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プロフィール
コメント数 2081
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  おもいでの夏 《ネタバレ》 
高1って言ってたから15~16才かあ。男の子って小さい頃からおばかさんでそこが可愛いけど、思春期になってもおバカなままなのね。なにしろ性のことで頭がいっぱいのハーミーと友人ら。医学書(?)を書き写したり、同世代の女の子とのイタいデートや抱腹絶倒の薬局でのひとコマなど若い(青い)エピソードがいっぱい。 笑わせてくれるとこがいっぱいあるけど、一方で大変にロマンチックで美しい映画でもあります。切ない旋律の音楽と輝く海辺と年上の女性。 思いがけず彼女への思いを遂げることになった夜の場面は悲しみと衝撃とが合わさった、静謐な美しさがありました。空回りしているレコードの針を戻し、煙草の火を消すハーミーの所作がなんともいえず良かった。彼女への気遣いがこんなところからも伺えて。 そして夫が戦死したとの報が届いてすぐにあのような展開になるのか、と訝しく思う向きも多いようで。でもたとえばあまりのショックと混乱の中、誰かに頼りたいと強く願った時にドロシーが年下の男の子に身を委ねるのはあの場合アリよね。そう思わせた演出とJ・オニールの演技力が素晴らしかったですねえ。 美しいということは儚いこと。すうっと消えてしまって永遠にハーミーの女神となった年上のひと。幕切れも完璧。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2025-02-21 23:10:58)(良:1票) 《新規》
2.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 
ミュージカルは苦手なのであまり観ないです。なのでアステアはともかく、シド・チャリシーをこのたび初めて知りました。 今さらの今頃になって、え、彼女なんていう名前?と鑑賞中は興奮ぎみでした。なんて優雅な身のこなしでしょう。脚線美はもちろん、身体のしなやかさ、回転のキレイさ。アステアと公園で踊る場面はクラシカル・ダンスの美の極致でした。 ストーリーは超シンプルでお決まりの大団円。それにメインキャストが全員白人男女で黒人俳優の役どころが靴磨きと警備員のみ、というのもなかなか強烈に50年代を感じさせます。 コンプラ意識のズレは痛いほどだけど、明るく楽しくダンスのレベルもハイクオリティなミュージカルの王様の地位はしばらく譲らないでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-18 23:24:50)(良:1票)
3.  ザ・コンテンダー 《ネタバレ》 
陰謀ありスキャンダルありのポリティカルドラマ。伏線の張り方とか終盤にヒールをやっつける展開とか、よくできた娯楽作ではあるけど。でもちょっとあちこちすとん、と落ちなくて楽しめなかった。 第一にあんな「ポルノな映像」(出演者の弁)が出たら、それも自身が無関係ならまず否定するべきでは?「男だったら在学中に何人もの女と寝ても問題にならない」から、女である自分もあえて問題化しないという姿勢でしたが。いやあれが男だとしても有権者は嫌悪感を抱くと思うけど? それに冒頭からこの副大統領候補議員のひと、職場のデスクで夫と行為に及んでるんだけど。(夫が)尻出した格好で電話取ってる画ヅラにもうドン引きしました。アメリカってこうなんですか。ブリッジスの大統領役も品が無くてなんだかなと思ったけど、現実にはトランプが再選してるんだなこれが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2025-02-13 23:26:40)
4.  ロイ・ビーン 《ネタバレ》 
豪快で自由。西部開拓時代の生き残りロイ・ビーン判事。大いに盛ってほぼほぼフィクションになっちゃってるけど、いちおう実在の人なんですね。 消えゆく西部の残像をしみじみと描いたペキンパーの「ケーブル・ホーグのバラード」をイメージしてしまったのが間違いでした。こま切れのエピソードごとの展開はまるでマンガ。「トムとジェリー」でも観る心持ちでいるべきでした。命が安いし熊のペットぶりはもはやファンタジー。まじめに伝記と向き合う気持ちではついていけません。 ちょっとノリが合わなかったです。わたしの責任ですが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2025-01-31 17:07:55)
