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1.  ドアをノックするのは誰?
「ミーン・ストリート」と共に大好きなスコセッシの映画。何だかものすごく一生懸命作ってある。スコセッシ映画は後年の銃をぶっ放す映画もいいが、こういう私的な、チンピラの映画ももっと観てみたい。主人公の宗教的な下地や「許し」へ向かう心の葛藤には、ピンと来るときも来ないときもあったが、全体を通して青二才な主人公の姿には、妙に心打たれる。チンピラなのに不思議と粗野に見えない(しかも若い)ハーヴェイカイテルの裏に、才気走った青二才監督の姿が見え隠れする気がする。そんなもん見えなくていいのだと言う人が冷静に観たら、ポップでスタイリッシュなこの映画の映像もお寒く感じられるのかも知れないな、などと落ち着いてみようとするんだけど、やはり一生懸命なこの映画、僕には冷静に観られない。主人公にも監督にも、すごーくシンパシーを感じてしまう。ベルノーツの"I've had it" にのせたデートのシーンなんか、観るたび切なくなる。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-15 02:37:00)
2.  理由なき反抗 《ネタバレ》 
父性ってものを意識させられる映画だった。主要な登場人物の抱えているものは、「理想の父親像」だ。主人公は母の尻に敷かれる父親に憤り、ヒロインは自分を受け入れてくれない父親に不満を持ち、プラトンは傍にいない父親を求める。特に、父親に男らしさを取り戻せと迫る主人公と、主人公に父親の影を見出して彼とのつながりを求めるプラトンの姿は、とても似ている。「強い父親」というのは古い価値観なのかもしれないが、理想との格差、ふがいなさへの反発という主題はこの映画以降生き続けてきたし、タイムレスなんだと思う。この映画にあるのは抑圧への抵抗じゃなく、むしろ抑圧する度胸もないような情けないものへの嫌悪と反発で、だから「理由なき反抗」というタイトルもしっくりくる。ジェームズ・ディーンはすごく印象に残る表情をしていた。割と古い映画なのに、色あせないかっこよさだった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-20 22:41:30)(良:1票)
3.  真夜中のカーボーイ
またも救われないニューシネマ。でも他の諸作に比べて主人公二人に感情移入する余地があった気がする。だからラストはとても切なかった。ニューシネマお得意のぶっ飛んだ映像の連続も、やる意味は別にして、面白かった。
[DVD(字幕)] 9点(2010-06-18 22:38:38)
4.  歌え!ロレッタ 愛のために 《ネタバレ》 
ロレッタのおやっさんがいい。どこかで見たことあると思ったら、ザ・バンドのレヴォン・ヘルムだった!なんだかうれしい。カントリーミュージックの映画にふさわしい配役だ。主役二人ももちろん最高。若い頃のトミー・リー、いいな。荒っぽくも妻への愛にあふれた夫を好演している。ロレッタがビッグになるにつれて夫として、男としてメンツをなくしていく中盤は、ひたすら彼に同情した。ラジオ局遠征あたりが二人とも一番幸せそう。ところどころダレたのが残念。もうちょっとコンパクトでテンポよかったら、もっと好きになった映画かも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-30 16:12:46)
5.  カンバセーション・・・盗聴・・・ 《ネタバレ》 
すごくおもしろかった。何度も何度も繰り返され、次第にはっきりしてくる会話の内容。それにともなって思いこみがつのる。不安もつのる。プロとしての自負から孤独になっていく主人公が切ない。自分の孤独をうち明けられる相手を得たと思っても、それをダシに同業者からからかわれ、再び出現する自負と怒り。ジーン・ハックマンが珍しくわめかないが実にはまり役だった。狂気じみたラストも見物。キリスト像をぶっつぶしてなんにも見つからなかった虚脱感とその後の暴走がたまらない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-30 15:41:10)
6.  七年目の浮気
