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コメント数 196
性別 男性
自己紹介 映画を見てなにか感じたこと、考えたことを記録に残しておきたいときに、レビューを書いています。見た/見直した直後に書くようにしてます。

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1.  バーレスク
【放浪紳士チャーリー】さんがご指摘されているように、設定も人物配置も、「プラダを着た悪魔」と全く同じ。素材がファッションであろうがショーであろうが何であろうが、この設定は使い回しができるもので、メインターゲットであろう女子だけでなく広く受け入れられる、ハリウッドの鉄板なのだなと思った。 そう考えると、そんな映画は新味のない映画になってしまっても仕方ないと思うのだが、そうでないところがやはりハリウッドのすごいところ。そこには、素材となったショーというか、エンタメへの熱い敬意があると思った。はっきり言って、ファッションにしろショーにしろ、人間が最低限生きる上で欠かせないものかといえば、全然そうではない。けど、やっぱりそういうものが僕らの人生には必要で、もちろん日本にもそういうものへの敬意は存在すると思うけど、やはりアメリカにおけるそれは、熱量が違うと感じる。エンタメそのものにも、エンタメを作り上げる人々にも、それが必要だという揺るぎない自信がアメリカにはあって、だからこそ、この使い古された設定で説得力のある映画になっているのだと思う。 もちろん説得力の背景には、そのエンタメを作り上げている人たちの力がある。単純にアギレラやシェールの歌唱力と存在感には圧倒されるし、設定やストーリーが後付けだとしても、それはそれで構わないぐらいに価値があると思った。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-03 17:12:23)(良:1票)
2.  劇場版ラジエーションハウス
小さいエピソードと大きなエピソードを並行して短いシーンで繋いでいく、そういう作りはテレビシリーズそのまま。もちろんコメディー色もそのままで、テレビシリーズをよく知っている自分は楽しめた。けど、あまりにテレビシリーズとの連続性が強すぎて、最終回だけお金出して見させられたという気持ちが拭えなかった。いや、自分がケチなだけなのか? また、ものすごくたくさんの登場人物がいるけどとくに説明があるわけでもないし、小ネタも既に作られているキャラクターを前提にしたものなので、テレビシリーズを知らずに映画を見た人にとっては、意味不明なのではないかと思った。 作る側からすればそういう商売なので、そんなの映画でやるなよとは言うべきではないのかもしれないけれど、テレビシリーズを見ていた人にとっても、そうでない人にとっても、もやもやする部分がある映画だということには間違いないと思った。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-01 19:33:47)
3.  ザ・エージェント
二十数年ぶりに鑑賞したのだが、本当に素晴らしい人間ドラマ。主人公は35歳。ちょうどそれまでの仕事や友達や恋愛に悩んで、そして結論を出さなければいけない年代。はじめはイケイケでノリよく挫折も知らずに生きてきた主人公が、ある日仕事への疑問をきっかけに、本当にやりたい仕事って何?、本当の友達って何?、本当に欲しい恋愛って何?、っていう疑問に真摯に向き合うようになるプロセスがものすごく丁寧に描かれていて、またトム・クルーズが悩む主人公を等身大に演じているのが素晴らしいと思った。自分が最初にこの映画を見た二十代の時、面白いと思った記憶はあるけど、でもこの映画がなにかその後の自分の人生に影響を与えているわけではなさそうだし、正直内容を理解できなかったのかもしれない。でも自分が主人公の年齢をはるかに超えて40代になった今、トム・クルーズが演じていた悩みがよくわかる。じゃあ自分がそういう30代の悩みをきっちり乗り越えて、きっちり結論を出せたのかはわからないけれど、でもなんだろう、この映画を客観的に見て、自分を振り返れるようになったんだなあと思うと、年を取ったことも悪くないなと思う。再びこの映画を見られてよかったなと素直に思った。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2020-07-26 07:51:11)(良:1票)
4.  世界にひとつのプレイブック 《ネタバレ》 
