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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  パシフィック・リム
ロボットと怪獣の戦う様に郷愁を感じながら盛り上がるのは大いに結構なことだと思うしよく理解できる。が、日本中がギルレモ・デル・トロ、ありがとう的な言説に塗れていることに違和感を覚える。この作品を見る限り、監督が日本のアニメや怪獣ものを特に偏愛しているようには思えない。そのプロットを使っているだけ。オタクでもなんでもない。KAIJUとかだれそれに捧ぐとかに過剰に反応しすぎだと思う。ただ、この人は世界中のクリーチャー・モンスターものをたくさん見ている。これまでの作品を見ればその異形の者への偏愛ぶりからもよくわかる。前作『パンズ・ラビリンス』が『ミツバチのささやき』をなぞっているのもそこに『フランケンシュタイン』が入っているからかもしれない。たしかデルトロ監督のマイベストにコクトーの『美女と野獣』やムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』が入ってたようにも記憶しいている。そういう意味ではもうちょっとカイジュウに畏怖するものが欲しかったように思う。この作品でのギルレモ・デル・トロらしさは異界に通じる出入り口があるという物語の破綻を防ぐ便利アイテムがあるぐらいか。お金をかけた大作ゆえか、とにかく美術を含めた演出に「らしさ」がないのが不満。何が映ってんだかなバトルアクションは不満を通り越して不快。
[映画館(字幕)] 4点(2013-09-05 16:49:03)(良:3票)
2.  アウトロー(2012)
トム・クルーズが主役ならばもうそれだけで映画なのだから見て損はないはず。実際見てみて満足したわけだが、どこか腑に落ちないというか手放しに絶賛できないモヤモヤ感が残ったのも事実。例えばカーアクションは楽しかったけど物語上ではいらんよなとか、女弁護士や老助っ人のささやかなユーモアはわりに気に入っているんだけど物語からは浮いてるよなとか、戦いの火蓋を切る合図の雨がベタすぎて笑っちゃったのだが、そのうえ最後は武器捨てて殴りあいとかお約束すぎて呆れたのだが、もちろん気に入っているんだけど、なんかやっぱり物語を被う雰囲気からするとちょっと違うよなとか。で、後になって気付いた。ハードボイルドと甘いマスクのトム・クルーズがそもそも合わないのだ。たぶん。合わせるために原作にはないカーアクションを入れたり女と助っ人がしっかりヒーローを際立たせる役を担ったりして、つまりトムに合わないだろうハードボイルドにヒーロー映画を加味することでトムが活きるようにしているのだ。たぶん。だからちょっと変なのだ。でもトムはしっかり活きている。そこが一番重要なのだ。
[映画館(字幕)] 7点(2013-03-12 15:53:31)(良:2票)
3.  戦火の馬 《ネタバレ》 
冒頭、広大なアイルランドの風景が映し出される。この映画が「馬の映画」であることもふまえれば当然のようにジョン・フォードが頭によぎる。しかし一向に(あきらかな)フォードらしい画や(あきらかな)フォード的展開は見当たらない。と思っていたら高地の荒地を耕す様に、おぉ『ヨーク軍曹』(ハワード・ホークス)だ!と。その後のフランス戦線の風景までもがそっくりだ。馬(ロバ)を買い戻すなんて件もあったりと、えらく『ヨーク軍曹』との共通点が多いのはやはりオマージュと考えていいように思う。そう考えると動物をからめたコミカルなシーン(少女の馬調教シーンやアヒルの攻撃)も少女がじゃじゃ馬なのもいかにもホークスだ。と、書いておきながらこの映画で真っ先に想起したのはディズニーの実写動物映画『三匹荒野をゆく』だったりする。動物が人のように思考し行動する様は往年のディズニー映画そのものだ。波乱万丈な馬の生涯の中で出会う様々な人物たちがわかりやすく顔が大写しにされることからも子供にも受け入れられる大衆映画たらんとしていることが伺われる。大人にとってはやや感動の押し売りが気になるも、映画ってそもそもそういうもんじゃんって気がしないでもない。ラストシーンは人間を見つめる馬の顔。母馬から引き離された馬はオレンジの空をバックに人間たちが見せる家族の絆をどう思って見つめているのだろう。と、大人思考で感慨にふけってみる。
[映画館(字幕)] 7点(2012-10-18 17:21:27)(良:1票)
4.  クロエ(2009) 《ネタバレ》 