「台所にブロンド女が?」「マリリン・モンローかもな」ここはおもしろかった。でも主人公が自分からしゃべりまくって説明を連発し話を進めるので、途中何度もウンザリしてしまった。まあ、妄想男の話だからしょうがないか。この時代にもこういう主人公のいる映画があったんだね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-29 23:05:26)
7.  欲望という名の電車(1951) 《ネタバレ》 
ステラを抱きしめながらブランチに「おれの勝ちだ」と言うように笑ってみせるスタンリーが印象的。心理戦がメインな映画だと思うが、その駆け引きの中心にあったのは、「どちらがステラを自分の側につけるか」だったと思う。結局はスタンリーの勝ち?もう出ていくというステラの最後の台詞を信じればそうではないかもしれないが、僕は彼女がスタンリーの元へ戻ることになるだろうと思う。重い話に一抹の救いみたいなものを感じさせる台詞なのに、信じられないからもっと後味が悪くなる。それにしても、この映画のマーロン・ブランドは男前。二階にわめくところがかっこいい。あと、猫の鳴きまねうますぎ。吹き替えだろうか?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-29 22:49:59)(良:1票)
8.  ラウンド・ミッドナイト
目で感じられるジャズのかっこよさ。サックスって、音だけじゃなく楽器そのものも奏者も美しく見えるもんだな。こういうところ、映画はいい。しかし、これといいイーストウッドの「バード」といい、ジャズマンの映画は雰囲気は渋くてかっこいいのに、どうも冗長になる。もっとコンパクトでもいいのにな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-29 22:00:42)
9.  ラブソングができるまで
あんまり深刻なことが起こらないので、なんだかもの足りない気がするストーリーだが、妙に好きな一本。曲が好みだからかな。ださいPVは何度も見てしまう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-28 23:32:11)
10.  イージー・ライダー
主人公二人が何を求めて突っ走っているのか分からないのがいいような、そうじゃないような感じ。フォンダの「失敗だ」と旅を振り返る言葉もなんだか納得がいく。途中マリファナの映画になったり、訳のわからん映画になってるが、その合間に、「ついてこれなかったら音楽聞いてな」とでもいうように名曲が入っているので退屈はしない。「ザ・ウェイト」が大好きな曲なので、流れたとき泣きそうになった。主人公たちにはあこがれも共感もあんまり感じなかったのだが、これが世代の差なのか。しかし、行き場のない自由というのはやはりみていて切なかったように思う。ラストはなんともあっけないので「終わりかよ」と唖然としたが、60年代の「自由」の行き着く先としてふさわしいような。それにしても、悲惨な死に方をしないニューシネマの主人公っているんだろうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-25 16:19:26)(良:1票)
11.  2001年宇宙の旅
孤高のSF映画だと思う。娯楽作では・・・ないが。監督は完璧主義者だったというが、全編の映像はそれにふさわしいと感じさせる素晴らしさだった。特に宇宙船内部の白い、バイ菌のいなそうな空間に、不思議と徹底した美しさを感じた。アーサー・C・クラークの原作を読むと、より映画の内容を補強できるかも。クラークはキューブリックにさんざん苦労させられ、アイデアを絞りに絞り、削りに削ってこの物語を完成させたらしい。なるほど、この映画のつめたーい質感、人物描写のあまりないところは、そういうそぎ落としの洗練によるものなのかなあと思った。そのつめたさで、人の評価も分かれるのだと思うが。
[DVD(字幕)] 9点(2009-07-23 16:44:57)
12.  沈黙の断崖
割と面白いと思った。内容も「環境問題」と最近はやりの話題だし。でも、もうちょっと強くて憎たらしい悪役がいたり、村人の閉鎖的な態度が強調されていたりしてほしかったかな。セガールは毎度のようにめちゃくちゃ強くていいのだけれど、孤立無援って感じがあまりなかった。どうでもいいことだが、ザ・バンドのレヴォン・ヘルムという意外なキャスティングが最高!