ジェニファー・ローレンスやブラッドリー・クーパー、もちろんロバート・デ・ニーロの演技も素晴らしいのだが、それ以上にストーリーと見せ方が素晴らしい。最初、パットやティファニーの普通じゃない感じに、観客としては不安になる。ところが、女房の尻に敷かれて不満をためる友達、何度もインタビューに来る失礼な高校生、アメフトの応援ではっちゃけちゃう主治医、どうにも縁起を担がずにいられないし父親、、、と次から次へとおかしな人々が出てきて、この映画の見せ所である無謀な賭けのシーンに至っては、むしろパットのほうが普通に見えてしまう皮肉。程度こそあれ人間みんなどっか狂ってるよなーって思わせつつ、主役の二人が立ち直っていく姿を相対的に見せる、そういうストーリーと見せ方にオリジナリティを感じた。また、そういうおかしな人たちだけど、でも最終的にはやっぱりみんな家族や仲間に優しくて、最後仲良く家に集まっちゃうラストシーンはいかにもハリウッド映画なオチだけど、でも人っていいなと思わせる素敵な終わり方だと思った。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-07-19 08:39:45)(良:1票)
5.  クレイジー・リッチ! 《ネタバレ》 
飛行機にて鑑賞。この作品がアメリカ国内でヒットしたことを事前に知っていて、なぜこんなアジア人しか出てこない映画が受け入れられたのか不思議に思っていたのだが、その答えは絶妙なバランス感覚にあるのだと思った。 アメリカに住んでいてしばしば思うのは、ここには「アメリカらしさ」「アメリカ人らしさ」を確認し、浸透させる装置が遍く用意されているということ。たとえばスポーツを見て機会均等と平等の価値を学び、ミュージカルを見て革新と自由の価値を学ぶ。常に移民を受け入れ続けるアメリカでは、異なる出自の人々が共存していくために、「アメリカ」という価値観を常に再確認し内面化することが必要なのだと感じる。 そのことはまた、常にハリウッド映画で描かれ、またハリウッド映画の目的でもあると思うのだが、一方でこの映画が特別なのは、そうはいってもアメリカ人が出自の異なる人々の文化に興味があるということを微妙なバランスで描いていることだからだと思う。普段はアメリカ人として生きている人々が、それでも根強く抱えている独自の文化。「アメリカ」という価値観を共有しつつも、その裏で人々が持つ独自の文化に対して、実はアメリカ人が強く興味を覚えているのだということ感じさせられた。たとえばニックの母親がレイチェルに言う「アメリカ人のあなたは情熱のために生きるのかもしれないが、私たちはもっと長く続くもののために生きている」という言葉は、「アメリカ」という価値観からすればなんじゃそりゃ、なのかもしれないが、一方でとっても興味深い価値観なのだと思う。その興味を、コメディーとドタバタの中にさりげなく織り込んでいる絶妙なバランスこそ、この映画の肝なのではないかと思った。 ただし、もちろん最終的にレイチェルもニックも、やっぱり「アメリカ」という価値観を選んだことには、そうはいってもこの映画がハリウッド映画であることを感じさせたし、もちろんそれがこの映画のアメリカ国内でのヒットの一因であることもまたしかり。ほぼアジア人しか出てこない映画ではあるが、やはりこれは生粋のハリウッド映画なのだった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-07 13:11:07)(良:1票)
6.  アロハ 《ネタバレ》 
飛行機にて鑑賞。 とにかくエマ・ストーンのかわいさ爆発。恋に飛び込んでいいのか迷って迷って、でも最後は自分からいっちゃう、そんな素敵なエマの姿が、男の妄想目線で描かれていて、疲れた心にしみた。一方で、ブラッドリー・クーパーはそれはそれはかっこよすぎで、こちらは男目線では無謀な嫉妬を覚えなくもないが、けどなんだろう、抑え目で嫌味を感じない演技なので、さわやかだなーと感じた。 で、そういう二人の演技と恋愛模様は見る価値はあるとして、ストーリーはもう、どうしようもなく、本当にどうでもいい。ハワイという舞台はまだ二人の素直な気持ちを引き出すための意味があったとして、空軍? 軍事コンサルタント?? なんのこっちゃで頭の中「?」の嵐。そして最後は軍事衛星を音響で破壊??????? もう私の理解を超えました・・・。 どうしようもないストーリーを我慢してまでも、エマのかわいさとさわやかなラブストーリーを見たい人だけにお勧めできる映画。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2018-02-25 12:08:17)(良:1票)
7.  ホリデイ 《ネタバレ》 
