1. 最高の人生の見つけ方(2007)
余命6ヶ月をいかに過ごすかというテーマを、誰が考えても主演はこの二人しかいないだろうという適役キャストを当て、軽いコメディタッチで描けばハズレっこなしといった作品。現実味があるかどうかは別として、主演二人の演技を見ているだけで楽しめます。テーマがテーマなだけに、そこから受ける感想は、見る人の立場によって、いろいろ異なってくるでしょうが、とにかく余命が宣告されたとき、どう生きるか、またはどう接するかを考えるきっかけにはなるでしょう。 [映画館(字幕)] 7点(2008-05-31 19:41:18) |
2. ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
《ネタバレ》 前作は健全なお伽噺といった作りでそ気に入ったのですが、本作は、中途半端に人物像を掘り下げようとしたためか健全さが失われ妙にどろどろしたものになってしまってます。とにかく殺し合いの連続で、子供が人を殺しまくるというのは、見ていてあまり気持ちのいいものじゃないです。おまけにアスランが2回咆えただけですべて片付いてしまった結末を見せられると、そもそもナルニアが人間に滅ぼされることなどなかっただろうにという疑問だけが残ってしまい、なおさらつまんない気分にさせられました。 [映画館(字幕)] 4点(2008-05-31 17:54:01) |
3. ペネロピ
「先祖にかけられた呪いで豚の鼻を持った女の子が、名家の男性に愛されることでその呪いが解ける」という設定の割には、それほどドラマティックな盛り上がりはないものの、常にほのぼのとした雰囲気に包まれ、軽い笑いを誘いながら話が進んでいくハートフル・コメディです。画面の作り、キャスティングもぴったりで、満足できるお伽噺でした。話の展開はやや意外性があるので、事前にネタバレ無しで見ることをお勧めします。 [映画館(字幕)] 8点(2008-05-31 17:30:06) |
4. 魔法にかけられて
《ネタバレ》 予告編を見たときには見る気は起きなかったものの、評判が良いので見に行ってきました。結果、十分楽しめました。古いディズニーアニメのエッセンスみたいなあまりにコテコテの序盤のアニメ、実写になってからの序盤のアニメに対する自虐的パロディの数々、そして最後はいかにもディズニーといったエンディング。苦笑いの連続から、最後はやっぱりディズニーの世界にどっぷりという映画でした。全編とおして、過去の古い作品の小ネタがたっぷりちりばめられているので、昔からディズニー映画に慣れ親しんだ人には、それを見つけるのも楽しみの一つ。ついでに、ナレーターがジュリー・アンドリュースだからなのでしょうが明らかに「サウンド・オブ・ミュージック」からの引用といったシーンもあり、もろに「メリー・ポピンズ」を使わずにちょっとひねったかとニヤニヤさせられました。 結局、この映画、一見子供向けですが、実際は子供の時に古いディズニーアニメをたっぷり見て育ち、今は夢を追う余裕もない大人が一番のターゲットなんでしょう。序盤のアニメは子供の頃の夢一杯の世界、実写になってからは、社会に出て現実に振り回され夢など語っていられない生活、だけど最後は「夢は叶う」という子供の頃に浸っていたディズニーの世界で締めくくり。夢を忘れた大人に、どんなときにも夢見る心は大切という、ディズニーからのメッセージのような作品ですね。 [映画館(字幕)] 8点(2008-03-15 20:41:19)(良:3票) |
5. ライラの冒険/黄金の羅針盤
「ロード・オブ・ザ・リング」以降、ファンタジーに壮大・重厚さを求める人が少なからずいるようですが、私はお伽噺的な軽めのものが好きです。で、この作品ですが、とにかく画像が綺麗で、出演者・声優も良く、全然だれることなく話が進むのでまったく退屈することなく見ることが出来ました。ただ、予備知識無しだと、ダイモンをはじめとするこの物語の世界観が理解しにくく、また、明らかにかなり原作をはしょっているのが見え見えで、判りにくい部分があったのが残念です。最低でもあと30分くらいは長くしてもっと丁寧に描くべきだったと思います。3部作の第一作ということで、最終的な評価は全部見てからすべきですが、とりあえず映像の綺麗さと今後への期待を込めて7点を付けておきます。 ところで、この映画、映像が売りですから、興味のある方は、絶対、映画館で見ることをお勧めします。小さなテレビ画面で見るとこの作品の価値の半分以上が失われるのは確実です。 [映画館(字幕)] 7点(2008-02-26 00:53:43) |