アトム・エゴヤンは「愛する者の死」と向き合う人々を描き続けてきた作家である。この作品はそのテーマからやや遠のくものの感動的なラストカットはやはりそこに行き着いているようにも思えます。また、日本未公開作品については未見のため断言できませんが、アメリカ資本が入った『秘密のかけら』以降は「虚実」もまた重要なテーマとしているのかもしれません。相変わらずこの監督の物語構成に必要不可欠な回想シーンと必要以上に鏡を使った演出が物語をミステリアスにしてゆきます。女二人が密会するカフェやバーのシーンは本当に美しく、窓外の光、室内の照明、さらに画面手前の二人がいるところの照明とそれぞれ異なる光を一度に見せてしまう奥行きのある画づらにはやられました。窓の外に見える雪がその後の運命のずっこけを起こさせるという構成にも唸らされます。物語がどっちに転ぶの?そっちかよ!という展開にどうでもしてみたい監督の毎度のこだわり(?)が若干曲者ですが、今作は大筋が至ってシンプルなこともあってその展開自体も大いに楽しめました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-09-28 14:57:36)(良:3票)
5.  ダークナイト ライジング
前作のレビューで予言したとおりの作品。まだ言うか!まだしゃべるか!それを!って映画。呆れるのを通り越して感心する。漫画で止まってる画(画だから当然動かない)に長々と説明セリフの大きなフキダシがあるのと同じで延々しゃべっとる。画が動くことで映画になるってのにそこには向かわないみたい、ノーランさんは。今回の悪者ベイルが予告編のほうがはるかに怖かったのは予告編ではしゃべらなかったからに他ならない。まあ、そもそも怖がらせようとも思っとらんのだろうが。後半のクライマックスたるクロスカッティングをここもまさに漫画のように時間を引き延ばし(あるいは戻り)ながらドラマに終始することで全く盛り上がらないものに仕上げているのもおそらくは意図的なものなのだろう。映画的な高揚感よりもドラマを重視しているのだ。ラストに観客が見たいだろう画を用意してくれているのはなかなかに良かったのだが、『ボーン・アルティメイタム』のそれと比べるとやっぱりここも冗長だったかな。良かったのは前作は暗すぎてよくわからなかったバイクのドリフト時のタイヤの動きがかっこよかったのとバイクに乗ったキャットウーマンのお尻がキュートだったこと。
[映画館(字幕)] 5点(2012-08-17 16:14:44)(良:1票)
6.  The Harimaya Bridge はりまや橋
監督さんの言いたいことはよくわかるんだけど、お話的にこれは稚拙に過ぎる。偏見が人との交流によって少しずつ取り払われてゆくという展開にあってその偏見の部分があまりにわかりやすい。露骨すぎ。心の変化もわかりやすい。偏見の根の深さが描かれることはない。わかりやすいからといって面白いわけでもなく。淡々としたお話が終盤ミステリアスな山を迎えて少し盛り上がるのだが、こここそもうちょっとわかりやすく盛り上がってもいいような・・。清水美沙の役どころが「通訳」を兼ねているということでしょうがない部分もあるんだけど、終始説明っぽいのもいかん。言葉によってお話が進む。高知とサンフランシスコの風景を映せばそれでOKみたいな、そんな作品だった。
[DVD(邦画)] 3点(2011-12-12 15:35:23)
7.  必死の逃亡者 《ネタバレ》 
ボギー久々の悪役はやっぱり様になる。この作品はどこにでもある一般的な中流家庭を襲うってところがミソ。だから当然主役のお父さんもまた一般的フツーのお父さん。映画を引っぱるだけの存在感なんてない。ここでハンフリー・ボガートの強烈な存在感が必要となる。抵抗することが強いのではなく家族を守ることが強いのだともってくる父と息子のアメリカ映画らしいドラマが退屈にならずに済むのも、父や娘が外出を許されるという緊迫感を阻害させるような展開でもそれをあまり感じさせないのもボギーから発せられる危険なオーラがあるからに他ならない。手下がゴミ収集車を追いかけに出たり娘と恋人のあれこれがあったりとドラマを盛り上げる各エピソードが多すぎるような気もするがそこから裾野を広げずにあくまで核は家族であり、よって舞台は家であるということを徹底しているところが好感が持てる。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-14 17:04:47)
8.  ホステージ
