121. チャップリンの冒険
《ネタバレ》 冒頭の砂浜での追いかけっこシーンからすでに笑える。砂の中から現れて追っ手から逃げるチャップリンの動きがバスター・キートンみたいだった。チャップリンも初期の頃はこういうドタバタをやってたんだなあ。後半登場するヒゲのおじさんが読んでいる新聞に顔写真が載ったのが元で見つかりそうになったチャップリンが新聞の自分の顔写真にぼうぼうのヒゲを書いて誤魔化すシーンが最高。上でアイスクリームを食べていたチャップリンがアイスを落としてしまい、それが下にいる女性のドレスの中に入ってしまうシーンにも大爆笑。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-27 01:38:35) |
122. 担え銃
第一次大戦を背景にしたチャップリンの初期作。初期作とあってまだ「独裁者」のようなメッセージ性はなく、この頃のチャップリンのほかの作品同様単純に見ている者を楽しませようとしている作品。繰り出される数々のギャグにずっと笑いっぱなし。中でもチャップリンが木に化けて敵地に潜入するシーンは特に最高だった。ペーソスあふれる人間ドラマのチャップリン映画もいいけど、この映画のようにギャグ一直線のチャップリン映画もやっぱり好きだなあ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-25 23:37:51) |
123. キートンのハイ・サイン(ザ・ハイ・サイン)
前半の新聞や射撃のギャグよりも後半の屋敷のシーンのギャグのほうが印象に残ってる。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-07-22 00:45:50) |
124. チャップリンの拳闘
個人的に「街の灯」のいちばんの笑いどころであると思ってるボクシングシーンの原点を見るような作品。ボクシングシーンは「街の灯」ほどインパクトはなかったけどこの映画からあのシーンにつながっていったのかと思うとちょっと感慨深いものがある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-07-21 01:46:01) |
125. ある日どこかで
ひと月ほど前に見た「いま、会いにゆきます」と同工異曲のような映画だったが、全体の雰囲気が大人っぽくてこの映画もすごく良かった。クリストファー・リーブといえばスーパーマンというイメージが強いけど、この映画ではそれとは全く違う役柄をとても魅力的に演じており、彼がスーパーマンだけではない俳優だったんだなと感じた。本当に亡くなってしまったのが惜しい。ラフマニノフの音楽も映画に非常に合っていて最高だった。でも、あのラストはちょっと悲しすぎる。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-07-12 03:36:10)(良:2票) |
126. ビバリーヒルズ・コップ2
《ネタバレ》 シリーズ第2作。コメディーとして笑える部分もありながら基本的にはシリアスな内容だった前作とは打って変わって、最初からエディー・マーフィー主演作として企画されたと思われる今回は雰囲気も前作より明るくなり、エディー・マーフィーらしさもよく出ていて、前作よりも分かりやすく、娯楽性もアップしていて単純に楽しめる映画になっている。アクション面に関しても「トップガン」の次作としてトニー・スコット監督が手掛けているだけあってカーチェイスや銃撃戦、爆破シーンが派手な見せ場となるなど、アクション映画としての見ごたえもあり、飽きさせない作りになっているのはさすが。(トニー・スコット、「トップガン」という大ヒット作の後に他監督作の続編を引き受けてしまうのはなかなかすごいと思うけど、実際、監督にオファーがあったのは「トップガン」撮影中とのこと。)冒頭の宝石強盗のシーンからスピーディーでキレが良く、ここからもう引き込まれる。前作は当初スタローン主演作としてスタートしていたのだが、今回の悪役はそのスタローンの当時の妻であったブリジット・ニールセンというのも皮肉が効いていて、劇中に「ランボー 怒りの脱出」や前作と関わりのある「コブラ」のポスターが登場するという小ネタも笑える。もちろん、今回もアクセルに協力するローズウッドとタガートも前作以上に良いキャラ(ローズウッドが前作でアクセルと出会った影響かかなりはっちゃけているのが笑える。)で、アクセルを含めたこの三人を見ているだけで楽しい映画だ。でも、やっぱり全体としては前作のほうが好きかな。(2023年11月2日更新) [DVD(字幕)] 6点(2006-07-09 16:20:45) |