[地上波(吹替)] 6点(2009-07-13 14:46:39)
13.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 
ロード・ムービー?いやなんか違う。断片的で移動している感がなくて、描かれるのも大体がどこかにとどまった主人公たち。そんな徹底した「静」の感じが独特で、逆に一瞬が間延びしたみたいに心にはっきり焼き付けられる。写真みたいな感じだ。あと、クールなエヴァの外国なまりの英語がいい。がみがみうるさいおばあさんがトランプをやったり、戸口でハンガリー語で叫んでいるところがおもしろい。ラストも印象的。この監督の他の映画も観てみたいと思った。
[DVD(字幕)] 9点(2008-12-20 14:26:57)
14.  大いなる勇者
かなしい映画。
[DVD(字幕)] 9点(2008-12-12 22:17:17)
15.  陰謀のセオリー 《ネタバレ》 
車いすでよちよち、叫びながら逃げるメル・ギブソンは爆笑モノだ。アクションはあんまりない気がするが、荒唐無稽な陰謀話と、ちょっとずれた主人公は気に入った。面白いのは前半かな。主人公の奇行?がいい雰囲気。もうちょっと時間が短ければなあ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-12-02 18:13:08)
16.  ワンダー・ボーイズ 《ネタバレ》 
なんかヘンな空気の映画。話があるようなないような展開で、ヘンな人たちが妙に運命的につながってるのだが、そのつながりが、お、あのシーンの伏線がきいてる、といった感じではなくて、へーこの人がこう関わってくるのか、というフワフワした感心をわかせるものだった。でも、そういう空気が妙に気に入った。トビー・マグワイアはとびきりのスパイスだな。ヘンな人オーラ満載だ。あと、ボブ・ディランのThings have changedは渋かった。そういえば、この映画のヘンな展開とディランの曲の印象って、似てる気がする。それともう一つ、犬が死ぬ映画は初めてだった。衝撃。やっぱりヘンな映画。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-02 17:40:31)
17.  ラスト・ワルツ
大好きな音楽を観られる。「20年も続けるなんて考えられない」というロバートソンの言葉がさみしい。
[DVD(字幕)] 9点(2008-10-31 19:02:42)
18.  インデペンデンス・デイ
楽しい映画。最近宇宙人モノはあんまりみられなくなったなあ。またこういう宇宙人が攻めてくるやつを観たいもんだ。
[地上波(吹替)] 6点(2008-10-30 18:14:16)
19.  ランブルフィッシュ 《ネタバレ》 
大小、明暗ともに強調の効いた画面がとてもすき。浮遊するシーンにもやられた。すべて悟ったようなモーターサイクル・ボーイが感じていたのは、色を失った無意味さしかなかったのかと思うと悲しい。それでも唯一色のあるランブルフィッシュ=ラスティ・ジェームズを、可能性に満ちた町の外へ送り出すことができたラストには救いがあると思った。ミッキー・ロークの醸し出すミステリアスさはすごい。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-08-22 15:33:22)
20.  ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 
シリーズの中で一番好き、というか一番印象に残ってる。3作の中で一番最初に観たからかもしれない。夜のシーンが多くて、映画の色調がダークなのも気に入っている。トレーラーを救おうとしたおっさんが、ティラノサウルスに襲われて、ネットに引っかかった毒矢銃だかなんだかがとれなくって食われてしまう。「ひ、ひっかかって、とれない!」吹き替えで観たが、なかなか緊迫感があった。冒頭の女性の絶叫に、マルカムの大あくびが重なるところに笑った。これまた終盤、車に乗ったご婦人が絶叫して車をバックさせて事故ってしまうが、無理もないよな、ティラノサウルスだもんな、となぜか冷静だった。ビデオ屋かなんかから出て逃げようとして食われるメガネの青年、犬小屋ごと食われた犬に同情した。ティラノサウルス上陸からは確かに余計な気もするが、印象に残ったシーンは上陸後に多いので、僕にはなきゃならない。でもやっぱり一番心に残ったのは、体操技でヴェロキラプトルをやっつけた娘へのマルカムの台詞だろう。「それでもレギュラーになれないの?」最高! 
[地上波(吹替)] 7点(2008-08-08 16:00:55)
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