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コメント数 304
性別 男性
自己紹介 直接的に「内容」に向かうのではなく、「スクリーンへの現れ方」を語る言葉(技法論的な言葉)をなんとかめざしたい。

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1.  極楽特急
素晴らしいが、惜しむらくは機知のスピードと高度さについていくのがやっと。こころを使わない詐欺師が恋に落ちたところで作品に深みが生まれて(この深みが大切)三角関係だ。翌年の『生活の設計』こそ見事な三角関係映画となり、ミリアム・ホプキンスがまた大活躍なのである。
[DVD(字幕)] 7点(2025-06-01 22:29:24)《更新》
2.  恐怖の岬 《ネタバレ》 
通常は探偵役のミッチャムが犯人役で、敵にまわしたらまことに厄介な存在となるということか。攻撃してくるミッチャムの姿をもっと見せ隠しするとホラー的な怖さが増しただろうが、そういう狙いではなかったようだ、作り手は。むしろ二人の男の真っ向勝負といった方向に近い。
[DVD(字幕)] 6点(2025-05-31 22:50:55)
3.  セイフ ヘイヴン 《ネタバレ》 
ストーカーから逃げる話。映画脚本の教科書のような構造、並行編集。逃げる間に新たな恋愛相手を巻き込む。映画である以上どのみち2時間以内に捕まる。このストーカーはホンモノの迫力。
[DVD(字幕)] 6点(2025-05-24 07:02:20)
4.  マン・ハント(1941) 《ネタバレ》 
ジョーン・ベネットのことだけで高評点とする。主人公が暗い路上で敵方に挟まれ万事休すかと思いきや、もたれかかったドアがふいに開き(ドアが内開きだからこそ可能)、建物の中に隠れる。その真っ暗な空間にやがてジョーン・ベネットが現れる。これは本当に素晴らしい。まさに亡命してきたフリッツ・ラングと組むために。
[映画館(字幕)] 9点(2025-05-19 13:36:12)
5.  テルマ&ルイーズ 《ネタバレ》 
テルマの方がお馬鹿さんすぎる感じなのがどうもね(ルイーズはこんな相手を親友とするだろうか)、女性のプライドを背負ったルイーズの所作はいい感じだがラディカル調のゆえ日常に引き返せない行為をやらかしてしまう。「引き返せない」のは映画だから当たり前の設定だろうが、この映画の場合それを観たかったわけではない気がする。地道に、有効に、日常を作り変えることの方を。
[DVD(字幕)] 5点(2025-05-17 10:17:58)
6.  都会の叫び
画面が綺麗に作り込んであるし、ちょっとイタリア・ネオリアリズム的な雰囲気(フィルム・ノワールというより)も備えていたりするのだが、どこか「ゲーム」というか「遊び」なのだな。たかが映画じゃないか、そう、たかが映画なのだが、マジになれない核心という少しザンネンなものを感じる。以上、直観的な印象にすぎないが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2025-05-16 22:33:56)
7.  her 世界でひとつの彼女
SFではなくすでに現実に近い世界を地道に(リアルに)作品化した感じ。この映画を観てちょっとデカルトのことを考えた。AIは思考はできるが身体がないということが、まさにデカルトを批判するメルロ=ポンティの指摘する点である。AIはまだ今のところは「我思う」だけのデカルトだが、まさに身体的に(ぎこちないロボットのレヴェルではなく)「我存り」となる未来も遠いことではないだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2025-05-15 23:08:51)
8.  情事の終り 《ネタバレ》 
この映画は何かしら謝罪しているという面と、開き直っている面の二面性があるように思う。何に謝罪?そりゃもちろん赤狩りで仲間を売ったこと。それもあってか、このヒロインはもはや絶対夫を裏切ってはならないのである。開き直っている面というのは、個人的な神という設定である。個人的な神の問題に逃げ込んでしまえば、もうそこは聖域なのだ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2025-05-14 22:18:59)
9.  アスファルト・ジャングル 《ネタバレ》 
ドイツ人の違った味、というのが目立っている。破滅まであれよあれよと自動的に進んでしまいがちな計画犯罪ものの流れを、首謀者のドイツ人は妙に遮ってみせる。その知的な発言「銃を持っていると撃ってしまうからね」は、今に至るまでアメリカ銃社会を照射する。とにかく計画が破綻した段階で終わってもいいはずの映画が、なかなか終わらないところにリアルなバランス感覚が利いている。
[ビデオ(字幕)] 6点(2025-05-14 09:21:09)
10.  ジキル博士とハイド氏(1931) 《ネタバレ》 
二重人格の話題は精神分析的な思考へいざなうのだが、抑圧された許されざる欲望をなんとか昇華して意識の側に統合してゆくという方角(フロイト)とは真逆の、「分離」することをジキル博士は目指すので、一見はラディカルなマルクーゼやヴィルヘルム・ライヒの革命的な運動のことを連想させるのだが、しかしこの世に有効性はなく結局は無惨な結果を招くだけである。ハイド氏にはミソジニーや格差志向などの要素がむき出しになっており、抑圧された「欲望」というものの批判的検証が必要だという、教訓的な映画にもなっている。
[DVD(字幕)] 6点(2025-05-11 23:13:46)
11.  過去を逃れて 《ネタバレ》 
