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プロフィール
コメント数 173
性別 女性
ホームページ http://stern-sanchi2.cocolog-nifty.com/
自己紹介 レビュワーになって丸15年が経ちました。

14年目の去年のレビューは0件、コロナ禍とはいえ映画館にも行かなかった1年でした。

「もうここにレビュワーとして参加するのも卒業かな…」なんて思っていたところ、過去に投稿した拙レビューに「良」と投票してくださる方々がいまだにいらしたことを知り、無性にうれしく思ったものでした。
こんな想いを抱えたままではまだまだやめられないな、と…

そんなわけで相も変わらずのぼちぼち参加ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします・・・

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1.  アド・アストラ 《ネタバレ》 
いや、びっくりしました。 (以下、激しくネタバレです。) えらく深刻ぶったスタンスで終始ストーリーは進むのですが、もうどんどん内容がガバガバになっていく感じです。 その辺りは最初の方が既に指摘されているので敢えて書き出しませんが、一番驚かされたのは、この主人公の父親に対して抱えてるトラウマ(?)は3人の乗組員を死に至らしめても解決しなければならぬ案件だったのか?ということです。(それともなんでしょう、サージを抑えて人類を救うのは彼以外の人間には不可能ってことだったんでしたっけ?私がその辺の設定を見過ごしてしまったってことなんでしょうか?) まあとにかく、命令違反を犯してでもそれだけの覚悟を持って行動に出たのだから、私ゃてっきり、サージをおさめた上で彼はたった一人で宇宙に残り父の使命を受け継ぐのかと思ってしまいましたよ。 それが父との別れの後、 「えっ、まさかこのまま地球に帰って来ちゃうの?」 「えっ、戻った後も命令違反とか全部不問なの?」 「えっ、奥さんともひょっとして和解できちゃうわけ?」ってびっくりの連続です。それでいいんですか?なんか色々大甘過ぎやしませんか? いや、アメリカ映画だしハッピーエンドが当然でしょ!ってんならそれでもいいんですが、えらく辛気臭いこの雰囲気はどう解釈したらいいものか、と… ああ、なんか変なもやもやが残るなあ。なんともバランスの悪い作品でしたね…
[映画館(字幕)] 3点(2019-09-22 22:59:41)
2.  グリーンブック 《ネタバレ》 
よかったです。正直観終わったときは「うーん、作品賞っていってもそれほどでもないかな。普通に良いってくらい…?」だったんですよ。けど、鑑賞後72時間過ぎた今、じわじわ感じるものがあることにちょっとうれしい気分なのです。  多分ね、こういう社会問題をテーマにしたロードムービー、加えてちょいちょいニヤリとさせながらも最後は感動にもっていくって映画は今までにもいっぱいあったように気がします。だから既視感は、前のほうでもおっしゃっているように、結構あります。 それでもこの映画、野卑な運転手のトニーが、鑑賞後どんどん魅力的に思い出されてくるのですよね。あんな何処にでもいるおっさんが、ですよ。 なんてったって腕っぷしは強いし肝も据わっている。知性や教養はてんでお粗末ながら、それを持っている人へのコンプレックスや僻みに心が歪んだりなんてしていない。まさにパンのように素朴で単純なこの俗っぽいイタリア男がすごくいいんです。 普通なら、この困難なツアー実施を英断したドクターのほうをより魅力的に描くんじゃないかなって思いがちだけど、そうではない。ドクターは天才だけど、孤独で傷つきやすくいっぱいいっぱいで生きている人。この旅でより恵みを受けたのはむしろ彼のほうでしょう。  映画終盤、演奏旅行は終わり2人はそれぞれの元の生活に戻っていきます。トニーは愛する家族に囲まれながらもまた金の工面に四苦八苦する生活に、ドクターは著名なピアニストとして豊かで優雅で安全な、だけど孤独な生活に… だから彼が勇気を出して自分の殻を破り、二人の友情がその後末永く続いたというエンドクレジットに、ほっとした観客も多かったのではないかと思います。(エンドロールになってもほとんど席を立つ人がいませんでした。)  地味ながらなかなかの佳作。 今は、作品賞をとってくれてありがとうと言いたいですね。とらなかったら多分観過ごしてしまったことでしょうから。  