1. 愛欲の港
《ネタバレ》 両親が喧嘩ばかりだと子どもは精神不安定になる。 子どものその後の人生にも影を落とす。 そこから立ち直るのは容易なことではない。 両親が仲良くすること、最低でも子どもの前では喧嘩はしないこと。 この映画を見ていると、それがとても大事だと分かる。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-06-02 22:22:41)《更新》 |
2. 歓喜に向かって
《ネタバレ》 見ていて家族がいる有り難みを感じることはできるが、妻を不慮の事故で失うなど想像もしたくない。 夫婦喧嘩のリアルな居心地の悪さは、さすがはイングマール・ベルイマン。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-06-01 20:56:01)《更新》 |
3. 波高き日
《ネタバレ》 妙に美しいサイレント映画で、他に類を見ない。 戦争で家族を失った悲しき男の物語。 戦時に妻と子どもを失ったが、それからかなり月日が過ぎて、憎き相手に海上でめぐり合った。 その相手は、自分と妻や子どもを離れ離れにする原因を作った憎き相手だった。 その相手とその家族は海上で遭難しており、男のやり方次第では復讐できたが、相手の子どもの可愛さに自分の家族を思い出し、復讐せずに憎き相手とその家族を遭難から救った。 という美しい話なのだけれど、自分がその立場に立ったら因縁の相手の家族を皆殺しにするかもしれない。 しかし、実際に相手の可愛い子どもを目にしたら見殺しにできるだろうか? それは実際に経験しないと分からない事だろう。 なかなか深い話である。 そして哀しい孤独な男の話でもある。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-01-06 08:44:18) |
4. メランコリア
《ネタバレ》 とても楽しめた。 この世の終わりに際し、日頃のリア充は大パニック、逆に世を憂うキルスティン・ダンストは至極冷静。 この対比と皮肉が面白い。 日頃は不調でも、いざという時は強いんだ。 そう、人生は何事もトレードオフの関係にある。 今ある自分を何ら嘆くことはない。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-10-08 20:04:40) |
5. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
《ネタバレ》 いかにもアメリカって趣きの廃れた地方都市を巡る内容で、ロードムービーとして純粋に面白い。 最高なのはストーリーを変にひねったりこねくりまわしたりせず、ストレートに表現しているので、疲れている時でもリラックスして楽しめるところ。 音楽も自然と耳に入ってくる。 肩の凝らない身軽な演出こそ、アキ・カウリスマキの魅力。 それをふんだんに味わえる。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-09-29 11:53:08) |
6. 道化師の夜
《ネタバレ》 屈辱的なことや嫌なことがあっても生きていかなければならない。 この世は上手くいかないことも多いし生きてるのが嫌になることも多いが、それでもなお人生は続いていく。 大変な人生だけど、決して自死などは選ばず、タフに生きていけ。 イングマール・ベルイマンからのそんなメッセージを感じる作品。 言ってみれば本作は人生の応援歌そのものだ。 ハリエット・アンデルセンの弾ける健康美がモノクロの映像世界で躍動していた。 目に焼きついて離れない。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-09-06 13:41:47) |
7. デッド・ドント・ダイ
《ネタバレ》 ゾンビ映画だけど、どこかお気楽なムードが漂う。 日本刀の女が宇宙に去って行ったのは何を意味するのか。 よく分からないし、分かりたいという気持ちさえ湧いてこない。 リアリティのない映画だと最初から割り切って見るしか、楽しむ方法はない気がする。 [インターネット(字幕)] 3点(2024-08-12 23:53:50) |
8. ぼくのエリ 200歳の少女
《ネタバレ》 随所に散りばめられている怖いシーンが適度に刺激的。 少年とヴァンパイアの少女との究極の友情。 それは恋愛とかを超越した生き物同士の強い結合意識だ。 時にはおぞましい少女に対し、偏見を持たずにそのまま受け入れた少年。 おそらく心が綺麗なんだろうと思う。 非常にピュアな物語。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-06-06 23:10:09) |
9. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 あらゆることに万能な天才女性ハッカーも、好きな男の心はハッキングできなかったか… 変態デブオヤジにイタズラされるシーンが最大のインパクトだった、恥ずかしながら。 細かい謎解き部分はほとんど理解できず、これも恥ずかしながら。 ただし、長い上映時間の割に長く感じず見られたのは、音楽と映像センスの良さ、展開のスピーディーさ、そして見せ方の巧さのせいか。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-26 19:27:33) |
10. 幸せなひとりぼっち
《ネタバレ》 こういう悪態ばっかついているクレームじじいは大嫌いだ。 そんなクソジジイの過去を見せつけられても白けるばかりだ。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-06-09 22:27:32) |
11. 仮面/ペルソナ
