1581. フローズン・リバー
じっと息をひそめているような独特の雰囲気は悪くないのですが、全体の描写や登場人物がとっている行動がすごく観念的というか、「こう動かしたいからこう動かす」に見えてしまうのです。登場人物の背景や日常が見えないのです。全体的にカメラがやたら近すぎるのも残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-26 00:54:28) |
1582. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 導入部の静謐な雰囲気が実にいいのです。チャンピオンの栄光の時期は完全に過去のものとした上で、未練も煩悩もなく、地道で穏やかな生活を送っているロッキーが、1~5のどれとも違うキャラクターとしてきちんと再生していて。しかし、そこの出来が良いからこそ、それをひっくり返して試合に挑むところの動機付けは難易度が高くなってしまうのですが、やはりその辺はあっさりしていました。しかし、試合終了後にリング上でポーリーに向けた一言がすべてを説明しきっているので、許す。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-23 02:14:33) |
1583. ロッキー5/最後のドラマ
《ネタバレ》 せっかく1の監督を呼び戻したんだったら、逆に、地道でぱっとしない負け犬路線で統一すべきだった。それでこそ最後のストリートファイトという設定が意味を持ったであろうし、それとの対比で3や4すら輝いてきただろうに。会計士だのインチキプロモーターだの息子との交流だのといったデコレーションは、まったく不要だった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-08-21 01:26:34) |
1584. ロッキー4/炎の友情
《ネタバレ》 当時のテレビの予告CMで見てたドラゴは、めちゃくちゃ怖かったんです。ソ連にはこんな無表情筋肉殺人マシーンがその辺にごろごろいるんだと思ってました。なんですけど、作品としては、何でそこにいるのか分からないロボットが再三出てきたり、JBの歌がやたら長かったりで、スリリングさは全然ありません。何より、ドラゴが訓練中に辛そうな顔を見せるのがいかん。殺人マシーンたるもの、あれくらいは涼しい顔で平然とやってくれなくちゃ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-08-16 01:38:12)(笑:1票) |
1585. レジェンド・オブ・アロー<TVM>
《ネタバレ》 キーラ・ナイトレイの凜とした美しさを満喫できる作品。これだけで目的は達しました。また、あらすじからは、主人公が奮起して頑張って攻め込んで大勝利、みたいな単純な内容を想像していたのですが、意外にも尺が短い中にもいろいろな立場の登場人物のいろんな意識が交錯していて、そこそこ見応えがありました。主人公の幼なじみの修道士なんて、最初の登場時点からその恋慕の行く末が見えてしまうのが泣けるじゃないですか。剣劇や弓術のシーンがあからさまにしょぼいのは、ご愛敬ということで。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-16 00:07:18)(良:1票) |
1586. ロッキー2
演出の方向性は1に酷似しており、新鮮味はあまりないのだが、後日譚として1に続いても違和感のない出来には仕上がっている。主人公をあくまでもぱっとしないゴロツキの延長から大きく外していないのが良い。3以降はただのヒーローになっちゃったもんな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-15 19:54:54) |
1587. ロッキー
一番良いのは、前半のぱっとしないチンピラ生活を、しっかりと時間をかけて描いているところ。それによって、メインの試合が、単なる晴れ舞台を超えた人生の重要な一場面として機能している。まわりの人も、そんなに格好良くない不器用そうな人たちばかりであるのも良い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-14 01:55:44)(良:2票) |
1588. プライベート・ソルジャー<TVM>
《ネタバレ》 自軍の陣地から数十メートル程度離れただけで、どうということもない雑木林が、いきなり死の荒野に変わってしまう。変に凝ったり曲げたりした描写をしていないからこそ、地に足のついた生々しいリアリティがある。序盤の新兵のドイツ軍との遭遇場面は、何も起こらない、何もできないからこその緊迫感。必死にあれこれ考えて策を練っても、ふとした拍子にあっという間に殲滅される。その「容赦なさ」が、作品を強烈に彩っている。 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-07 23:41:21) |
1589. ジェイン・オースティンの読書会
設定も進行も作為的だし、会話もものすごく表層的。小説作品を作品として捉えず、単なるネタとしてしか扱っていないからそうなる。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-07-30 00:49:02) |
