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プロフィール
コメント数 1973
性別 男性
年齢 49歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  アビゲイル 《ネタバレ》 
何者かによって集められた凶悪な犯罪者集団。お互いの名前や経歴など一切知らないまま、現場へとやって来た彼らは、ボスに言われるがままとある少女を誘拐する。少女の名は、アビゲイル。強固なセキリュティに守られた豪邸に住む大富豪の一人娘だ。薬で眠らせたアビゲイルとともに隠れ家へとやって来た彼らは、身代金が支払われるまでこの館で一夜を過ごすことに。だが、彼らはまだ知らない。一見普通のか弱い少女に見えるアビゲイルには、恐るべき秘密が隠されていることを――。突如としてバリケード封鎖された隠れ家の中で、次々と命を落としてゆく仲間たち。果たして彼らは無事に翌朝を迎えることが出来るのか?ぶっちゃけて言うとバンパイア映画の名作『フロムダスクティルドーン』の現代版と言った感じなのですけど、こーゆーのってネタバレしちゃうと面白さが半減しちゃうのが難点ですよね。自分も盛大にネタバレしている宣伝文句に惹かれて鑑賞したのですが、でもこの宣伝文句がなければ観なかっただろうし、難しいところ。さて、肝心の内容なのですが、全体的にすんごく惜しい映画でしたね、これ。映画って観ている間、「なんだか面白くなりそう」「やばっ、めっちゃおもろい!」「サイコー!!」と言うメーターを行き来するもんですが、本作はずっと「なんだか面白くなりそう」と「やばっ、めっちゃおもろい!」の間らへんで止まってる感じ。一瞬そのメーターを越えた瞬間もありましたが、それも1、2回程度。設定もキャラもすんごく面白くなりそうなのに、なんかすんごく勿体ない。「白鳥の湖」のバレエを踊りながら襲い掛かってくる血まみれ少女とか、最近観た映画の中では『ミーガン』に次ぐインパクトだったのにねぇ。後半になるにつれ、しっちゃかめっちゃかになる脚本ももう少し何とかならんかったんかな。最後のまさかの父親登場も、アビゲイルのまさかの豹変という中盤のどんでん返しがインパクト強すぎて霞んじゃってるし~。と、いろいろ述べましたが、それでもこの監督のとにかく面白い映画を創ってお客さんに楽しんでもらいたい!!と言う有り余る情熱には好感持てました。最後の血みどろグチャグチャクライマックスなんて観ていて純粋に楽しいし。次作に期待ってことで!
[DVD(字幕)] 6点(2025-07-21 11:54:19)《更新》
2.  ザ・ウォッチャーズ(2024) 《ネタバレ》 
ここは、アイルランドの鬱蒼と茂る深い森の中。ひとたび迷い込もうものなら、どこまでも続く同じような樹々の海と携帯も繋がらないような原始的な環境、さらに日が落ちてしまうともはや何も見通せないほどの闇に包まれ、すぐさま命の危険に晒される。そして、そんな危険な森の奥深くには人々を恐怖のどん底へと陥れる更なる邪悪な存在が待ち構えているのだった――。小さなペットショップで働くミナは、この森を抜けたところにある動物園に希少なインコを届けるため車を走らせていた。ところが途中で車がエンジントラブルを起こし止まってしまう。見渡す限り何もない深い森の中で途方に暮れるミナ。気づくとそこにあったはずの車も消えてしまう。インコを入れた鳥籠だけを手に、森の中をあてもなく彷徨っていたミナは、やがて奇妙な山小屋へと辿り着くのだった。そこには3人の先客がいて、とある理由によりもう長い間この森から出られないでいるという。小屋の壁一面にはマジックミラーとなった巨大な鏡。「この森にはウォッチャーズと呼ばれる恐ろしい存在がいて、夜な夜な私たちを観察するためにこの小屋へと集まってくるの。逃れることは出来ない」。彼らに言われるがまま、夜な夜な何者かに見られる生活を余儀なくされるミナ。果たして彼女の運命は?監督は、アイデア1本勝負で映画を撮り続けるM・ナイト・シャマランの娘さん。そんな彼女のデビュー作となる本作は、親父のDNAを色濃く受け継ぐサスペンス・スリラーでございました。観終わった直後の率直な感想を述べさせてもらうと、むちゃくちゃつまんなかったんですけど、これ。なんか親父のダメな部分ばかり受け継いでるんちゃうかってくらい、ダメな時期のシャマラン映画って感じでした。とにかく映画としての見せ方が恐ろしく下手。このマジックミラー号みたいな小屋の中に閉じ込められて何者かに観察されるという特異な状況を作り出したいがため、そこに至るまでのストーリーがテキトー過ぎます!主人公がインコを届けるために森にやってくるまではいいのですが、そこから急に車が消えたり、辿り着いた小屋でいきなりすぐ観察生活始まったり、主人公がほとんど疑問を抱かず簡単にそれを受け入れたりと何もかもがふわふわしてて物語世界にさっぱり入り込めません。もっと説得力ある脚本にしてください!あと、夜のシーンの画面が暗すぎて何をしているのかほとんど分からなかったのも大いにマイナス。最後も結局なんやってんみたいな感じで終わっちゃったし。と自分はさっぱり嵌まらなかったのですが、親父も忘れたころにヒットを打つ人なので、いつかは娘さんもホームラン打ってくれるかも?!
