1. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
まず最初にアナ・デ・アルマス演じるボンドガール「パロマ」に心の1点を。歴代のボンドガールでは『黄金銃を持つ男』の「メアリー・グッドナイト」が永遠の一番手だったが、匹敵する愛らしさ。観られてよかった。 ダニエル・クレイグのボンド作品は、『カジノ・ロワイヤル』で「ああ、連作なんだ」。『スカイフォール』で「おお、実は3部作?」。『スペクター』で「ウソっ、4部作」と来て、この『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で「まさか5部作だったとは……」、ということ。あまり他の映画の知識はないけれどもこれ以上のことは知らない、文句のない、付けるわけにもいかない5部作完結だったと思います。すげえもん観たよ、もうそれだけ。 まったく観た経験も無く、名前だけはよく知っているけれどもこの先に一生観ることのない作品だと思っていた『007』。それが飲み屋の無音で観てしまった『カジノ・ロワイヤル』でのボンドのカッコ良さに魅せられ、それならばと『ドクター・ノウ』から見始めて一気にハマったこの10年ほど。うっかりパチンコ台まで買ってしまうことになる人間を導いたのは、ショーン・コネリーもジョージ・レーセンビーも実は永遠の憧れとなるロジャー・ムーアもティモシー・ダルトンもピアース・ブロスナンもそうなのだけれども、やはりこの「私“が”愛したスパイ」だった。だから――素晴らしい作品だったよ。だけれどもさ、どうしたって最後になるこの作品は寂しい。あまりにも、寂しい。 ありがとう。 ありがとう、ダニエル・クレイグ。 万感の思いを、胸に。 [映画館(字幕)] 9点(2021-10-03 21:41:15)(良:1票) |
2. 007/スペクター
《ネタバレ》 ダニエル・クレイグ過去3作の私なりの縦軸は「新旧のゆるやかな融合」であり、前作『スカイフォール』でひとつの決着と観ていたが、やはりタイトル通り、もう一歩行ってみた内容に。実は“4連作”なのであり、そこには過去の力も溢れている(ファーストカットで膝を打ちました。“メキシコシティ”の前です、念のため)。らしい洒脱なやり取りも存分で、見応えある一本なのは間違いありません。 ひとつだけ上げておけば、新Mの“実は”な存在感を前作からまた再認識。旧Mも観られてそれもまたよし。 [映画館(字幕)] 8点(2015-12-31 15:03:46) |
3. 007/スカイフォール
いいんじゃないですか。今回再登場したQや『ゴールドフィンガー』まんまのアストンマーチンなど、ボンドを含む古いモノと新しいモノの融合は、全作観ている者にとってとても嬉しい。『カジノロワイヤル』からの流れで言えば、今作のエンディングまでで“ついに出揃った”と感じています。次回作を観るまでは死ねない、『007』のファンとしてその想いとともに8点。フォルムだけが一緒なわけではなかったアストンマーチンと、「不屈の英国人の鑑」のやり取り、そしてイブ(ナオミ・ハリス)に関するオーラス、こちらに心の1点を差し上げます。 [映画館(字幕)] 8点(2012-12-03 13:43:52) |
4. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 「非を認めない公権力」。いまもそう変わらないそんな風潮、仕組みを少しずつ突き崩していく展開だが、突き崩されていく過程は“快哉を叫ぶ”にはほど遠い重苦しさが覆われている。しかし、それがこの映画の、この実話とされる話の果てしないもの悲しさを現しているのは間違いない。アンジェリーナ・ジョリー命の者としては「さすがジョリ姐」と一本被りにしたいところだが、ここはやはりクリント・イーストウッドの成せる技も大いにありましょうね。 「先頭に立った女性だけが報われていない」、そのやるせなさは最後まで残る。(実際の事件で)どうにか息子さんが見つかってほしかった――いまもそう思い続けてしまうことが、この映画を観た大きな意義だと私は思う。表現は難しい。難しいけれど、“いい映画”だったと、私は言います。キャスト、スタッフ、そして実際の事件のすべての被害者たちに8点です。 [DVD(字幕)] 8点(2012-11-01 17:39:51) |
5. 完全なる報復
《ネタバレ》 “悪”とされる秘密結社にとっては戦隊側が“悪”であるように、“正義と悪”というのは置かれた立場によって変わるもの。この映画であればどちらが勝っても、“正義”が勝ったと腑に落ちることになるか……そう序盤では思っておりましたが、牢屋からの報復が始まって以降、ちょっと投げっぱなしですよね。隠れ家から独房にトンネルを掘っておけば、あの殺人はすべて完遂するのかどうか。皮肉ではなくそこが正直わからない。たとえば判事の携帯電話から弾が出る仕掛けやすり替えた方法など、説明までいかなくてもせめて伏線がないとなんでもアリになってしまわないだろうか(最後に自作の核兵器を持ち出す、なんてこともできてしまう)。ラス前まで来て隠れ家とトンネルが露見しないと考えているのも妙だ。 米国の司法制度の問題点を追求するのを主眼として、下敷きに据えたのがもっともセンセーショナルである猟奇的な復讐テロにしたにも関わらず、その部分が曖昧ではなにもかもぼやけてしまう。「もう殺人者と取引はしない」、このひとことだけで万事OKにはなりえないだろう。 序盤で期待は大きかっただけに惜しいが5点。オーラスの演奏会で“なにか”が起こってサヨナラホームランを期待したことは最後に記しておきます。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-04 11:44:05) |