話は破綻していないです。ただそれだけ。序盤の雰囲気はまずまずだったのにお話があらぬ方向へ行きだしてからおかしくなっちゃった。何故あらぬ方へと行くかといえば、それが観客の求めるものだから。少なくとも作り手はそう考えている。ひねればOKみたいな。「小説の映画化」とあるから原作がそういう展開なのかもしれないけどもしそうなら原作自体がひねればOKって思ってんじゃないの?ひねるのは別にかまわないが、ひねることで得れるものが少なくともこの映画には全くない。散漫なだけ。登場人物にそれぞれのドラマがちょこちょことあるがどの話も半端なくせに自己主張しすぎている。それでいていろんなことが起こりすぎ。さらにそのいろんなことが食い合っている。お、凄いなと思うシーンがあってもその思いすら消し去ってしまう。
[DVD(字幕)] 2点(2011-10-13 16:34:47)
9.  化石の森(1936)
やたらとセリフが多いなと思ったら舞台劇の映画化でした。セットまるわかりの風景だし、構図も舞台劇の見せ方に近い構図のようです。主演のレスリー・ハワードと悪役ハンフリー・ボガートは舞台でも同じ役を演じていたそうです。この役を皮切りにボガートが映画俳優として輝きだすわけだけども、なんとなくわかるような気がします。アップになったときの面構えは完全に主役を食ってました。凄みがある。顔がものを言うとはこのことで、当然その効用は舞台劇よりも映画でこそ活かされる。そういう意味では意図せずかもしれないが、舞台劇にはない映画ならではのものがここにはあったと言える。暗闇の銃撃戦もまた舞台劇では味わうことのない迫力があっただろうし、時間が止まったかのような大写しにされるキスシーンも映画ならではと言える。それでもおそらくは舞台劇と然程変わらぬだろうセリフの量がこの作品を映画から遠ざけている。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-12 14:03:13)
10.  彼奴(きやつ)は顔役だ! 《ネタバレ》 
ラオール・ウォルシュの映画には「裏切り」が描かれることが多い。そしてそれは西部劇よりも犯罪映画でこそ活きてくる。最たる作品が『白熱』でこれはもう傑作中の傑作です。この『彼奴(きやつ)は顔役だ!』でも「裏切り」がドラマを作ってゆく。二人の戦友のうちの一人に女を奪われ一人に権力を奪われる。前者が人間ドラマ、後者が犯罪ドラマを作ってゆく。前者よりも後者が面白いに決まっている。後者が生んだレストラン襲撃シーンは後に『ゴッドファーザー』に継承されることになる。そしてラストシーン。前言撤回。前者のドラマがここに名シーンを生むのだ。銃撃後、外に飛び出してからのキャグニーを捉えるカメラの横移動がもうそれだけで哀しさに包まれている。階段を斜めに駆け上がったかと思うとすぐに転げ落ちる。そのリアルな転げっぷりと雪の積もる背景が哀しみを倍増させている。
[映画館(字幕)] 7点(2011-10-07 11:39:48)(良:1票)
11.  追跡(1947) 《ネタバレ》 
内容は「嵐が丘」のような愛憎渦巻く昼ドラ的大河ロマンということになろうか。まあただしあくまで大筋がそうであってそのドロドロに焦点を当てて見せようとはしていない。またラオール・ウォルシュの他の西部劇同様に純然たる西部劇でもない。主人公の出自の謎と運命の女の登場と殺しの策略が描かれているのだからこれはもう堂々とフィルム・ノワールだろう。馬とともに歩く主人公のはるか奥の山手に人影が見えるという西部劇の舞台である大地の地形を効果的に取り入れているが、その上方の人物は対峙してガンアクションを披露することはない。西部劇としての違和感はあるもののけしてこの展開は嫌いじゃない。でも主人公の無表情も相まって総じてじめじめしすぎているのが難。最後だけ西部劇らしくてホッとした。強引だけど。
[映画館(字幕)] 6点(2011-10-06 15:08:47)
12.  壮烈第七騎兵隊
序盤はコメディです。しかもなかなかの良質。ヒロイン登場シーンもロマンスコメディとして最良の出会いの見せ方。セリフの掛け合いも楽しい。しかし中盤以降は徐々にコメディ色が薄くなる。なのにセリフの量は減らない。そのセリフがいつもユーモアに富んでいるのがアメリカ映画らしくていい反面、そのユーモアだけで持たせている感も否めない。そして何よりも尺が長い映画でこのセリフの量は疲れる。戦争シーンは凄い。南北戦争も凄いけど圧巻はやはりクライマックスの先住民連合との戦い。広大な土地を大きく映し、そのあらゆる方向から馬群が駆ける様を見せ付ける。同監督『ビッグ・トレイル』(1930年)同様に本物の画に拘っている。しかし『ビッグ・トレイル』同様に本物志向の迫力の画と劇映画らしい語り口との融合がうまくいってないような気もする。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-10-05 15:08:24)
