1421. ファニー・ガール
《ネタバレ》 前半のサクセスストーリーチックな部分と、後半の恋愛譚とが今ひとつ適合していません。したがって、テンポも合わなくなり、必要以上に長くなってしまった感じ。バーブラは、歌の上手さはともかくとしても、歌っているときに歌に集中してしまって、あまり演技とか動きのことを考えてないですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-02-19 22:47:42) |
1422. 女相続人
《ネタバレ》 「単純なものほどインパクトは大きい」を地で行くラストが実に強烈です。暗黒の地底から地上に戻ってくるかのような階段のカット(中盤の同様のアングルとの対比も)、そこに浮かぶヒロインの悪魔の笑み、扉をたたく男に容赦なく被さるエンドマーク。よく見ると、ヒロインは最後の会話で愛しているとも結婚するとも言っていません。恋愛前の行き遅れの表現も含め、オリヴィア・デ・ハヴィランドの功績によるところが大きいですね。また、それに至るさりげない心理戦の連続の描写も見事。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-18 01:15:30) |
1423. ザ・インターネット
《ネタバレ》 非力な女性がネット技術を利用して巨大な敵に挑む頭脳戦!・・・かと思っていたのですが、ネットでどうこうするシーンは案外少ないですね。むしろ、追いかけっこで引っ張っている部分がやたら多いです。遊園地のシークエンスなんて全部いらないんじゃない?最後が結局定跡通りの銃弾&肉弾戦というのも、こだわりが感じられません。 [DVD(字幕)] 5点(2009-02-17 02:39:29)(良:1票) |
1424. バットマン ビギンズ
《ネタバレ》 ビギンズなんだから説明の部分が多いんだろうなあとは予測していましたが、やっぱりそのとおりでした。前半前置き、中盤バットマンの誕生、終盤アクションと考えれば、当然一番面白いのは中盤なのですが、ここにもっと時間を取って見たかったですね。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-16 00:55:04) |
1425. さらば愛しき女よ
《ネタバレ》 ナレーションの異様な多さに辟易しました。せっかく寡黙で達観した主人公の人格を作っているはずなのに、これでは意味がないのでは?あと、無意味なほどたくさんの死体が登場する内容なのですから、それを無理なく支えるほどの作品世界を構成してくれないと、自然に心に入っては来ないですね。原作を単純になぞっただけのように見えてしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-02-14 00:36:07) |
1426. マイ・ライフ(1993)
もっと感動できる作品になり得たと思いますが・・・。全体的に、同じようなトーンの同じようなシーンが多く、主人公が人生についてどのように迷い、どのように決断していったのかという点があまり表れていません。ビデオという一本で最後まで引っ張るのではなく、それを通じて主人公の心理の何を表したいのかという視点こそが必要だったのではないでしょうか。なお、「可憐で控えめで慎み深いニコール・キッドマン」というものが見られるという点については、貴重かもしれません。 [DVD(字幕)] 5点(2009-02-14 00:34:46) |
1427. マイ・ガール
《ネタバレ》 内容的にはあらすじからほとんど予想できる範囲内のものなのですが、やりすぎない落ち着いた描写の積み重ねで、少女の日常をきちんと作り出しています。みんながいい人たちばかりで、あまりにも破綻がなさすぎなのが少々物足りないかな。定番っぽい演出とはいえキスシーンのところがやはり良いです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-12 00:29:19) |
1428. ミスター・アーサー(1981)
《ネタバレ》 主人公の下らないアメリカン・ジョークの連発が面白すぎ。ナイフを振り上げられたときまで「チーズを切るんだろうか?」とかすっとぼけてます。ロマンティックなテーマソングにだまされてはいけません。これは完全なコメディです。大体、あんな適当な出会いをした相手とあんな安直な経過で自信満々に結ばれるなんて、それ自体がギャグでしょ。主人公がさしたる反省や改心の気配もなくあっさりハッピーエンドをゲットしているのも、よく考えると凄いかも。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-02-10 23:57:23) |
1429. ハリーとトント
《ネタバレ》 あまりにも淡々としすぎで、そんなに大きなドラマを感じ取ることはできませんでした。娘にしろ初恋の相手にしろ、わざわざそこまで行ったんだから、もう少し背景の掘り下げようもあったと思うけどな・・・。ただ、タイトルの片割れにまで挙げていながら猫を必要以上に画面に登場させないセンスは素晴らしい。下手な監督だったら、何かあるたびに猫のリアクションを入れたり、主人公から猫に再三話しかけさせたりして、世界を台無しにしているはず。ラストの「えっもう?」という感じのあっさりした別れ方も印象的。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-02-10 02:04:04) |
1430. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 脚本が同じ人だから「フォレスト・ガンプ」と似た感じになるのは自然ではあるのかもしれないが、それにしても前置きの老けメイク時代が長すぎる。主人公のいろんな体験をちりばめたい気持ちは分かりますが、相互に関連性があるわけでもなく、発展性があるわけでもありません。つまり、どこかを抜いても作品として成立してしまいます。他方で、ケイト・ブランシェットを起用するという幸運にめぐまれていながら、意外なほど生かされていません。2人が「すれ違った」後、主人公の予言通りに落差が拡がっていく部分にこそ本当の切なさがあるはずで、何でそこをあっという間に駆け抜けてしまったのか、はなはだ疑問。また、病室からの回想という形にしているのも、それほど効果的とは思えません(むしろ邪魔だし、根本的な視点のブレを生じさせている)。ラスト15分間に6点。 [映画館(字幕)] 6点(2009-02-10 02:01:48)(良:1票) |
1431. ロザンナのために
《ネタバレ》 問題提起の部分がしっかりと固定されておらず、いきなり主人公が行動に走ってしまうので、出発の時点で設定のための設定という印象を受けてしまいます。肝心なシーンが割とさらっと流れてしまうのももったいない(ロザンナとカペストロの対峙のシーンとか)。筋立てはなかなか興味をそそるだけに、もう少し何とかしてほしかったです。あと、人の死をそのまんまネタにしている部分が頻発するのは、やはりどうしてもマイナス。 [DVD(字幕)] 4点(2009-02-03 02:18:47)(良:1票) |
1432. レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
何とも消化不良気味の作品。この夫婦は、当初はハッピーだったもののどこからかすれ違いが生じてそれが亀裂につながるというのが問題の所在なのだが、肝心の日常生活のディテールの描写を省略しているため、そもそも2人が何をそんなに悩んでいるのかが実感できない。むしろ、勝手に先回りして悩んでそれによって紛争を拡げているだけに見えてしまう。また、このような未熟さこそが本質である夫婦の役柄に、レオやウィンスレットは合いません。もっと若手の人にさせるべきだったんでは? [映画館(字幕)] 5点(2009-02-02 01:59:46) |
1433. マンマ・ミーア!