127. ビバリーヒルズ・コップ3
《ネタバレ》 前作から7年ぶりのシリーズ第3作。前2作はマーティン・ブレスト、トニー・スコットというエディー・マーフィーの映画を撮るイメージのない監督が登板していたが今回はエディー・マーフィーと既に何本か組んでいて気心の知れたジョン・ランディスが登板。(今回見て気づいたがプロデューサーがブラッカイマーじゃなくなってる。)ということでなのか、前2作と比べて軽めでコメディ色がシリーズでいちばん強く、そのかわり前2作にあったアクション映画としてのキレはなくなった感じ。シリーズとしては新味を出そうとしたのかビバリーヒルズの刑事コンビのうち、タガートが退職しておりフリントという後任の刑事が登場したり、導入部でデトロイトでのアクセルの上司を殉職させたりしているが、それらがあまり活かされた脚本にはなっていなく、逆にシリーズらしさはかなり薄まっているし、またシリーズの中ではアクセル一人が活躍してる印象で、ローズウッドやフリントの存在感は薄いように感じた。またそのアクセルの描き方もヒーロー然としていて、(観覧車に閉じ込められた子供を助けるシーンなど。)決して模範的な刑事とは言えない部分もあった前2作とは明らかにキャラが違ってるのは少々違和感を感じるものの、シリーズものではなく本作単品のアクション映画として見た場合そこまで悪い出来ではなく普通に楽しめる無難な映画といったところ。(実際、中学生の時に初めて見たこのシリーズが本作だったのだが、その当時はかなり楽しんで見た記憶がある。)それに一作目から続けて見ているとサージがちゃんと筋に絡む形で再登場したり、前作に続いて今回もスタローンネタがあるなどにやりとさせられる部分もあったのは素直に嬉しい。これで一応シリーズは完結と思うけど、4作目が配信されるという噂もあるのでどうなのだろう。(2023年11月11日更新) [DVD(字幕)] 5点(2006-07-03 18:14:33) |
128. ビバリーヒルズ・コップ
《ネタバレ》 エディ・マーフィーの本格的初主演作となった本作。昔テレビで見た時は先に2作目と3作目を見ていたせいか、もっと笑えるものを期待していたら意外にシリアスなストーリーで逆にあまり面白くなかった記憶があるのだが、今見ると単純明快な刑事アクション映画としてじゅうぶん面白いし、エディ・マーフィー演じるアクセルのキャラが魅力的でエディの個性や存在感がじゅうぶん活きているのはもちろん、ビバリーヒルズの刑事であるローズウッドやタガートも良いキャラをしていて、デトロイトからビバリーヒルズに乗り込んできたアクセルを最初は訝しみながらも最後はきっちり友情で結ばれるというのも予定調和的ではあるが、微笑ましく最後まで安心して楽しく見る事ができたし、脇役たちのキャラも魅力的に描かれ飽きさせない。もちろんエディのキャラも「48時間」と比べると洗練されていてよりらしさが出ているし、昔見た時よりも笑えたのは良かったと思う。(バナナを車の排管に突っ込んで止めるシーンはかなり笑ってしまった。)本作は当初スタローンが主演に決まっていたのをいろいろあってエディ・マーフィーに交代になったそうだが、それが功を奏した形になっていると感じた。本作が意外にシリアスなストーリーなのは脚本の骨格はスタローン時代の名残が残っているからではないかとも思う。(2023年10月22日更新) [DVD(字幕)] 7点(2006-07-02 17:16:54) |
129. キッド(1921)
《ネタバレ》 チャップリンの映画かなり久しぶりに見たけど、笑いと感動のバランスが絶妙で、やっぱりいいなあと感じた。特に子供が孤児院に連れて行かれそうになるシーンは赤の他人であるはずのチャップリンと子供との「親子愛」を感じられ、とても感動した。もちろん、笑えるシーンもたくさんあって楽しめる。ラストがハッピーエンドで良かった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-06-24 18:56:16)(良:1票) |
130. デーヴ
