1321. チョコレートドーナツ
《ネタバレ》 作品のテーマは、ゲイでもダウン症でもなくて、裁判後に弁護士がさりげなく口にする「それでも我々は闘わなければならない」「いつか希望はある」。そこで前を向いて走りかけた矢先、まるでその足元を引っかけるかのように、さらに起こる衝撃の事実。それでも主人公は"I(We) Shall Be Released"と歌い続ける。だからこそ湧き起こる自然な感動。●作中、司法制度の理不尽さが存分に描かれていますが、実はこれと次元において同じことが、「現在の」日本の家庭裁判所でも、むしろ堂々とまかり通っている、ということは知っておくべきです。●主人公の二人と子供が心を通わせる過程は、もっと時間をかけて見たいところでした(1年経ってるようにはとても見えませんでした)。その方が、そこから後がもっと生きたと思いますが。 [映画館(字幕)] 7点(2015-02-06 22:28:50) |
1322. バットマン ビギンズ
《ネタバレ》 ビギンズなんだから説明の部分が多いんだろうなあとは予測していましたが、やっぱりそのとおりでした。前半前置き、中盤バットマンの誕生、終盤アクションと考えれば、当然一番面白いのは中盤なのですが、ここにもっと時間を取って見たかったですね。 [DVD(字幕)] 6点(2015-02-04 01:06:58) |
1323. ワイルド・ビル(1995)
これだけの豪華キャストでありながら国内未公開とは不可解な、と思いながら見始めたのですが、見てやはり納得。華やかな一代記を予想させる設定でありながら、これでウエスタンを名乗らせてしまっていいのかと思うくらい、地味で鬱々とした雰囲気のシーンが続きます。むしろ、ウエスタンに対する嫌がらせが制作動機だったのではないかと疑ってしまうくらいです。それで最後まで通してしまう一貫ぶりは、それはそれで見事かもしれませんが。エレン・バーキンも、せっかく引っ張ってきていながら、全然上手く使われていないなー。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-01-31 03:16:58) |
1324. プロフェッショナル(1966)
設定からもキャスティングからも期待が高まってしまうのに、誰がどういう個性があるのか不明、敵がどういう存在でどう脅威なのかも不明、盛り上がるべき場面もなくとっとと進んでしまう。これでは面白いわけがありません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-01-29 23:23:14) |
1325. go(1999)
《ネタバレ》 同一シーンを角度を変えて繰り返すパターンは好きなので、点は甘め。悪人っぽく見える人も何だかんだで善人になっていくのが面白い。ただ、各ストーリーの相互の絡みはもう少し欲しかったとは思う。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-17 01:51:12) |
1326. グリーンマイル
やっと分かった。これって、ポンテオ・ピラトとキリストの物語だったのね。映ってないシーンでも、確実に一番奥の独房にいる空気をじわっと感じさせるマイケル・クラーク・ダンカンの存在感が素晴らしい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-12 03:12:48) |
1327. ミニミニ大作戦(2003)
ノートンやステイサムが粛々と堅実に脇役をやっていて、突出した出番がさほどないのが良い。こういう地道な仕事こそ、豪華キャストの威力を際立たせる。マーク・ウォールバーグが一見普通の人っぽいのも、かえってプロフェッショナル性を感じさせる。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-11 02:39:17)(良:1票) |
1328. ホビット/思いがけない冒険
《ネタバレ》 ただ単に「危機が起こる」→「何か助けが入る」(または、「逃げ切る」)の繰り返しがあるだけで、表現や発展が何もありません。LOTRとの関連性の部分は喜ぶ人は喜ぶのでしょうが、それだけで作品が一本成り立つわけではないです。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2015-01-06 02:48:50) |
1329. ジュリエットからの手紙
アマンダ・セイフライドって、脇役のときはそこそこいい感じの存在感を放つのに、主演を張るほどの技量はまだまだというところが割れてしまいましたね。しかし、大女優レッドグレーヴとこれほどいろんな場面で共演したのは、彼女にとってもよい勉強になったことでしょう。それにしてもレッドグレーヴ、骨太の鋼線のような存在感は相変わらずで、彼女が一声発するだけで、ほかの役者もみんな気が呑まれているのまで分かってしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-01-05 02:31:50) |
1330. 沈黙の戦艦
やっぱりアクション作品って、環境設定・条件設定が大事なんですね。洋上の艦内という限定された空間だからこそ、主人公が強すぎでも、無理なく作品が進行しています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-01-01 02:16:19) |
1331. her 世界でひとつの彼女
《ネタバレ》 前半、OSがぐいぐい心に食い込んでくる展開の迫力はなかなか。台詞の1つ1つにいちいちこだわりがあるのが良い。スカーレット・ヨハンソンのもともとちょっと無機質な声も、この設定に合っている。なんだけど、終盤はかなり失速気味で、何をどう着地させたかったのか不明確(周辺人物の作り込み不足が響いている)。それと、意外にもホアキン・フェニックスの演技が今ひとつで、「声を聞いている反応」の演技しかしておらず、生身の人間に対して以上に恋愛感情を持っているという設定に説得力が出ていないのだ。彼ならもっとやってくれると思っていたのだが。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-12-30 02:53:33)(良:1票) |