追記(2019.3.6) さきほどこの映画の受賞は本国で賛否両論だという記事を偶然目にしました。それによると「『白人が黒人を救う姿を描く“white savior(白人の救世主)”』の映画だ」という批判的な意見はそもそも受賞前からあったのだとか… うーん、そうなのかなぁ…「白人が黒人を救う」っていうよりは「凡人が天才を救う」っていう映画に私には見えたんですけどね… しかしそういう意見も出るということに、アメリカという国の人種差別問題の根深さを感じます。 確かに「サレタほうはシタほうにずっとずっと厳しい目を向ける」もんなのです。それもいつまでもね…(まあこれは人種問題に限らず世界中どこでもいっしょなんですが)
[映画館(字幕)] 8点(2019-03-05 17:38:21)(良:2票)
3.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
音楽系伝記映画って、そんな好きじゃないと思ってたんですよ。基本なんか同じようなストーリーっぽいじゃないですか。下積みで苦労ののち成功、でもそれゆえの孤独を噛みしめることになり、最後はそれを友情で乗り越えて大団円って感じ。だから「ドリームガールズ」も「ジャージー・ボーイズ」も「ああ、いつものやつか」って感じで感動するほどじゃなかった…  この映画予告を初めてみたとき、正直思ったものでした。 「そんなものに私の大好きなクイーンをフレディを巻き込まないで欲しい! クイーンはあの素晴らしいライブ映像で十分なんだ! あれが彼らが伝えたかった全てなんだ! だからその背後になる人間ドラマとか苦悩とか、そういうのをそっくりさん使っていかにもな風体で作り上げた所詮ニセモノなんぞを見せつけられたって、シラケるだけに決まってんじゃん…」  でも、ツレアイに付き合って渋々この映画を見る羽目になった私は、なんのことはない、普通に感動しておりました。 そしてラストにはウルウルとさえしてしまった自分に、今若干の気恥ずかしさを感じています。  結局、こういう伝記映画を楽しめるか否かは、描かれている人たちへの思い入れがあるかないかだけなのか?  それを確かめるためにも近々彼らのライブ映像をもう一度見直してみたい、そんな風に思っています。  あ、点数ですか?このレビューじゃご託並べてゴネていますが、文句なく「率直に面白かったぁ…って言える」映画だと思うので8点です。 ブレイク前の日本でのエピがカットされたのはやや残念ですが、まあこの長さじゃ仕方がないのかも…
[映画館(字幕)] 8点(2018-11-15 17:26:23)(良:1票)
4.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 
スターウォーズはね、そりゃ素晴らしいシリーズですよ。でもね、私はそんなライトセーバーが欲しくてたまらないほどのめり込んだクチじゃない。結局「ソロとレイアのツンデレ」こそが命と思っている、けしからん(しかし実は大多数の)観客なのです。 ですんで、フォースやジェダイの行く末にも心燃え立たない。ep4のレイアよりずっと美形のパドメにも心動かされなかった私が、なんでポッと出の新シリーズのカワイ子ちゃん主人公に肩入れできるでしょうか。また、ソロの1/10の魅力もない中二病のその息子に深く共鳴できるというのでしょう。前作のキャラたちを凌げるような魅力的キャラを生んでこその新シリーズであり続編なんじゃないんですか?(まあこのシリーズに限らず、このハードルを越えられる続編映画が極わずかであることも否めませんが。) 「それなのになんで観に行くんだよ!」と問われれば、やっぱり諦めきれない未練みたいなもんですかね。いわば、あんな楽しませてくれたんだから「夢よ、もう一度…!」って気分。ep7では新キャラたちは今一つだったが今度はよくなったかもしれないし…… でも、今回はっきりわかりました。ダメだよ、コレ。この新メンバーたちがどうなろうと、もう絶対ソロとレイアに代表されるep4から6までのドキドキワクワク感なんか生まれっこない。だって、今回の映画で「画面に出てきて一番うれしくなったキャラクター」がチューバッカなんだもん。着ぐるみってホント便利なもんだわ(苦笑)。  時系列における前3作のコアなファンの懐古主義的支持によりそれなりの興行成績は修めるだろうが、そういうものにすがるより全く別の新しいワクワクドキドキを生み出すほうがよっぽど映画業界のためになることは、製作者の側だってもう分かりきっているはずだ。それについてはここ10年以上ずっと言われ続けているのに、全く変わる気配がない。その絶望感を私は今回改めて強く感じてしまった。 ハリウッドは、人種別にまんべんなく配役を苦心するのもいいが、それより先にやることがあることに早く気づいて欲しいですワ、ホント。
