1341. 戦略大作戦
本来、軽快なコメディ・タッチの方が向いている素材だと思うのに、演出の方向性はもちろん、音響やエキストラの使い方にしても、やたら重々しく湿っぽく作られているので、作品の勢いが削がれている。あと、イーストウッドも、こういう目標に向かって仲間を集めて真剣に一直線みたいな役は似合わんなあ、やっぱり。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-12-01 03:24:01) |
1342. 長い灰色の線
はじめから主人公をいい人と決めつけた展開をしているので、ドラマが感じられなくて面白くないのです。演出も全般的に単調で、かなり長く感じました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-11-24 01:14:58) |
1343. ララミーから来た男
《ネタバレ》 デーヴを途中で消したのはあえてひねったつもりなのかもしれないけど、やっぱりあれは良くなかったのでは。終盤、アレックと主人公が急速に和解したことも含めて、それまであった登場人物の微妙な均衡がなくなっているし、展開も無理矢理になっている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-11-16 01:05:03) |
1344. フライトプラン
《ネタバレ》 魅力的な設定に対するオチはかなり粗っぽくて、そこを期待すると腰砕けになりますが、例えば、問題が起こったときの機内のうんざりした雰囲気とかぞわっとした空気感など、優れた描写もそれなりにあったりして、案外捨て切れないのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-11-14 02:04:26) |
1345. プレステージ(2006)
ノーランのオタク魂全開の作品。中身やディテールがどうのこうのというより、この窒息しそうなほど濃厚に凝縮された空気感が、オタク。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-10 02:10:38) |
1346. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
楽曲、パフォーマンス、音楽による表現力は文句なし。なんだけど、それ以外の部分が音楽の添え物みたいな感じなので、その部分は減点。ただし、ロックを自分でやろうと思う人は見ておくべき作品。精神を削って魂を込めた音楽でないと人を感動させることはできないということを、よく知っておいて下さい。 [DVD(字幕)] 6点(2014-11-07 23:03:11) |
1347. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
俳優陣の皆様は、「歌の練習」と、「歌いながら演技をする練習」と、「振付の練習」をもう少しするべきでした。 [DVD(字幕)] 5点(2014-11-03 01:05:22) |
1348. ダラス・バイヤーズクラブ
《ネタバレ》 もう、マコノヒーとレトの役作りが凄すぎて、それを追いかけているだけで2時間があっという間です。これこそが俳優の演技です。余命宣告をされようが差押が来ようが商品のルートが断たれようが、"f**k"と"s**t"でひたすら全部突破する主人公に乾杯。そのぶれのなさこそが、今にも墜落しそうな自分の生命を救い、低空飛行ながらも着実に前に向けて飛び続け、いつしか大空へと滑空する。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-10-21 00:59:55) |
1349. サハラ 死の砂漠を脱出せよ
最低な邦題から想像できてしまうとおりの内容。何が主題なのかがぶれまくって、最後まで焦点が全然絞られていない。何でこんな作品に2005年にもなってペネロペ・クルスが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-10-18 23:22:03) |
1350. シュア・シング
《ネタバレ》 喧嘩友達的な関係の男女がいろいろトラブルを乗り越える間にうまくいく、という定式の作品はいろいろあるのだが、その中でもこれはあまりよろしくない。大筋の流れは決まっているのだから、脚本の細部やネタの仕込などの小技が大きく差を分けるのだが、この作品はその辺が雑で安直、というか工夫が全然見られないのです。監督がこの人だというのがにわかに信じられない。 [DVD(字幕)] 4点(2014-10-08 02:13:59) |
1351. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 見ているときははらはらどきどきで最後まで一気に見切れたのだが、振り返ってどこが主題だったのかと考えると、意外に難しい。どちらかといえば、時間をかけて盛り上げている部分よりも、一瞬の切り取りの描写の方が印象に残った。例えば、2回目の独房の5年間を一切描かず、白髪と足腰の弱りだけで表現するセンスとか。また例えば、最後の最後に、割とさらっと発されるホフマンの一言の重さとか。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-06 02:59:20) |
1352. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
どこまで見ていってもつまらないのはどうしてなんだろうと考えたのですが、相変わらず全部を書いてしまわないと気が済まないエリック・ロスの脚本と、隠喩や象徴的表現を得意とするダルドリーの控え目な演出が合っていない、というのが根本的な理由なんだろうな、やっぱり。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2014-10-05 02:31:34) |
1353. ガントレット