13.  死の谷 《ネタバレ》 
「西部劇」らしい守られるべき女がいる。その女がいとも簡単に主人公の男を裏切る。この場面で違和感を感じるのはその裏切りが本来描かれるわけのない「西部劇」スタイルの映画で描かれるからだ。たしかにこの映画は犯罪映画『ハイ・シエラ』のセルフリメイクである。しかしこれの2年前の『追跡』を見ても西部劇の仮面を被った犯罪映画なのだ。そう、ウォルシュは西部劇の監督ではなく犯罪映画の監督なのだ。しかもこのラストシーン。ニューシネマじゃん!いやはや、純然たる西部劇として見たら違和感ばかりが目立つが、この時代にこのスタイルは相当に新しいと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-04 14:34:57)
14.  ビッグ・トレイル(1930) 《ネタバレ》 
最初の章で登場人物が出揃いそれぞれのキャラが提示されるのだが、ジョン・ウェインが主役なのは間違いないという役で、悪者はいかにも悪者な風貌で、単純で明快な予定調和な西部劇が始まるなとワクワクさせてくれる。と思ってたらその章の最後で、さあ出発だと全員の移動シーンが映されてびっくり。なんちゅう馬車の数。なんちゅう牛の数。ここまでせんでも。その後もそれら大量の馬車群が川を渡ったり絶壁を下りたりするシーンのように、メインストーリーにあまり関係のなさそうなところでお金と手間をかけまくったシーンがこれでもかと出てくる。いや、これこそがメインストーリーでジョン・ウェインと悪党の対決のほうがサイドストーリーなのであった。実際、対決ってほどのものは映されず、盛り上がりも何もありゃしない。西部開拓者たちの大移動はたしかにこのように過酷であったのだろうと思ったし、そのリアルな迫力は本当に素晴らしかった。『赤い河』のようなバッファローの群れも映ってる。でも見たかったのはジョン・ウェインの活躍だったのだ。若きジョン・ウェインがあんなにもかっこよくなかったらこれでよかったかもしれないが。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-03 14:20:52)
15.  わたしを離さないで
いつの話なのか。どういった世界なのか。原作はそのことに触れずに淡々と進み、何かが違うという漠然とした違和感を抱かせながら進んでゆく。我々となんら変わらぬ青春の1ページに同居する違和感は不安となり不安が的中したときにはその「我々となんら変わらぬ」が我々に迫ってくるのだ。映画はまずこの世界の説明を最初にする。驚いた。この映画はどうせこの世界がどういったものかを出し惜しみしたサスペンスなのだろうと思ってたから。仮にそうでなくても、ここを出し惜しみしないというのは娯楽映画としてどうなんだろうと。でもこの映画を作った人たちは賢明であった。そんな子供だましよりも、普通でない状況の中で普通に生きる少年少女たちの姿を奇をてらわずに見せることに注力する。そのことで原作にあった切なさを見事に再現しているのだ。透明感のある主要人物たちといい、実に原作の世界観をうまく作り上げていると思う。だからこの映画は素晴らしい、ということにはならない。映画と原作は別物。映画として傑作の域に行くには原作の世界観をこそ壊さなきゃならんのかもしれない。 特に原作が傑作の場合は。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-30 15:31:07)
16.  アイランド(2005) 《ネタバレ》 
ジョージ・ルーカス『THX 1138』の世界観に後に映画化もされたカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」の設定を加味した感じ。といってもマイケル・ベイですから設定は設定としてあってもその設定からそのアクションにはいかんだろうってところも無理矢理にアクションへと向かわせる。その荒っぽさがなんとももったいなくもあり、痛快でもある。スピード感溢れるカーアクションはもうこの人の十八番。あらゆる角度から堪能できます。残念なのがエロいボディラインを見せ付けるスカーレット・ ヨハンソンのそのエロさを活かせていないこと。せっかく意図的に押さえ込まれた性欲が芽生えようかという展開があるのだから(なかったっけ?)このエロい体を活かさない手はないのに。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-28 14:02:43)(良:1票)