《ネタバレ》 イングマール・ベルイマンの代表作の一つ。 分かりやすいようで分かりにくい、面白いようで面白くない、何とも言えない鑑賞後感。 一度観ただけでは、その魅力を理解できそうもないが、もう一度観たいかと聞かれれば、答えはノー。 深層心理を描き、人間同士の心のぶつかり合い、心理的葛藤を描いていると思われるが、いまいち心に響かない。 いかんせん、全体的に暗すぎる。 『処女の泉』の様に、一瞬でも心奪われる美しさがあれば良いが、この作品にはそれが無い。 言ってみれば、救いようの無い世界。 映像的な独創性、音楽の効果的な使い方等、芸術的観点からみれば傑出した点も数多く見受けられるが、何度も観たい映画かどうかという観点において、私の中では高い評価を出しにくいのが正直なところ。 別に映画に対して娯楽性を求めてはいない。 ただ不快感を残す映画というものに、価値を見いだせない。 ベルイマンはこの映画に相当な力をこめたと感じる。 だが、観る者を意識して作ったかどうかという点において、疑問が残る。 芸術とは、利己的な自己表現のたまものなのかもしれないが、少なくとも私は、観る者を意識した映画を評価したい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-05 01:13:52) |
12. ニックス・ムービー/水上の稲妻
《ネタバレ》 決して心地良い映画ではない。 死に直面する人間を、直視する内容。 目をそむけたくなる様な気分になる。 だがこれが現実。 人間が病でもって死にゆく様は、有名人であろうが、無名の人間だろうが、およそこんな感じだろう。 ただ、それを捉えて何になるんだろうか? ヴィム・ヴェンダース自身も、それを自問自答したに違いない。 ヴィム・ヴェンダース自身が迷いながら撮っているから、観ているこちらも困惑せざるを得ない。 確固たる信念を持って、ニコラス・レイをカメラに収めたなら、それを観ている人間(観させられている人間?)も、もっと覚悟をもってこの作品を観られただろうに相違ない。 でも、そのヴィム・ヴェンダースの素直さに、人間らしさを感じる。 [ビデオ(字幕)] 5点(2014-07-07 01:23:27) |
13. 霊魂の不滅
《ネタバレ》 サイレントの中で比較すると、『鉄路の白薔薇』に勝るとも劣らないダイナミックな作品だった。 数章仕立てになっていて、そこが案外分かりにくかったりするわけだが、最終的に話が収束していく感じは、作品としてのスケールを感じさせる作りになっている。 まあしかし、時代が時代だけに、かなり都合が良い展開のストーリー。 そこに難あり。 あそこまでの悪人が、ああなるかねぇ・・・ その妻も即、夫を許してしまうかねぇ・・・ 難ありだが、サイレント特有の魅力があり、画質も綺麗なところは特筆ものだ。 鑑賞後、帰宅してネット調べて知ったのだが、この作品の監督であるヴィクトル・シェストレムって、イングマール・ベルイマンの名作『野いちご』の主人公イサクを演じた爺さんだったとは・・・ その事実を知った時、時の流れもダイナミックに感じた瞬間だった。 [映画館(字幕)] 6点(2013-07-03 21:41:52) |
14. サラバンド
スウェーデンの巨匠監督、イングマール・ベルイマンの遺作。 過去にベルイマン作品を25本観てきて、この遺作にようやく辿り着いた。 やっぱり遺作は、その監督の作品を沢山観てから観た方が、より理解も深まるし、感慨も深くなる。 本作はベルイマンの遺作に相応しい深い内容と出来栄えで、観た後は半ば放心状態になった。 人間同士の愛憎劇を、ここまで徹底的に描かれると、もうあっぱれと言うしかない。 元夫婦の30年の軌跡を辿り、男女とは何か、夫婦とは何かを観る者に問いかける。 そして、憎しみ合う父と子を描き、人間の憎悪の恐ろしさと醜さを容赦なく表現する。 更には、父子家庭における父親の娘に対する偏愛をも描き、どうにもしようのない悲劇を演出する。 これらの人間関係がてんこ盛りの2時間で、その密度は非常に高い。 ベルイマンは、『ファニーとアレクサンデル』で自身のキャリアの集大成としたはずなのに、高齢になってまだこんな力作を創り出す力が残っていたとは驚きだ。 ベルイマンの若かりし頃の作品のような、幻想性・創造性などの要素はさすがに感じられないが、老齢になり、人生経験を豊富に積んだ晩年にこそ生まれた奇跡の作品と言えよう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-02 00:03:33) |
15. 叫びとささやき
醜い三姉妹の精神不安定な閉塞感のある物語。 他人に冷たい女と何事もうわべだけの女、精神分裂の女。 ただ大きいだけの冷たい屋敷の中で、こうした三姉妹が織り成す愛憎劇は、観ていて何ら楽しい要素はなく、気が滅入るばかりだ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-14 23:58:53) |
16. リリア 4-ever
身に覚えがある男ほど、後味が悪いであろう映画。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-15 00:17:16) |
17. 恥
映像だけはとにかく美しいが、それだけ。 なんか、夫婦劇の様な戦争モノの様な、良くわかんない内容。 マックス・フォン・シドーは、あれだけのタッパとガタイで、あの弱いキャラは不自然すぎる。 あの太い声で泣き言いわれてもなぁ・・・ [DVD(字幕)] 5点(2009-01-10 21:28:08) |
18. 狼の時刻
後年のベルイマン作品ばかり最近は観ていたので、この辺りの脂ののりきったベルイマン作品は、久しぶりに観た気がする。 というのも、とにかく映像が綺麗なのだ。 そして幻想的。 まさにベルイマンの真骨頂が発揮されている作品だ。 しかし、色んな物を詰め込みすぎの感が否めない。 単純な夢想物語として、神秘的な色を最初から最後まで通してくれたら、もっと凄い作品になっていたかもしれない、、と思わせる内容だった。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-02 18:47:48) |
19. 愛のレッスン
どうも軽すぎるし、ベルイマンの魅力が出ているとは言い難い。 そして、私はどうやら、ベルイマンには寓話めいた話を期待しているようだ。 『処女の泉』や『第七の封印』のような・・・ [ビデオ(字幕)] 4点(2008-12-24 23:05:12) |
20. 夏の夜は三たび微笑む
普通の喜劇ドラマだからして、ベルイマンの作風からすれば異色作と言えるのではなかろうか。 ベルイマンはもっと重厚な人間ドラマを得意とする監督なので、どうも本作のような作品の作り手としては不向きな気がする。 ベルイマン作品を観るならば、本作の様な軽い作品を観るより、ひたすら暗い人間ドラマを観ている方がマシかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 3点(2008-12-17 00:40:38) |