5.  レッド・ドラゴン(2002) 《ネタバレ》 
やっぱり思い出してしまいますよね 比べてしまいますよね「羊たちの沈黙」と。 賢いけれど未熟な新米FBI捜査官クラリスと老獪なサイコパス・レクター博士とのつかず離れずの絶妙な距離感。全編しっとりと湿度高めの映像美。予期せぬ展開とJ・フォスター、A・ホプキンス両氏の名演技。 愛してやまないこれらの要素は「ハンニバル」も本作も残念ながら半減しており、続編のハードルの高さをつくづく思います。 豪華絢爛なスター俳優をずらりと並べて、その良くない副作用が出てますね。本作の主人公て誰になるんでしょうか。 レクター博士は何もしてくれないし、個人的にはファインズよりハーヴェイ・カイテルの方を長く観ていたかったし、安定の演技を見せてくれてたP・S・ホフマンはあんな使われ方で早めに焼死してしまうし。 一家惨殺事件をちゃんとメインに据える描き方をしてないせいか「この事件どうなるんだろう?」という興味が続かないんですよね。話題があっちこっちに飛ぶので。 お話自体は悪くはないと思う。羊の前日譚としては。でも満足にはちょっと遠い出来。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2025-01-26 13:06:17)
6.  ようこそ映画音響の世界へ 《ネタバレ》 
小学生の感想文みたいだけど、映画の音作りにこんなにたくさんの努力が払われているとは知らなかったです。普段、何気なく耳を素通りしていた映画作品の音。 そうだよね屋外での撮影は余計な音も入ってくるだろうし、雪山を歩く時の雪を踏みしめる音はハッキリとマイクでは拾えないよねえ。 作ったり足したり除いたり。スタッフらの努力とセンスによって作品は彩られているのだとよく伝わりました。 そうそう、スター・ウォーズは音もカッコ良かったのだ。そうだよ何故言われるまで気づかなかったんだろう。ワープ音も宇宙船のごごご、という移動音(?)も誰も聞いたことが無い架空の音なのにすんなりと受け入れて心地よく聞いていた。音職人の仕事の凄いとこはまさにそこ。 映画を観る解像度がちょっと上がりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-01-19 23:06:17)(良:1票)
7.  MEMORY メモリー 《ネタバレ》 
お話は凡庸で今さら、という内容。展開は浅いしまあこうなるだろうなと思ったとおりの落ち。ニーソンの認知症という設定もさほど活きてないし、ターゲットを同じくする元殺し屋とFBIの邂逅という本来ならヒリつく場面もあんまり盛り上がらない。 各キャラがありがち過ぎ。ニーソンはいつものニーソンだしピアースの「保身的な組織に反発して干される正義感強めの人物」キャラはこれまで何十人見てきたかしら。モニカの巨悪感も限りなく薄い。 大仰にメキシコだテキサスだと地名を表示するけど、そこを押さえておく必要も特に無い。平坦に話が進む。しばらくしたら間違いなく内容を忘れるであろうと思われる。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2025-01-17 23:14:18)
8.  トゥモロー・ウォー 《ネタバレ》 
ある日未来から援軍要請が来る。子孫のために戦地に赴く現世の老若男女。コンセプトは斬新だし、「まだ起こってない危機に対して命を差し出す」ことへの“not my war"デモが発生したり、自己矛盾が生じるのを防ぐために派兵される年齢を中年以降に設定していたりと、なかなか細部まで目配りのきいた脚本だなと感心しました中盤までは。 未来と現世を行き来するタイムワープSFの世界観を深掘りしてくれたら傑作になったかもですが、中盤以降は良くある怪物退治モノになって失速した感があります。 家族間のドラマも横糸に織り込もうと頑張りましたがあまり成功してない。父と娘まではともかくJ.k.シモンズの役どころは不要に感じます。 とはいえ映像は気合と資金が大量に投入されていて大画面でこそ映える大作です。コロナ禍で上映叶わず配信へ下ろさなければならなかったとは、制作陣の無念は察するに余りありますねえ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2025-01-14 22:59:21)