6. バイオハザードIV アフターライフ
《ネタバレ》 以前、『1』から『3』までまとめてDVDで観た際に、「『4』はないと踏む。(『3』のオーラスにあった)アリスがホントにぞろぞろ東京に現れたらコメディだ」と書きましたら、本当にそうなってしまいました(笑)。「もうゾンビ関係ないじゃん」とか、「あの打ち込まれた血清はどうした(あ、あれでも効いたことになってるの?)」とか、もはや言っても詮ないですね。あえてシリーズとしてのヨコの比較をしない考えも浮かびましたが、『4』と銘打っているのを尊重(?)させていただいて4点。内訳はミラ様のお姿だけで4点。あ、あといちおう中島美嘉に心の0.5点。 しかしま、『3』のオーラスは悪い冗談だと思っていたわけですが、ね。今回こそそうであってほしい。あのオーラス、忘れますのでもう止めにしましょう、頼むから。 [映画館(字幕)] 4点(2010-09-21 12:38:21) |
7. ウォンテッド(2008)
ラス前のドンパチの時点で、この際ストーリーは置き去りにすることにして(するのかよ)、「強いアンジェリーナ・ジョリーである」という点だけで6点。たとえ吹き替えであろうともお背中とお尻のおハダカ(?)でプラス1点。ゆえにジョリ姐だけで7点、もうそれでいいじゃないですか(笑)。 蛇足として、やっぱりモーガン・フリーマンと、好き嫌いは当然あってもオーラスのひとことに心の1点を差し上げます。 [映画館(字幕)] 7点(2008-09-14 19:51:15) |
8. パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
うーん……。全体のコメディ部分(というかジョニー・デップ部分)は好きですし、アクションも楽しめました。明らかに『2』よりは上なんですけど、7点を付けた『1』とのヨコの比較だと6点になってしまいます。完全な続き物として、『2』との連動で『3』も落ちてしまった格好だけに、少々残念です。シリーズ通しても6点。あえて繰り返しますが、こちらも『2』次第では7点でしたけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-08-11 18:25:36) |
9. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
正直に言えば、オーラス直前まで「で、誰が実はスパイなのか」なんてことも少し考えました。しかし、「これは『インディ・ジョーンズ』なのである」と立ち返ったとき、そんなことはまったく些細なことだったと気が付きました(スパイだって当然、彼でなきゃいかんのです)。 「『インディ・ジョーンズ』である」。 これだけで8点を差し上げます。自分が生きているうちに(ハリソン・フォードが生きているうちに、が正しいのでしょうが)、『4』が観られて本当によかった。そして、多少の矛盾があるのを承知で、仮に明日『5』が公開されたとしても、私は同じ感想で8点(以上)を付ける。それほどの映画だと、私は思っています。 [映画館(字幕)] 8点(2008-06-25 02:22:11) |
10. パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
『1』に輪をかけてのくだらなさ。私としてはそんなくだらなさが大好きなので、青竹背負ってるところなんかで、「まあこれだけで『1』と同点(7点)でもいいかな」と思ってたんですがね。やっぱり最終的にヨコの比較で1点下げました。オーラスひとつだけでも、さすがに本作よりは『1』でしょう。『3』前提は、少なくとも“あちらさん”の都合なわけですからね。まあ、6点は『1』同様にジョニー・デップとくだらなさに全部。また出てきてくれた海賊コンビにも心の2点を差し上げます。 [DVD(字幕)] 6点(2008-06-17 03:25:21) |
11. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
ジョニー・デップだけで7点全部。内容は置いといて、というわけではなく、セリフやら演技やらすべてにおいてジャック・スパロウがジョニーさんでよかった、と感じております。ベタですが、いいもん側と海賊側のコンビふたりに心の1点を差し上げます。思った以上に楽しめました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-15 23:57:58) |
12. バイオハザードIII
《ネタバレ》 うーむ。『3』まで至って確信したのは、ストーリーの連続性はほぼ内容と無関係、ということでしょうか。別に繋がってなくていい、といいますか。連続ドラマであれば回を重ねるごとにわかっていくはずなんですが、アリスの向かうところも、悪の親玉(のはず)のアンブレラ社の向かうところも迷走中。それでいてツッコミどころは回を重ねるごとに増加……。 3作を連続ではなく単品としてヨコの評価をすると『1』>『2』>『3』で、『1』、『2』は期待料込みで6点。悩みましたが、期待料がなくなった分と、登場した東京メトロの駅名が意味不明だった点(笑)で、ここは5点で。なお、シリーズの全体評価は4点か5点というところです。 あ、期待料がなくなったと書いたとおり、『4』はないと踏んでいます。アリスがぞろぞろ東京に現れたとしたらコメディじゃないですか。まあハズれるかもしれませんし、大量のミラ様が拝めるのならば、それはそれで嬉しいですけども。 [DVD(字幕)] 5点(2008-04-13 03:05:24) |