なんだろう、2006年の映画だからそれほど昔の作品でもないのに、ものすごく古臭く感じてしまった。その原因を考えてみたが、舞台となった二人の家も、登場人物が着ている服や仕事や生活だって、みんな今見てもオシャレだし、決してその辺が原因ではない。じゃあ何なのかとさらに考えてみたところ、キャメロン・ディアスの存在自体が古臭いのだということに思い当たった。いや、もちろんかわいいのだよ、文句なく。ただ、たとえばロックを歌いながら踊り狂っちゃったり、3回目のキスは自分から迫っちゃったり、あるいはほぼ裸でコトを終えたばかりのピロートークをしてみたり・・・、そういう「これぞキャメロン・ディアス」的な映像のオンパレードに、もはや古さしか感じないのだった。もちろん公開当時はそんなキャメロンこそが大人気だったのであって、当時この映画を見たならば何の不満も感じなかっただろう。そういう意味ではこの感想は映画の評価になっていないのかもしれないが、でもそうやって女優さんを記号として消費するような映画がこっそりと作られていたのだと考えると、映画界の闇を感じざるを得ない。(でもキャメロンはその後「私の中のあなた」なんかで違う役柄にも頑張って取り組んでいるので、それはそれでよかった。) 一方で、みなさんご指摘のように割合が圧倒的に少ないケイト・ウィンスレットとジャック・ブラックのくだりは、フラットに、だけど丁寧に描かれていてとてもよかったと思った。とくに、今をときめく作曲家なのにも関わらずジャックがどうしても捨てきれない繊細な部分に、ケイトが徐々に惹かれていく過程が、短いながらもきちんと描かれていて、こちらは感情移入しながら楽しむことができた。 だからこそなおさら、今となっては「これぞキャメロン・ディアス」感が重ね重ね余計で、キャメロンのもっと違う面を映してしてあげられていたら、、、という残念感が拭えない。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-05-16 10:53:47)
8.  ムーンライト 《ネタバレ》 
飛行機にて鑑賞。人が何かに心から期待し、一方で絶望するかもしれないという恐怖を同時に覚悟するその瞬間、どういう顔をするのかということをはじめて見せつけられた。 昔から大好きな小説に、新田次郎の『風の中の瞳』(1958年、東都書房→1976年、講談社文庫)というジュニア向け小説があって、その中で引っ込み思案の女の子が思いを寄せる男子からの言葉を待つ瞬間が、こんな風に描かれているんだよね。 「「それに、澄田さんは僕にとって……」 日野はことばを切った。それ以上のことはいってはならない気がした。いえば、千穂にけいべつされそうな気がした。しかし、日野敏夫のちゅうちょを千穂は許さなかった。彼女は、全身の期待を、その黒い二つのひとみにこめて、日野の言葉の先を要求した。……彼女の目には力があった。いわせないではおかない強さがあった。この一瞬を逃したら、永久に孤独で、化石した女になるかもしれないという彼女の恐怖が、千穂を勇敢にさせていた。」 そんな瞬間を、これを読んだ時にもそのあとにも、自分自身は経験したことがないので、希望と絶望を同時に覚悟する瞬間の顔って、いったいどんな顔なのだろうとずっと思っていたのだが、30年目にしてこの映画にその答えを見つけたのだった。 「You the only man that's ever touched me.」と言ったあとのシャロンの顔。長い間、その瞬間を迎えるためだけに生きてきた、そしてそのあとのことはすべて覚悟したうえで何かを求める人間の顔。自分にとってはそれを見るための映画になった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-29 10:10:53)(良:1票)
9.  LION/ライオン 〜25年目のただいま〜 《ネタバレ》 
飛行機にて鑑賞。事実に忠実にということだろうか、道徳的な観点が極力排除されていて、ムリヤリな感動を呼ばないつくりが「スラムドッグ$ミリオネア」と対照的だと思った。たとえばサルーはすごくいい子だからいい家族に引き取られたというような誘導はなくそこは淡々と「たまたま」が描かれているし、あるいは大人になったサルーが何不自由なく育てられたことに恥ずかしさやうしろめたさを感じているかというとそうではなく、サルーが出自を明らかにしたいと願う背景にはただ単に自分の中にある穴を埋めたいという思いしか描かれていない。なので全体を通じてドラマティックな映画にはなっていないが、その分最後の感動が純粋なものになっていると思った。 一方、弟のマントッシュや恋人のルーシーとの関係は、ぶっちゃけストーリーとなんの関係もないのにもかかわらず、こちらも淡々とそれなりのボリュームで描かれてしまっていて、それっているの?と思ってしまった。 そして、それにしてもいつもニコールの存在感と演技は素晴らしい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-29 10:07:06)