[DVD(字幕)] 4点(2025-07-20 12:23:21)《更新》
3.  フェラーリ 《ネタバレ》 
イタリアの世界的な自動車メーカー、フェラーリ。その創業者であるエンツォ・フェラーリの人生の一大転機となった1957年を濃厚に描いた伝記映画。監督は、これまで男臭い映画を数多く撮ってきた、まさに漢の漢による漢のための映画監督マイケル・マン大先生。いやー、基本はレース映画なんですけど、ここまで暗くて重苦しいレース映画は初めて観ました(笑)。『ラッシュ/プライドと友情』や『グランツーリスモ』みたいなレース映画の醍醐味であるスカッと爽快感や手に汗握る迫力の展開とかはほぼ皆無、ずっとこの一人の金持ちの正妻と愛人との確執、隠し子を認知するかどうかみたいなどろどろ展開がひたすら続き、自分はいったい何を見せられているのだろう感が半端なかったです。それなのに最後までちゃんと惹き込まれて観られたのはやはりマイケル・マン監督のもはや匠の技のような卓越した演出力によるところが大きい。どんなに美辞麗句を並べようと、やはり経営の実態は金と権力と欲望がモノ言う汚い世界。そんなリアルな経営者の苦悩と矜持をアダム・ドライバーが見事に演じておりました。ライバル企業との競争に競り勝つため、レーサーに「私の車に乗るなら死ぬつもりで走れ、それが無理なら去れ」と冷酷に言い放つフェラーリはまさに狂気紙一重。それがのちのあの凄惨な大事故に繋がるところは皮肉めいていてガツンときましたわー。一人息子を亡くしたことを未だ引きずり、愛人との間に隠し子を設けた夫に狂気にも似た嫉妬をあらわにするペネロペ・クロスも素晴らしかった。肝心のレースシーンも添え物にならず、ちゃんとクオリティ高くて自分は普通にドキドキしちゃいました。あんな普通の公道で猛スピードでレースしたらそりゃ大事故にもなるって!世界的大企業を一から作り上げた経営者の栄光と苦難の遍歴を重厚に描いた、なかなかの良品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2025-07-18 10:04:16)(良:1票) 《更新》
4.  ツイスターズ 《ネタバレ》 
地球規模の異常気象により、アメリカ南部で近年多発する竜巻被害。ひとたび発生すれば広範囲に及ぶ暴風雨により、その地に壊滅的な人的経済的損失をもたらすことになる。これまででは考えられないそんな巨大竜巻に立ち向かう、ある人々がいた。その名も、ストーム・パー。長年の経験から竜巻の発生場所を予測し、いざ竜巻が発生すると無謀にもその中へと突入、最新鋭の科学技術を駆使してデータを収集し、そのメカニズムを解明しようとする彼ら。だが、そんなストーム・パーをライバル視するグループもいた。その名も、竜巻カウボーイ。同じく巨大竜巻の内部へと強行突入する映像をライブ配信し大金を稼ぐユーチューバー集団だ。ある日、彼らの前に近年見たこともないような超巨大竜巻が発生するのだった――。果たしてどちらが先に竜巻を手懐けることが出来るのか?毎年巨大竜巻に悩まされるアメリカ南部で、そんな未曽有の自然災害を防ごうと奮闘する人々を描いたディザスタームービー。元となった、ヤン・デ・ボン監督の『ツイスター』は遥か昔に鑑賞済み。とは言ってもその内容は、主人公たちがイカレ野郎ばかりだったことと牛が舞ってたこと、そしてヘレン・ハントがむちゃくちゃ良い女だったことくらいしか覚えておりません。要は普通のよくある映画だったってこと。んで本作、映像技術は飛躍的に向上しその真に迫った映像は息を呑むほどだったのですが、お話の方は概ねおんなじ印象でした。要は普通のよくある映画だったってこと。なんか全体的に大人しめというか作りが優等生にすぎて、こちらの予想を1ミリも裏切ることなく最後まで想定の範囲内で終わっちゃいました。もう少しぶっ飛んだ設定や、遊びの部分があっても良かったんじゃないかなぁ。例えば、対抗馬となるユーチューバーたちがもはやマッドマックスばりにイカレてるとか。彼らが実は収益金を被災地のボランティアに役立てていたというのも、なんか無理やり道徳的な話に収めようとしてる感じがしてあまり好きじゃないです、僕。と、いろいろ書きましたが、それでも映像は迫力あったし、お話も最後までストレスなく観られたしで、エンタメ映画として普通に及第点であったと思います。主人公を演じた女の子も可愛かったしね!
[DVD(字幕)] 6点(2025-06-29 11:37:49)
5.  ブリーディング・ラブ はじまりの旅 《ネタバレ》 
離婚をきっかけに長年疎遠となっていた娘を地元へと連れ帰ることになった父親。目的地であるニューメキシコははるか遠く、父が運転する車でこれから丸2日かけてドライブを続けなければならない。車内にはこの親子2人だけ、何処か重苦しい空気が漂っている。どうやら娘は何か問題を起こし、精神的に不安定なようだ。しかも過去の因縁から父親を敵視している。ちょっと目を離したすきに逃げ出すほどで、父親は気が気じゃない。今は新しい家庭を築きながらそれでも誠心誠意、娘と向き合おうとする父親。そんな父に反発しながらも、それでも久しぶりに会えたことがやはり嬉しい気持ちも隠せない娘。果たして親子は無事にニューメキシコに辿り着くことは出来るのか?そんな理由ありな親子を演じるのは、私生活でも実際に父親であるハリウッド俳優ユアン・マクレガーと娘のクララ・マクレガー。この親子、父の離婚が原因で私生活でも実際に仲違いしていたそうです。そんな様々な問題を抱えた親子を実際に様々な問題を抱えた俳優親子が演じるというのはどんな気持ちなんでしょうかね。2人が中盤、激しく罵り合うシーンなんてあまりに生々しくて見てるのが辛いほど。それをセンスあふれる映像や音楽で良い感じにオブラートに包んでいたのは、ナイスな演出だったんじゃないでしょうか。要所要所で子供の頃の2人の映像を差し挟んでくるのも、多少あざとさを感じるとは言え、やはり切なくなる。