6. ウォーター・ホース
全体としては子鹿物語を思い起こさせるような展開(ベン・チャップリンがグレゴリー・ペックに見えてしまいました。)で、ごくごく単純なストーリー展開ですけど、映像の出来も良いし、ちょっとした小ネタやおきまりのドタバタなどもうまいこと入っていて、退屈することなく楽しんで見ることが出来ました。終盤のシーンは結末がどうなるんだろうと、それなりにドキドキ(子鹿物語を知っていると特に)させられます。 この映画は、何の予備知識もなしに見た方が良いでしょう。 [映画館(字幕)] 7点(2008-02-02 16:13:47) |
7. スターダスト(2007)
《ネタバレ》 ロード・オブ・ザ・リングをはじめ最近のファンタジー映画は、ある世界の存亡をかけたような作品ばかりでしたが、この作品ではそんな大仰なテーマはなく、登場人物の行動は、ガールハント、家督相続、若さ獲得といった全くの個人的なちまちました動機からのものばかり。が、そのおかげで無理のないストーリー展開ができたうえに、実に丁寧に伏線を張ってあるし、敵役の魔女が魔法を使う度に若さを失っていくという設定のおかげで主人公に過度な試練がかかることもなく(敵役自体憎めないし)、全体としてとても判りやすくかつ楽しめるお話になってます。また、基本的に登場人物が自分自身のために行動しているので、コメディ仕立てにもなじみやすく、結果、ちょっとブラックなファンタジー・コメディとして仕上がってます。 登場人物の行動がちまちました動機によるもののおかげで壮大な戦いのシーンなどあろうはずもなく、映像的にもわりとこぢんまりとしたものばかりになってますが、そのぶんいろいろなシーンが丁寧に描けているので、見ていて疲れることもなく飽きることもなく見ることができ、ナレーションで語られるエンディングがうまい具合に物語り全体を締めているので、一話完結の物語としての完成度は高いです。 壮大な物語を求める人には向かないかもしれませんが、よくできたコメディーの好きな人、気楽なファンタジーを観たい人にはお薦めの作品です。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-03 23:17:20)(良:2票) |
8. ヘアスプレー(2007)
《ネタバレ》 ここのところ、とかく小難しいテーマ性が表に出たり、ちょっとひねりすぎてたりと昔のように単純に楽しめないミュージカル映画が続いてましたが、久しぶりにほんとに楽しいミュージカルでした。人種差別なども出てきますがそれはあくまでもストーリー展開の要素として使われているだけ、そして登場人物は主役はもとより敵役までも愛らしくて最初から最後まで微笑みぱなっしで見ることができました。おまけに上空からの雲の映像で始まり鐘の音で慌てて学校に走り込むオープニングをはじめ過去のミュージカルを思い出させるところも多く、昔からのミュージカル・ファンにはたまらない作品です。 [映画館(字幕)] 9点(2007-11-03 22:13:05) |
9. プロヴァンスの贈りもの
よくもあの「グラディエーター」のコンビが、今度はうって変わってこれだけお気楽な映画を作ったもんです。お話自体他愛もないものですが、気楽にリゾート気分で楽しむには良い作品です。あんまりお気楽すぎて他に書くともないや。 。 [映画館(字幕)] 6点(2007-11-03 21:53:31) |
10. パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
《ネタバレ》 このシリーズはあくまでもアトラクションの映画化なので、ストーリー云々を言うのは野暮だってことは判ってますが、それにしても今回は・・・。 前作までは、それなりに楽しめる出し物を、それなりに繋いでいたのに、本作は、各出し物がいまひとつな上に、それを無理矢理繋ぐ説明不足かつあまりにいい加減でダラダラした展開に加え、回収不十分な伏線ばかりで、見ていて何度肩すかしを喰らったことか!! このシリーズ恒例のエンド・ロール後の映像も今回は本編に入れておいても良かったのにと思うもの。 映画としては正直0点ですが、劇場版アトラクションとしてみれば約3時間を苦痛に感じずに過ごせたことに可も無し不可も無しの5点献上です。なお、これは、音響効果が良くて座り心地の良いシートの映画館で見たときの感想です。自宅でDVD鑑賞をする気はまったくしません。 [映画館(字幕)] 5点(2007-05-31 22:15:11) |