[映画館(字幕)] 3点(2017-12-21 12:32:37)(良:4票)
5.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 
確かに主題歌は素晴らしいです。つい口ずさみたくなるような軽妙なメロディー、これは頭の中をぐるぐると心地よく駆け回る。そして「ミュージカルは苦手って人も是非見てみて、すごい素敵です!」というマスコミのコメンテーターの熱弁、アカデミー賞最多部門ノミネート!っていうのも「おお、じゃあ私みたいな『ミュージカルはちょっと』ってタイプも楽しめるのかも…」なんて思ってしまったわけだったのでした。  ……しかし、実際は違っていました。この映画は一言で言うと、観る人を選ぶ映画だと思います。下のレビュワーの方たちのような古き良きハリウッドミュージカル映画を愛してやまない方たちにはたまらない映画なのでしょう。でも、フレッド・アステアとか「シェルブールの雨傘」とか「理由なき反抗」とか、そういうものにさして思い入れのない私のような人間にとっては、申し訳ないが、さほどの映画とは思えませんでした。 まず恋物語として、なんでこの二人が惹かれ合っているのかよくわかりません。お互いに違う夢を持つふたり、趣味も違う、でも惹かれずにはいられないって感じが伝わってこない。なんか薄いんですよね。 夢に叶える努力の物語としても、ヒロインに対しては「才能がぎりぎりのタイミングで認められてヨカッタネ」、ヒーローに対しては「一時我慢してもお金を貯めて念願の店が持ててヨカッタネ」って、今一つ他人事で感情移入しきれないんです。それは彼らの個性というものにほとんど魅力を感じられないから。 ミュージカルとしても、そう…。さすがに最初の渋滞の高速道路のダンスとラストの二人の別の未来(?)は「おっ」と思いましたけど、それ以外そんな胸躍るような踊りも音楽もなかった気がします。丘の上で景色を眺めならのダンスもあれも元になる映画への愛があるからこそ響くのでは?プラネタリウムのシーンも同様です。そういうの抜きにしてみればそんなに感動的な美しいシーンでしょうか?ワクワクさせる音楽でしょうか?私にはどうも置いてけぼり感ばかりが心に残ってしまいます。 結局ミュージカルってやはり舞台の上での切磋琢磨を経てこそ傑作として育っていくものなのだなと、逆に痛感させられましたね。本作のような舞台発ではない作品は所詮オマージュ映画としての良作だとしても、歌とダンスで魅せる本当のミュージカルの傑作とは違うのでは?  ああ、こういうがっかり感、昔「フォレスト・ガンプ」で感じたことが思い起こされます。あれはアメリカの世相の変遷を熟知していてこそ楽しめる映画だったのに、見事にしてやられました。音楽にやられたという意味では「崖の上のポニョ」もありましたが、何より「配給会社の広告手腕の巧妙さに恐れ入った」という意味では「ダ・ヴィンチ・コード」以来ですかね。 というわけで、観る映画を選ぶ際はもっと慎重に…という自戒の意味も込めて4点献上させていただきます。 まあ、こういう感想もあるということで勘弁してください。
[映画館(字幕)] 4点(2017-02-27 13:16:12)(良:1票)
6.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 《ネタバレ》 
実は、ハリーポッターシリーズははっきり言ってあまり好きではないのです。 しかし今度のこの作品については、可愛らしいかつての子役たちが(大人の役者としては微妙ながら)行きがかり上そのまま演じ続けていた前シリーズと違い定評ある大人の俳優たるレッドメインが主演であることだし、20世紀初頭という時代背景もいい感じなのでそれなりに期待していたのですが、いやはやとんだ期待倒れの作品でした。 まず、先のレビュワーのお二人が仰っているように、主役にほとんど魅力が感じられません。そんなに腕のある魔法使いにも思えない。さりとて不器用ながら愛すべきキャラクターってわけでもない。思わず笑ってしまうような気の利いたユーモアもない。 ワキを固めるのも、いかにもありがちな権威的なお偉いさん、その中にいかにも「ひそかに潜んでいる」のだかすぐに「こいつがラスボスだな」と気が付いてしまうような悪役、不器用ゆえ上に評価されないいかにも生真面目なヒロイン(?)