監督、なかなか良い仕事してる。旅の途中で出会う地元の人々も皆、個性豊かでそれぞれに忘れがたい印象を残してくれます。特におしっこしてるときにあそこを虫か何かに噛まれた娘の患部を確認してくれる売春婦のおねーさん。「大丈夫、下着を脱がすのは慣れてるわ」とか言いながら娘のあそこを確認してくれる彼女の存在は大変キュート。将来ブロードウェイで舞台に立つことが夢だと語りながら、でっかいかぼちゃを抱えて立ち去る彼女の後姿は哀愁とほろ苦いユーモアを感じさせてくてなんとも魅力的。彼女に出会えただけでもこの映画を観て良かったと思えました。まぁお話としては何のひねりもないオーソドックスな親子もので、本人たちによる思い出再現ムービーの域を出ていないような印象も拭えなかったですが、観終わったあとほっこりとした気分になれるロードムービーの佳品であったと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2025-06-29 11:01:12)
6.  ハンテッド 狩られる夜 《ネタバレ》 
アメリカ南部の誰も人がいないような荒涼とした荒野。真夜中、漆黒の闇に包まれたこの地を一台の車が走っている。乗っているのは大手製薬会社に勤める若い女性アリスとその男友達。彼女はとある事情により、夜明けまでに夫の元へと向かわなければならなかった。だが、途中、車がガス欠を起こし、仕方なく彼らは深夜のガソリンスタンドへと寄り道することに。気分転換を図ろうとアリスは車を降り、そのまま併設された小さなコンビニへと入る。ところが店内には客はおろか、店員の姿もない。「何かおかしい…」。そう思った矢先、アリスは恐怖の事態に見舞われるのだった――。なんと店外の何処かから何者かがライフルで狙撃してきたのだ。運転していた男友達は銃撃を受け即死、アリスは命からがらコンビニの棚の陰へと逃げ込むことに。店内に容赦なく撃ち込まれる銃弾。いったい何がどうなってるの。戸惑う彼女に今度は、カウンターに置かれていたトランシーバーから犯人と思しき男が話しかけてくるのだった……。果たしてアリスは無事に翌朝を迎えることは出来るのか?深夜のコンビニで突如、謎のスナイパーに狙われる羽目に陥った女性の運命をノンストップで描いたサスペンススリラー。ぶっちゃけ、そんだけのお話。一時期、ハリウッドで大量に量産されていた、いわゆるワンシュチエーションの低予算スリラーなんですけど、さすがに新味なさすぎじゃないですか、これ。何度も何度も観てきたような既視感満載の設定とありがちな展開、そして同じような突っ込みどころに終始苦笑いが……。もう少しこの作品ならではと言う、新しいひとひねりなりアイデアが欲しかったかなぁ。トランシーバーでやたら饒舌に話しかけてくるスナイパーの犯人さんも、これがとにかく説教臭くてハナに尽くし、スキャンダルを起こした芸能人を真っ先に叩いてそうなヤフコメ民感が凄くて終始不愉快。なによりこーゆー作品に必要不可欠な、何考えてるか全く分かんない不気味な犯人に追い詰められる恐怖というものがこれっぽっちも感じられない。お約束のたまたま通りかかった通行人が巻き込まれるという展開もお約束通りで別段盛り上がるわけでもないし、ただただ胸糞悪くなるだけでした。正直、なんでいまさらこんなベタな映画を作ったのか不思議でしょうがなかったです。主役を演じた女の子がなかなか頑張ってたので、彼女に+1点!!
[DVD(字幕)] 5点(2025-06-29 10:17:38)
7.  ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ 《ネタバレ》 
生真面目で偏屈な性格が災いして生徒や同僚から嫌われている冴えない高校教師ポール。複雑な家庭環境からトラブルばかり引き起こしクラスで孤立している生徒アンガス。つい最近一人息子をベトナムで亡くし哀しみを抱えながらも学校の料理人として働く中年女性メアリー。1970年代の全寮制寄宿学校を舞台に、帰るあてもなく、2週間のクリスマス休暇をともに過ごすことになったそんな3人のひと冬の交流を終始ほのぼのとした目線で描いたヒューマンドラマ。監督は、これまで冴えない中年男性の何気ない日常をほろ苦いユーモアを交えて描いてきた名匠アレクサンダー・ペイン。相変わらずこの人、女にモテない独身中年男のトホホなドラマを描かせると巧いですねぇ~~。特に何が起こるるわけでもない平凡な人たちの平凡な日常を淡々と描いているのに、最後まで惹き付けられて止まないのはこの監督の人を見る目が終始優しいから。正直、この3人はぶっちゃけて言うと人生の負け組。まぁ若いアンガス君はこれから逆転ホームランを打つ可能性はまだまだあるけれど、ポールとメアリーは色んな事情を抱えてたとは言え、もはや人生8回裏で相手チームに10点差つけられているようなもの。でも、それでいいじゃん、試合はほぼ負け確定でもこれまで自分なりに精一杯頑張ったんだから――。そんな監督のメッセージが聞こえてくるようでなんとも心地良いですね。最初は嫌い合っていたポールとアンガスがお互いの抱えている事情を知り、徐々に心を開いてゆく過程は定番だけどやはり胸に響くものがある。最後、前途ある若者の為にポールがとった決断も切ない余韻を残してくれます。そんな2人を絶妙な距離感で見つめる料理人メアリーも物語に良いアクセントをもたらしています。ただ、自分はちょっと長く感じてしまって中盤辺り、中弛みしちゃったのが残念。前半の他の居残り生徒との共同生活シーンやボウリングのシーンなどはもっと短く出来たように思う。全体として100分ぐらいに収めてくれたらもっと完成度の高い作品になっていたんじゃないでしょうか。とは言え総じてみると、アレクサンダー・ペイン監督の円熟の技が光る、ロードムービーの佳品に仕上がっていたと思います。メリークリスマス!