13. オーシャンズ13
最初にアル・パチーノが登場しただけでなんか笑ってしまった点と、ジョージ・クルーニーのタキシードがカッコよかった点。これだけで6点。それと、メキシコでのロック・アウトなど随所のくすぐりや、『12』とのヨコの比較も含めてプラス1点。甘い自覚はありますが、とにかく“嫌いではない”(シリーズ通して)という思いが勝ちました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-08-12 15:19:24) |
14. グッドナイト&グッドラック
うーん……。エド・マロー、カッコいいんですよ。それだけでもいいんですけどね。 ただ、「実話ですから」と言ってしまえばそれまでのアッサリとした幕引き(せめてその後の補足はあっていいのでは?)と、テレビの娯楽的な在り方云々を、娯楽の一種であるはずの映画に“わざわざ”言わせていること。エンディング付近のこの二点にどうも違和感があるんです。7点は堅いと中間は感じていましたが、この違和感のみで私は厳し目に5点とします。 繰り返しますが、「実話ですから」と言われてしまえば、それまでなんですけどね。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-17 03:44:22) |
15. ディック&ジェーン 復讐は最高!
会社が倒産してだんだんおカネがなくなっていくという前半において一片の暗さもないところ、そして後半の盗みパートでのくだらなさ加減。この2点がとても心地よく、とてもスッキリ観られたのですが、全体通して爆発的なカタルシスがあるかないかと言えばないほうに針が振れてしまうので(これはラストの身包み剥ぎ方の趣味嗜好もあるでしょうが)、6点か7点かで迷ったうえで6点にします。ただ、オーラスの「エンロンに就職した」というセリフには心の1点を差し上げます。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-10 02:34:03) |
16. ムースポート
恋愛のゆくえも選挙の結果も読める内容には違いないのですが、それでいてガッカリもしませんでした。破綻なく楽しめた、とでも言いましょうか。個人的には立て続けに繰り出されるアメリカンジョークが素晴らしい。うろ覚えですが、「また今度ね」「次は240年後だけど、いちおう覚えておくよ」というやりとりに心の1点を。7点に近い6点です。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-10 04:26:56) |
17. リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
うーん。「清濁併せ呑む」ということができないほうが、人間として立派ではあると思います。思うんですけど、ね。暗殺などこの際置くとしても(置くのかよ)、そんな主人公に感情移入できるか否かで、私は否にやや針が振れてしまいました。ショーン・ペンの演じっぷりに5点のほぼすべてを差し上げます。 [DVD(字幕)] 5点(2006-04-03 02:00:08) |
18. ソウ
「生きられるのならしっかり生きなさいよ」という、至極まっとうなメッセージ(のようなもの)は伝わるんですけどね。やっぱり血やらなんやら、即物的な気味の悪さを私は受け入れられませんでした。じゃあなんでこの映画を観たのか、と問われれば、沈黙するしかないですけどね。読み切れなかった大オチと、シチュエーションには敬意を表しますが、4点が精一杯です。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-13 17:12:35) |
19. ニュースの天才
実話をほぼ忠実に映画化ということは、映画としての作り云々よりも、この主人公氏を受け入れられるか否かが評価の中心になると考えます。そこで私は否。アメリカの雑誌はこんな穴だらけだったりするのか、という驚きも付け足して4点です。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-11 18:16:24) |
20. Mr.&Mrs. スミス
壮大なスケールでお送りする夫婦ゲンカ。家の中で銃をブッ放し、ポケットには時限爆弾を仕掛け、突然始まる罵りあい、そしてそこに絡まるアイロニカルな会話……すっかりやられてしまいました。これだけで、ラス前の戦闘などはオマケと言ってしまっていいでしょう。7点、なんですが、アンジェリーナ・ジョリーの“普通じゃない人”“強い人”“セクシーな人”の個人的3属性が満載なところに敬意を表してプラス1点。あ、なににしてもジョリ姐の方が上手、というブラッド・ピットのダメ(ダメじゃないけどさ)亭主っぷりにも心の1点を差し上げます。 [映画館(字幕)] 8点(2005-12-07 13:32:10) |