9.  スティルウォーター 《ネタバレ》 
タイトルから内容が皆目見当がつかない類の映画。なので全くの丸腰での鑑賞となりました。なんだスティルウォーターって地名かあ、と序盤で分かるのですが、その単語が話のなかで大きな仕掛けとなっていたとは。気づいた終盤には唸ってしまった。 ちょっと長めの尺を使って人間関係を丁寧に描いてます。なんせ主演はM・デイモンですし他の役者も上手いのでダレずに観られました。マットと女の子のやり取りがとても良かった。べたべたし過ぎない距離感。気の合う二人が単語をレクチャーし合いながら一緒に作業する様子が微笑ましい。 サッカースタジアムでのシーンや警察がアパルトマンに踏み込むシーンは半端なくどきどきしました。物語の緩急のつけ方が実に上手い。 事件そのものを我々は父親の目線で追ってきたけれど、明らかになる事実は彼が信じていたものとだいぶ違っていたし、フランス人母娘との絆もまた思い描いていた方向とは違う形で着地してしまった。 娘は冤罪が晴れて帰ってきたのだからハッピーエンドには違いないけれど、こうも苦い味が残るとは。人生てこんなものだよなあ。「思ってたんと違う」これに尽きるよなあ。ねえビル。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-01-05 12:34:21)
10.  ウィッチ 《ネタバレ》 
人の心ほど怖いものはない。洗練されたホラーに感じました。17世紀の非科学的な考え方から、極端な信仰心から、鬱蒼とした森と曇天の空模様といった舞台装置に至るまで全部恐い。 信仰心ってなんだろ。そもそも心の安らぎを求めての神様なはずなのに、信仰優先で家族がつらい目にあっては本末転倒もいいとこ。こんなこと言っちゃ怒られるかもだけど、信仰てのはほどほどにテキトーなのが良いんじゃないですかね。 この家族、笑顔もほぼ無いもんね。いかにも厳格なピューリタンといった感じで。厳しい生活のなかにあっては最低限のユーモアが絶対に必要だと思うんだけど。 この映画、上手いなと思うのは妄想か現実か、いかようにも取れる描き方をしているところ。おそらく17世紀の人たちがリアルに経験した、感じたままが映像として展開している。実態はおそらく神隠しにあった赤子は大型の動物に捕らわれたのだろうし、(長女の証言を鵜呑みにはできない)弟は森で毒物に接触してしまったのだろうし、そう思い込んでいるから黒ヤギもしゃべるのだろう。 科学のインフラが無い時代は現代よりずっと夜が暗い。「何か」が魔女の集会に見えても仕方ない。 でも何より怖いのは悪魔だの魔女だの「そう思い込んで」自滅してしまう人間の心そのもの。神にすがるだけの父親、ミソジニー気味の母親、意地の悪い双子、全部がやっかいで手に負えない。 当時の証言や日記からインスパイアされた本作はアメリカ版遠野物語。「神」の位置づけが我が国と違うのが興味深かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-12-20 22:50:51)
11.  X エックス(2022) 《ネタバレ》 
「パール」を観てからこちらに来ました。パールのその後の人生がどうなったのかな、と。 本作で見る彼女の人生の終末はやっぱり満たされてなくて、しかも色ボケまで発症していては救いのない感じ。でも、夫が復員後の例の惨状を目にしてもパールと暮らし続けてたことが驚異。パールにとって、そこ人生で一番のラッキーだったのではないかな。 ホラー作品としては70'sへのオマージュと謳っている通り、馬鹿な若者らの殺されっぷりが定番のスプラッターでした。それよりも監督はむしろ老人の肉体の衰えとか枯れること無き性欲の醜悪さを描くことで嫌悪感を掻き立てる方に熱心なようで。老夫婦の行為なんて目を背けたくなるよね普通。 パールの老いさらばえ方も悪意を感じるほど。あんな全身にシミが出るもんかな。 こちらを先に観ていたら次作のPearlは観なかったかも。三作目は後日譚とのこと、マキシーンのその後はちょっと楽しみです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-12-08 23:19:07)
12.  FALL/フォール 《ネタバレ》 