[DVD(字幕)] 6点(2025-06-22 09:50:48)(良:1票)
8.  ナイトスイム(2024) 《ネタバレ》 
引退した元メジャーリーガー、レイが購入したプール付きの中古物件。引っ越しを済ませ、ライトアップされた夜のプールでさっそくスイミングを楽しむレイとその家族たち。だが、彼らはまだ知らない。その豪華なプールにはこの世のものではない禍々しい力が宿っていることを――。突然いなくなる猫、排水溝から聞こえてくる謎の女の子の声、そしてプールの底から徐々に姿を現す邪悪な存在……。果たして家族の運命は?と言うお話。それ以上でもそれ以下でもありません。ぶっちゃけて言うと、さっぱり面白くありませんでした、これ。とにかくお話のテンポが恐ろしく悪く、途中までの中だるみ感が半端ない。こーゆーエンタメ全振りのホラー映画は、もっとサクサク展開して怖がらせポイントもどんどんぶっこんで別に3日後にはきれいさっぱり忘れてしまってもいいから90分ひたすらワーキャーお客さんを楽しませないとアカンでしょ。ようやくプールの中から肝心のモンスターが現れるのも映画が半分も過ぎてからとか、さすがに遅すぎですわ~~。主人公家族も誰一人魅力的なキャラクターもいなかったし、最後までさして怖くもないし、ラストはただただ胸糞悪いし、自分はまったく楽しめませんでした。4点!
[DVD(字幕)] 4点(2025-06-17 05:51:01)
9.  ブルー きみは大丈夫 《ネタバレ》 
彼らの名は、IF。かつて想像力豊かな子供たちによって生み出された、自分にしか見えない友達たちだ。姿形もみんなバラバラ、性格だって個性豊か、そして各々が持つ特殊能力も火を吐いたり空を飛んだりスパイ活動が得意だったりと誰もがみなオンリーワン。でも、彼らが存在出来るのは子供たちが彼らを必要としている間だけ。みんな大人になると自らが生み出したはずのそんな存在を忘れてしまう。そして、子供たちが彼らの存在を完全に忘れるとIFはこの世から消滅してしまう運命にある。そう、彼らは子供たちが生み出した「イマジナリーフレンド(IF)」なのだ――。母親を病で亡くし心を閉ざしてしまった12歳の少女ビー。だが今回、父にも新たな病が見つかり、入院して手術することに。ビーは父の手術が終わるまで、お祖母ちゃんのマンションで暮らすことになる。優しいお祖母ちゃんとともに毎日、父が入院する病院へとお見舞いに通うビー。不安で押しつぶされそうになっていたそんなある日、彼女はマンションの上階で、モフモフもさもさのモンスター、ブルーと出会うのだった。驚きつつもすぐに仲良くなってゆくビーとブルー。新たな友達が見つからなければ消滅してしまうというブルーのために、ビーはIFの世話人のような存在のカルとともに街を奔走し始める……。まぁ完全に子供向けの内容なのですが、IFたちのCGがけっこうハイクオリティだったし主人公の女の子も魅力的だったしでぼちぼち楽しめました。なにより声優陣が超豪華!!マッド・デイモンやらエミリー・ブラントやらジョージ・クルーニーやらブラッド・ピットやら、ハリウッドのビックネームがてんこ盛り!!とは言え、英語が得意じゃない自分としては誰が誰だか分かんなかったんですけどね(笑)。んで肝心の内容の方なのですが、これが超ベタベタで最後まで1ミリたりとも驚きと言うものがない超超薄味作品でございました。まず肝心のIFたち。これが『モンスターズインク』や『トイストーリー』と言ったピクサー作品に出てきたキャラクターにだいぶ影響を受けてるというか、もはやほぼパクリなんじゃないかってくらい既視感満載。メインキャラのブルーなんて完全にモンスターズインクのアイツじゃん…。お話の方もいたってフツー。ばかりか難病&親子ネタで無理やり泣かせようとする感じが若干ハナにつく感じも。ま、それでも画がキレイだったので暇潰しで観る分には良いんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2025-06-08 13:01:48)
10.  パスト ライブス/再会 《ネタバレ》 
午前4時のニューヨーク。ここは朝までやっている静かなバー。アジア系の中年男性がカウンターで酒を飲んでいる。隣には同年代のアジア系女性。そしてその隣には浮かない顔の白人男性。3人の間には何処か他人行儀な空気が漂っている。会話もそんなに弾んでいない。どうやら仲の良い友人同士と言うわけではなさそうだ。彼らはどうして今夜、ここで酒を酌み交わすことになったのか――。24年前、韓国のソウルの下町で暮らす少女ナヨンと少年ヘソンは、幼い頃からの幼馴染。家が近所だったこともあり、学校の帰り道はいつも一緒。いつしか2人はこれまでとは違う感情でお互いを意識するようになっていた。だが、ある日、ナヨンの両親がカナダに移住することになり、2人は離れ離れとなってしまうのだった――。12年後、今はノラと名を変え、ニューヨークで暮らしているナヨンは作家を目指して下積み生活を続けていた。彼女はふとした思い付きでSNSでヘソンの名を検索してみる。すると、自分のことをずっと捜していた彼のことを知るのだった。懐かしさから友達申請を送るノラ。そこからネットを介して繋がってゆく2人。頻繁にやり取りを重ね、やがて子供の頃の特別な感情を甦らせてゆくノラとヘソン。だが、ソウルとニューヨーク、そして12年の月日はあまりに遠く、2人の想いは徐々に擦れ違ってゆく……。アカデミー作品賞ノミネートと世間の評判がすこぶる良かったので今回鑑賞。確かに評価される作品であることは分かるし、こんなに淡々としたシンプルな物語にも関わらず最後まで人を惹き付ける魅力に溢れた作品であることも認めるのですが、自分は正直、まったく好きになれませんでした。なぜなら、この主要登場人物3人にいっさい好感を抱けなかったから。むしろ3人ともみんな嫌いと言っていいかも知れません。まず主人公である女性ノラ。旦那もいて安定した生活を送ってるのに、昔の初恋の相手がニューヨークに来るからってわざわざ2人で会いにいくなよ!