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1.  スター・トレック/イントゥ・ダークネス 《ネタバレ》 
前作から4年。エンタープライズはマット感重視に。スポックの耳はよりリアルになってて、少々気持ち悪いくらいに進化していました。登場人物のみんなも年を取り、顔周りのお肉や皺が気になる人も。 展開は何もかもが力技。いよいよあの種族を、あの人物を登場させて、オリジナルのクルー全ての見せ場を作り、友情やら恋愛やら死別やら何もかもを詰め込んでサービス満点なのは伝わって来るのです。でも不思議なことに、長く愛され続けて来たシリーズとは、なぜか真逆の方向へ。「これ、別にスタートレックでなくてもいいよね…?」と、問われれば反論出来ないところまで来てしまったように感じました。 新しく登場したあの種族のデザインも、あの人物の絡み方もちょっと…。 ミッション・インポッシブルシリーズで使えそうな展開に、スタートレックを無理やりトッピングするから全体がおかしくなってしまったような気配が。 それでも、今作もあんなにシワシワなのにスクリーンで向かい合うあの目だけで、とりあえず観に来た意味はあったと感じさせてくれるのも力技なのでしょう。良い意味でも悪い意味でも典型的なハリウッド映画なので、クルーの一丸っぷりに手に汗握る気持ちも分かります。でもこれ別に…懊悩しつつ5点。次回作も観に行きます…!
[映画館(字幕)] 5点(2013-08-29 00:21:18)
2.  アルバート氏の人生 《ネタバレ》 
P-12。残酷なシーンがあったら嫌だな、と思いつつ観に行きました。主人公のアルバート氏がどうして男として働く道を選んだのかは、大体予想がついたので。  舞台から映画への変換が、ちょっと上手く行ってない感じも…。カットが悪いのか繋ぎ方が不味いのか、話の展開の仕方に間の悪さを感じるのが残念。話自体も駆け足な印象はあります。113分だからもう少し尺を取れなかったのかな…。 ただ、淡々としたロドリゴ・ガルシアの撮り方は良かったように思います。  誰かが死ぬとどうしても悲しい気分が続いてしまう人には、お勧め出来ない作品かも知れません。  男装するグレン・クローズは、メイクや髪型、演技は素晴らしいけれど、目の優しさ、頬や声の柔らかさが、やっぱり男性には見えない。それが残念なのではなくて「ああ、やっぱり女性なんだな…」という不思議な実感でした。 もう一人の男性として生きるジャネット・マクティアも身長は立派で、体格も立派に装っているのですが、やっぱり目や声が女性。 男性っぽい仕草は、ジャネット・マクティアの方が上手かったように思いました。  暴力によって人生が変わり、暴力によって人生が終わる主人公アルバート氏の人生を、どう受け止めるかは個人によって違って来るかも知れません。 恋愛に対してひどく真面目なんだけどアルバート氏のちょっと、かなり的外れなやり方に腹立たしく感じる人もいるだろうし、それも理解出来るのです。  ただ、美しい娘であるヘレンの心が(同性とは知らなかったけれど)アルバート氏に動いたあの扉のシーン、そして最後の「この子はそうならないようにしよう」と微笑んで言ったヒューバートの台詞が、厳しい時代を懸命に生きたアルバート氏の人生にも意味はあったのだと、確信出来るラストでした。  パンフレットのインタビューを読む限り、主役のグレン・クローズもそう願って製作されたみたいなので。 最後に少しだけ、アルバート氏に「良かったね、無駄じゃなかったよ」と言いたくなる作品です。
[映画館(字幕)] 6点(2013-04-27 00:22:00)(良:1票)
3.  バーティカル・リミット 《ネタバレ》 
もう10年以上前の作品なのですが、映画館にも観に行きました。何度もやっているテレビ版は、ピーターに協力してくれた登山家達の慰霊碑シーンがいつもカットされているので残念。 同じ遭難事故に巻き込まれた従兄弟を探すために救助に参加するカリームの気持ちは分かるし(あれ?誰だっけ?見たことあると思えばDS9のドクター・ベシアだったのか)危険を顧みず救助に挑むクレイジーなベンチ兄弟が、ヘリコプターから飛び降りる際にしっかりと抱き締め合う時の表情がいい。 そしてもう一人、遭難事故で亡くなった妻をずっと探し続けているウィックが、亡くなったピーター達のお父さんの判断を正しかったと、ザイルを切ったピーターの判断を正しかったのだと静かに肯定する。