17.  私の中のあなた
対立する二つの意見があってもどちらかが正しくどちらかが間違っているというわけではない。それぞれに納得し得る言い分がある。ニック・カサヴェテスはいつもそこを丁寧に描く。けして誰かを悪者になんかしない。こういう描き方ってもう古い。古いけども、こういう優しさというか甘さは嫌いじゃない。ただ、この作品は物語自体が涙に溢れているので余計に甘っちょろくなっちゃってる。テーマに則した緊張がない。死の恐怖がない。親子のドロドロがない。ないないづくしで平坦。演技はみんな最高。そこだけで見られる映画になってる。もちろんその演技を引き出した監督の功。
[DVD(字幕)] 5点(2011-09-27 11:42:24)
18.  スカイライン-征服- 《ネタバレ》 
序盤のドラマがいらん。そのドラマが後に活きてくるわけでなし、ドラマ自体がおもろいわけでなし。というかかなりつまらん。なんとなくゾンビ映画『ザ・ホード 死霊の大群』を思い出したんだけど、こっちは序盤のドラマがその後の展開にも影響するし、なにより序盤のドラマ部分が面白い。で、ようやく本題突入で、光を見ると吸い寄せられるってアイディアがなかなかいいのだが、そこから楽しくならない。要するに光を見ちゃいけないって部分での広がりがない。じゃあ、どうすんだろ、と思って見てたら立てこもることになった。お、頭脳戦か。ありがちだけどやっと映画が始まるなと思ったら、すぐに立てこもりやめて外に飛び出しちゃう。面白かったのはF22(?)戦闘機のドッグファイト。ほとんど航空ショーなみの絶技でドラマチックに戦う米軍機をあくまで市井の人の視点に拘って見せる。なんか笑えた。終わりに近づきいよいよ楽しくなるかな、と思ったら突如終わった。実際、ヒーロー誕生で終わるわけだからまさにこれからってところで終わるわけで、「狙い」なんだろうかね。「前フリ」を一本の作品にしたものです。
[映画館(字幕)] 5点(2011-09-22 15:48:09)
19.  シャレード(1963)
えらく豪勢なキャストだがそのわりに地味な作品。それなりに凝ったストーリーなのだがいまひとつのめり込めない。サスペンスよりもロマンスコメディに重心が寄ってるので凝ったストーリーは凝っただけの成果を発揮せず豪勢なキャストも豪勢さを発揮できていない。とはいうもののそれが狙いというか、とりあえずオードリー・ヘップバーンを右往左往させて楽しむことを最優先させているので、そこを楽しめればOKな作品。豪華キャストとサスペンスはオマケみたいなもん。騙されても騙されても言い訳一つでチューしちゃうオードリーというのも、サスペンスにあるまじきお約束的キャスティング、ケイリー・グラントあればこそ。ただしリアルタイムでこそそのお約束キャスティングに安心してロマンスコメディを楽しめたわけで、ケイリー・グラントを知らない世代にとってはなんともギクシャクした予定調和と見えるかも。
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-21 16:40:43)
20.  激怒(1936) 《ネタバレ》 
様々な映画技法を駆使して群集心理の恐ろしさと憎憎しさが描かれる。恐怖し激怒する主人公はまさにラングその人なのかもしれない。ラストで主人公は「本意ではない」と前置きしたうえで出頭する。つまり本心は復讐を完遂することにある。それこそが人間の摂理なのかもしれない。ラングが描き続けた負の連鎖はこの人間の摂理に反抗することで初めて止められるのだ。そして自己犠牲の精神でもってそれを成した者にはちゃんと幸が訪れる。多少強引のような気もするこのラストの幸はラングのメッセージをより顕著にもしている。先に書いた群集心理、復讐の連鎖以外に、社会の冷遇、不完全な情報伝達、情報操作、法廷劇、等々とラングのアメリカ第一作はラング印満載であった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-08 16:55:00)
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