しかも旦那も交えて飲みに行くとか無神経にも程がある!自分が旦那だったら、「もー充分やろ!」ってキレて連れ帰るわ。んで幼馴染の男ヘソン。今の彼女にフラれたからって、わざわざ昔好きだった既婚の女に会いに行くなよ!しかも13時間も飛行機に揺られて。まかり間違ったらストーカーですよ、これ。しかも旦那には分からん韓国語で会話して、こそこそ口説くとかけっこうサイテー。んで今の旦那アーサー。そんな無神経な嫁と男に素直に振り回されてんじゃねー!つーか、家に来させて一緒に飯食う?俺だったら、「何、人の嫁に色目使ってくれてんねん!」ってキレて追い返してるわ(と言ってる自分はまだ独り身なんですけどね!笑)。と言うわけで、自分はこーゆー過去の恋愛をうじうじ引き摺ってる人たちのお話が大嫌いだと再認識させてもらいました。終始落ち着いた大人の雰囲気などは良いと思うんですけどね。※後半、思わず感情的になってしまったことをお詫びいたします。
[DVD(字幕)] 5点(2025-06-04 10:21:25)
11.  アイアンクロー 《ネタバレ》 
80年代に活躍した伝説的なプロレスファミリー。その名も、フォン・エリック一家。父は、相手の頭をその万力のような剛腕で締め上げる〝アイアンクロー(鉄の爪)〟と言う必殺技で一世を風靡したプロレスラー、フリッツ・フォン・エリック。そんな父から厳しい英才教育を受けて育てられたのはケビン、デビッド、ケリー、マイクの4兄妹だ。しばらく地方でドサ回りを続けていた兄弟だったが、世界ヘビー級王座への挑戦権を手にするとそこから華々しく活躍してゆくことに。だが、予想だにしなかった悲劇が兄弟たちを襲うのだった――。三男のデビッドが過剰なプロテイン接種により日本での巡業中に急死。その意思を次いでチャンピオンとなった次男ケリーはその直後にバイク事故により片足を失ってまう。そして、オリンピック選手を目指していた末っ子のマイクもプロレス界に参戦すると試合中の事故により昏睡状態に陥ってしまう……。いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになったそんなプロレスラー家族の悲劇的な運命を描いたヒューマン・ドラマ。これが実話と言うこともあり、全編を覆うこの重苦しい雰囲気はなかなか見応えがあった。周りから見れば、あくまで仲の良い成功した家族のように見えるがその内幕は、それぞれの思いがぶつかりあうどろどろの愛憎劇。父親はいつも家族のことを第一に考えているように見えて実は自分の成功のことしか興味がないモラハラ親父、母親もそんな横柄な夫に従順につき従うしかない典型的な昔の女。機能不全を起こしたそんな家族の中で徐々におかしくなってゆく兄弟たちの運命をただじっと見守るしかなかった長男の目線で物語は進んでゆく。彼らがそれぞれ迎える悲劇はあまりに理不尽。華々しいプロレス業界で、重圧に押しつぶされたりトラブルに巻き込まれ、最後はみな悲惨極まりない最期を迎えてしまう。最後、長男以外の子供を全て亡くしもはや壊れてしまった母親の姿など見ていられない。これをただ理不尽な悲劇として終わらせていいのだろうか――。やはりここまでの悲劇を招いてしまったのは、父親の存在が大きいと思う。息子たちに幼いうちからひたすら過酷なトレーニングを強要し、プロレスラーとなってチャンピオンになることを強制、無理がたたって壊れそうになってもろくに相談を聴こうともしない。ここまで来ると毒親を通り越してもはやサイコパスなのではないかとすら思えてくる。家庭と言う外からは見えにくい密室で徐々に壊れてゆく子供たちをどうすれば救えたのだろうかと考えざるを得ない。ただ、本作の惜しい点は、そんな父親の狂気性への踏み込みが甘いところだ。子供たちをここまで妄信させる、狂気にも似た父親の執念にもっと切り込むべきだった。そうすればより心に残る物語となっていたであろうに。後で調べたところによると本作では描かれなかった、同じく自殺したもう一人の末っ子クリスの存在があったことを知った。彼の存在をばっさりカットしてしまったのも何か釈然としないものが残る。
[DVD(字幕)] 6点(2025-06-04 09:38:37)
12.  プリシラ(2023) 《ネタバレ》 
もはや伝説と化した世界的ロックスター、エルヴィス・プレスリー。14歳にして彼に見初められ、のちに妻となるプリシラの自伝をガールズムービーの巨匠ソフィア・コッポラが映画化!彼女の長年のファンとしては、期待に胸を高鳴らせながらこの度鑑賞。いやー、この人のキュート&ポップな世界観は相変わらず健在ですね。60年代アメリカという時代背景を存分に使った、カワイイの波状攻撃に自分はかなりやられてしまいました。原色を多用したカラフルなドレスに盛りに盛った巻き髪、もはや目の上で一周しそうになってるつけまつ毛、家の中に置かれた家電や家具もみなレトロでノスタルジックなデザインのものばかり、主人公を演じたケイリー・スピーニーのロリポップな魅力も相俟ってもはや自分はこの世界にノックアウト寸前!ソフィア・コッポラのマジカルなセンスはいまだ衰え知らずですなぁ。まぁ中身のなさも相変わらずでしたけど(笑)。こーゆー画を撮りたいという思いが先行するあまり、肝心の夫婦の描写は表面をなぞってるだけで彼らの秘められた真実に迫ってるとは到底言い難い。最後の尻切れトンボ感も酷い。とは言え、自分はこの人のセンスとは昔から相性が良く、このポップな世界観には充分浸れましたので満足度は高め。強引に政治的主張をブッ込んでくるどこぞのフェミニズムな女性監督よりよっぽどいい。世界的大スターの彼女になって自分も周りからチヤホヤされたい!何不自由ない完璧な家庭で大好きな人から一番大事にされたい!でもそんな羨ましい他力本願な女は最後にとことんしっぺ返しを喰らってほしい!と言う、世の多くの女性たちが夢見る世界をセンスあふれる映像で綴った、なかなかの佳品でございました。以下余談。最後の方に登場する長女のリサちゃん。まだ3歳くらいの小さな女の子でしたが、この子がのちにマイケル・ジャクソンやニコラス・ケイジの元嫁になるのかと思うと感慨深いものがありました。まぁ映画では子役が演じてるだけなんですけどね(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-30 09:05:10)
