21. ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実
《ネタバレ》 まあ、「平和の祭典」を見事に血で汚したテロリストたちには、理由がなんであれ怒りを感じますね。また、悲劇の舞台となったのが、ホロコーストの当事者であるドイツで、テロ対応も失敗してしまうのが何だかなあ・・・・という感じでしたね。このような悲劇があっても五輪が続けられたことにも驚きました。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-22 23:09:23) |
22. サラエボ,希望の街角
《ネタバレ》 ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦が遺していった複雑な社会状況が映し出されていて非常に興味深い作品でした。また、宗教というものは世のあらゆる問題に対し明快に回答を示してくれるが故に心の安らぎを与えてくれると同時に異なる回答への強烈な拒絶反応も作り出してしまう恐ろしい側面も持っていることをこの作品は教えてくれます。 まあ、戦争の傷跡の深さを考えると、宗教の安らぎに逃避してしまうことを全面的に否定はできませんけれど・・・・。ただ、女性にとっては完全に男尊女卑な世界を拒絶するのはやむを得ないでしょうね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-08-24 00:41:00) |
23. ヘヴン
《ネタバレ》 「そこに愛があれば、それで良いのか?」というのが観終わった直後の正直な感想でしたね。復讐のために、何の関わりの無い人たちに、この世の地獄を味あわせておきながら、愛にすがりながら罪を償おうとする心理がどうしても受け入れ難かったです。何せ、夫の復讐を果たした後で他の男を愛するようになるわけですから。 まあ、逆に言えば、このような終末的な状況にありながら愛情に包まれる事こそこの世の天国なのかもしれませんね。 後半出てくるイタリアの田園風景は非常に美しかったです。 [地上波(字幕)] 6点(2011-08-06 00:01:26) |
24. 4月の涙
《ネタバレ》 思想の違いで同じ民族が殺しあう内戦の恐ろしさ、悲しさが様々な人間関係を通して描かれています。生々しい描写が多く目を背けたくなるシーンも結構ありましたが、全体的にかなり緻密に作られていて芸術性とドラマ性が両立した見応えのある作品となっています。 フィンランドの美しい風景が、人間たちの争いの醜さを強調する役割を果たしていて非常に印象的でした。音楽の使い方も効果的でしたね。 [映画館(字幕)] 7点(2011-05-25 23:07:24) |
25. マンモス 世界最大のSNSを創った男
《ネタバレ》 家族愛の大切さだけでなく、この世界で現実に起こっている貧富の格差がもたらす問題も描いていて非常に興味深い作品でした。 なんと言うか経済的に富むことと人格的に富むこととは別物で、逆に経済的に富むことにより人間的に下劣になっていくケースもあることが非常に哀しいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 23:06:01) |
26. ビルマVJ 消された革命
《ネタバレ》 ミャンマーの混乱を映した映像は長井さんの件もあってニュース等でも良く観ていたのですが、やはりデモが徐々に盛り上がっていく躍動感とそれが武力で押さえつけられてしまった絶望感が緊迫したビデオ映像(隠し撮り)で強く伝わってきました。 本当に不思議なのはどうしてこのような事態が行っているのに、日本はミャンマーの軍事政権と友好関係を維持し続けているのかですね?何か利権が絡んでいるのか、それとも反政府活動側のプロパガンダ活動が世界的に目立っているだけで、実はミャンマーの現政権は極めて真っ当な国政運営を行っているからなのか(とてもそうだとは思えませんが・・・・)? [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 23:04:57) |
27. ソウル・キッチン
《ネタバレ》 本当にこのファティ・アキンという才能と同時代を生きている幸福を感じましたね。やはり同世代ということもあって、ツボというか感覚が合うんですかね。何というか、芸術性だけでなく、ところどころにB級テイストがちりばめられていて娯楽性も上手く共存しているんですよね。それと、この人は音楽の使い方が抜群に上手くて、今回の作品でも堪能させていただきました。一昔前のソウルカルチャー風のエンドロールも最高でした。 ストーリーやキャスティング、設定もしっかりと荒々しいながらもツボをそつなく押えており、楽しい時間を過ごすことができました。 [映画館(字幕)] 9点(2011-04-17 15:58:52) |
28. ブンミおじさんの森
《ネタバレ》 なんだか良くわからないけど、凄い映画であることはわかりました。なんと言うか、上映中ずっと自然の力に包まれるというか、胎内の中にいるような感覚(良く知りませんが)を味わえる作品でしたね。癒しや懐かしさのような不思議な感覚が心の奥底から呼び起こされるような感覚を味わえましたね。 ただ、非常に眠気を催させる映画でもありました。これで寝たら本当に気持ちいいだろうなと思いながらも我慢していましたが・・・・・・。 [映画館(字幕)] 5点(2011-04-17 15:55:17) |
29. ローゼンシュトラッセ
《ネタバレ》 ナチスのユダヤ人迫害をテーマにした映画は数多く作られ、私自身もかなりの本数を見ていますが、この作品は実際に起きた「ローゼンシュトラーセ事件」をベースにユダヤ人と異人種間結婚したドイツ人(アーリア人)の存在を描いていて非常に興味深かったです。 夫が国家の敵と認定され自らにも身の危険が及ぶ可能性があるにも関わらず、夫を取り戻すために体を張って行動する妻たちの姿には感銘を受けましたね(男は自分を守るため妻を捨ててしまう姿しか描かれてませんが・・・)。 構成も現代の若者が自分の母親の秘密をさぐるという形で非常にわかりやすく面白かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-26 22:33:58) |
30. 4分間のピアニスト