と、なんだかどれもこれもどっかで見たことあるものばかり。 つまりこの映画は登場人物たちのキャラではなく、タイトル通り「ファンタスティック・ビースト」たちが売りなのか?とも思うのですが、それも……うーんどれもこれも微妙…。最初のほうの動物たち捕獲ための追いかけっこなんて、なんだか長すぎて「ワクワクする」というより「イライラさせられ」てしまいました。  なにが駄目だったんだろう? 結局「ハリポタ」人気の遺産をあてこんで安易に作っちゃった結果ってこと?やっぱり脚本とテンポかな?もっとスピーディーに気の利いた笑いをちりばめてグイグイ観客を巻き込んでいかないと、なかなか感情移入できないです。 そういう意味では、今回満を持して脚本を手掛けた感のある原作者ですが、脚本は専門家に任せたほうがいいのかもしれませんね(そのそもこの方の紡ぎ出す「思わせぶりな謎をちりばめて引っ張っていく手法」自体がどうも私には合わないようです)。つまり役者は関係なかったってこと、今作ではっきりわかりました。
[映画館(吹替)] 3点(2016-11-24 18:16:22)
7.  スター・トレック/BEYOND 《ネタバレ》 
トレッキーのツレアイに付き合っての鑑賞。というわけでワタシにとっては、最初から期待度はあまり高いものではなかったのですが、あのヨーク・タウン(だっけ?)にエンタープライズが入港してくるカメラワークはかなり楽しめました。(2D上映なのにちょっと乗り物酔いしちゃうかと思うぐらいの臨場感でしたね。) でも「それだけ」でしたね。それ以外は、別に取り立ててコメントするものはないと思います。 正直、敵味方含めて登場人物の思い悩む様子とかは、「ああまたやってんのか」って感じで、その迷いを克服するのも「ハイハイそうなりますよね、やっぱり」って感想しかおこらない。 うーん…このシリーズって、やっぱりファン限定作品なんだろうか?それならそうと、なんかこうもっと突き抜ける何かが欲しいんですけど、ねぇ…
[映画館(字幕)] 4点(2016-10-24 18:59:36)
8.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 
うーん、何が足りないのだろう…… ものすごく丁寧に作っているし、俳優たちもがんばっている。(予告見たときは「無駄に綺麗なキーラが鼻についてしまうかも」と危惧した彼女だって決して悪くなかった。)交差する過去と現在だっていい感じ混ざり合い、決して混乱させるようなヘマはやっていない。暗号解読後の冷徹な判断も常人ならざる主人公らしさをよく表していると私には感じられた……。 しいて言えば、やっぱ「数学の足りなさ」なのかなぁ。暗号を解く仕組みやクロスワードパスルと確率の関係、その気が遠くなるような作業をどうやってコンピュータにさせるのかなど、そんなところがただ会話で説明されるだけではなく、もう少し突っ込んで表現してほしかった。 でもウィキペディアでちょっと調べたぐらいじゃなかなか理解できないようなしくみをド素人相手に映画でさらっと匂わせるなんて考えてみればかなり無理な話なわけ。それを求めた私が悪かったんだろう。うんうん、きっとそうだ……そう反省しつつも、何とかして天才数学者の頭の中のちょっとでも覗きたかった私には、本作は結局「秀作だろうとは思うが取り立てて印象に残らないまあ普通の映画」、といったところです。平均点下げてすみません。 
[映画館(字幕)] 5点(2015-03-25 12:16:56)
9.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
割とあっさりだったんですね。ちょっとドキュメンタリーっぽかったです。 実はもっとコテコテの展開を予想していたのですよ。 番犬として生まれついた自分の適性と、例え女子供でもその時が来たら撃たざるを得ないことへの逡巡とかが、父や弟との思い出なんかに絡まってぐっちゃぐっちゃ出てくるようなそんな感じ。 まあ、そうしたくなかったんでしょうね、イーストウッドとしては。もしくは、そうせざるを得ないほどまだアメリカにとってはこの映画は生々しい現実だったからなのかもしれません。 いずれにせよそんなコテコテ展開を期待した自分自身になんだか、「他人事感」を意識させられたような気が…… これって、いい意味での「後味の悪さ」なんでしょうか。その答えは今ではなくもっと後にならないとわからないのでしょうけどね。 