13.  探偵マーロウ 《ネタバレ》 
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」の名台詞で有名なハードボイルド名探偵の代名詞、フィリップ・マーロウ。今回彼が挑むのは、1939年のハリウッドを舞台に悪徳プロデューサーや麻薬ブローカーが蠢く闇のビジネス。果たして彼は無事に事件を解決できるのか?レイモンド・チャンドラーが創造した名探偵マーロウが現代に復活。と思ったら、正確にはチャンドラーの死後に別の作家が書きついだ続編が原作だそうです。今回マーロウを演じるのは、あの中年の域に達して突如アクション俳優として覚醒してしまったリーアム・ニーソンさん。自分、フィリップ・マーロウの映画はどれも未見でかろうじて昔、原作小説を1、2冊読んだ程度。そんな自分がいうのもなんですが、今回のニーソンさんのキャスティングはなかなか嵌まってたんじゃないでしょうか。常に冷静沈着、クールなようでいながら悪や不正は絶対に許さず、悪党には容赦がないが半面女性には優しい。そんなまさにハードボイルドを地でゆく渋い男をいい感じに演じております。途中でバディを組む黒人ドライバーとの飄々とした掛け合いも見ていて楽しい。とは言え、お話としてはいたってフツー。遥か昔の小説を映画化しただけあって、良くも悪くもオーソドックス過ぎるんですよね~~。訳アリ女優から死んだはずの男を探してくれと言う依頼を受けたら、実は男が生きていてバックには裏社会の大物とハリウッドの成金たちが絡んでいたというお話。事前に予想した通りのお話を微塵も裏切ることなく最後までそこそこのクオリティで終わってゆきました。欲を言えば、もう少し現代的な視点や見せ方が欲しかったところかな。でもまぁ70近いというのにリーアム・ニーソンさんは相変わらず渋くてかっこいいし、クラシカルな雰囲気も味があったし、暇つぶしで観る分にはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2025-05-28 08:14:20)
14.  バーナデット ママは行方不明 《ネタバレ》 
彼女の名は、バーナデット・フォックス。一流企業に勤める夫と年頃の一人娘とともに暮らす、何処にもいるような専業主婦だ。建築家だった過去の経験から自宅の改修に精を出し、娘のビーともまるで友達のようなフランクな関係、近々ビーの卒業旅行も兼ねて家族で南極に行くことも決定している。ただ、彼女には一つ大きな問題が――。それは極度に偏屈な性格で隣人や親戚たちはもちろん、何処に行ってもトラブルばかり引き起こす困った人だということ。ママ友たちとも些細な行き違いで喧嘩してばかり、ネットの怪しげな情報を信じて危険なクスリを手に入れようとしてみたり、とにかく周りは気が休まる暇もない。さらにはロシアの違法サイトにアクセスしていたせいでFBIから目をつけられていることも判明するのだった。「もう限界だ。君を精神科に強制入院させることにした」――。夫からのまさかのそんな宣告に何もかも嫌気がさしてしまったバーナデッドは、そのまま誰にも行き先を知らせず失踪してしまう。果たして彼女の人生に光は差すのか?監督は、僕とは昔からあまり相性のよくないリチャード・リンクレイター。なのであんまり観る気はなかったんですけど、主人公を演じたのが名女優ケイト・ブランシェットだったので今回鑑賞してみました。結果は……、やはり今回も見事に嵌まりませんでした。何が嫌かって、とにかくこの主人公!!終始悪態ばかりついて、何か嫌なことが起こると途端にヒステリーを起こして泣き喚き、悪いのは全部周りのせい、天才建築家ともてはやされた過去の栄光をいまだ引き摺って周りの人間を全員見下しているようなお人。そんなに人間が嫌いなら、もう山奥でも絶海の孤島でも何処でも一人でいきゃぁいいじゃん!!って言うね。精神的な問題があったとしても、自分はこーゆー人とは一生関わりたくない。もちろんそう思わせるのは、ケイト・ブランシェットさんがあまりにも巧いからなんでしょうけどね。また、この監督お得意の終始軽ーい演出も自分にはまったく合わず。物語の中盤、この主人公がたった一人、南極へと強行旅行へと行ってしまいそれを娘と旦那が追いかけるという展開になるのですが、それをなんか家族のほんわかエピソードみたいに纏めちゃうのってどーなんですか。いや、これやってること犯罪ですやん。自分は正直、そんな家族の問題に周りを巻き込むなよ!!てすんごくイライラしちゃいました。こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。メンヘラおばさんをリアルに演じたケイト・ブランシェットのさすがの貫禄に+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2025-04-12 11:01:04)
15.  ジグソウ:ソウ・レガシー 《ネタバレ》 
狙った人間を次々に拉致し、手を変え品を変えひたすら殺人ゲームを仕掛けて殺しまくる猟奇殺人鬼ジグソウを描いたソリッドシチュエーションスリラー『ソウ』。その容赦ない血みどろ描写で世界中に熱狂的ファンを持つこの人気シリーズが待望?の復活だそうで。とはいっても僕は、まだ無名だったころのジェームズ・ワンが世に出るきっかけとなった一作目こそ楽しめたものの、その後はひたすらグログロ映像を見せたいだけの同じような内容に3くらいでもういいやとなって全く追っかけてませんでした。ところが今回、前作で一応完結したシリーズが新章突入ということと、最近エンタメホラーの分野でめきめきと頭角を表しているスピエリッグ兄弟が監督と言うことで鑑賞。結果は……、まぁ正直普通の出来でしたね、これ。切れ味鋭いスタイリッシュな描写やサクサク進むテンポの良いストーリーなどはぼちぼち面白かったものの、やってることはほとんどおんなじ。薄汚い廃農場に集められた人たちが生き残るためのデスゲームに無理やり参加させられて、各ゲームごとに一人また一人と脱落してゆくだけ。その死に方がノコギリカッターで切り刻まれたり毒薬注射を打たれたり頭上から様々な刃物を落とされたりとバラエティに富んでたのは大変刺激的で、そこは良かったかな。特に最後の顔面崩壊はナイスグログロ!とはいえそれだけの内容なので、1週間もすれば完全に記憶から消え去りそうな映画なのは間違いない。そーゆー映画だと割り切って観ればボチボチ楽しめるんじゃないでしょーか。
