1441. ソルジャー・ボーイ
《ネタバレ》 冒頭、4人の若者が除隊するところから始まるんですけど、みんな何も考えてなさそうで、言動ははらはらさせるほど危なっかしくて、もうこれはまともには帰還生活はできないという雰囲気が立ちこめまくっているのです。はたして、あれこれトラブルをまき散らしながら道行きが進行し、リーダー格の家に無事戻れたと思いきや、何か居心地が悪くてすぐ飛び出してしまう。結果、最後は悲劇が待ち受けているんですが、この行程ならば、うまくいくはずのことがうまくいかないという「追いつめられ感」をもっと出してほしかったと思います。ただし、この時期には「ベトナム帰り」を正面からテーマにした映画というのはほとんどなかったはずで(もしかしたら初めて?)、その先鋭性と予見性については心から讃えたい。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-16 02:26:58) |
1442. 尼僧物語
長期間にわたる話のスケールがありながら、結局は最後まで単調に流れてしまいました。何よりも、主人公の設定と裏腹に、実際の主人公の行動の1つ1つに「意志」が感じられないのです。なので、制作者がこの主人公によって何を表現したかったのかが不明です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-12-16 01:54:10) |
1443. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 作品全体が「生誕」の1つの隠喩になっているのはすでに指摘されているとおりなのですが、例えば、エアロックにたどり着いたサンドラが、作中で初めて宇宙服を取り払ってその肉体(手足)を見せるところは、胎内における人体の完成を意味しているのか?とか、それならばそれまでつながった状態で浮遊していたクルーニーとサンドラはもしかして?とか、いちいちシーンの意味が丁寧なのです。それに加えて、人や物が接触したり衝突したりするときの力のかかり方の描写なんかもいちいち丁寧で、それによって独立した完結世界を作り出すことに成功しています。見終わったときには、自分自身もまさに"Gravity"を体感してしまいました。 [映画館(字幕)] 7点(2013-12-15 21:00:32) |
1444. リトル・マーメイド(1989)
《ネタバレ》 王子と出会うまでの前置きは妙に長すぎ、逆に出会ってからはすべてがあっという間。つまり、あまり深く考えずに適当に作ってしまったということです。あと、字幕版で見たのですが、全般的に声優の発声がえらく弱くないか? [DVD(字幕)] 4点(2013-12-14 23:08:54) |
1445. モンキー・ビジネス
《ネタバレ》 笑わせ方がいちいち理屈っぽくて回りくどくて、かえって笑えないのです。そもそも、前提のところでわざわざチンパンジーなど出していること自体、設定に寄りかかっていることの表れです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-12-10 02:17:59) |
1446. 8 Mile
《ネタバレ》 ラップシーンはほぼ最初と最後だけにして、希望のない行き詰まった生活を、鬱々とした曇り空の下で延々と描いているところが良い。あと、キム・ベイシンガーの中年の色気が意外に作品の雰囲気にはまっていたのは新発見でした。まだまだ妖女健在です。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-08 00:30:46) |
1447. スリーピー・ホロウ
ストーリー上の深みは何もありませんが、ナルシストでありながら間が抜けている主人公のキャラクターが面白く、この部分で大幅に得をしています。ヒロインがあまり魅力的でなかったのが残念でした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-07 01:58:08) |
1448. モンテ・ウォルシュ
《ネタバレ》 没落に直面するカウボーイというテーマに徹底的に即した作り方はなかなか面白いが、話が動き出すまでがえらく長いのが難点。あと、没落の象徴である仲間たちの殺し合いなんかの部分にしても、ただ撃ち合うのではなく、もう少しいろいろ表現してもらいたかったと思うが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-12-02 03:52:52) |
1449. 戦火の勇気
《ネタバレ》 メグのミスキャストはいうまでもないんだけど、デンゼルの方も、あんな安定感のある人を使っちゃったら、真相を求めて逡巡して右往左往するキャラクターの面白みが出なくなると思う。ただし、同じシーンを視点を変えて繰り返すパターンは割と好きだったりするので、それだけで低い点はつけられないのだが。 [DVD(字幕)] 5点(2013-11-15 01:45:13) |
1450. ゼロ・ダーク・サーティ
1つ1つの画面の重量感は、この監督ならでは。ジェシカ・チャスティンのシャープな存在感もなかなか。それにもかかわらず面白みがないのは、主人公は、あるいは組織全体は、その時点でどういう状況にあり、その中で何を目指しているのか、というところが見えないから。そしてそれによって、10年という時間の経過の意味合いが出てきていないから。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-11-08 01:49:35) |
1451. リンカーン