映像技術の凄みを身体で感じる一本。肝っ玉が縮み上がりっぱなしの画が続き、高所恐怖症の人はラストまで腰を落ち着けて観ていられるのかどうか。 舞台が600m超えの高所かつ二人分が座れる広さしかないので、物語をどう広げるのかなと期待しました。 衝撃の暴露話は定番として、SOSの発信の試みが何度も失敗したり野鳥の攻撃があったり、頼みのスマホの充電にトライしたりと難易度高めのイベントが次々起こります。なかなか上出来の脚本と思います。なかでも友人が実は・・だったというヒネリ技には上手いこと仕掛けられました。おお、と思った。なんでケガをした方がてっぺんまでよじ登るのかしらと思ったんだ・・そういうことかあ。 ところでちょっと本筋から逸れるのだけど、ヒロインの亡くなった夫ね。彼女冒頭から悲嘆に暮れていたじゃないですか。でも実は嫁の親友に手を出すけっこうなカス野郎だった、ということが分かり悲しみを克服するっていうプロットがなんというか大陸的でドライだなあと苦笑いな気持ちになったんですが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-12-07 23:29:06)
13.  アタック・オブ・ザ・キラートマト 《ネタバレ》 
いやーつまんない。高名な本作の鑑賞機会を得るのに時間がかかったから、色々想像してハードルを上げ(下げ?)すぎちゃった。 「トマトが人を襲う」とだけの情報から想像したシュール味が全く無いのにはたまげた。ハリボテトマトが転がってきて人が逃げる画ばっかり。 塩梅の良い不条理さがあれば可愛気も発生するけど、これでは製作上のただの怠慢。物語作品を作る上での重大な手抜きだし誠実さも感じられない。 めったにつけない0点を献上するにあたってマイリストを見たら「プラン9 フロムアウタースペース」に0点をつけてた。愛すべきエド・ウッド作品とこんな本作を同列に置くことになるなんて。つくづく腹立たしい。
[CS・衛星(字幕)] 0点(2024-12-05 23:40:42)
14.  ミッション:インポッシブル/フォールアウト
相変わらずサービス精神てんこ盛りのM.Iシリーズ第6作め。落ちたりぶら下がったりよじ登ったり、イーサン・ハントの身体の張りっぷりは今作も超人レベル。生身のトムもよく走り、またフォームがキレイなの。鍛えてるなあ。 裏切りあり引っ掛けもあり、脚本もマンネリ気味ながらやっぱり観ちゃいます。“○○するには××しなければならない”式のミッションが今回も適用されていて、IMFのみなさんの苦労がカサ増しされる黄金のパターン。 でもちょっと長かった。それとトムの容貌がさすがに老けてきてしまっているのが寂しい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-11-20 23:07:32)
15.  誰かに見られてる 《ネタバレ》 
御大R・スコットといえど慣れないことをするもんじゃないですなあ。リドリー・スコット味を感じるのはクレア邸の豪勢な内装くらいなもので、全体像は「三流ラブサスペンス」といったところ。 展開も演出も凡庸でこれといって見どころ無し。 犯人の立ち回りが話に都合よすぎる。刑事の家族を人質に取ってどうなるというのだ。 途方もなくヘタレな男を演ってるトム・べレンジャーが全然かっこ良くない。ミミ・ロジャースのスタイルだけ良かった。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-11-15 23:29:29)
16.  パーフェクト・プラン 《ネタバレ》 
ギャング二組、警察、巻き込まれた民間人の四つ巴と欲張りすぎて、上手く脚本が機能していない。 横取りされたフランス人ギャングは実行犯の兄弟に怨嗟を向けるべきなのでは。なんで仲間内も知らないベンの大家を早々と脅迫してくるのかしら。 ライト夫妻も公園にフランス人ギャングを呼び出してどうするつもりだったの。このくだり、どうしても分からない。 警部補の娘の話も中途半端でぶつ切り。バイオレンス描写にはやけに熱心。話の広げ方が乱暴で粗が目立ちます。大味すぎてつまんないな。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-11-09 23:28:40)
17.  スワンソング 《ネタバレ》 