《ネタバレ》 昔、テレビの洋画劇場で見ているが、それ以来に再見してみると「大統領の影武者になった男」というシチュエーション以外に何も覚えていなかったので新鮮な気持ちで見られた。もっとドタバタなコメディーという印象が初めて見たときはあったようにおぼえがあるが、とてもハートフルでドラマとしてもしっかりしていて、昔に見たときはまあまあかなくらいの感想だったのだが、実はこんなに面白かったんだということにビックリ。描かれているのは真面目に見てしまうとあり得ないようなことなのだが、そこを突っ込むのはやはり野暮であり、純粋に娯楽映画として楽しむのが正しい見方なのだと思う。予算削減のシーンなどはやはり見ていて痛快で、クライマックスのデーヴの演説も良い。デーヴと大統領夫人とのロマンスもほどよくてちょうどいい感じになっている。黒人のシークレットサービス(どこかで見たと思ったら「ミッションインポッシブル」のルーサー役の人なのね。)もいい味を出していて印象に残るのだが、彼が最後にデーヴに言う「君のためなら死ねる」というセリフは普通なら笑ってしまうかもしれないが、それまでの流れがしっかりしているせいか、思わず感動してしまった。間違いなく本作一番の名台詞だ。(2020年4月16日更新) [DVD(吹替)] 8点(2006-05-11 14:20:48) |
131. ダイ・ハード2
《ネタバレ》 シリーズ第2作。前作からちょうど一年後のクリスマスの空港を舞台に、またもやテロ事件に巻き込まれたマクレーンの活躍を描いているが、昔見た時はもっと面白くない印象だったのだが、久しぶりに見ると普通に面白かった。舞台がビルから空港に変わったのはもちろん、金目的だった前作の敵と違ってスチュアート大佐率いるテロリストの目的が護送されてくる麻薬王の奪還というものになっているのもスケールアップした感があり、まさにアクション映画の王道という感じだ。しかし、その分、ビルが舞台だった前作のような閉塞感は広い空港が舞台の本作ではなくなっており、マクレーンも最初からヒーロー然としている(前作はマクレーンが本当に巻き込まれただけの普通の男に最初から最後までちゃんと描かれているところにリアリティが感じられたのだが。)など前作と間を置かずに見たら物足りない部分も多いのはやはりちょっと残念に思うし、前作が凄すぎたせいかどうしても比べると普通のアクション映画のように感じてしまう。とはいえ、途中で登場した鎮圧部隊が実は敵側の仲間だった展開はひねってあるし、管制塔からのスチュアートの誘導に従った飛行機が墜落、炎上するシーンはなかなかショッキングだった。クライマックスの飛行機の翼の上での死闘もかなりの迫力で手に汗握るなど、娯楽アクション映画としての一定のレベルは保たれていて、さっき書いたように決して面白くない映画ではない。前作の原作小説とまったく無関係の小説が原作となっているのは最近知ったのだが、シリーズ映画でそういうことは珍しいのではないかと思う。(2023年1月8日更新) [DVD(吹替)] 7点(2006-04-23 00:44:39) |
132. ダイ・ハード
《ネタバレ》 かなり久しぶりに見たけど、めちゃくちゃ面白かった。やはりまずなんといってもいかにもヒーローという感じではない普通の男である主人公ジョン・マクレーンが訪れた別居中の妻ホリーの勤務先であるナカトミビルでテロ事件に巻き込まれ、たった一人でテロリストに立ち向かうことになるという設定自体が面白いのに脚本も緻密で、マクレーンが口が悪かったり、弱音も吐きながら孤軍奮闘する人間臭い姿(妻との間に問題を抱えているという設定も利いている。)に思わず感情移入してしまうし、ハンスたちテロリストとの戦いも派手なアクションだけではなく、心理戦も見ごたえじゅうぶんでハラハラドキドキが最後まで持続するので大味な感じは全くなく、見ていて飽きない。ハンスやカールといったテロリスト側の登場人物さえも魅力的に描かれているのがよく、やはりアクション映画は悪役にこそ魅力がなければと改めて思った。(吹き替えで見たのでちょっとこういうことを言うのはあれかもしれないが、ハンスを演じているアラン・リックマンはなんとこれが映画デビュー作とのこと。とてもそうは思えない存在感がすごい。)人質の命の軽く見ているFBIの掃討作戦ヘリがビルの屋上の爆発に巻きこまれて炎上する因果がなんとも印象深い。子供を誤射したことによるトラウマで銃を撃てなくなったパウエルが最後にしぶとく生き残ったカールを射殺するシーンは思わず感動してしまった。やはり最初に書いたようにとても緻密な脚本で、登場人物一人一人を大切に描いているからこそただのアクション映画というだけではなく、きちんと人間ドラマとしての魅力もある作品になっていて、まさにこれぞこれからもずっと残っていく名作に違いないと思う。(2022年12月31日更新) [DVD(吹替)] 9点(2006-04-22 16:46:45) |
