61. ベルンの奇蹟
《ネタバレ》 サッカーそしてスポーツの素晴らしさを味わえる作品でした。第二次世界大戦の敗戦で大きな痛手を受けたドイツのある家族の葛藤の描き方がやや重いのですが、それ故に後半のファンタジー的展開が非常に効いてきました。 代表監督のゼップ・ヘルベルガーの言葉が非常に含蓄があって良かったですね(オシム監督を思い出してしまいました)。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-22 15:56:37) |
62. サラエボの花
《ネタバレ》 戦争という愚かな行為が、(兵士だけではなく)様々な人間の人生にいかに深い傷跡を残しているかを、サラエボのある母娘の姿を通じて描いた作品です。正直、あまりにテーマが重く衝撃的で、上手くコメントができません。サラが母から秘密を明かされる場面や父親に似ていると言われた髪の毛を剃り落とす場面などは余りにも痛々しく目を背けたくなるほどでした・・・・。ただ、ラストはかすかに希望を残して終わっています(サラが手を振るのを見た時のエスマの笑顔が非常に素晴らしく印象に残りました。)。 [映画館(字幕)] 8点(2007-12-16 17:21:00)(良:1票) |
63. ボーン・スプレマシー
《ネタバレ》 ポール・グリーングラスならではの、迫力のあるアクションを堪能させていただきました。終盤のカーアクションの臨場感は本当に凄かったです。DVDではなく映画館で体験したい作品ですね。 ストーリーとか細かいことは気にしない方が楽しめる作品です。まあ、「交通ルール無視しまくってるな」とか「もう終わった話なのに、自分の記憶を取り戻すためにどんだけの人を犠牲にするつもりだ」とか「マリーもジェイソンを車に乗っけてしまったがために・・・」とかいろいろ突っ込みながら見るのもありだとは思いますけど。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-04 12:40:09) |
64. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 パリの街を滅茶苦茶に走りまくるカーチェイスは迫力があって凄かったですね。周囲に迷惑かけまくってますし(まあウルトラマンが怪獣を投げて街を破壊するようなもんでしょうか)。 ストーリーも謎めいていて面白かったんですが、任務失敗の場面がちょっと、「えっ?それで」という感じだったのがちょっと残念。 しかし、フランカ・ポテンテ も身元や過去を調べられたり(あんな一瞬で人物データがわかるというのも怖いですね・・・)、命を狙われたり散々な目に会ってますね。まあ、上手い話には気をつけろということですかね。ちょっと、この作品の恋愛シーンは無理があるような気がしました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-11-21 18:21:15) |
65. 愛より強く
《ネタバレ》 何と破壊的でロックな作品なんでしょうか、なんつうかロックの歌詞を映像化したような感じでとても面白かったです。まあ、ストーリーとしてはオーソドックスな恋愛ドラマだと思いますが、その中で抑圧から解放された時に生じるハイテンションなパワーが上手く描写されていますね。主人公の2人も非常に魅力的でした。 ドイツのトルコ人社会の姿も垣間見ることができ興味深かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-18 14:05:44) |
66. 17歳のカルテ
精神病院を舞台にした、重くほろ苦い青春映画ですね。ウィノナ・ライダーとアンジェリーナ・ジョリーのコンビが本当に素晴らしいです。 また、60年代ポップスが非常に効果的に使われていて、サントラが欲しくなりました。今も頭の中を「The end of the world」が鳴り響いています。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 19:32:16) |
67. スターリングラード(2001)
《ネタバレ》 正直観る前はあまり期待していなかったんですが予想以上に面白い作品でした。 ヒトラーのナチスドイツとスターリンのソ連という2大独裁国家の戦いということで、とにかく戦闘シーンは非人間的で残酷な描写となっています。敵側のナチスはもちろんのこと、主人公達の側であるソ連についても退却したり逃亡したりする自軍の兵士を射殺しまくったり、上層部はスターリンの粛清に怯え、それを避けることを第一に考えているような連中ばかりですし・・・・・。ドイツ・ソ連のどちらが勝っても負けても地獄が待っているような極限状況の描写は非常に迫力がありました。 こういった、戦争の悲惨さを描くだけでなく、そこにアクション映画的な要素(敵役のドイツ軍のスナイパーを演じるエド・ハリスが本当にハマリ役で素晴らしいです)や人間ドラマが上手く噛み合っていて娯楽作品としても良く出来ています(ちょっと、日本の戦記物アニメの印象に近いかもしれません)。 ラストは、いわゆる「ハリウッド・エンディング」でちょっとイマイチでしたけど、お勧め作品ですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-10-16 17:54:49) |