ウド・キアーが数十年ぶりに主演!なんという円熟、いぶし銀な演技でしょうか。いぶし銀というよりはラメ入りパープルといった趣だけども。 人生の終盤に、かつて愛した街を歩くパット。失われた面影の多いことが、世の常なれど寂しい。施設から抜け出て、街の人と触れ合うことで往年の調子を取り戻してゆくパット。彼と歩を合わせるようにして、過去がちょっとづつ見えてくる。恋人も家も失ったし、子どもがいない自分のことなど誰からも忘れられてしまうだろうと思っていたパット。 でも違った。過去の自分が蒔いた種がたくさんの人の心に芽吹いていたことに気づいたし、抱いていた親友へのわだかまりも綺麗に解くことができた。心の整理は自分自身でつけるもの。実に見事な人生の畳み方でした。 旧友と海辺で語る場面、派手めのスーツを見事に着こなす場面、弁護士から必要経費としてむしり取ったお金でワイン飲んでる(しかもチップまではずんじゃってる)場面、電動車いすで渋滞引き起こす場面・・、たくさん好きなシーンがあるけど施設の車椅子の婦人の髪を美しくまとめてあげる場面が一番好き。 サントラもひとつひとつがシーンにぴったりだし、サンダスキーの街並みも素朴でどこか懐かしい。 実在のヘアドレッサーに監督がインスパイアされたという愛すべき一品。大好き。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2024-11-06 23:59:54)
18.  Pearl パール 《ネタバレ》 
エグいホラー仕立てだけど、現在に通じる問題をたくさん内包していて唸ってしまった。娘を窒息させる毒母、ヤングケアラーの問題、夢を追いきれない構造的な不自由さ。 ラストのパールの長広舌に圧倒されるという感想を多く見るけれど、わたしは母ルースのキレた場面に身がすくんだ。これでもかと娘にぶつける酷い言葉。自分の人生の怨念を吐き散らかすその姿。パールはモンスターになってしまったけれど、そうなったのは母親のせいではないのか。綿々と呪いの言葉を浴びせられてパールは壊れた。一部の母親はなぜ自分の重荷を娘も背負うべきと思うのか。 一昔前のテクニカラーを意識した鮮やかすぎる色彩も毒々しい。ロートルファンなら卒倒しそうな「オズの魔法使い」の悪趣味なパクリ。 ミア・ゴスの怪演は一度見たら忘れられない。内気で素朴なパールの外皮を破るようにして、内側から鬱屈した狂気がほとばしる。その憑かれたような表情。そもそもミアの薄眉顔が怖い顔立ちというのもある。 締めのロングショットもつらすぎる。ああいう引きつった笑みは被虐児童にもよく見る痛々しさ。「どうしてわたしを嫌うの?」と母に問うたパールのその台詞が悲しくて胸に刺さった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-10-30 16:15:35)(良:1票)
19.  ヘンゼル&グレーテル 《ネタバレ》 
本国の批評家からは散々な評価だったらしいけど、わたしはこれ結構面白かったです。グリム童話を下敷きにしたファンタジーホラーの中に、当時の捨て子等の社会問題を織り込むとかしてもう少し格調高いテイストに寄れば識者の方々も納得なのかな。 いや、そんな小難しいことは抜きにして悪い魔女をぶっ殺すB級姿勢が良いんですよ本作は。 アクションも観易いし、時代考証も(途中まで)よく再現できているみごとな美術。中世の画ヅラにガトリング砲登場でびっくりさせられますけども、これが妙にマッチしてる。無骨な銃器に魔法の液体をかけてパワーアップ、ってデタラメがまた心地よい。森の中を杖に乗って飛ぶ魔女の画が素敵で、CGを観てわくわくしたのは久しぶりです。 中学生の妄想を余すことなく映像化した快作と言っていいんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-28 23:47:33)
20.  夕陽に立つ保安官
いやー笑いました。げらげら笑いでなく、にやにや笑い。 全員がすっとぼけたお芝居で、台詞が面白い。西部劇をセルフパロディしっ放しの1時間半。元ネタが隅々まで分かるともっと面白いんだろうなあ。 過剰なドタバタもないし、下ネタに走ることもない。とぼけたセンスで笑わせてくれる一本です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-25 22:48:27)
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