[映画館(字幕)] 6点(2015-03-25 12:06:00)
10.  42~世界を変えた男~ 《ネタバレ》 
観終わって素直に面白いと思ったし感動もしました。 でもそれは、ジャッキー・ロビンソンという人の人生に対する感動であって、この映画に対するものとはちょっと違うかな。 確かに【ふじも】さんの仰る通り、この人の伝記映画なんですからどうしたって感動的な作品に仕上がるんですよね。 映画としては、もうひと工夫欲しかったというのが私の印象。  (以下激しくネタばれです) 『チームの中も外も敵がうようよいて、偏見と才能への嫉妬が渦巻いている。 だがそれでも良いプレーを続けていれば、無垢な心にはその姿は英雄として映りそれは徐々に多くの人に浸透していき最後には全ての偏見をも打ち崩すことにつながる……』 それを端的にあらわす「ジャッキーの真似をする白人の少年」のエピソードが、ハリソン・フォードにさらっと語られちゃうあたりちょっともったいない気が……(それでもここに一番感動しちゃったのだからいいのかもしれないのですが) 
[映画館(字幕)] 7点(2013-11-05 12:14:20)(良:1票)
11.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
うーむ、純粋に賞金稼ぎしている前半は面白いと思ったんだけど、後半の奥さん救出劇になると微妙な感じになってしまった。  …ヴァルツ扮するドイツ人賞金稼ぎはちょっといい人過ぎ。もっとクールでしたたかなほうがいい。奥さん救出も、ベタだけど、ヴァルツのボランティアではなく賞金稼ぎの仕事繋がりのほうが自然じゃない? …ディカプリオも極悪人っぽく描いていたにしちゃ、騙されちゃいそうになりながら「お金を払ってくれればいいよ」的な締め方しようとしてるし、意外といい人じゃんって思いそうになった。(まあ、あのあと皆殺しするつもりだったのかもしれないけど) …主役の魅力は青い服着て馬にまたがっていたあたりが最高潮って感じ。悪徳な黒人奴隷商人の必死の演技はなんだかワケわからず結局あまり必要性を感じないものだった。 …ヒロインは愛しい人に再会した時は嬉しさで気絶するほど可憐でありがら、エンドの大殺戮を背に満面の笑みでラブシーンを披露する気丈な女に成長…  いやいや、こういう些細な違和感が問題ではないのだ。 惜しくらむべきは、こういうのを吹き飛ばすようなぶっとんだ爽快感が、この映画にないこと。  「いろいろ考えている」「手が込んでいる」ていうのはわかるけどそれがなんだかカラ回りしているような感じ… 映画が進むにつれて「もっと単純にドカーンと楽しませてよ!」っていうストレスを感じちゃった。だってそういうジャンルじゃないの?マカロニ・ウエスタンってさ!
[映画館(字幕)] 6点(2013-03-04 13:03:04)(良:1票)
12.  アナザー プラネット 《ネタバレ》 
アイディアはなかなか面白いのです。 昔からよく言われている 「太陽の陰にもう一つの地球がありそこもうひとりの自分いる」 っていう伝説(?)にうまくからめていると思う。 ただ、例の星が「第2の地球」であることの発見やそれが今やシンクロしなくなっているっていう説については、もう少し丁寧に視覚的にも表現して欲しかったです。 望遠鏡での観察を入れるとかして… なんかセリフで説明されているだけだからちょっと薄っぺらくなった印象で残念でした。そうするには予算が足りなかったのかな。 …全体に流れる手作り感や不思議な雰囲気は好きですね。 あと、あんまり思想的なことを考えずに見ちゃいましたけれど、それでも楽しめるレベルには達しているかな、と。  
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-30 18:03:27)
13.  ツーリスト 《ネタバレ》 
えー、全然期待してなかったけど、意外に面白かったです。 アクションっていうよりは小洒落たロマンティック・コメディって感じかな。 ラスト、主人公の切れ者振りにはスカッとさせられるし、スコットランド・ヤードたちの微妙な間抜け振りも笑えました。 一番感心したのは元007のティモシー・ダルトンの使い方。 あれっこんなつまんない役やるようなになっちまったのかよ、とマジで思わせるには絶妙のポジションにいる俳優に思えたので…(失礼、でも最後にはナイスフォローされてたんで安心しました)。 ただアンジェリーナは痩せすぎ(浅丘ルリ子を思い出しちゃいました)で設定のゴージャスな美女としてはちょっと痛々しかったかも。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-30 17:54:53)