133. サイコ(1960)
《ネタバレ》 見るのは16年ぶり2度目だったのだが、冒頭のクレジットタイトル部分からやっぱり引き込まれるし、序盤は4万ドルを持ち逃げしたマリオン(ジャネット・リー)の心理を巧みに描いていて、ここだけ見てもかなりの緊迫感があり、見ごたえもじゅうぶんで、このままマリオンの逃避行を描く映画なのだと思わせるのが実に見事で、そのうえで実はそうではないという構成がなかなか今見ても斬新に思えるし、モーテルの主人であるノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)と母親の関係の謎に迫る後半部に至ってもその緊迫感がずっと続くので最後まで目が離せなく、この緊迫感の持続こそが本作の見どころなのだと思う。ヒッチコックは既にこの頃カラー映画中心になってたと思うのだが、あえて白黒で撮影しているのが映画の雰囲気にとても合っているし、本作を見たことがない人でも知っている人が多いほどに有名なマリオンがシャワー中に惨殺されるシーン(今回見ていて本作が白黒なのはこのシーンにいちばんの理由があるのではと思った。)など白黒の特色がよく出たシーンも多く、もし、これがカラーだったら印象が違ってただろうと思う。(カラーでリメイクもされているんだけど、あんまり興味わかない。)マリオンとノーマンの食事中の会話も印象的で、その中でマリオンが自分の過ちに気づいて戻ることを決めるのがこの後の展開を知っているとすごくあわれでかわいそうと思えてくる。焦点がノーマンに移ってからはやや展開が早いように思うのだが、この部分もさっき書いたように緊迫感がずっと続くのでまったく気にならずに没頭することができたし、ラストの真相もさすがに初見時ほどではないもののやっぱり衝撃的。後半になってマリオンを捜しに来たサムとライラが金目的の犯行だと思っていて、見ている側はそうではないと分かっているあたりは倒叙もののような感じだが、考えてみれば本作はやや変化球の倒叙ものと言えるかもしれない。それにしても「サイコ」というタイトルが示すとおりの映画で、ここからサイコ映画というジャンルが確立されたと思って間違いないだろう。そう考えればまさに古典的名作だ。(2022年2月20日更新) [DVD(吹替)] 9点(2006-04-13 14:16:52)(良:2票) |
134. 天使にラブ・ソングを・・・
《ネタバレ》 ウーピー・ゴールドバーグと聞くと「ゴースト」とともに思い浮かべる映画。かなり久しぶりに見たが、デロリスを演じるウーピー・ゴールドバーグがものすごくハマっていて、それだけで見ていて単純に楽しいし、旧態依然とした厳粛な修道院に現れた彼女が聖歌隊に入ったあたりからとたんにシスターたちがイキイキとしてくるのが面白く、そこからは一気に楽しめたし、見ていて自然と元気が出てくるのがいい。シスターたちの個性もしっかりとしているが、やはりデロリスの影響で修道院の雰囲気が変わりはじめても、修道院は規律を重んじる厳粛な場所であるべきと考えている修道院長(マギー・スミス)。そんな彼女もやがてはデロリスを認めることになるのはわかりきっていることではあるんだけど、今見るとこの修道院長につい気持ちが行ってしまう部分があった。それから、昔吹き替えで見たときに印象に残ったシスターはロバート(ウェンディ・マッケナ)だったのだが、今になって字幕で見てもやっぱりロバートが印象に残った。映画的には普通のコメディーという印象が昔見たときと同じく強く、物足りない部分もなくはないが、だからこそ安心して見られる映画になっている。クライマックスはローマ法王を前にしたシスターたちの歌だが、これが終わった後、エピローグをやらずにスパッとエンドロールに入る構成で、この終わり方が実に後味良く、気持ちのいい映画だったなあと思わず笑顔で見終えることができた。(2020年12月11日更新) [DVD(字幕)] 7点(2006-02-26 12:28:53) |