そこでピーターがやっと救われたような気になれるのです。 展開は超アクション系であっちで滑ったりこっちで爆発したり何やら大変なのですが、登場人物達には色々と家族の絆が散りばめられているので、救助に協力してくれた人達がポンポン死んで行くのは本当に残念。全員揃って帰還は無理にしても、やっぱり脇役にだって助かって欲しかったと思うので…。 最近多いアクションシーンになるとブレブレで何が起こってるのか分からないような映像もないし、娯楽映画として観やすいのですが、メイン以外の扱いに感じる変なサクサク感で5点。 自分だったらあんな高い、ツルツルした場所は絶対無理だな…。
[地上波(吹替)] 5点(2011-01-15 05:28:09)
4.  ファニーゲーム U.S.A. 《ネタバレ》 
前作は未見。セルフリメイクであるさえ知らずに観てしまったのですが、この作品が同じ監督でリメイクされたことに、何と言うか一番の不条理さを感じました。撮り方は綺麗だと思うんだけど、やはり展開が。え?それがなに?という感じで、10年も経てば前回では衝撃的だったはずのあの巻き戻しもやっぱり古臭いわけで…多分、同じリメイクでも今なら今のもっと上手い演出や練り直し方をする人を選べたような気がします。不愉快!と叫べるほどやられた感もないし、登場人物達がグルグル引っ張られた時は『あ…そういう展開なんだ…』思わず反応に困って目を伏せたくなるような、妙な無力感さえありました。なるほどなー、10年前だったら苛々したりびっくりしてたかも知れない。不思議と監督の他の作品は観てみたくなったので、この点数です。
[DVD(字幕)] 3点(2010-03-28 22:51:25)
5.  ゴーン・ベイビー・ゴーン 《ネタバレ》 
原作は未読なのでこの作品から受けた印象のみになってしまうのですが、あそこまでの大芝居が打てるなら福祉局に裏から手を回すとか、母親本人を逮捕するのが忍びないなら薬物中毒を更正する病院へ無理やり送り込むとか、友人や恋人崩れを片っ端から逮捕して引き離すとか、違法覚悟で小さな女の子を最悪の環境から救い出す方法は他にいくらでもあったはず。関わった人々全てが子供のためだったと懸命に訴えるのだけれど、どこかが、何かが違う。それは結局、大人の事情というか余計な欲や救いようのない過去が絡んで来るからなのでしょう。そして大ドンデン返しを前提に練られたプロットのせいでもあるのかな。 この複雑さが原作ではもう少し深く描写されているのでしょうか?どうしようもない母親の存在や生活環境のリアルさが、逆に後半で展開される真相の不自然さを強調しているようにも思えました。  ただ、どれだけ話の強引さを分析してみても、苦くて辛い。アマンダがあれぐらいの大きさだったら自分の身に何が起こったのか少なからず覚えているだろうし、もっと成長すれば事件のことを知ってしまう。寝る前にお話を聞かせてくれたライオネル伯父さんが刑務所へ行った理由も、サンドイッチを作ってくれたドイルさんが刑務所へ行った理由も、自分のせいではないとは言え事件に関わったレミー刑事が死んだということも知ってしまう。その時、あの母親は支えてくれるのでしょうか。つまり真剣にアマンダの未来を心配してしまうくらい、入れ込んで観てしまったということです。これで初監督作品なんて本当に凄いなー。大人達の選択の重さがいつまでも胸に圧し掛かります。 あまりの言動に呆然とさせられた母親役エイミー・ライアンの演技も凄まじいの一言です。リアルにいそうな感じが怖かった。 
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-15 09:21:41)(良:3票)
6.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
