理解するために、事象を整理してみます。激しくネタバレしていますので未見の方はご注意ください。  いきなり種明かし。本作最大のサプライズは、気絶していたジョンの正体が悪魔だったこと。私たちが延々と聞かされていた彼の供述は全て「デタラメ」でした。ブライアンが悪魔に取り憑かれたのも、ミッシェルが拉致されたのも真っ赤な嘘。悪魔の虐殺からブライアン一人だけ逃れたのが真相です。悪魔の目的は、降霊会を使って自らの器を獲得し、家の呪縛から解き放たれること。受肉する器(ミッシェル)を除いて、参加者を皆殺しにする必要がありました。ところがブライアンを家の外へ逃がしてしまいました。舌を切る暇があったら、さっさと殺せばよかったのに。直接殺せなくなったところで、悪魔は一計を案じます。ブライアンを殺人犯に仕立て上げ、警察に追わせたと。全てが悪魔の筋書き通りとは思えませんが、みごと警察にブライアンを射殺させました。銃社会ならではですな。多分ブライアンには『周りの人間が全員悪魔に見える』類の呪いがかけられていたのでしょう。もちろんトランシーバー越しにジョンが吹き飛ばされたのは演技。悪魔の記録動画抹消技術が、人間の動画復元スピードをわずかに上回った事が計画成功に繋がりました。なおジョンの母親も元悪魔の器。彼女が死亡したため、新たに降霊会(と言う名の受肉物件見学会)がお膳立てされたワケです。今回は『穢れなき魂』という超優良物件をご用意。ミッシェルの子は、666が刻印されて産まれてくる事でしょう。 原題は『DEMONIC』で堂々オカルト宣言をしていますが、邦題は抽象的に『ダーク・ハウス』。結果『人間犯行説』を排除することなく物語に望めたため、タイトル変更は成功と判断します。それにしても『ダーク・ハウス』なんて“如何にも”な邦題が今まで『空家』だったんですかね   。基本となる筋立てが単純な分、構成を凝った印象です。『SAW』や『死霊館』でお馴染みのワン監督の製作ですから出来は悪くありませんが、結局見慣れたパターンという気がしないでもありません。そうそう革新的なアイデアも無いでしょうが、ホラー上手のワンさんですから、次回は思わず唸るような仕掛けをお願いしたいです。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-10 19:24:43)
96.  オリエント急行殺人事件(2017) 《ネタバレ》 
原作小説は未読。1974年制作の映画は鑑賞済の感想です。ネタバレしていますので、ご注意ください。  リブートだとか再起動だとか、いろんな言い方があるようですが、人気作品ほど高いリメイク率。特にアメコミ界隈が顕著かと。オリジナルでホームランを狙うより、人気作のリメイクで確実にヒットを飛ばす方が商売として手堅いのでしょう。そこで求められるのが、リメイクの意義です。不出来な作品ならいざ知らず、本来名作を再映画化する必要などありません。一般的には『最新の映像技術』という便利な免罪符がありますが、クラシカルなミステリーにはあまり関係ない話。そこで本作で採用されたリメイクの理由付けは、現代の価値観で捉え直す『罪』の意味でした。なるほど、40数年の歳月が名作ミステリーのリメイクを可能にしたワケです。 注目すべきはポワロの選択。探偵が提示した推理は、これ以上誰も傷つけないA案(嘘)と悲しき真相を暴いたB案(真実)の二つ。最終的にポワロがA案を採用する結末は変わりませんが、あくまで推測の範囲内に留めた旧作に対し、本作では犯人に自供を促し真実を確定させています。有耶無耶を許さない厳しさ。“どんな理由があるにせよ殺人は許されない”という強いメッセージが読み取れます。手を取り喜びを分かち合う乗客たちの姿は描かれず、ポワロは真実を闇に葬った十字架を背負いました。この容赦の無さは、現代の『コンプライアンス至上主義』に基づく正義に他なりません。かつての『慈悲』は、現代社会では『甘え』に変わるのです。これは正論。現代社会では正論で間違いありませんが、個人的には『正論なんてクソくらえ』と思います。現実で高い倫理観に縛られ、フィクションの中でさえ雁字搦めでは、息が詰まってしまいます。という理由から私はオリジナルを支持します。(注:本作は地上波放送で鑑賞しました。また旧作を見返していないので、記憶違いがあるかもしれません。その場合は御免なさい)
[地上波(吹替)] 5点(2020-10-20 15:27:59)(良:3票)
97.  サマー・インフェルノ 《ネタバレ》 
ミスリード、スカシ、伏線など、脚本テクニックの手数は多いものの、どれも効果的とは思えません。あからさまで驚きが無かったり、そもそも意味が無かったりするからです。例えば発狂原因について。当初『綿毛』の可能性が疑われました(序盤から延々と伏線を張っています)。しかし直ぐさま検証を完了しシロが確定します。本来仕事が早いのは良いことですが、映画の場合はそうでもありません。折角ミスリードしたなら、少しは引っ張らないと。間違った方向に進むから意外な展開が生まれる訳で、アッサリ看破してはミスリードした意義が失われます。とはいえ感心するアイデアも見受けられました。敵と味方が頻繁に入れ替わる『バトルロイヤル』はスリリングで、どのキャラが途中退場するのか先が読めません。打開策も気が利いていましたし、オチも納得できました。ただ着想が良いだけに、もう一工夫すればもっと面白くできたとも思います。『バトルロイヤル』は大人数が参加することで変化や広がりが生まれます。視覚(メガネ)の喪失も意外とホラーでは見ませんが、相当怖い話。敵見方を間違って攻撃とか、ピンホールメガネをつくるとか、いくつも展開が生まれる種だったと思います。よく若手芸人が使う言葉で例えるなら、『跳ねた』とまでは言えないものの『爪痕を残した』くらいの満足感は得られる脚本でした。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-10 17:22:26)
