1041. フローズン・リバー
じっと息をひそめているような独特の雰囲気は悪くないのですが、全体の描写や登場人物がとっている行動がすごく観念的というか、「こう動かしたいからこう動かす」に見えてしまうのです。登場人物の背景や日常が見えないのです。全体的にカメラがやたら近すぎるのも残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-26 00:53:57) |
1042. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 3時間の間片時も飽きさせない大風呂敷拡げ力は、やはり素直に凄いと思う。前作に比べると思索性という点では少し落ちるが、三部作の総括としては十分すぎるほどの内容。ただし、これだけのネタと素材を揃えておきながら、随所でカメラがいい加減なのが気になった。 [映画館(字幕)] 7点(2012-08-25 23:35:36) |
1043. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 導入部の静謐な雰囲気が実にいいのです。チャンピオンの栄光の時期は完全に過去のものとした上で、未練も煩悩もなく、地道で穏やかな生活を送っているロッキーが、1~5のどれとも違うキャラクターとしてきちんと再生していて。しかし、そこの出来が良いからこそ、それをひっくり返して試合に挑むところの動機付けは難易度が高くなってしまうのですが、やはりその辺はあっさりしていました。しかし、試合終了後にリング上でポーリーに向けた一言がすべてを説明しきっているので、許す。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-23 02:14:33) |
1044. ロッキー5/最後のドラマ
《ネタバレ》 せっかく1の監督を呼び戻したんだったら、逆に、地道でぱっとしない負け犬路線で統一すべきだった。それでこそ最後のストリートファイトという設定が意味を持ったであろうし、それとの対比で3や4すら輝いてきただろうに。会計士だのインチキプロモーターだの息子との交流だのといったデコレーションは、まったく不要だった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-08-21 01:26:34) |
1045. ロッキー2
演出の方向性は1に酷似しており、新鮮味はあまりないのだが、後日譚として1に続いても違和感のない出来には仕上がっている。主人公をあくまでもぱっとしないゴロツキの延長から大きく外していないのが良い。3以降はただのヒーローになっちゃったもんな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-15 19:54:54) |
1046. プライベート・ソルジャー<TVM>
《ネタバレ》 自軍の陣地から数十メートル程度離れただけで、どうということもない雑木林が、いきなり死の荒野に変わってしまう。変に凝ったり曲げたりした描写をしていないからこそ、地に足のついた生々しいリアリティがある。序盤の新兵のドイツ軍との遭遇場面は、何も起こらない、何もできないからこその緊迫感。必死にあれこれ考えて策を練っても、ふとした拍子にあっという間に殲滅される。その「容赦なさ」が、作品を強烈に彩っている。 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-07 23:41:21) |
1047. コンペティション(1980)
ところどころやたら気合が入っているのだが、一番まずいのは、当事者たちの競技会に向けたスタンスであるとか、周辺人物の立ち位置であるとか、その辺のベクトルが全然はっきりしないこと。それによって、全体の描写がものすごく中途半端になってしまっているし、演奏シーンによりかかった内容になってしまっている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-04 00:55:05) |
1048. 愛のメモリー
《ネタバレ》 主人公は誘拐事件で家族を失っても、取り乱したりせずに川面を見つめています。とても冷静沈着な常識人に見えます。しかし、フィレンツェの教会でサンドラに会ってからは、中身のネジが着実に外れていきます。その軌道は展開とともにひたすらずれていきます。しかし、彼の冷静な無表情ぶりは最後まで変わりません。つまり彼は、常識人の皮を被った堂々たる変態だったのです。そして、いうまでもなく、こういう人物を映像と物語の中で動かすことにおいては、デ・パルマの右に出る人はいません。 [DVD(字幕)] 7点(2012-07-31 01:33:26) |
1049. ジェイン・オースティンの読書会
設定も進行も作為的だし、会話もものすごく表層的。小説作品を作品として捉えず、単なるネタとしてしか扱っていないからそうなる。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-07-30 00:49:02) |
1050. パリの恋人
楽しいお話にしようとしている割には、勢いと突き抜け感が足りない。オードリーと作品の雰囲気も合っていない感じ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-07-29 22:56:01) |
1051. 八月の鯨
主人公の老婦人2人が画面に存在して動いているだけでかなりのインパクトがあるのだが、似たような会話のやりとりが最後まで続き、その間脇役を含めて登場人物にさしたる心理の動きが見られないので、食い足りない印象。むしろ、演出側が俳優陣の底力を使いこなすことができなかったのではないか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-28 01:34:40) |
1052. ノーバディーズ・フール
各シーンの随所にどうですいい人たちでしょオーラが漂っていて、かえって意図が透けて見えてしまっているのです。優等生的な人たちが破綻なく物事を進めているだけでは、そこにドラマが感じられません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-27 23:27:07) |
1053. ラブ・アゲイン
設定から期待される生活感の中の切なさというものがほとんど湧き上がってこない。妙にじめじめした暗そうな画面と、演技と一体化せず勝手に動いているカメラもマイナス。ジュリアン・ムーアとマリサ・トメイの登場がもったいない。 [DVD(字幕)] 4点(2012-07-27 01:03:54) |
1054. バーン・アフター・リーディング
脱力感を演出のコンセプトにするのと、手を抜くのとは違います。登場人物各自の視点が定まらず、描写の基礎も外したまま進んでいるので、ネタがネタとして機能していません。 [DVD(字幕)] 3点(2012-07-10 04:37:41) |
1055. ヤギと男と男と壁と
この豪華キャストで、どうしてこんなにつまらなくなるんだ・・・。あと、この程度の作品で、ボストンの"More Than A Feeling"など使うな。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2012-07-01 23:19:16) |
1056. さよならをもう一度
実は若い頃のバーグマンよりも、こっちの方が魅力的なのではないか。生活に少し疲れた感じのほどよい色気が絶妙に発散されており、年下男がころりと参ってしまうのもよく分かる。ただ、作品としては、尺が不必要に長く、中盤で少しだれてしまっている。あと20分は短くできたと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-01 02:29:34) |
1057. トラブル・イン・ハリウッド
変に豪華キャストにしちゃったことによって、スピード感や軽快感が止まり、作品のラジカルさも抑えられてしまっています。お金の遣い方を間違っていますね。 [DVD(字幕)] 4点(2012-06-27 01:58:04) |
1058. ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー
筋立てとしてはごく単純であり、特に変わったことをしているわけではないのですが、それだけに明快なさっぱりとした破壊力があります。ただ、タンジェリン・ドリームの音楽がえらく強引であり、ここはむしろサックス一本か何かでもっとクサくいってほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-06-25 02:11:00) |
1059. あの日、欲望の大地で
《ネタバレ》 不倫のドロドロを描いた作品は数多いが、代を越えてまでここまでドロドロぶりを追い回した作品は珍しいのではないか。この、じとっとした血の濃さみたいなものを感じさせる雰囲気は嫌いではありません。俳優陣では、キム・ベイシンガーの色っぽい年のとり方以上に、ジェニファー・ローレンスのさりげない安定感(まだ若いのに!)が印象に残りました。この脚本家特有の時系列操作も、そこはかとない不安感や焦燥感をにじみ出させていて、好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-17 01:21:09) |
1060. 愛情物語(1956)
上品にまとまっているとは思いますが、あまりにもあらかじめ作られたとおりの筋を登場人物が流れているだけで、何かからの破綻や逸脱といったものがないのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-06-16 23:26:43) |