あれ?大昔に流行ったマフィア映画のインド版?のような気がしなくもないし、司会者だけが悪者っぽいテレビ業界やらストーリーはちょっとばかり、いやかなり現実味に欠ける気がするけれど、過酷な生活の中で得た知恵と愛だけを信じて無知ゆえに全力で前へ進むパワーは否定出来ません。特に子役の2人の生命力は本当に素晴らしい。それだけに自分の中でも評価が分かれます。 個人的には、スラムに生きる闇の部分を一人で背負う形で現実に埋もれて行った兄サリームを責められず(そもそもの事の発端は弟ジャマールだと思うので)その分だけ悲しかった。 この展開はありえないわー的冷静さと、少しずつみんなの希望になって行くジャマールと美しく成長したラティカにどうか頑張れと願う波が交互にやって来る忙しい構成でした。もう少しジャマール側にも迷いとか苦悩があれば良かったかな。 冷静に考えると結末の更にその後は危険な道のりだとは思うのだけれど、ようやく手に手を取ることが出来たふたりを祝福したくなる映画です。ラストのダンスは、ジャマールの足がすらっとして長くて本編以上にかっこよかった。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-19 00:34:27)
7.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
硬派な娯楽映画、というのはちょっと変だけど絞って作られていたように思います。前作までのシリーズを観ていないと、どうして真っ裸のムキムキが突然登場するのか分からないし、実は誰が誰の父親でその父親が実は~的な未来と過去を行き来する時間の流れも分からない。あくまで続編の続編です。けれどさくっと冒頭から現れるタイトルや敵側マシンの抑えた色合い、それに合わせるように歌曲を一切使っていない(よね?)BGMが気に入りました。最近多用されている、これでもかと畳み掛けるような歌声にスローモーションという演出にちょっと飽きていた部分があったので。マーカス・ライトという新しい、向こう側にはなれなかった人間臭いターミネーターを登場させることで更なる可能性を探ろうとしているのですが、そのせいで人間側のリーダーであるはずのジョン・コナーが脇役、悪者っぽく見えてしまうのが残念。ラストもマーカス的には救われたのかも知れないけど、こんな設定を新しく付け加えていいのだろうか、という戸惑いもあります。引き締まった顎は未来の戦士っぽくてかっこいいクリスチャン・ベイルなのですが、未だに痩せ過ぎな気がして心配なのは余計なお世話でしょうか。全体的に6.5くらいなんだけど、バーンと登場したムキムキが色んな都合で速攻人間の形でなくなってしまう展開にちょっと笑ってしまったので7点。続編があれば観に行きます。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-14 05:06:45)
8.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
これはカーク艦長の若い頃の話であり、スタートレックに興味のない人にも楽しんでもらおうと努力した間口の広いストーリーなんだといくら自分に言い聞かせてみても、現代で言えば大学生3人が大暴れして世界を救ってしまった、みたいな熱血なんだけど妙に軽いノリが何とも微妙な印象なのですよね。あっちこっちへ飛び跳ね転げ回る人物と展開、映像がどうも落ち着かないのです。 やっぱりスタートレックはある程度年を取ったおじさんおばさんというか、キャリアを積み重ねた男性女性の艦長がクルーをまとめ、時に暴走しつつ危機に立ち向かい人生の機微を感じさせるエピソードが織り込まれてるSFなんだなと。だからこそ、オリジナルのあの人は文句をつけさせない存在感ですが。 リアルタイムで彼のあの言葉を聞いたことがなかったので今回はそれだけで満足かな。シワシワになっていたけど出てくれて有難う。エリック・バナの変身っぷりに驚き、神秘的なエンタープライズのツルツル具合の進化度にも驚かされ、次回作に期待を込めて6点。
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-11 22:42:35)
9.  パーフェクト・ストレンジャー(2007) 《ネタバレ》 
今時、何百冊何千冊と発行されている推理小説でもやらかさないオチのような気が。最後の下りはただポカーン状態。細かい伏線が一気に繋がる説得力があるわけでなく、メールやチャットといった割と新しめの小道具が効果的に使われてるわけでもなく、淡々とエンド。自分もハル・ベリー目当てで観た一人なのですが、この脚本ではなあ。観た人も出た人も無念な感じです。
[DVD(吹替)] 4点(2009-05-24 12:13:30)
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