結局、デイ=ルイスの個人技と、美術や衣装関係の職人芸に寄りかかった内容になってしまったんだなあ。スピルバーグの場合、自己主張があればあるほど良い出来になっていて、何かを立てようとしたり、何かに忠実になったりすると、消化不良気味になってしまう気がします。サリー・フィールドやデヴィッド・ストラザーンの見せ場が思ったほどなかったのも意外。特にサリーは、久々の話題作登場で期待したんだけど。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-11-06 21:33:31) |
1452. ニューヨーク東8番街の奇跡
《ネタバレ》 単純素朴な一直線ファンタジーと言い切ってしまうことも可能なのだが、それでも作品を心に残るものに留めているのは、「奇跡」が起こる前の各人の絶望的なやる気のない状況を、きちんと整理して示していること。そして、UFOの視覚効果もさることながら、その背景をなす朽廃ビルを、周辺の状況も含めてきちんと作り込んでいること(最後の大火事、焼け落ちた後、そしてリニューアル後という3連発も強烈)。 [DVD(字幕)] 6点(2013-10-25 03:13:04) |
1453. 海辺の家
あらすじからほとんど予想できる内容だし、終盤へ向けての展開も実に予定調和的。しかし、最大の問題は、家建築のディテールをほとんど省いているところだと思う。この作品全体を象徴しているのはいうまでもなく家なのだが、その家自体がさしたる挫折も曲折もなく順当にあっという間にできてしまっているから、ますます物語そのものまでが予定調和に見えてしまうのです。 [DVD(字幕)] 5点(2013-10-25 00:14:40)(良:1票) |
1454. 告発のとき
《ネタバレ》 苛酷な戦争体験が人をおかしくしてその結果云々というのは、すでに多数の先例があるわけで、この作品はその辺の枠を出ているものではない。しかも、ポール・ハギスの計算癖あふれる脚本をこういう題材でやられると、登場人物の死に体ぶりがかえって目立ってしまうのです。フランシス・フィッシャー(タイタニックのブカター婦人)をトップレスで登場させちゃったというびっくりする成果に+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2013-10-20 00:10:56) |
1455. フライド・グリーン・トマト
回想の方は特段目新しくもなければ必然性もない話が淡々と積み重ねられているだけだし、現在の方は、制作側の狙った線がミエミエで、かえって醒める。キャシー・ベイツやジェシカ・タンディといった大御所を食ってしまったM・S・マスターソンのはまり役ぶりに4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-10-17 05:19:49) |
1456. ゴーン・ベイビー・ゴーン
静謐さに満ちた空気と、一つ一つのシーンの重量感、そして作品自体が有しているテーマ性。正しいこととは、ときには人の自然な感情に反することであるし、もっといえば、それが正しいのかどうか、自分ですら確信を持てないことも多い。その謙虚さを明確に刻んだという点において、この作品は輝きを放っている。ミシェル・モナハンには抑えた演技で逆に存在感を発させ、モーガン・フリーマンやエド・ハリスといったベテラン勢まで的確に使いこなしている監督の腕も見事。 [DVD(字幕)] 7点(2013-10-16 01:15:50) |
1457. トゥームストーン
《ネタバレ》 今から見ると異様に豪華なキャストなんですよね。ただし、登場人物の描写は類型的で没個性的で、各俳優の持ち味が生かされていません。なお、私の最大の興味は、パクストン先生がいかにヘタレぶりを発揮して下さるかというところだったんですが、中盤までは冷静で落ち着いた役回りで、これなら出た意味ないじゃんと思っていたところ、いざ決戦前という段階で、実に情けないやられ方でお約束のように退場してしまったのは、やはりパク先生でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-10-14 02:46:12) |
1458. ママの遺したラヴソング
トラボルタはこのキャラを演じるにしてはヘンさ、エキセントリックさが足りないし、ヨハンソンは相変わらず表情不足で、ただの根暗少女にしか見えない。キャスティング次第でもう少しなんとかなったかとも思うが、この凡庸な脚本では限界があるか。あと、尺も長すぎです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-10-13 00:16:46) |
1459. ワイルド・ワイルド・ウエスト
内容的には、あっちこっちに拡散して焦点が定まっておらず、全体の構想が壮大に滑っているのではないかとも思えるのだが、小道具関係の異様なこだわりとか、一つのネタをずるずる引っ張らないテンポのよさによって、そこそこ面白く見られてしまうという困った作品。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-30 00:06:53)(良:1票) |
1460. 新しい人生のはじめかた
脚本も演出も何とも凡庸で・・・ホフマンとエマ・トンプソンを投入している意味がまったくない。大体、エマ・トンプソンとかだったら、あんな鬱陶しい子供依存症的母親でも、速攻で全部論破してさっさと家を飛び出しそうに見えるのだが。もっと鈍そうな人をキャスティングすべきでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-09-29 03:43:57) |