10.  オデッセイ(2015)
力強い映画。アメリカ人のユーモアへのこだわりって、生きる術なんだなーといつも思うんだが、この映画の中でも、絶望的な状況において、そして誰も聞いてくれる人がいない状況においてすら、ユーモアに溢れた言葉を言うことこそ、正気でいるための技術なんだな、と思った。そして、これまでどちらかというと無表情でなにか闇を抱えた役柄が多かったマット・デイモンが、極めて自然にそんなユーモアに溢れたいかにもアメリカ人然とした役を演じていたのが印象的だった。すっかりおっさんになったマット・デイモンにもようやく年相応の、そして今後に向けて広がりのある役が来てよかったなー、というのが感想。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-03-20 05:03:07)
11.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
飛行機にて鑑賞。いやー、切ないエンディング。取り戻せないものがあるって思うのって、本当につらいけど、でも人生そんなもの。ハッピーエンディングであってほしいと思う方もたくさんいらっしゃると思うが、俺的にはこの映画はこの切ないエンディングを見るための映画だと思った。 主演の2人は、俺の大好きな「CRAZY, STUPID, LOVE.」(邦題は「ラブアゲイン」とかいう変なタイトル)の2人の再演で、どう成長しているか楽しみではあったが、ミュージカルになってしまったためなのかどうか、ぎこちない感じを否めなかった。俺的には「CRAZY, STUPID, LOVE.」の時の2人のほうが、自然な演技で良かったように思う。ただの好みの問題かもしれないが・・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-03-20 04:48:33)
12.  ラブ・アゲイン
これ、ホント大好きな映画なんだよね。出てくる人出てくる人、みんなどっかダメな人ばっかだし、アホな出来事ばっかりなんだけど、けどなんか見終わったとあとに「人間って面白いな」って素直に思える。それは主役のキャルやジェイコブはもちろん、ちょっとイカれた女教師のケイトにまで、それぞれの登場人物を画一的な人格として描くのではなくて、いろいろな場面場面で必死に人に向き合う姿を丁寧に描いているからだと思った。そこには、作り手の人間への愛を感じる。何度見ても飽きない良作。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-01-30 07:36:55)
13.  ステイ・フレンズ 《ネタバレ》 
まあ思ったとおりの、オシャレであることが第一義の映画。マンハッタン、フラッシュモブ、充実した仕事、有名人の友達、そしてカジュアルな関係。今世界で一番オシャレなのって、こういう生活なんやなーという感じで眺めるには、なかなか楽しめる映画ではあるが、それ以上でもそれ以下でもない。それはそれでいいのだが、なぜか父親のアルツハイマーという、とたんにリアルなネタが途中で突然入ってきてしまって、しかもそれがストーリーに本当に必要だったかというとそうでもないもんだから、なんだかオシャレ度を下げてしまい、非常に残念。映画って、中途半端にやるよりは、振り切っちゃったほうがいいほうが多いよなー、などと考えさせられた映画。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-01-15 11:18:00)
14.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
これは、どうなんだろう、、、最後の主人公の気づきは、それはたとえば20代や30代前半の坊やのものであれば、それは気づいてよかったねーって前向きに思えるけど、この映画ではアラフィフでもう先が見え始めているおじさんにとってのそれなもんだから、もう絶望というか、むしろ気づかないほうがよかったんじゃないかとさえ思えてくる。だってさ、それはジョージ・クルーニーみたいな素敵なおじさんだったらもしかしたらそこから人生変わるのかもしれないけど、でもそれだってアレックスの素性を知ってしまうことですでに「そう簡単にいかないよ」って言っちゃってるわけじゃん。ほとんど取り返しがつかないことに気づかせて、しかも別の道は極めて厳しいと教えちゃってる、あまりに残酷な映画だと思った。 でもまあ、そういう風に人生を語る映画ってたぶんあんまりないから、(個々のエピソードがバラバラでまとまりがないという残念さはあるものの、)見る価値のある映画だと思った。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-01-03 08:33:06)(良:2票)