[DVD(字幕)] 6点(2025-04-06 09:44:39)
16.  マッドマックス:フュリオサ 《ネタバレ》 
あのフュリオサが帰ってきた!!行って帰ってくるだけというシンプルイズベストに程があるほどシンプルな内容なのに、その最後まで衰えぬ謎のテンションの高さや完全にとち狂った世界観、そして一周回ってジェンダー問題を扱ったもしかしたら深い内容なのかもとも思わせるストーリーで観るものを圧倒したあの『マッドマックス/怒りのデスロード』。その中に登場した、もはや主人公マックスを完全に喰っていた片腕の女運転手フュリオサをフューチャーした、待望の続編と言うかスピンオフというか前日譚。もちろん期待値マッドマックスで今回鑑賞。うーん、期待値が高すぎたのか、ちょっと自分は前作ほどには嵌まれなかったかな、これ。確かに、相変わらずド迫力なカーチェイスシーンは見応え充分だし、イモータン・ジョ―軍団のイカレっぷりもサイコーだったんですけど、なんか全体的に大人しめと言うかもっとイキ切った世界観を期待してた自分としてはちょっと消化不良。やぱ、マッドマックスと言えばあのなんの意味があるのか皆目分からない、謎の吊り下げギタリストだと思うので今回あの人たちが見られなかったのも残念。あと、話がややこしー!いや、普通の映画と比べたらこれでもシンプルなんですけど、それでもマッドマックスならストーリーはもっとシンプルで良かったかも。んで、これは前日譚の宿命でもあるんですけど、ストーリーがある程度分かっちゃうのも残念。あのフュリオサが右腕を失うエピソードも、きっと故郷の地をタトゥーで彫られてるのでそれを敵から隠すために自ら右手を潰すんだろうなと思ったら、まさかの逃げ出すためだけかーい!と、いろいろ言いましたがそれでもこの圧倒的な熱量が画面の隅々まで横溢する謎のテンションの高さはやぱ見応え充分!シャーリーズ・セロンに負けず劣らず存在感を発揮したアニヤ・テイラー=ジョイもカッコ良かったしね!次作に期待を込めて、7点!!
[DVD(字幕)] 7点(2025-03-25 12:02:16)
17.  コヴェナント 約束の救出 《ネタバレ》 
対テロ戦争真っ只中のアフガニスタンを舞台に、自分を助けてくれたアフガン人通訳を決死の思いで救い出そうともがくアメリカ軍将校を描いたヒューマンドラマ。監督は、これまで軽いノリのエンタメ映画を量産してきたガイ・リッチー。彼の長いキャリアで恐らく初めてだろう、けっこう重ためのテーマに挑んだ作品ということで今回鑑賞。幾つもの大ヒット映画を手掛けてきただけあって、リアルな戦場描写やツボを押さえたアクションシーンは相変わらず迫力満点。敵がいたるところにうじゃうじゃいる戦地で、ひたすら逃避行を続ける主人公とその相棒通訳には素直にハラハラドキドキ。画的にちょっと地味なとこが難点ではあったけれどそこは充分楽しめました。ただ、中盤、ジェイク・ギレンホール演じる主人公が一人助け出されるも相棒の通訳は現地にほったらかし、何とか帰ってきたアメリカの自宅で彼が罪悪感に悶え苦しむシーンから徐々に冷めていく自分がいました。気持ちは分かるけれど、自宅を抵当に入れさらには愛する家族まで投げうって単身一人で現地に舞い戻るというのはさすがにやり過ぎじゃないですかね。せっかくここまでリアルに拘って作ってたのに、ここらへんから一気にランボーみたいなエンタメ映画のノリになっちゃってなんか違うなって思っちゃいました。最初は反対していた奥さんも知らん間にあっさり許しちゃってるし。別にそーゆーノリのエンタメ映画もありなんですけど、それなら前半の真面目なシーンとの繋がりが悪いし、あくまでリアルに徹するならアメリカでもっとやりようがあったと思うんですよね。例えば、動画配信でより多くのアメリカ国民に事実を知らせるだとか、署名活動を行うだとか、マスコミや有名政治家に働きかけるなどなど……。そーゆ―ことを一気にすっ飛ばして自ら現地に乗り込むって、あんたさすがに無謀すぎでっせ、てね。エンタメ映画ならもっとド迫力なアクションやテンポのいいストーリーで楽しませてほしかったし、ヒューマンドラマなら2人の関係性をもっと深掘りして見せてほしかった。全体的に、なんとも中途半端な印象でございました。
[DVD(字幕)] 6点(2025-03-25 11:06:31)
18.  アバウト・ライフ 幸せの選択肢 《ネタバレ》 
仲の良かった友人たちが次々結婚し焦りが隠せない結婚適齢期の女の子ミシェル。彼女のことが普通に好きなのにいまいち結婚に踏み切れない優柔不断な彼氏アレン。些細なことから大げんかになってしまった2人は、もはや別れるかこの先永遠に一緒になるかの瀬戸際に追い込まれていた。事態を打開するためにミシェルとアレンは、お互いの親たちを招き食事会を開くことに。だが、彼らはまだ知らない。偶然の積み重ねによって2人の両親は互いの妻と夫とそれぞれ不倫関係にあることを――。何も知らないままミシェルの家に集った二組の家族は、そんな驚きの事実にただただ呆然とするばかり。果たして子供たちの結婚の行方は?リチャード・ギアをはじめ豪華キャストを揃えて描かれるのは、そんな2組の家族の恋と人生の行方を軽妙に描いたロマンティックコメディでした。正直、自分の苦手な分野の作品なのですが、もはやレジェンド級のそんな名優たちの豪華共演と言うことで今回鑑賞。結果は…、やぱ自分は観んでも良かったかな……。