14.  プロメテウス 《ネタバレ》 
「なんだ、そっちだったんかい(怒or苦笑)」って突っ込む映画。製作側も狙ってたんだろう。真面目に期待して行くと怒り心頭ってトコ。  でも今回あんまり気にならなかったんだよね。 理由は最初から期待度が薄かったからなのと「人類の起源」系の映画にも見飽きたようなところがあったからなのかも。つまりは「謎解き」が肩透かしなのも「映画のテーマ自体」が肩透かしなのも所詮一緒かなと。どっちかというと肩透かしとしての新鮮さは後者のほうに感じたし。 まあ、確かにセロンとパパのつまらん親子確執なんて入れるぐらいないら、エンジニアの本星の様子とかその計画変更の理由なんて描いてほしかったような気もするが、多分それをやったところでおざなりな描き方になっちゃったんだろうな。  というわけで普通なら5点のところ、冒頭の白マッチョの自爆映像とか結構おもしろかったので+1の6点献上です。
[映画館(字幕)] 6点(2012-09-06 12:50:23)
15.  メン・イン・ブラック3 《ネタバレ》 
1のみ鑑賞経験有り。そして1はかなり気に入っていた。2についてはついつい見逃していたところ評判イマイチという噂なので未見のまま。 そんな状況で本作3の鑑賞となったのだが、見終わってなんだかため息が出てしまった。  1と3ってさ、長さが11分しか違わないんだよね。 なのになんだろう、この冗長感は…  そもそもKが冷徹な人間になってしまった原因なんて、1のイメージからそのキャラこそ愛すべきKのチャームポイントと思っていた私にとってはどーでもいいことなのだ。また、あのグリフィン(?)とかいう万能感あふれるエイリアンの存在もどこかご都合っぽい。加えてこのポッと出のニューキャラクターにはとても我らのJ・Kと同列に出来るほど感情移入は出来ないので、「なんだか面倒くさいヤツ出てきちゃったな」ぐらいの印象しかもてなかったんだよね。 というわけでまあ要は全くと言っていいほどワクワクできなかった。 ラストも(本当はすっごく苦労したんだけど終わってしまえば)「軽いノリで地球、救ってやったよ」的な小気味のいいものを期待していたけど、なんだかありきたりな親子OR師弟感動モノの風味に仕上げられていたし…  ダメだなぁ。テンポの良いコメディーが続編になるほどウェット化して失敗する例なんていっぱいあると思うのだが、どうしてこんな風にしてしまったのか…ああ1のファンであるだけに返す返す口惜しいものである。
[映画館(字幕)] 4点(2012-06-05 17:15:44)(笑:1票) (良:1票)
16.  レディホーク 《ネタバレ》 
スクリーンは中世のヨーロッパなのに、耳に流れてくるのはあたかもミラーボールでも回っているのかと思うような80's! 普通なら「ぬぁんじゃぁ!ごぉりゃぁ!!」と「怒髪、天を衝く」レベルなんでしょうが黒騎士R・ハウアーの格好良さで全て帳消しになります。いや、むしろ聞いているうちにこのこっぱずかしい音楽に嵌ってしまう。 いいねぇ、このアンバランスさ!!いかにもな音楽よりも途轍もないインパクト(?)があって、癖になりそう……  他にもヒロインの80'sな髪型とか(ラストの「髪、切ったんだね」には笑いました、オイオイどこの軟派なあんちゃんみたいなセリフ言ってんだよ)、ミサ中突然おっぱじまる死闘にも呆気にとられて見物しちゃうたくさんの坊さんたちとか、突っ込みどころは多々あります。  それでもこんだけカッコイイR・ハウアーが観られただけで私は大満足。とても冷静に点数なんかつけてられないです。 というわけで「アバタもエクボ」の8点献上。今度はここで評判の「サルート・オブ・ザ・ジャガー」でも借りてみようかしらん…… 
[DVD(字幕)] 8点(2012-01-24 18:09:15)
17.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
やっぱインドってところが新鮮だったんだと思います。 やたら理不尽で、言いようも無く悲惨で、むちゃくちゃ混沌とした、それでいて実にパワフルな世界… でもそれ以外は、例えば「許されない幼馴染との恋」とか「一攫千金」とか「ギャング」とか割とフツーかな、と。 ま、アカデミー賞ってこんなときもありますよ。いわゆる勢いってヤツなんですかね。 というわけで感動のハッピーエンドストーリーよりも全編を流れる音楽、ラストの意味不明の踊りこそがこの映画の真髄だろ理解した次第。 以来、”Jai Ho!”ってあの歌声がラジオから流れてくるにちょっと足が踊ってしまう私です。 