15.  007/スペクター 《ネタバレ》 
4作目にして、いよいよ大物登場! 前作の敵はいまいちだったが、今回は見所ある闘いだった。 00として戦うのか、JB個人として戦うのか、そのせめぎ合いは4作を通底するテーマだったが、今回ラストシーンでその結論が出されてしまい、そして新たな道を選んだJB。次作があるのかないのか?、楽しみを残したいいエンディングだと思った。 オープニングのSam Smithは、愛の歌。こちらもまた、テーマに沿ったすばらしい出来だった。
[映画館(字幕)] 8点(2015-12-29 12:14:10)
16.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
エンタテイメントに対する、監督の敬意を感じた。あのマフィアによる仲裁のシーンで、ニックやボブがトミーのだらしなさをここぞとばかりに言い立てたあと、フランキーはニックに対して「音楽に対して真摯でないのが残念だ」とだけ言うんだよね。それまで、ニックへの評価を曖昧にしてきたフランキーのこの言葉にこそ、監督がいかにエンタテイメントに深い敬意を抱いているかが表れていると思った。 もちろんイーストウッド作品なので、人間ドラマも描かれてはいるが、フランキーの家庭の壊れ方なんかはわりとステレオタイプな感じがして、ちと残念。 この作品もまた、一流エンタテイメントへの敬意を持ちつつも、気楽に楽しめばそれでよいのかな、と思った。
[映画館(字幕)] 7点(2014-10-09 20:49:01)
17.  8月の家族たち
飛行機にて鑑賞。はっきり言って、メリル・ストリープとジュリア・ロバーツに演技をさせるため「だけ」に作られた映画としか思えない。造りは文芸調だが、中身はすっからかん。いや、俺が理解してないだけか? だとしてもいいや。つまらない映画。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2014-09-25 20:40:15)
18.  ジェイン・オースティンの読書会 《ネタバレ》 
オースティンはまったくの未読だが、あるいは未読だからか、結構楽しめた。1冊の本が人生を変えていくなんて、素敵だなぁと思った。ただ、オースティンの本がシルヴィアやグレッグやジョスリンの人生が変わっていく「てこ」に過ぎなかったのに対し、プルーディーはオースティンの本そのものを共有しただけで旦那とやり直せちゃったりしたところが、あまりに短絡的でちと残念。 それにしても、ここでの評判がすこぶる悪いことにびっくりした。女性が観たいものとは、ちょっと違うのかな。俺にとってはストーリーは新鮮で、登場人物も十分魅力的だったが。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2014-09-24 21:08:18)
19.  アルゴ 《ネタバレ》 
飛行機にて鑑賞。純粋に楽しめた。なにしろレスターとジョンの胡散臭さがハンパなく面白い。もしこの話がCIAのマジメくさったメンバによる奪還劇だったらまったく面白くないのだが、そこにいかにも胡散臭いハリウッド、そしてあの2人を持ってきたことが、この映画の、そしてこの作戦の最高に面白いところだ。(アメリカから見れば)胡散臭い相手には、胡散臭い作戦を。アメリカの懐の深さを思い知らされる、そんな映画。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-05-14 21:42:27)
20.  あなたを抱きしめる日まで 《ネタバレ》 
飛行機にて鑑賞。これはすごい映画だ。おそらくこの映画を見た人は、まず怒りを覚えるだろう。それは、この状況を生んでしまった時代背景や、そして、あの修道院のシスターへの怒りだ。そして、その怒りは映画の終盤、いったんマーティンが代弁してくれることで昇華されるのだが、その直後に描き出されるのは、なんとフィロミナの許しであり、慈愛なのだ。その瞬間、観客にとって、怒りなどには意味がないことが明らかになり、そして残されるのは、決して取り返しがつかない、そういう途方もないやるせなさのみ。もちろん誰もが大人になれば、多かれ少なかれそういうやるせなさを知ることになるのだが、それを端的に表現しきったすごい映画だと思った。もちろん、ノンフィクションとしての力が背景にあるのだろうが、この映画はそれを超えた文学表現になっている。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2014-05-14 21:19:33)
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