1961. ニューヨーク・ニューヨーク
《ネタバレ》 最初のナンパシーンだけで、エキストラの異常に贅沢な使い方と2人のこってり会話ぶりにお腹いっぱい状態。その後も、2人のやりとりが大半を占めているのに、やたらと濃い世界が長時間にわたって維持されています。豪華セットや大盤振る舞いの音楽が全部2人の関係描写の背景として奉仕しているという、稀有な世界です。ただ、妊娠云々の場面以降は、急に歌唱シーンに頼りまくって別の映画のようになってしまったのがちょっと残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-08 01:46:58) |
1962. フレンチ・キス
《ネタバレ》 ラブコメの王道ともいえる設定なのだが、登場人物が変に先回りしていろいろ考えすぎているため、見ていて何となく疲れる。カナダ国籍がどうのこうのという部分も、いらなかったんではないでしょうか?2回のダンスシーンのロマンチックさはなかなかでした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-06 13:56:12) |
1963. オーシャンズ12
《ネタバレ》 前作は「これはお祭りなんだから」ということで自分を納得させましたが、これはさすがに駄目でしょう。作品としての体をなしていなくて、崩壊しかかっています。ヴァンサン・カッセルの自己陶酔ダンスに4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-06 01:59:46) |
1964. チャンス(1979)
《ネタバレ》 ほんとはこれって、もっとコメディ色の濃い作品になるはずだったんじゃないだろうか?いくつか、明らかにここは笑わせるポイントだろうと思しき箇所があるのですが、全体のトーンがとても静かで一様に淡々と進んでいくため、妙な教訓臭が漂ってしまっているのです。我々もこのチャンスのあり方に学ばなければならない、みたいな感じで。それだと、作中でチャンスの一言をありがたがっていた人たちと同じになってしまいます。あと、家を出た後に庭師としての主人公を感じられる部分が(言葉以外で)ほとんどないのが残念。それまでの人生の重みにリアリティを欠く結果となっています。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-05 02:41:45)(良:1票) |
1965. スタンドアップ
《ネタバレ》 せっかくの興味深い素材なのに、何とも描写が表層的で、流れを追っただけで終わってしまっています。特に、法廷シーンの描写不足は致命的で、どっちがどういう訴訟準備や立証を行ったことによってあの劇的な結果につながったのかということがまったく伝わってきません。その程度のことで勝つような内容だったの?とさえ思ってしまいます。また、名手クリス・メンゲスとも思えないような不安定なカメラワークもマイナスだし、徹底的に現実に立脚することを求められているこの作品内容に、幻想性を主要な要素とするグスターボ・サンタオラヤの音楽は合っていないと思う。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-02 02:57:32) |
1966. バガー・ヴァンスの伝説
《ネタバレ》 途中で「まさかこの試合を延々と最後までやって、それでおしまいってんじゃないだろうな」と思ってたら、本当にそうだったとは・・・。結局、コースを回っているのをカメラが延々と追いかけているだけであって、これほど図柄的に面白くないスポーツものというのも珍しいです。それと肝心のバガー・ヴァンスという人が、どうみても適当にその場の思いつきを喋っているだけであって、これのどこが「伝説」なんでしょうか(ウィル・スミスに合っていないことはもちろんです)。点数は色彩と風景の美しさに対して。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-04-30 04:21:39) |
1967. シングルス(1992)
キャメロン・クロウの作品って、どうにも人物造形が観念的というか、頭の中で考えただけという感じがして、ただ「描かれているだけ」にしか見えないのです。この作品でもそれは同じ。なので、何か新しい雰囲気を狙っている風でありながら、終わり方も含めてすべて予定調和にしか感じられません。それと、小汚さとか粗雑さがウリのグランジ・オルタナの世界には、ブリジット・フォンダはまるで合わないのでは? [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-04-28 03:39:03) |
1968. 10日間で男を上手にフル方法
最初の設定だけで制作者がすっかり満足してしまったような感じ。それ以外のことが何も描かれてないですからね。ケイト・ハドソンの個性のなさもマイナス。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-04-25 10:12:10) |
1969. サルバドル/遥かなる日々
《ネタバレ》 実話ベースの内容でありながら、肝心なところでありがちな演出をしてしまっています。相棒が銃撃される場面とか、土壇場で上から一報が入って殺害が中止になる場面とか、どこかで見たシーンみたいで緊張感が削がれます。この辺のところで、似た系統のコスタ=ガブラスの「ミッシング」に大きく及んでいません。ただし、ジェームズ・ウッズの気合の入った演技は印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-23 04:48:28) |
1970. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 何となく鬱蒼とした、幸福感の感じられない村の映像と、凝っているように見えて作り物っぽさも漂っている衣装・美術関係、そしていかにもなそれっぽい音楽。これらすべてがオチのためのミスリードだというオタク魂が何とも心地よい。謎の設定が大風呂敷を広げすぎという気もするが、この作品では末節の問題です。また、それとは別に、村ができあがった理由についても、過剰な犯罪被害者保護の傾向への皮肉めいたものが感じられて興味深い。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-13 02:26:14) |