《ネタバレ》 ピアノという楽器の持つ魅力に満ち溢れた映画でしたね。重い過去を背負ったピアノ教師と女性囚人がピアノを通じて徐々に心を通わせていく様にとても惹き込まれました。 ラストの演奏は本当に鬼気迫るものであり、そしてとにかく格好良く素晴らしいものでした。 [地上波(字幕)] 8点(2010-11-23 23:40:30) |
31. アメリ
《ネタバレ》 この作品については、とやかく論じたりするよりも、ジャン・ピエール・ジュネ監督のセンスとオドレイ・トトゥをはじめとする役者陣の演技が織り成す幸福な世界にひたすら浸るのが良いでしょう。フワフワとしながらも、時折毒が混じってるのも中々いい感じでした。 [インターネット(字幕)] 8点(2010-09-02 00:15:54) |
32. クリスマス・キャロル(2001)
《ネタバレ》 シンプルではありますが、社会という共同体で生活している限り人間は一人で生きているのではなく、共同体を構成する他者との関わりあいの中で生かしてもらっているのだということを改めて教えてくれる物語だと思います。 自分の現在・過去・未来についていろいろと考えさせられますね。 ケイト・ウィンスレットの曲も良かったです。 [DVD(吹替)] 7点(2010-09-01 21:30:07)(良:1票) |
33. ボーン・アルティメイタム
《ネタバレ》 最初から最後まで途切れることのない緊張感と、ポール・グリーングラスの作り出す臨場感溢れるアクションシーンがお腹いっぱいになるぐらい堪能できる作品でした。ここまでくると、映画というよりはアトラクションですね。 本当にこのシリーズのアクションは映画館で体験すべき、素晴らしいクオリティです。 [地上波(吹替)] 8点(2010-02-11 16:17:37) |
34. スナイパー・バレー
《ネタバレ》 民族間の憎しみが続くコソボに赴いたドイツ軍兵士たちの苦悩、双方共にそれなりの大義名分を持っており、どちらにも過度の介入ができない任務を遂行する難しさが伝わってくる作品でした。 何百年もの時間をかけて培われた遺恨ですからそう簡単に解消なんてできはしないでしょう・・・しかし、終盤の展開はかすかに和解への希望を見せてくれます。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-30 02:08:24) |
35. 隠された記憶
《ネタバレ》 すべてが綿密に計算されており、全く以って隙が無い映像を我々に提供(というか挑発)してくれるハネケ監督には感服するしかありませんね。そして、誰しもが抱えている問題(秘密や嘘そして罪)をサスペンスという緊張感に満ちた形式をとりながら突いてくるその嫌らしさは、まるで悪夢を見ているかのようでした(でも面白いからついつい見てしまうんですよね)。 何というか、何回も見返して、その緻密さを確認したくなるような映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-12-28 23:40:58) |
36. 遥かなるクルディスタン
《ネタバレ》 正直、ストーリーは粗さが目立ち、映画としてはそれ程良い出来だとは思わないのですが、節々に映し出されるトルコにおけるクルド人の置かれている状況の厳しさは非常に衝撃的でした。 ナチスがユダヤ人の住居・店舗の目印として「ダビデの星」を落書きしたように、クルド人の住居のドアに赤い×の印がつけられるシーンには本当に背筋が凍るような気分にさせられました。 なんともやるせない気分しか残らない作品でしたが、このような事実を映画にして世界に発信したイェシム・ウスタオウル監督の勇気には拍手を贈りたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-23 21:07:10) |
37. アウシュビッツ行 最終列車 ヒトラー第三帝国ホロコースト
《ネタバレ》 アウシュビッツへ送られる列車の中の悲惨な様子をひたすら描いている作品です。豊かな生活をしていたユダヤ人たちが突然地獄のような世界へ送り込まれる様が完全なるフィクションでは無いことが恐ろしいですね。 権力や状況が免罪符さえ与えさえすれば、多くの人間は他の人間を平気で家畜扱いしたり殺せたりするのだとは思いたくないんですけどね・・・・・。まあ、平和ボケなのかもしれませんが。 まあ、出演者の演技も良く、悪い作品ではないのですが約2時間ひたすら悲惨な密室劇を見せられるとさすがに疲れますね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-22 21:09:40) |
38. パンドラの箱(2008)
《ネタバレ》 親子関係・兄弟関係そして介護問題という、トルコだけでなく我々にとっても他人事では無い普遍的なテーマを扱っているので見入ってしまいました。 しかし、この問題は難しいですね。ラストの一人で山に入っていくアルツハイマーの祖母をただ見つめるしか術のない孫の心境が非常に良くわかります。 緻密に計算された映像美と演出、そしておばあちゃん役の演技が素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 11:28:15) |
39. THE WAVE ウェイヴ
《ネタバレ》 ファシズムを推進していくことは非常に魅力的で楽しいことである・・・・・。非常に興味深いテーマを取り扱っているのであっという間に時間が過ぎていきました。 集団の中で一致団結すること自体は悪いことではなくむしろ良いことであると思うのですが、それを扇動し一つの方向を定めてそれ以外については排除してしまうことが問題なんですよね。特に、疎外された人間の劣等感を逆手にとって利用するような行為は絶対に許されるものではないと思います。 まあ、人間の心なんて本当に弱いものですからこういう映画をどんどん製作してもらって、絶えず警鐘を鳴らしていってもらいたいものです。 [映画館(字幕)] 9点(2009-10-15 09:08:39) |
40. ミーシャ/ホロコーストと白い狼
《ネタバレ》 マチルド・ゴファールの熱演が光っています。ストーリーはやや現実離れしているように感じましたが、過酷な旅路の描写は中々生々しかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2009-10-05 00:02:11) |