あたし(オレ)たち、いったい誰と一緒になったら幸せになれるの?という、どーでもいい人たちのどーでもいいお話がひたすら最後まで続いて自分はゲンナリ。お互いの妻や夫と不倫関係にある両親が一堂に会するというこの作品の肝となる設定も、それをどーゆーふうに説得力を持たせるんだろうと思ったら、たまたま映画館にいた人がそーだったとかたまたま口説いた女性がその人でしたというテキトーぶり。さすがにこれはあかんのちゃいまっか。普通に考えたらけっこうドロドロになりそうなお話なのに最後、みんな元さやに収まって楽しい結婚式を披くことができましたとさという取ってつけたようなハッピーエンドを迎えた日にゃ自分は全員に殺意さえ芽生えそうになったぞ(笑)。まぁベテラン4人の肩の力が抜けた飄々とした演技――真面目な不思議系おばさんダイアン・キートン、女癖の悪そうな無責任男前おじさんリチャード・ギア、自分の人生後悔してばかりの小心者おじさんウィリアム・H・メイシー、そして性格のひん曲がった性悪おばさんをのびのびと演じたスーザン・サランドンとどれも各々のキャラを活かしたもので、そこは楽しかったですけどね。要は、「この映画、まったく自分の好みではなかった」ということで。
[DVD(字幕)] 4点(2025-03-05 13:00:16)
19.  アクアマン/失われた王国 《ネタバレ》 
曲がったことが大嫌い、悪い奴は地の果てどころか海の底まで追い詰めるアトランティスの海のヒーロー、アクアマンが帰ってきた!!今回彼が戦うのは、何千年も昔に南極の奥深くに封印された失われた王国の悪の帝王。だが、そのためにはかつて自分が牢獄へとぶち込んだ弟の協力が必要だった。なんとか脱獄に成功させた弟とともに、アクアマンは海の底から火山島まで世界を股にかけて駆け巡るのだが……。稀代のエンターテイナー、ジェームズ・ワンが再びメガホンをとったということで、今回鑑賞。前作同様、驚異のビジュアルエフェクトは素晴らしかった!!様々な海の生き物たちが和気藹々と暮らす海底都市の映像を見てるだけで、僕はもうワクワクが止まらなかったんですけど。そこから一転、巨大なバッタの群れに追い掛けられる南の島のシーンもサイコーでした。脳みそ筋肉なアクアマンと常に冷静沈着な弟くんとの正反対なバディっぷりもなかなか楽しい。まぁ内容なんてほぼナシですけどね。あまりに荒唐無稽ですけど、これはこーゆー予定調和なお話とお金のかかった映像を楽しむためのものだと割り切って観れば全然大丈夫。さすがに何千年も海底に隠れてきたアトランティス人が最後、もういいやと姿を現し国連に加盟しますと宣言しちゃったときは、余りにバカバカし過ぎて思わず失笑しちゃいましたけど。あと、あのでっかいタコ君が大好きだった自分としては、彼の活躍をもう少し見たかったかな。結論。最後まで頭空っぽで観ていられる良質のエンタメ映画でした。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2025-02-28 10:27:05)
20.  ダム・マネー ウォール街を狙え! 《ネタバレ》 
新たに誕生した小さなウィルスが世界中で猛威を振るっていた2021年、株式市場でも史上類をみない大きな事件が起こっていた。それは「ゲームストップ株騒動」。世界中にロックダウンが宣告され多くの小売業が苦境に立たされる中、ゲームソフトの販売や買取を主な業務とするこの会社の株が市場の注目を集めていた。何故なら〝空売り〟を主な収益源とするウォール街の大手ヘッジファンドがこのもはや潰れかけの会社を新たなターゲットに選んだからだ。金融工学という高度な手法を駆使する彼らは、これまでこの先確実に値下がりするだろう株に目をつけては莫大な利益を上げていた。株が値下がりすればするほど利益が増すという彼らの巧妙な手口は、まさにハゲタカ・ファンドと呼ぶにふさわしい汚いものだった。「俺たちの思い出が今、ウォール街の金持ちたちに食い物にされている!」――。ネット上でいち早くそう告発する投資系ユーチューバー、キティ。彼の呼びかけに賛同した、かつてゲームストップに足しげく通っていたいわゆるオタクたちは、ゲームストップの株価を少しでも上げようと皆で買い始めるのだった。すると、かつて投資ファンドのせいで人生をめちゃくちゃにされた人々や富裕層の横暴に我慢ならない一般庶民も賛同。確実に値下がりすると思われていたゲームストップ株は徐々に上昇しはじめる。当初は〝ダム・マネー(愚かな投資)〟だと高を括っていた投資ファンドも徐々に焦りの色を見せ始め…。果たして勝負の行方は?実話を基に、莫大な資金力を有する大手ヘッジファンドと彼らに草の根運動で抵抗した一般投資家たちのバトルをコミカルに描いた経済ドラマ。恥ずかしながらこのゲームストップ株騒動というものを今回初めて知ったのだが、こんなまるで漫画のような出来事が数年前に起こっていたなんてなかなかに衝撃的だった。金こそが全て、庶民の生活などなんとも思っていないまさにハゲタカのような大手ヘッジファンドに無謀な戦いを挑み、何度も挫けそうになりながらも最後はみんなで力を合わせて……なんてまさに王道少年漫画の経済版のようではないか。いやはや、なんという痛快なお話なのだろう。リーマンショック以来、強欲の名をほしいままにしてきたウォール街の富裕層にずっと我慢がならなかった自分としては、まさに溜飲が下がる思いだ。ただ、1本の映画としてみれば、そこまでカタルシスを得られなかったのが残念。事実を描くことに拘り過ぎたのか、もう少しフィクションとして面白く見せる工夫をしてほしかった。潰れかけのゲームショップを救うオタクたちという魅力的な題材をもう少しフューチャーすべきだったのでは。とても興味深い内容だっただけに、惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2025-02-26 11:02:45)
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