1. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
昨年のアカデミー賞主要4部門受賞作ということで期待した私が間違っていました。 実に中身の無い作品です。 狭い狭いブロードウェイと批評家の世界の話、何の共感も感情移入も恐怖も感動も受けず、現代社会へのメッセージも何も「無い」空っぽのマスターベーション映画です。 アカデミー賞作品にろくなものが無いということをうっかり忘れていました。 こんな映画しか作れないハリウッドにはやはり未来は無いのでしょう。 同じ日に(映画館で)見たドイツ映画の「帰ってきたヒットラー」のほうが遥かに深く怖く面白く、強烈でした。 [DVD(字幕)] 5点(2016-08-16 21:58:39) |
2. LOOPER/ルーパー
《ネタバレ》 映画としてはそこそこ楽しめましたが、設定がどう考えてもおかしい。 「未来では科学捜査が進んでいて殺人は必ず捕まるので不可能になった」のならば、まず確実に殺してから死体を過去に送って始末してもらえば良いだけですよね。「生きたまま過去に送って殺させる」なんて、何かの間違いで生き延びられたら、いくらでも未来を変えられてしまいます(今回のように組織のボスを子供のうちに殺すことも可能)。あまりにリスクが大きいので、そんなバカなことは絶対にしません。 [DVD(字幕)] 5点(2014-07-07 17:30:45) |
3. ダークナイト(2008)
《ネタバレ》 ライジングを見た後に、色々と気になって再鑑賞しました。記憶の中ではジョーカーは死んでいたのですが、それはヒース・レジャーと混同していただけで、映画の中のジョーカーは助けられていました。ビギンズでバッドマンが、リーアム・ニーソンに対して「殺しはしないが助けもしない」と言って、落下して行く彼を見殺しにしているのですが、何故か今回は落下していくジョーカーを助けるのです。「なんだこれは!」と思いましたが、その理由はやはり、ジョーカーで第三部を作るためだとしか考えられません。残念です。もう一度ヒース・レジャーのジョーカーを見たかったです。あのヘビのようにペロペロ出す舌使いが最高でした。また、恥ずかしながら告白すると、ブロークバック・マウンテンの主役と同一人物だったとは最近まで気付きませんでした。この狂気の役作りは、監督ノーランの手腕による部分もあるのでしょうが、ライジングを見ると、やはりヒース・レジャーによるところが大だったことが実感されます。 [DVD(字幕)] 9点(2012-08-15 00:26:00) |
4. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 ノーラン監督は、メメントで関心を持ち、フォロウイングでファンになり、インソムニアで失望し、バッドマンビギニングスとプレステージで興味が無くなり、ダークナイトで再び衝撃を受け、インセプションで再び失望し、と、毎回見る度に評価が変わります。良く言えばスタイルを持たずに常に変化し続けているローリングストーンなのでしょうが、ミヒャエル・ハネケのように、強い哲学というか一貫したメッセージを持つ監督が好きな私としては、物足りなさを感じてしまいます。で、今回のライジング。もうこれでもかというぐらい全てを剥ぎ取られたバッドマンがそれでも最後に蘇って来るところや最後の最後のあのシーンなどはさすがに、グッとくる映画でしたが、脚本がひどい。特に牢獄に入れられてから脱獄するまでの展開があまりにご都合主義で、体を治す医者がいたり、体調を整えられるだけの食料があったり、脱獄を制止する役割の看守がいなかったりと、ちょっとひどすぎます。まあ、3時間近い長編にもかかわらず、それなりに面白く見れましたので映画としては7点くらいの出来だと思いますが、ノーラン監督への失望が深まったことでマイナス1点とします。なお、何人かの方が放射線被曝のことにふれられていましたが、あればウランやプルトニウムを用いた原爆ではなく、水素などによる核融合爆弾なので、基本的には放射線が出ないと思って良いはずです。 ついでに言えば、核融合発電が実用化されれば、危険な原発は全て廃炉にできるし、燃料の水素は無尽蔵なので、まさに夢の様な発電設備です。その説明が映画では中途半端で、単にエネルギー革命に投資しているといった扱いだったのも残念でした。ハリウッドとしてはスポンサーの関係で、あまりエネルギー政策に対するメッセージを濃くすることもできないのかもしれませんが、フクシマの翌年に公開の映画ですから、もう少し深い表現が欲しかったですね [映画館(字幕)] 6点(2012-08-04 14:25:16) |
5. シャッフル(2007)
《ネタバレ》 多くの矛盾点を逆に伏線として解読する。 冒頭のシーンで「夫が一泊の出張中であることを認識していた」ことと、「長女の顔に怪我が無かった」ことは、その後に経験する「日曜~水曜」とは別の、平凡な「日曜~水曜」を既に過ごしていたことを示す。それはつまり、「長女は怪我もせず、夫とは冷めたまま」の「日曜~水曜」ということだ。金曜と土曜のみが初めてで、「日曜~水曜」は二度目だったということ。で、二度目は一度目とは若干違う行動をすることで、夫の愛を取り戻したり、長女が怪我をしたり、事故現場に居あわせてしまったり、ということになったと考えれば辻褄があう。最初の水曜は、夫の出張を普通に見送ったために事故現場には居合わなかったと考えると、翌日の連絡で初めて事故死を知る流れも矛盾が無い。そして、二度目の「水曜」における、以前とは違う行動(夫の死の目撃)によって、夫の死を知らされる「木曜」を繰り返すことができなくなってしまったことから、それ以降は一度目とは違った「木曜~土曜」を過ごすことになり、「精神病院での拘束」も全て無くなる… なんて考えると、詰めの甘い映画を違ったストーリーとして捉え直すことができて面白いですね。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-08 11:55:01)(良:1票) |
6. 天使のくれた時間
ティア・レオーニが素晴らしく可愛い。そしてそれに輪をかけてアニー役の子が良い!。「ようこそ地球へ」には大爆笑でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-26 22:06:42) |
7. カポーティ
フィリップ・シーモア・ホフマンの悪魔的な魅力を満喫できました。15年前の傑作「セント・オブ・ウーマン」で、存在感ある脇役高校生としてデビューしたホフマンが、この「カポーティ」によってケビン・スペーシー並みのアクターであることを証明できたのではないでしょうか。とは言っても、この後のM:i-3でまたくだらない役をやらされているのがご愛嬌ですが…。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-22 14:59:57) |