これぞフィルムノワールの女で、見事に利己的・自律的に男たちを利用する。夫を「主人」と呼んでおだてて仕えてみせるが実は思うがままに操る世の「主婦」たちの鑑だ(笑)。裏切ったな、と、彼女のプライドが主人公を撃ち殺すのも凄いし、主人公が殺されて終わる映画(男社会)のイサギヨサの見せかけも秀逸だ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2025-05-11 08:41:04)
12.  絹の靴下 《ネタバレ》 
ダンスシーンはあまりないのかと思いきや、禁欲のヴェールを脱いで彼女が伸びやかに踊る、踊る! この映画の後三十年も経ってボウイの『レッツ・ダンス』の歌声がベルリンの壁を越えて「東」を挑発したのだった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2025-05-06 23:18:51)
13.  脱出(1944)
ボギーの、躊躇というものがないひたすらスピーディーな決断と行動が全編を貫く。そんな人間はいないし、いても困る面もあるだろう(周囲の者には)。まあ、銀幕の中にしかない憧れのようなものだ。『カサブランカ』とは違って、すでに戦況が定まってきている安心感というものが大きいのかも。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-05 13:01:23)
14.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 《ネタバレ》 
アメリカ映画で画面に言わば署名が付いている、珍しい方の例だウェス・アンダーソン。特徴的に、ひたすら平面・表層をキャメラが滑走するスタイルは、決して深刻にはならない、が、しかし内容が浅いわけではない。映画の「内容」って、何か突飛な特別なことが必要なわけではない。この「父帰る」というよくある話題の周りに配置されたほぼ「普通な」話の数々をずっと退屈せず見てしまう。画面の色調も美しく暖色で作り込まれ、なんともハートウォーミングな肯定感が素晴らしい。そう、肯定感が。
[DVD(字幕)] 9点(2025-05-03 22:03:58)
15.  帰らざる河 《ネタバレ》 
映画の流れる空間、シネマスコープの横長画面に横長にハマり続ける河(スクリーンプロセスであろうが)、それだけが大切なポイント。ひたすら襲いかかってくる悪者としての先住民という描き方の中に、この少し前の日本軍も含まれるかも。プレミンジャーは演出に厳格であるそうだが、人物の造形の上で、その成果が出ているようにも見えない。
[DVD(字幕)] 5点(2025-05-03 07:20:41)
16.  旅愁(1950) 《ネタバレ》 
大恋愛は超え難き障碍があってこそ。大きな障害のように見えた妻の側の理性的な譲歩により「もうこれで自由だ」となった瞬間「自由ではない」ことにヒロインが気づく。つまり障碍がないことが最大の障碍である逆説の成り行き。そもそも、ヘイズコードがまだ生きている時代だからか、恋する「肉体」を全く感じさせない淡交でもあるし。ところで「時代」といえば実はこれは赤狩りの時代で、演出のディターレが大変な目に遭っていることの方が重大である。
[DVD(字幕)] 7点(2025-04-28 23:07:30)
17.   《ネタバレ》 
階段があって、上段に屹立する宣教師が下段から見上げる倫落の女に対して、一方的に罪を宣告する(まるでドライヤー『裁かるるジャンヌ』のように一方的)。段差で、両者の視線は「交わらない」。で、この宣告の最中に後者はとうとう回心する(ように見える)。が、やがて宣教師の抑制され得ぬ肉欲のせいで身体の方が「交わり」大逆転となる。その裁きは外界でなされる。雨で外界が遮断されているという設定は演劇に好都合(元は演劇作品)だが、極めて映画的な興奮を呼ぶのは外界への想いならびに外界の断片的な挿入である(ムルナウ『タブウ』のような南の島であること、皮肉にも晴れた朝のエンディング)。単純な立て付けながら素晴らしい映画である。
[DVD(字幕)] 9点(2025-04-16 09:18:01)
18.  マグノリア 《ネタバレ》 
この群像ものというのは、けっきょく個々の話題の深掘りが苦手なのだろうか。ありそうなモンダイをいくつか配置して浅いまま終わってゆく、バラバラな印象をカエルで強引にくっつけましたぁ、で。
[DVD(字幕)] 5点(2025-04-13 09:45:07)
19.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 
こういうの「難解」とかではなく、意図的に迷路にされているだけ、とむしろ冷ややかに評されてしかるべきだ。ただし、上手いのは、例えばヤバそうな大金の存在が、あの「鍵」(迷路を解除する鍵)により霧散すること、それと同時にナオミ・ワッツ演じるヒロインの姿も消えることだ。全ては彼女の妄想なのだ。隠れたものを覗き見るスリリングなスタイルがこの映像全般にあるが、なかでも精神分析的な無意識への探索(「リタ」の部屋に入ることの、つまりは自分の無意識の)のかたちを、深掘りして欲しかった。
[DVD(字幕)] 8点(2025-04-10 22:23:36)
20.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 
この作品のサスペンスは、観客の同一化の対象がずっと宙ぶらりんなこと、それが揺れながら移動することこそにある。詐欺師カップルにはとりあえず同一化はできないが、転回点は詐欺師カップルが極悪犯側からの攻撃(壊された車)を耐え抜くところで訪れる。実行犯の死を伝えられた極悪犯が一瞬安堵の表情をみせる(実行犯にゆすられる心配が解消)というきめ細かさである。
[DVD(字幕)] 8点(2016-06-06 16:40:07)
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