11. 今宵、フィッツジェラルド劇場で
素敵なカントリー・ミュージックに包まれた一夜の群像劇。昔の「ハード・ボイルド」(のパロディ?)テイストを織り交ぜながらの展開は、ストーリーらしいストーリーはないものの、「死」をキーワードにしながらも明るいタッチの描写で、後味も悪くありません。ラストは観客に自由な解釈をしてくれというところでしょうが、個人的にはもう少し判りやすくして欲しかったですね。 かっちりしたストーリー性を求める人には決して薦められませんが、カントリー・ミュージックが好きで、ちょっとほのぼのしたい人にはいい作品でしょう。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-23 23:28:24) |
12. ロッキー・ザ・ファイナル
第一作を彷彿とさせる直球真っ向勝負でシリーズラストを飾るにふさわしい作品です。トレーニングが始まるまでの展開はちょっとクサ過ぎる感もあるのですが、とにかく終盤40分のこれぞロッキーという熱気がすべてを吹き飛ばしてくれます。エンドロールの映像もこのシリーズの最後にふさわしい演出です。全編をとおしてつっこみどころがいろいろありますが、あの年齢にしてあの肉体を作り上げ、シリーズを完結させたスタローンに7点献上です。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-12 18:15:06) |
13. ハッピー フィート
《ネタバレ》 前半のインド映画を彷彿とされるようなノリと、後半の妙に環境問題に偏った作りのアンバランスのせいで見終わったときの感想は複雑なものがあります。とくにあれだけ強引な終盤の展開は無理があるでしょう。変なメッセージ性は抜きにして、お気楽映画に徹した方が良かったのではと思いますね。人間の議論の場面も取って付けたようだし。それとアデリーペンギンのコロニーで教祖様みたいなのが、イワトビペンギンなのも変な感じでした。 内容的には、いまひとつですが、映像的には素晴らしいものがあります。とくに若いペンギンたちが初めて海に入って泳ぎ回るシーンはダイナミックで良かったでし、それ以外でもCGの進歩を感じさせてくれます。映画館の大画面で見たので、映像面の素晴らしさに1点プラスの6点です。これ、小さなテレビの画面で見たらつまんないでしょうね。 [映画館(字幕)] 6点(2007-05-11 23:40:41) |
14. ナイト ミュージアム
最近、おきまりパターンの映画が多いような気がしますが、これもその例です。おきまりパターンが悪いわけはなく、うまく作ってあればある面安心して楽しめる作品になるのもので、この映画もその典型でしょう。駄目な主人公が何かのために嫌々ながらやむを得ず何かを始め最初は苦難に遭遇、一念発起していろいろ工夫をして万事解決かと思った瞬間に破綻、落ち込んでところを誰かに励まされ、再度奮起。そして励ましてくれた相手も実は悩みを抱えていて・・・、さあ結末や如何に。 ある面、ファミリー映画の王道のようなストーリーを優れた映像技術によって無難な作品に仕上がってます。それに加え、ディック・バン・ダイクやミッキー・ルーニーの元気な姿が見られて、娯楽作品として十分楽しめました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-11 22:50:34) |
15. ラブソングができるまで
妙なひねりや雑味のないボーイ・ミーツ・ガール物の王道を行くような映画です。ともすればベタでありきたりといった批評をされそうですが、これだけきっちりと直球勝負の作品は変に社会性を折り込んだ作品より、単純に楽しめて良かったです。主要登場人物は基本的に皆いい人。見ていてほんとほのぼのとした時間を過ごせました。ヒュー・グラントが老け過ぎな気はしますが、設定を考えればいいんでしょう。ドリュー・バリモワも適役で、主演二人のコンビネーションの良さが、ラブコメの王道を改めて認識さてくれます。 [映画館(字幕)] 8点(2007-04-21 23:41:19)(良:1票) |
16. ゴジラ FINAL WARS