135. 美女と野獣(1991)
《ネタバレ》 この映画もかなり久しぶりに見たが、ベルと野獣の距離がだんだんと縮まっていく過程はよく描かれているし、二人でダンスを踊るシーンはとても美しい。それに何といっても呪いをかけられ、食器や時計といった日用品に姿を変えられている野獣(王子)の側近たちが愛らしく、このキャラクターたちの愛らしさがあるからこそ、この映画がファミリー層に受け入れられやすいのだと思う。(この辺りはさすがディズニー。)しかし、ガストンたちが野獣を殺しにいくシーンはなにか狂気じみているし、ハッピーエンドなのは見る前から分かっているのだが、野獣から王子に戻るシーンが少々強引で、これだったら魔法は解けなかったが、真実の愛に目覚めた野獣はその姿を受け入れてくれたベルといつまでも幸せに暮らしましたという終わり方のほうが良かったのではと思えた。とはいえ、ディズニーらしい安心して見られる映画で、アカデミー賞の作品賞候補にもなった作品。少なくともこの年に作品賞を受賞した「羊たちの沈黙」よりは本作のほうが好きだし、他人にも喜んで薦められる一本だ。(2013年3月29日更新) [地上波(吹替)] 6点(2006-02-15 00:50:16) |
136. ミッション:インポッシブル
かなり久しぶりに見た。(ノーカット・字幕版を見たのはおそらく初めて。)前に見た時は派手なアクション映画という印象があったのだが、派手なのはクライマックスのトンネル内でのアクションぐらいで、話としてはかなり地味。でも最後まで面白く見れた。やはりなんといっても天井から釣り下がってディスクを奪うシーンは今見てもハラハラできる(今から思えばこのシーンもほかの映画からの引用なんだけどね。長回しと合わせてそこもブライアン・デ・パルマ監督らしいところ。)し、スパイ映画らしいスパイ映画になっていると思う。最初の仲間たちが殺されていく展開から面白いのだが、その展開が早い段階で訪れてしまい、それぞれの個性があまり発揮されないまま退場してしまった仲間が多かったのがちょっと残念だった。(2012年10月30日更新) [DVD(字幕)] 6点(2006-02-09 11:58:14) |
137. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
《ネタバレ》 パニック映画の金字塔と呼ばれる名作。今回かなり久しぶりに見たが、やはり面白い。転覆によって上下がさかさまになった豪華客船からの脱出劇というシンプルなパニック映画だが、きちんと人間ドラマとして見ごたえのあるものになっており、そこがこの映画に深みを与えていて、ただ映像のすごさだけで魅せていくアトラクションタイプのパニック映画とは一線を画している。中でもクリスマスツリーを伝わって上に行くか、残って救助を待つかの判断を迫られて、上に行くことを選ぶスコット牧師(ジーン・ハックマン)と、残って救助を待つことを選ぶパーサー、それぞれに従った人々の運命は大きく変わることになるが、やはり運命というものは紙一重で、そこに留まるか、行動するかで大きく左右されるものなのだという事を思い知らされ、ここはとくに印象に残り、まさに同じような状況に陥った時に自分だったらどうするかを考えさせられるシーンだったと思う。でもそれがあるからこそ、牧師に従って行動した人々の勇気に感動することができるし、見ているこちらも勇気づけられた気持ちになれる。荻昌弘もこの映画の解説で「必ず前進するほうを選ぶ、こうした考え方が、我々を励ましてくれている。」と語っているが、本当にその通りだと思う。でも、ジーン・ハックマン演じる牧師はとても胡散臭く、見ていてこの牧師がイマイチ信用できないので、もし同じような状況になった時にこんな人が説得を始めたら、たぶん自分だったら残る方を選んでしまうかもしれないな。ロゴ役のアーネスト・ボーグナインはやや癖のある演技だが、いい味を出している。製作のアーウィン・アレンは本作の成功を踏まえて「タワーリング・インフェルノ」を製作していて、そちらも面白いが、やはり本作のほうが人間ドラマがよく出来ているように思え、個人的には本作のほうが好きである。そうそう、見たのが今日(大晦日)の未明だったのだが、舞台が大晦日から始まる映画なのでこの年末時期に見るにはピッタリの映画かもしれない。(2012年12月31日更新) [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-03 02:47:53) |