[DVD(字幕)] 5点(2011-12-19 17:38:26)
18.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
トム様主演映画は苦手な私なのですが、それでも結構面白く拝見させていただきました。 そもそもこのシリーズを観るのも初めて。でも「チャッチャッチャラ~チャッチャッチャラ~」という懐かしの音楽効果もあってか楽しかったですね。 でもそれもやっぱりドバイのシーンまでかな?その後のムンバイの展開はちょっと付いて行き辛かったです。話見失いそうになりました。その焦りからか、その後の話のてんこ盛りに圧倒されまりくり。え?衛星?インドのメディア王?磁気スーツ?ちょっと待ってよーって感じでした。 というわけで私のおすすめはドバイまで。「あんだけ高いビルなんだからホントなら風スゲーはずだろ!」とか「窓割られてるのに何でセキュリティー来ないんだよ?」とか、突っ込む余地いっぱいですが、面白いんだから別にイイんでしょう。逆に言うと「面白い」ってそういうコトなんでしょ?  あと映画鑑賞直前に泉谷しげるのCM観てしまい、もう一人の「いーさん」効果でお笑いポイントはちょっとアップしたかも。コレは映画に関係ないですけど、ね。 
[映画館(字幕)] 6点(2011-12-19 17:34:41)(笑:1票)
19.  トリスタンとイゾルデ 《ネタバレ》 
よかった、と思いました。 地味だけど美しく儚く悲しい物語が情感豊かに描かれていたと思います。 トリスタンのフランコはこういう屈折した苦悩の様がホントはまりますね。マーク王はカッコよすぎだし。 欲を言えば、「トリスタンの忠誠心やその背景となるマーク王との係わりをもっと描いて欲しかった」とかありますけど全体的には及第点です。多分イゾルデが必要以上に露出していなかったからかな。恋に溺れきっちゃう寸前でとどまるからこそトリスタンも「いい男」たりえるのですから。 禁じられているからこそ燃え上がるという恋の本質がよく描けた佳作。蛇足ですがイゾルデ役の人がちょっとぽちゃ気味だったのも好感触と付け加えておきます。。
[DVD(字幕)] 7点(2011-11-04 12:58:56)(良:1票)
20.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
ごめんなさい、わたしが期待しすぎたのでしょうか。 認知症の治療薬開発過程に生み出された、人間並みの知性を持つチンパンジー、シーザー。 彼が成長していくにつれて、「人でもなく猿でもない」自分のアイデンティティーに悩み、その果てに自らの生きていく道を選び取っていくという方向性は素晴らしいと思うのですが、その過程があまりにも雑な描き方になっていませんか? 例えば動物保護センター(だったか?)に預けられてから、他の猿たちを纏め上げていく過程とか。 最初は敵意を持っていた彼らに、そしてそれを観ている私たち観客に 「ああ、すごい、こいつは本当にすごい! 知性があるっているのはものすごいことなのだ、 彼に付いて行きさえすれば、きっと素晴らしいことが待っているに違いない!!」 と思わせ納得させてくれる何かがあったら、きっと映画としてもっともっと面白いものになったはずなのに… その辺がサラリと通り一遍に描かれてしまっているから、友人であるゴリラ(彼との友情もいつ育まれたのか、いまひとつわかりません)の死を悼むシーンもなんだかありきたり過ぎで、感動というより失笑してしまいました。 リスゴーも期待したほど魅せてはもらえず、フランコのいい人ぶりも中途半端(別この役が彼でなければならない理由は何もなさそうでした)。唯一気を吐いていたのは「ハリー・ポッター」でも悪役やってた意地悪飼育員の彼だけだったかも。  最後に蛇足ですが、時間の関係で吹き替え版での鑑賞を選んでしまったのもこの失望感の大きな一因かもしれません。シーザーのあの○○を日本語で聴いてしまったときは、一気に萎えてしまいました…  
[映画館(吹替)] 4点(2011-10-17 18:16:46)
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