1971. アウトサイダー(1983)
目がくらむような豪華キャストですね。これで悪くなるわけがありません。中盤、主役の2人にポイントが当たりすぎで、スウェイズやロブ・ロウやエステベスの見せ場をもう少し見たかった。音楽が中途半端にゴージャスなのも気になった。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-12 02:07:14) |
1972. エイリアン
《ネタバレ》 音楽はほとんどなし、効果音も必要最小限。じっと息をひそめて自らも船内に潜んでいるかのような描写。このような手法が、奇妙な地に足の着いた生々しさを醸し出しています。また、最も印象的だったのは、最後、生き残ったリプリーが孤独のままに飛び続けるところ。生還してみんなで大喜びとか、通信が復活して希望が甦るとか、そういう陳腐な盛り上がりのない気怠さと疲労感に満ちた締め方が、何ともいえない余韻を残しています(2への絶妙なつなぎにもなったわけですが)。 [DVD(字幕)] 6点(2009-04-11 02:42:09) |
1973. インサイダー
せっかく面白そうな対象を選択しているのに、とにかく長すぎ。作る側がポイントを絞り切れていません。実話を頑張って裏付け取材したから、全部映像化しないと気が済まなかったのでしょうか。主人公2人の造形も平坦で、人格の裏側や奥行きが感じられません。映画というよりも、壮大な再現フィルムを見てるだけのような感じ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-04-10 01:03:16) |
1974. 風と共に去りぬ
これだけ重厚で華麗な作風でありながら、同時にスピード感とテンポの良さをも備えているのが素晴らしい。とても70年前の作品とは思えません。4時間ほとんど出ずっぱりながら最初から最後までテンションを維持し続けているヴィヴィアン・リーのパワーとオーラも凄い。また、ゲーブルもそうなのですが、台詞は割と仰々しい言い回しのものも多いのに、それを自然にするっと言ってのけて、しかもそれを時間をかけて応酬してくれるものだから、見ていてとても心地いいのです。ただし、この2人+オリヴィア・デ・ハヴィランド以外の俳優陣には、もう少し個性が欲しいところでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-10 00:42:16) |
1975. エンパイア・レコード
《ネタバレ》 基本的に、レコード店というものをなめてるんじゃないのかという内容。何よりも頭に来るのは、店員がこれだけいながら、音楽に対する愛情とかレコードに対するこだわりとかいうものを誰1人感じさせないこと。要するに、何にも考えていないのです。むしろこういう店はさっさと消え去って下さいとしか言いようがありません。ハイ・フィデリティとかスクール・オブ・ロックとかを見た後でこれを見ると、さらにレベルの低さが分かります。レネー・ゼルウィガーがミニスカで歌って踊るシーンの貴重度に3点、実は1日のお話でしたという構成のまとまりに+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2009-04-06 23:47:53) |
1976. メリー・ポピンズ
《ネタバレ》 私にとってのマイナスポイントは3つ。(1)肝心の子供2人が全然可愛くない。だからといって、歌や演技が上手いわけでもない。どういう選考をしたらこうなるんだろう・・・。(2)ファンタジーの部分の描写が安直すぎ。ただ何となく楽しく遊んで、それだけでいいの?という気になる。あれでは単に甘やかしてるだけというか、子どもたちの成長が何もないんでは?(3)ジュリー・アンドリュースとそれ以外の人たちとで、歌唱力に差がありすぎです。というわけで、ジュリー・アンドリュースの凜と伸びた背筋に4点。 [DVD(字幕)] 4点(2009-04-06 22:57:43) |
1977. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 単にひっくり返しがあるというだけではなくて、それが誰の心にも根ざしている単純な心理に基づいているという点が、作品に普遍性を生み、他の類作から際立たせていると思います。ただ、2時間以内で収められたと思うけど。 [DVD(字幕)] 6点(2009-03-27 01:13:30) |
1978. セブン
《ネタバレ》 改めてこの作品で一番凄いと思うのは、犯人があっさり自首していること。しかも、その展開に必然性があるということ。これを可能ならしめたという一点において、本作は他の幾多の類作と明らかな一線を画している。その後、刑事自身も当事者の地位に無理矢理置かれることによって、この作品は、サスペンスの約束事をごく自然に破壊し、大げさに言えば、世界を終焉へと導くのである。そして、真相(らしきもの)を一応提示した後も、陳腐な動機とか何とかを一切説明しない姿勢も潔い。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-23 04:39:51) |
1979. ミスター・アーサー(1981)
《ネタバレ》 主人公の下らないアメリカン・ジョークの連発が面白すぎ。ナイフを振り上げられたときまで「チーズを切るんだろうか?」とかすっとぼけてます。ロマンティックなテーマソングにだまされてはいけません。これは完全なコメディです。大体、あんな適当な出会いをした相手とあんな安直な経過で自信満々に結ばれるなんて、それ自体がギャグでしょ。主人公がさしたる反省や改心の気配もなくあっさりハッピーエンドをゲットしているのも、よく考えると凄いかも。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-19 01:06:17) |
1980. ガス燈(1944)
設定からしてもっと怖くなるべき話だと思うのですが・・・なぜかえらく雰囲気がほのぼのしていて、当事者の思考や思索といったものも感じられなくて、緩いままに最後まで行ってしまいました。現在では、後発の幾多の作品に抜かれてしまっているでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-03-14 00:08:48) |