138. レイダース/失われたアーク《聖櫃》
シリーズ第1作。映画を本格的に見始めた中学の頃に夢中になって見ていたこのシリーズだが、20年以上ぶりに再見。初めて見た当時は「最後の聖戦」と「魔宮の伝説」を先に見ていたため、最後に見た本作はあまり印象に残らず、ストーリーもほとんど覚えていなかったのだが、久しぶりに見てみると派手さは後の2本のほうが確かにあったと思うものの、それでも王道の娯楽映画という感じで今見てもけっこう楽しめた。見せ場がてんこ盛りでとにかく見ている間、何も考えずにただひたすら映画の世界にどっぷりと浸かれるのがいい。スピルバーグとジョージ・ルーカスというヒットメーカー二人の作品ということもあって、捻くれてしまった今初見であればどうせ面白くないだろうと見る前から思ってしまうところかもしれないが、やはりこのシリーズは昔見て楽しかったという記憶があるせいかそれはなかった。(昔見て面白かった映画を今になって見る時にはちゃんと楽しめるだろうかという不安がいつもある。)007のような映画を目指して作られたとあってインディとヒロインであるマリオンのロマンスもそつなく描かれていてそこのところも楽しめた。やっぱりハリソン・フォードといえばハン・ソロやジャック・ライアンよりもこのインディ・ジョーンズのイメージがいちばん強いなあ。(2018年9月23日更新) [CS・衛星(吹替)] 7点(2006-01-19 00:20:46) |
139. インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
シリーズ第2作。昔見たこのシリーズではいちばん記憶にある作品だったが、猿の脳みそだとかトロッコアクションだとか見ていて懐かしかった。ジェットコースタームービーと言われているシリーズだが、トロッコのシーンなんてまさにジェットコースターに乗っているような気分で楽しい。(今やるとしたら間違いなく3Dだろうなあ。)今回はインディとヒロイン、それにインディが連れている少年という三人のメンバーが冒険を繰り広げるわけだが、これが疑似家族のようであるところなど前作に比べてよりファミリー向けな印象でコメディー要素も強く、それが少し意見が分かれるところでもあると思うのだが、個人的にはやっぱり前作よりも娯楽要素の強い本作のほうが好きだな。多少の思い出補正も含めて少し甘めだけど7点を。(2018年9月24日更新) [CS・衛星(吹替)] 7点(2006-01-12 01:14:36)(良:1票) |
140. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
《ネタバレ》 シリーズ第3作。25年くらい前にシリーズで初めて見たのがコレで、当時は純粋に面白いなあと思って見ていたが、やはり久しぶりに1作目から順番に見返すとこの3作目は少し息切れを感じなくもない。しかし、それをカバーするのが、今回登場したショーン・コネリー演じるインディの父・ヘンリーのコメディ・リリーフぶりで、インディとヘンリーの親子漫才のような掛け合いは今見ても笑えるし、楽しい。冒頭にインディの少年時代が描かれているが、ここでインディの過去を出すことによってこの父親との微妙な関係をさりげなく見せているのが良いし、これがあるから、その父親と再会したあとのこの二人の関係性にも注目することができる。(蛇ぎらいの理由や鞭や帽子など現在のインディの特徴の由来もここで描かれるのはファンに対するサービスの域を出ていないと思うのだが、まあ、いいか。)ショーン・コネリーの出演はこのシリーズが元々「007」シリーズを参考・意識しているためのキャスティングなのだろうが、今回はスパイ映画の風味も加わっているように思う。登場したヒロインが実は悪役だったというシリーズこれまでにない展開もまさにそうなのだが、とくにこの部分は「007」でも似たような展開の作品があったよなあとつい思ってしまった。それにしても、ショーン・コネリー、本作で初めて見たころはヘンリーのひょうひょうとした印象からか、そんな大俳優だとは思ってなかったなぁ。(2019年3月31日更新) [CS・衛星(吹替)] 7点(2006-01-11 02:13:43) |