明るく楽しく脳天気なのはいいんですが・・・一番まずいのは、ダンスの場面で、振付が全然揃っていない。また、個別に歌う場面でも、歌う人や周りの人の「動き」にこだわりが感じられない。凄く手抜きに見えてしまいます。脳天気な内容だからこそ、こういうところはこだわらないとだめです。また、台詞回しも舞台からそのまま持って来ちゃった感じで、生声の舞台ならそれでいいんだけど、映画でそれをそのままやられると、とてもうるさく感じます。それと、特にメリル・ストリープの友人2人は、もう少し綺麗にというか、格好良く撮ることはできなかったのでしょうか。結局、ギリシャの風景とアバの名曲群に寄りかかってしまった内容になってしまいました。ただし、アマンダ・セイフリードが歌う"Honey Honey"と"Lay All Your Love On Me"は、思春期の歓びを一生懸命表現していて好感が持てました。この2曲に4点。 [映画館(字幕)] 4点(2009-02-01 12:10:03) |
1434. ブラウン・バニー
《ネタバレ》 アイディアだけでは「映画」にはなりません。それを具現化する様々な表現が伴ってこそのこと。思いつきの段階で止まってしまった上に、ラスト10分に(だけ)変なこだわりを見せてしまったものだから、要はあれが撮りたかっただけなんじゃないか?と受け取られてもやむをえない。 [DVD(字幕)] 3点(2009-01-30 02:24:45) |
1435. セレブリティ
いつも通り、喋りすぎ、動きすぎ、騒がしすぎ、説明しすぎの画面を並べているだけであって(ほかの作品ほど極端ではないとは思うが)、それによって何を言いたいのかが全然分からなかった。似たようなシーンが延々と繰り返されて、そのまま終わってしまっただけという感じ。 [DVD(字幕)] 3点(2009-01-28 00:51:32) |
1436. エデンより彼方に
《ネタバレ》 前に見たときは、心理描写の重みがなくて安直な内容だと思っていたのですが、よく見たらなかなか良いではないですか。ジュリアン・ムーアのしっとりとした美しさが最初から最後まで貫かれているのがいい。この作品はその時点で成功です。あとは色彩の丁寧さとエルマー・バーンスタインのやりすぎ音楽にゆったりと浸っていればよいのです。庭師の方はもう少しひねったキャラクターが欲しかった気もするけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-19 23:47:40) |
1437. 五線譜のラブレター/De-Lovely
各シーンは何かを表現するという段階に至る以前でブツ切りになり、次々に楽曲がかぶさってくる。結局、楽曲ありきで作られ、ストーリーや人格表現はそれにつじつまを合わせているようにしか見えません。あくまでも映画なんですから、きちんと俳優に演技をさせて下さい。年老いた主人公が画面に出てきて回想するという手法も、必然性があるわけではなく、成功しているとはいえません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-19 01:04:00) |
1438. あなただけ今晩は
《ネタバレ》 河に荷物を投げて殺人事件と勘違いされるところまでは面白く見ましたが、そこから後は収拾つかなすぎでしょ。元の設定だけでコメディとして成立する素地は十分あるのですから、普通にめでたく着地して問題なかったはず。せっかくのセンス溢れる邦題も霞んでいます。なお、今度誰かが作るときは、警官と娼婦という立場を維持させたまま、完全片想い純愛バージョン(立場上正体を明かすことができない)でリメイクしてほしいものです。 [DVD(字幕)] 5点(2009-01-17 21:53:05) |
1439. 失われた週末
《ネタバレ》 このネタ一発だけで作品を一本作ってやろうという初期衝動性が凄い。ただし、過剰な演出に走ることなく、主人公のちょっとした行動や台詞、ちょっとだけ出てくる幻覚などで、作品に現実性を持たせ、地に足のついた恐怖を見る側に与える手法は、現在でも参考になります。ただ、ラストは今の作品だったら主人公が拳銃自殺してエンドなんだろうし、そっちの方がインパクトがあったと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2009-01-16 12:44:02) |
1440. ビヨンド the シー/夢見るように歌えば
ケビン・スペイシーの気合の入り方は十分伝わってきますが、肝心の内容が、未整理の断片を順々につなげただけという感じで、どこで何を伝えたいのかがはっきりしていないのです。楽曲の数々がもったいないです。センスのかけらもない邦題も、何とかならなかったのだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-15 02:42:41) |