1332. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 「ある日妻が失踪した」というたった1つの出発点から、2時間半を一気に見せ切る手腕はさすが。一気に話を走らせない、じわじわとした進行がスリルを高めているのだが、トレント・レズナーの不安感を溢れさせる音楽センスも大きく貢献していると思う。ただし、エイミーが帰還してからは終わるようで終わらない中途半端な展開になっており、あそこはうまくまとめれば10分で切り上げられたのではないか。●父親を警察から引き取って車で送るシーンで、ブルー・オイスター・カルトの"(Don't Fear) The Reaper"(※死神が扉から入ってきて彼女を連れ去ってしまうという曲)が流れるのだが、あれは意図的な選曲なんだろうか、やっぱり。 [映画館(字幕)] 6点(2014-12-23 21:16:49) |
1333. 告発の行方
《ネタバレ》 やたら暗いだけとか不条理なだけの内容だったらどうしようと思っていたので、予想外に前向きで堅実な描写に感心した。特に、冒頭いきなり主人公の逃走シーンから始まり、その後は地道にいろいろな立場からの供述を積み重ねて、最後の最後に一気に回想を見せきるという構成が巧い。どのような事件でも、当事者以外には事件の真相などというものは分からないわけで、その観点からのリアリティを醸成することに成功している。ただ、法廷シーンは今ひとつであり、特に、キーマンの一発の証言だけで逆転するというのは、着地点を予定調和の方向に導いてしまっている。 [DVD(字幕)] 6点(2014-12-23 01:00:04) |
1334. ディファイアンス
エドワード・ズウィックという人は、重めのテーマをエンターテインメントのオブラートに包んで見やすく提供する技術に長けていて、「ラスト・サムライ」や「ブラッド・ダイヤモンド」ではそれが遂に全面開花していたんだけど、この作品はどうもそのセンスが裏目に出ています。実話ベースの実在の登場人物ということで、得意の好き勝手な創作も自粛したのか、それによって演出はこぢんまりとまとまってしまい、他方で銃撃戦なんかは十八番のこだわり大展開をしているので、進めば進むほど、リアリティは失われ、話が空中浮遊する感じになっているのです。森林に隠れた生活というのが主軸なんだから、もっと日常生活の1つ1つをじっくりと見たいところでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-22 02:58:53) |
1335. ホワイトハンター ブラックハート
こういう、みんなのボス的存在で、それで俗っぽさ満載に自分の欲求を実現しようとする役って、どうやってもイーストウッドには合わないんですよね。それ以前に、作品としても何が表現したかったのかよく分からなくて、単にイーストウッドが「アフリカに行ってみたかった」から撮ったという以上には見えない・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-12-21 01:39:27) |
1336. 草原の野獣
《ネタバレ》 前半は馬の集団疾走という美味しい風景を存分に駆使し、後半は一転して各人の心理戦をじわじわと高めていく。このメリハリがなかなか良い。終盤は、親子間の確執の方に重点が傾いて、何かやってくれるかと思っていた弟の方の存在感がどんどん希薄になっていくのだが、まあ仕方ないか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-12-13 03:33:47) |
1337. グランド・キャニオンの対決
《ネタバレ》 あまりにも各シーンがサクサク進む割には、各人の行動が掘り下げられていないので、何かのダイジェスト版を見ているような気になってしまう。なので、最後にいくらアクションを頑張っても、サスペンスとしての盛り上がりがありません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2014-12-13 03:19:15) |
1338. クレアモントホテル
設定からしていかにも安直なんだけど、中身の方もやっぱり安直。登場人物の背景となるべき人生が作り込まれていないので、いくらそれっぽいやりとりをしても、台本をそのまま読んでいるだけにしかなっていない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2014-12-11 01:17:21) |
1339. 三人の名付親
《ネタバレ》 終盤入口までの迫力は凄かったのです。ごく単純な銀行強盗が、いつしか苛酷な荒野の逃避行に変わっていく過程を、1つ1つのシーンを落とさずに積み重ねて、説得力を溢れさせています。起こりうる困難のベースを水・水・水で統一しているところも、作品の筋を通していますし、大事な持ち物を次々に捨て去ってひたすら歩き続ける描写にも、鬼気迫るものがあります。しかし、最後に街にたどり着いた後のあの一連のシークエンス・・・あの脳天気な雰囲気は何なのでしょうか。それまで丁寧に築き上げたものを残らず自分でぶち壊すような、逆の意味でインパクト絶大でした。酒場到着シーンまでの部分の余韻で6点。というか、本来あそこでエンドマークですよ、ほんと。 [DVD(字幕)] 6点(2014-12-09 03:23:30) |
1340. 戦火の馬
ストーリーなんかはかなりどうでもよくて、スピルバーグならではの映像や美術関係の美しさ、そして何より躍動し続ける(弱っている場面でも)馬の肉体の撮り切りをひたすら鑑賞し続ける作品。要するにスピルバーグは、とにかく馬が動き、止まり、走る絵を撮りたかったのであって、逆に脚本も演出も全部それのためにあったのだ。もっとも、役者の演技がみんなことごとく低調なのは気になった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-04 03:43:25) |