1590. パリの恋人
楽しいお話にしようとしている割には、勢いと突き抜け感が足りない。オードリーと作品の雰囲気も合っていない感じ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-07-29 22:56:01) |
1591. 八月の鯨
主人公の老婦人2人が画面に存在して動いているだけでかなりのインパクトがあるのだが、似たような会話のやりとりが最後まで続き、その間脇役を含めて登場人物にさしたる心理の動きが見られないので、食い足りない印象。むしろ、演出側が俳優陣の底力を使いこなすことができなかったのではないか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-28 01:34:59) |
1592. ノーバディーズ・フール
各シーンの随所にどうですいい人たちでしょオーラが漂っていて、かえって意図が透けて見えてしまっているのです。優等生的な人たちが破綻なく物事を進めているだけでは、そこにドラマが感じられません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-27 23:27:07) |
1593. ラブ・アゲイン
設定から期待される生活感の中の切なさというものがほとんど湧き上がってこない。妙にじめじめした暗そうな画面と、演技と一体化せず勝手に動いているカメラもマイナス。ジュリアン・ムーアとマリサ・トメイの登場がもったいない。 [DVD(字幕)] 4点(2012-07-27 01:03:54) |
1594. モリー先生との火曜日<TVM>
モリー先生の一言一言に大きな含蓄と深みがあり、作品を見ながら主人公と一緒に自分の人生を見直すことができる秀作。そして、言葉を表すだけでなく、その後の主人公の変化までをもきちんと表現しているのが素晴らしい。手遅れになる前にこの作品に出会えて本当に良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-07-13 11:40:33) |
1595. マイ・フレンド・フォーエバー
終盤近くまで、特段目新しくもないエピソードが積み重ねられているだけであり、しかも主人公のしていることは客観的にはかなり無茶だったりして、さほど感動はできないと思っていたのだが、ラスト8分間の美しくも力強い収束で、一気に作品の価値が高められている。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-11 02:58:33)(良:2票) |
1596. ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー
筋立てとしてはごく単純であり、特に変わったことをしているわけではないのですが、それだけに明快なさっぱりとした破壊力があります。ただ、タンジェリン・ドリームの音楽がえらく強引であり、ここはむしろサックス一本か何かでもっとクサくいってほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-06-25 02:11:00) |
1597. アンナ・カレーニナ(1997)
《ネタバレ》 不倫に走りながらも子供への愛との板挟みに悩む、なんて、こういう「迷い」がある主人公は人間くさくて好きです。なんですが、歴史系ロマンスにありがちな罠として、多くの登場人物が単にストーリーの上を歩いているだけであって、人格設定(ないしは制作者独自の解釈)や心理表現がほとんどできていないのです。その結果、登場人物は、豪華な衣装を着せられただけの着せ替え人形になってしまっています。子供の顔を見に帰る場面なんか、重要なポイントなんだから、もっと引っ張ったらいいのにね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-06-24 00:54:27) |
1598. ロード・オブ・ザ・リング
後の作品まで全部見てからもう一度見ると、全然イメージが違いますね。最初に見たときは、あまりの話の進まなさに呆気にとられたのですが、ほとんど物語の背景だけでこれだけの時間と手間暇をかけてしまう贅沢感も、映画ならではかも。 [映画館(字幕)] 6点(2012-06-21 02:13:27) |
1599. あの日、欲望の大地で
《ネタバレ》 不倫のドロドロを描いた作品は数多いが、代を越えてまでここまでドロドロぶりを追い回した作品は珍しいのではないか。この、じとっとした血の濃さみたいなものを感じさせる雰囲気は嫌いではありません。俳優陣では、キム・ベイシンガーの色っぽい年のとり方以上に、ジェニファー・ローレンスのさりげない安定感(まだ若いのに!)が印象に残りました。この脚本家特有の時系列操作も、そこはかとない不安感や焦燥感をにじみ出させていて、好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-17 01:21:09) |
1600. 愛情物語(1956)
上品にまとまっているとは思いますが、あまりにもあらかじめ作られたとおりの筋を登場人物が流れているだけで、何かからの破綻や逸脱といったものがないのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-06-16 23:26:43) |