1. ALI アリ
退屈で全くもってり上がりに欠ける。ずっと陰鬱なムード。歯切れの良いアリの陽性がまったく描けていない。最初からアルツハイマーでロクに喋れなくなった老後のアリが出ているような感じ。アリのドキュメンタリー映像を見た方が1000倍面白いだろう。脚色無しでもアリ自体がエンターテイメントの固まりのようなカリスマ的存在だったわけで、それと比較するのも確かに酷かもしれないが、それにしたって酷すぎだ。 3点(2004-02-13 17:43:26) |
2. ラスト サムライ
欧米での評価は比較的高いようですが、日本人が見るとやっぱりおかしな点が散見されます。些末な揚げ足取りではなくて、根本的におかしい。典型的アメリカ人の異文化の捉え方、オリエンタリズムの発露と言いますか。明治維新と言えば、日本史上の一大イベントなわけです。それを舞台にして、あそこまで自由気ままににストーリー創作したらまずいでしょう。例えば日本人の漫画家が、フランスを舞台に自分の創造したキャラクター「ピエール」をアンシャンレジーム率いて戦うルイ16世の忠実かつ最も重要な臣として描いたら、荒唐無稽だとして誰もまともに扱ってくれやしません。いくらフィクションとは言え、有名な史実を無視して好き勝手に架空の人物を大活躍させてしまったら、まずいのです。漫画でも評価の高い作品はそんな馬鹿なことしません。「ベルサイユのばら」であれば、主人公オスカルは比較的マイナーな人物であるジャルジェ将軍の一人娘、マリー・アントワネットの近衛隊長として描かれている。オスカルはロベスピエール外、歴史上の有名人物とも知遇があったりもしますが、それでも彼女の人生はフランス革命と言う一大事件の片隅の1エピソードとして進行する。一方、「ラストサムライ」のカツモト外は、そんなもんじゃ済まないでしょう。天皇以外の有名な歴史上の人物を全て脇に追いやっての大活躍。小学生が学校で習うような大まかな歴史年表さえも思いっきり書き換えてます。日本人なら誰が見ても大ウソ。事件全体も単純かつスケールを小さくしすぎている。怪しい「武士道」なる哲学を奉じ、どこぞの牧歌的な田舎の部落で平和に生きる500人たらずの「サムライ」が日本の旧勢力の全てとは、あんまりです。原始共産制から突然「サムライ」が生まれたのでしょうか。まぁアメリカ人にしてみれば辺境の島国の歴史などその程度の認識なのでしょうけど。ただ、日本人を冷酷な戦争犯罪マシーンのように描いたり、眼鏡かけて出っ歯でお辞儀して変な風習もつ滑稽な小動物的に描くステレオタイプよりは、遥かにマシですが。日本を肯定的に描いているし、日本を深刻に誤解させるようなこともありません(カツモトが実在の人物であったと勘違いされようとも大した問題ではない)。 6点(2003-12-16 00:10:03)(良:4票) |
3. ボウリング・フォー・コロンバイン
たいへん面白かったです。監督は先のアカデミー賞授賞式でブッシュ批判のパフォーマンスをやってのけて名を轟かせたリベラル派。銃規制やGunカルチャーの問題を扱った社会批評ドキュメンタリーです。アメリカの保守リベラル論壇ではメジャーな定番トピックですし、先にこの監督の風評は聞いていたので、当初はこの映画がどういう方向に話が進んで行くのか、だいたい見当がついてた気がしていたのですが、これがそう単純な一筋縄のプロットじゃあない。一体どういう風に批評を展開して纏めるのか、興味を失わせずに引っ張ってくれます。最後には銃規制の問題だけではなく、アメリカ社会全体に関わる根源的な文明批評へと発展させていくのはお見事。唸りました。 8点(2003-06-02 19:17:49) |
4. ディアボロス/悪魔の扉
もはやダミ声の下品なぎょろ目オヤジと化しながらもイカしているアル・パチーノ。このおっさんが喋るのを聞いているだけでも面白い。 9点(2003-01-16 16:13:19) |
5. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
アル・パチーノかっこよすぎ。それだけで10点。 10点(2003-01-16 16:05:55) |
6. ベスト・キッド4