《ネタバレ》 敵方もそしてその黒幕も、肝心なところであまりにもマヌケなので、「ほっといても勝てるのでは?というか、むしろその方が勝率が高まるんじゃないか?」という気になってしまう。車の中の3人の会話シーンだけはえらく脚本が頑張っていたので、点数はそこに対して。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-10-01 00:31:06) |
1354. ソフィーの選択
《ネタバレ》 最初に見たときは、現在の妙な三角関係の描写ばかりで話が前に進まないとか、ケビン・クラインが1人で切れすぎではないかとかいろいろ拍子抜けした部分があったのですが、よく見てみたらとんでもない。あの三角関係の中にこそ、ソフィーが背負ってきたものの重さが全部に滲みまくっているということが今頃になって分かりました。ネイサンはひたすら自己中心的でコミュニケーション不全なのですが、解放後に魂を抜かれたような状態になっていたソフィーとは、きっとお互いに同じものを感じ合ったはず。そうすると、ケビンの切れ具合も必須の描写であったことが分かります。また、一気に話を飛ばすことなく、一枚一枚薄紙をめくるように明かされるソフィーの過去も、強力な現実性をもって迫ってきます(「嘘をつきすぎてどれが本当か分からなくなった」というソフィーのさりげない一言が重い)。これこそが人間ドラマの描写です。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-09-27 01:24:44)(良:1票) |
1355. ファントム・オブ・パラダイス
《ネタバレ》 前後の整合性もバランスも考えていない、デ・パルマの「とにかくこれがやりたいんだああああっ!」が瞬発最大風速的に駆け抜ける90分間。仮面を着けた主人公が神出鬼没の大活躍かと思いきや、いともあっさり正体が(敵役に)バレたり、そこからさらに利用されたりと、じめじめパワー増幅の屈折っぷりがこの人らしい。あと、最後の方の白塗り3人組のオカルトステージ、ウィンスローはお気に召さなかったようですが、私はかなり格好良いのではないかと思っていたのですが・・・(楽曲も含めて)。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-25 02:46:23) |
1356. リトル・ミス・サンシャイン
《ネタバレ》 最初の全員揃っての食事のシーンだけで、登場人物それぞれの駄目っぷりと、俳優陣の呼吸の合い具合に笑いが止まりません。全員が欠点まみれな割に不快感が起こらないのは、制作者の対象に対する愛情が満ちあふれているからでしょう。クライマックスの、ほかの人に比べて明らかに貧乏くさい服装の一家が、ちっとも揃ってない格好悪いダンスを嬉々として踊るシーンの何と素晴らしいことか!あと、アーキン爺さんやアビゲイル・オリーブちゃんのインパクトが若干目立つ感じですが、あえてこの作品の最大の功労者としては、トニ・コレット・ママを挙げたい。いろいろ変な人たちが集まっている中で、あのように一見して特徴のなさそうな人ほど、演じるのが難しいはずです。 [映画館(字幕)] 9点(2014-09-23 02:00:18)(良:1票) |
1357. 俺たちに明日はない
《ネタバレ》 まったくの想像なんだけど、この作品はもともと、「無軌道な若者たちが、好き勝手にやってる間に収拾がつかなくなっちゃいました。さあどうなるんでしょう」というような脳天気系青春映画として作られ、また見る側もそういうスタンスで見ようとしてたんじゃないのかな。音楽からしてもそうだし、明らかに笑わせにかかっているシーンもいくつもあるし。だから、すべての予想を裏切って叩きつぶすあのラストシーンが強烈だったわけです。ただし、単に破滅ストーリーを追っただけではなく、その周りに絶妙なキャラクターの人物配置を行い(とりわけ、エステル・パーソンズ扮するブランチの物語左右力が凄い)、ラストへの展開を必然のものとしてみせたところが、この作品を他の同種の凡百のものから歴然と際立たせている。そして、あのラストシーン、目と目が合う一瞬の間に飛び交う物凄い量の感情の表現は、衝撃的であり、奇跡的でもある。思い出すだけでも怖くなるし、その後の銃弾よりもこっちの方が怖い。 [映画館(字幕)] 8点(2014-09-22 22:21:05) |
1358. ゴッドファーザー
《ネタバレ》 冷静に考えれば、内容的にはどうということもない話。マフィアがクーデター的な逆襲に遭って、二代目が才覚を発揮して無事に乗り切りました、というだけのことであるし、特段ひねった行動や作戦があるわけでもない。しかし、各キャラクターの徹底した作り込みと人格設定研究だけでこれだけのものが作れることを呈示したという点において、この作品は後続にとっての一つの模範とされるべきである。また、男優陣の猛者連が注目されがちであるが、その中において、自分の立ち位置をきちんと意識した演技を行ったダイアン・キートンとタリア・シャイアの紅2点の存在意義も認識されるべきだろう。 [映画館(字幕)] 7点(2014-09-21 01:59:21) |
1359. 羊たちの沈黙
《ネタバレ》 原作に負うところ大とはいえ、あのガラス越しの対面はやはり名シーン。会話の背後に思索と背景をぎゅうぎゅうに詰め込んで、ぎりぎりのところで言葉が対決する。無駄な動作を一切断ち切った静寂が引き起こす恐怖感。そのような表現方法を映画という手法で提示したところに意味がある。中盤もじわじわとしたスリルを滲ませながら進行するが、収束の描写がちょっと安直だったのは残念。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-09-19 02:58:02) |
1360. グリーン・カード
《ネタバレ》 切なさと可笑しさがほどよくブレンドされた好作品ラブコメでした。必要に迫られてとはいえお互いの過去や日常をさらけ出し合い、それに伴って2人の感情が動いていく過程が(構図としては単純とはいえ)見る側を引き込みます。余韻のあるラストもキュートですね。あの後2人がどうなったのかを考えるのも楽しい。また、各場面の表現の焦点を絞ったピーター・ウィアーの的確な演出も強力です。 [DVD(字幕)] 9点(2014-09-19 02:49:17)(良:1票) |