《ネタバレ》 なんだかんだ言っても怪獣映画が大好きなものにとって、なんとも評価の難しい映画です。「ゴジラ対ガイガン」で愛想を尽かしたものの、84年のゴジラ以降また見始め、ゴジ・ハムでは映画館に行きたいながら、ハムが嫌で行かなかったおじさんにとって、久しぶりの単独上映。おまけに最後のゴジラということで、期待に胸をふくらませて映画館に行ったのです。が、始まった途端に嫌な予感が・・・。話が進むにつれ、あの忌まわしき昭和40年台のどうしようもない雰囲気が。ミニラが出てきて軽トラに同乗、で、あの結末・・・。小学生の時に感じたのと同じ失望感が思いっきり沸き上がりました。で、この失望感だけで採点すれば間違いなく1点ぐらいなんですが、恐ろしいことにこの馬鹿馬鹿しさになぜか惹かれるものがあるんですよ。でもこんな映画に高得点は付けたくない自分がいて、葛藤の末3点です。 [映画館(邦画)] 3点(2007-02-20 02:21:10)(良:1票) |
17. Gガール/破壊的な彼女
スーパーマンのパロディをもとに下ネタで押し切るお気楽コメディですね。基本的にはラブコメで、展開も判りやすくハッピーエンドなので、見終わった後味も悪くありません。後に何が残るというものではありませんが、気楽に楽しめる作品です。 [映画館(字幕)] 6点(2007-02-18 18:59:08) |
18. 世界最速のインディアン
《ネタバレ》 こんなに単純に心温まる映画は久しぶり。全般にほのかなユーモアがあふれ、あのアンソニー・ホプキンスが単なる夢追い爺様なら他の登場人物も皆いい人。最近の映画に慣れていると、どんな痛い目に遭うのかと思った次の瞬間、単に善意が降り注ぐだけ。ある面、完璧なファンタジーですが、実話ベースなので、夢追い人が夢を叶えるには、こういう幸運も必要だったということでしょう。一応バイク乗りでレースも好きな人間にとってはもう少し速度を出すための苦闘を描いて欲しかったのと、あまりにファンタジーになってしまったのがちょっと減点ポイントですが、それでも8点献上です。 ちなみに、この主人公が出した記録がいまだに破られてないのは、単にこのレギュレーションのバイクが現在は走ってないからでしょう。メーカーが本気になって挑戦すれば、タイヤ駆動の限界値記録が達成されるのは間違いないです。 [映画館(字幕)] 8点(2007-02-17 20:44:33)(良:1票) |
19. ドリームガールズ(2006)
《ネタバレ》 モータウンが好きな人にはたまらない作品です。最初から最後まで、ステージ・シーンはもとより、いかにもミュージカル風に心情を語る曲までどれもこれも文句なしのパフォーマンス!ジェニファー・ハドソンの歌唱力の素晴らしさは誰もが認めるところでしょうが、歌唱力はジェニファー演じるエフィに劣るという設定を受け入れ、ある面かなり屈辱的といえる台詞がある中で、素晴らしい音楽パフォーマンスを繰り広げ、演技面でもなかなかのところを見せたビヨンセにもまた驚かされました。ストーリー展開は芸能界の嫌らしさの描写が続くやや間延び気味なのものなんですが、ラストでかなり救われます。映画としての評価は7点がやっとですが、モータウンの好きな人は絶対に観て損のない作品です。 [映画館(字幕)] 7点(2007-02-17 19:12:57) |
20. 硫黄島からの手紙
《ネタバレ》 「父親たちの星条旗」とは一転、時間軸の判りやすい構成となっていますが、硫黄島守備隊の最後を描く作品としては、これが順当なところだったのでしょう。守備隊の誰をも英雄視せず、極力ヒロイスティックや感傷的な描写を避け、淡々と守備隊全滅?までの経過を、「父親たち」同様、極力、中立的に描いていることにより、祖国のために我が身を捧げた人々のこと通じ、「戦争を知らない子供たち」を聴いて育った世代にも全滅(あえて玉砕とはいいません)に向かう兵士達の心情が伝わってきました。おかげで観を終わった後、精神的に落ち込んだことといったらありゃしません。ひたすら平和な世に生まれ育ち、平穏な日々を過ごしていることの有り難さを思い知らされるひとときでした。反戦メッセージとしては「父親たち・・」のほうが明確ですが、日本人としたまた、自身の意志にかかわらず戦火にさらされた人々の顛末を考えるうえで本作は重要でしょう。 見終わった後に気分が滅入るだけ(人にもよるのぢょうが)の映画ですが、現在の平和の影に、このような出来事があったことを再認識するために、できるかぎり多くの人に見て欲しい作品です。ただ、滅びへの道を描いただけなので、戦争スペクタクルを期待する人は観ない方がいいでしょう。 [映画館(字幕)] 8点(2006-12-23 01:50:15) |