これ、劇場公開されたんですか? テレビのスペシャルドラマ程度の内容なんだけど・・主演のヒラリー・スワンクは後にアカデミー賞を受賞します。日本のオリエンタリズムもここまでくると何とも評しようがありません。まぁそのチープさがB級映画好きには好まれるかもしれませんが。 2点(2003-01-16 15:57:50) |
7. ベスト・キッド(1984)
これも80年代アメリカ文化のアイコンになった作品の一つですね。ミヤ「ジ」さんネタは、今のアメリカの30代前後の人には誰にでも通じます。日本(沖縄)のステレオタイプもこの程度なら許容範囲でしょう。442部隊や日系人暫定収容所に絡んで、ちょっと社会派な話も出てきますし。ただ、続編は酷いものでしたが。。。Part 3に至ってもういい年してんのに全く成長していないお馬鹿なダニエルさんには失笑します。 7点(2003-01-16 15:50:33) |
8. トップガン
若者向けのハリウッド娯楽作品の代表。芸術的な中身とかは無いんだろうけれど、娯楽作品としてうまくできた作品だと思いますよ。F-14の飛ぶ映像が美しく、80'sのロックミュージックと絶妙にマッチしている。アメリカ海軍にとっても良い宣伝になったでしょう。織田裕二主演の「ベストガイ」なる二番煎じ映画が日本で作られましたが、こっちも自衛隊入隊者増加にいくらかでも貢献したんですかね。 6点(2003-01-16 15:39:40) |
9. レオン/完全版
レノとポートマンの関係の設定は、薬中ストリートチルドレンの強姦、性的虐待が最早日常と化して久しいアメリカ現代社会ではどうしても温いと感ぜざるをえない。現実とあまりにかけ離れていて気抜けする(50年前の話ならともかく)。役者はレノもオールドマンもポートマンも良かった。 6点(2003-01-16 15:19:41) |
10. ミシシッピー・バーニング
自分がこれまで見てきた映画の中では最高傑作の一つです。暴力、セックス、ホラー、お涙頂戴的感動などを非日常的な程に過剰に描いてインパクトを持たせるという手法が映画にはあると思うのですが、この映画では人間の持つ差別心という暗い欲動を鮮烈に描いています。それだけドロドロした差別が当時のアメリカ南部には実際根強く残っていたのかも知れませんが(上映当時のほんの数十年前の出来事だったというのは衝撃的です)、ここまでストレートに描ききる作品はそう多くはありません。当時はミシシッピー州民から描写が酷すぎると抗議を受けたそうです(南北戦争で負け人種差別のスティグマを負ったアメリカ南部は、太平洋戦争に負けて数々の戦争犯罪を糾弾される日本と色々な点で似通っています)。暴力、セックス等の過剰は昨今のアメリカ映画では珍しくも何ともありません。しかし、こうした社会問題、道徳観を深く抉るという意味での「過剰」な作品は希有です。暴力は過剰であっても安直な勧善懲悪プロットであったり、単なるキチ*イの話で済ましてしまい、真の問題には直面しない作品が殆どだからです。アメリカ南部における差別の問題が単純な善悪二元論では汲み尽くされないことは、ジーン・ハックマン演じる南部出身FBI捜査官の葛藤でうまく表されています。その一方で、ウィリアム・デフォー演じる北部出身のエリート捜査官が、おぞましい差別はびこるミシシッピー州へガムシャラに体ごとぶつかっていく姿が、この映画を単なるこ難しい社会批評映画ではない、楽しめるエンターテイメントに仕上げています。当時、司法長官ロバート・ケネディ指揮の元、全米の人種差別問題に全面戦争を展開した理想に燃える若きFBIエリート捜査官の奮闘は、見ているこちらも熱くなってきます。そんな彼が力で押していくだけでは駄目な事に気付き、ハックマンに助けを求める所から話が急展開していきます。 10点(2003-01-01 08:37:16) |
11. スタンド・バイ・ミー
9点(2002-12-30 09:21:44) |
12. バック・トゥ・ザ・フューチャー
良質なハリウッド大衆娯楽映画。 8点(2002-12-30 09:20:03) |
13. ブレックファスト・クラブ
最上質のDRAMA映画の一つ。制作費などかけなくても魅せる映画を作る事はできるという良いお手本。上映当時、同年代だった人が今見れば、日本人であってもノスタルジアを感じるだろうし、現代の若者が見ても共感できるテーマに溢れている。 9点(2002-12-30 04:34:58) |