98.  キャビン・イン・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 
本作は、原題『キャビンインザウッズ』邦題『キャビン』とは別物。ああ、ややこしい。とはいえ、こちらもかの作品に負けず劣らずクレイジーなミステリーホラーでした。いつもなら、正解・不正解にかかわらず、自分なりの解釈を述べたいところですが、本作についてはご勘弁ください。というのも、不可思議な現象を提示しているのみで、事象を読み解くヒントが見当たらないからです。真相は観客それぞれ自由に想像してね、の丸投げスタンス。黒幕は、神様でも悪魔でも宇宙人でも、どれでも問題なく当てはまるでしょう。勿論ドラッグによる幻覚説も排除しきれませんが、それが一番ツマラナイ解釈なので、わざわざ採用しないですよね。私は面白ければ何でもアリ。オチを付けない投げっ放しな結末も容認するタイプですが、本作の場合さほど面白いとも思えないため、このような評価となります。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-10-05 18:51:17)
99.  TENET テネット 《ネタバレ》 
数式は単純なのに難解を極めるのがシェーン・カルース監督の『プライマー』とするなら、複雑な数式なのに何となく分かった気にさせるのが本作『テネット』という気がします。難解であっても絶妙なさじ加減で理解を促し、娯楽性を担保するのがのノーラン監督の流儀です(注『プライマー』も難解ですが傑作ですのでみんな観てね!)。とはいえ、そこは『インターステラー』『インセプション』『プレステージ』の監督さん。単純に「面白かったね」で終わらせられる代物ではなく、作品世界の底は計り知れません。また、これらの作品と比べても格段に敷居が高いのは間違いないでしょう。いや正確には敷居が高いというより、わざと解りづらく仕立てている気がします。省略が多く説明不足。台詞は言葉足らずです。これは観客に複数回の鑑賞を促すためではないかと。鑑賞2周目以降に少しずつ意味が分かる仕組みです。本来なら誉められた趣向ではありませんが、こと本作に限ってはこれ以上ない価値ある仕掛けと考えます。過去に鑑賞した自分と、これから2回目を観る自分で挟み撃ちをするのですから。観客もまた現実世界でテネットの世界を体験する仕立て。これぞ極上のエンターテイメントではありませんか。とは言いつつも、やや敷居を高くし過ぎた気がしないでもありません。ブブカでも躊躇する位。でもノーラン監督は信じていい監督です。チャレンジすれば必ずや飛び越えられように出来ているはずです。テネットとは、主義・信条のこと。本作もまた、世界の理を人で説くノーラン的人道主義の映画でした。いち個人が幸せを掴むことでさえ、莫大な労力と知恵、周りの人たちのサポートが必要であると本作は訴えている気がします。
[映画館(字幕)] 8点(2020-09-20 13:27:56)
100.  ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 《ネタバレ》 
実在する超有名『お化け屋敷』をモチーフに、史実の中に噂話や俗説を織り交ぜて創作したオカルトホラー。とはいえ完全オカルト仕様ではなく、精神疾患や薬物中毒による“妄想説”は排除していません。このあたり『解釈の余地を残した』のか、実在する建物ゆえ『関係者に配慮した』のか。いずれにせよ『実話』要素が足枷となり、自由な発想を阻害しているような気がしてなりません。『歴史もの』や『ヒューマンドラマ』ならいざ知らず、ホラーやサスペンスの『実話』ってホント嫌いです。幽霊が出る訳も、増築し続ける理由も、なるほど納得できるもの。でも、だからこそ意外性がなく、予想を裏切らず淡々と進む物語に退屈しました。映画の出来としては、たぶん『普通』レベル。一般的には『普通』なら『可』でしょうが、こと『ホラー』映画においては『不可』と考えます。あまりにも退屈したので、屋敷が崩れ落ちるシーンでは『8時だよ全員集合』の例の音楽を脳内再生して勝手に楽しんでしまいました。(以下余談)この素材をオカルトで仕立てるのは前述したとおり『普通』なので、別の切り口も考えてみては。たとえば莫大な金が動いている部分に焦点をあて、裏社会の資金洗浄だったり相続税対策だったり、現実的で生々しい解釈を創作してみるのも面白いのではないかと。映画化向きの極上素材なのは間違いないので『普通のホラー』では勿体ない気がします。
[インターネット(吹替)] 4点(2020-09-15 18:54:03)(笑:1票)
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