68. ダスト
《ネタバレ》 神話や伝説というものがどのように作られていくのかを映像化した作品ですね。中々斬新で面白い視点で作られた映画だと思いました。 まあ、過去のシーンは昔話をしている者の脳内イメージを映像化したような感じなので、兵隊の人数が200人から20人へと急に減ったり、現代の音楽が流れたり、飛行機が飛んだりとまるで劇中劇のようになっています。 「ビフォア・ザ・レイン」といい、この作品といいミルチョ・マンチェフスキー監督の映像感覚は素晴らしいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-14 18:07:22) |
69. マーサの幸せレシピ
まさに「ハートフル」な一品でしたね。職人気質が強くお堅い感じのドイツ人と陽気なイメージのイタリア人の組み合わせの妙を堪能させていただきました。全く気質が違う男女という設定は恋愛物の王道ですし、家族や生き方の問題も絡めたストーリーも良く練れていて、とても面白かったです。 [DVD(吹替)] 8点(2007-09-22 20:16:20) |
70. ブラックブック
《ネタバレ》 第二次世界大戦終盤のオランダの状況を知ることができ、なおかつ娯楽作品としても良く出来ている作品です(お色気やグロテスクなシーンも多いので、決して家族向けではないですが・・・)。 2時間半近い作品ですが、話が面白くテンポが良いのであっという間に終わってしまいました。 しかし、終戦後のナチス協力者への仕打ちなんかは凄まじいものがありましたね・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-09-09 00:52:31) |
71. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 観終わった後、素直に「ああ、素晴らしい映画をみたな」と思える作品でした。オープニングの掴み(非常に勉強になりました)も抜群で、ストーリーも淡々とした進行ながら社会主義政権下の監視社会の様子を上手く描いていて全く飽きさせることがなくラストも本当に見事な締めかたで、おまけに旧東独の様子や監視・取調べの手口なんかも知ることが出来るというまさに言う事なしの映画です。 [映画館(字幕)] 10点(2007-09-09 00:25:51) |
72. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 まるで、自分がその街にいるかのような気分にさせてくれる作品ですね。個人的に人気の無い夜中の街の風景が結構好きなので、とても楽しめました(何か、昼間よりもリアルな感じがするんですよね)。 ストーリー的には、パリの話が一番好きでした(「ベティ・ブルー」のベアトリス・ダルが中々すごかったです。)。後は、ヘルシンキの話の登場人物の名前がミカとアキって・・・・カウリスマキ兄弟じゃんw ジャームッシュのセンスの良さに浸れる2時間でした。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-07 12:07:50)(良:2票) |
73. 街のあかり
《ネタバレ》 観終わった後、元近鉄の鈴木啓示の座右の銘である「草魂」(雑草のように踏まれても踏まれても立ち上がる魂)という言葉が思い浮かびました。人生どんなに辛くても、孤独でも挫けちゃいけないと励まされましたね(ちょっと単純かも知れませんが)。 しかし、主人公はもうちょっと三枚目タイプの方が良かったかもしれませんね・・・・(個人的意見ですが)。 ラストは、単純に希望が見えたとは言い切れない感じでちょっと北野武の「キッズ・リターン」と似たような印象を受けました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-08-28 19:25:52) |
74. 過去のない男
《ネタバレ》 クレイジーケンバンドの曲が使われ、寿司や日本酒が出てくるというだけではなく、音楽や雰囲気なんかも日本人受けしそうな感じの映画ですね。 しかし、登場人物がみな無表情なのはフィンランド人の特徴なんですかね?まあそのことが妙にユーモラスな雰囲気を醸し出していて面白かったんですが・・・・。 何というか観終わった後不思議な感覚の余韻が残る映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-18 16:51:02) |
75. ナビゲーター ある鉄道員の物語
《ネタバレ》 サラリーマンだったら、嫌というほど聞かされる「経営の効率化」という言葉。経営者であれば誰もが取り憑かれるであろうその言葉の裏側をドラマ化した作品と言えます。 まるでドキュメンタリーのようなリアルさにユーモアを交えた作風は、さすがケン・ローチとしか言いようがありませんね。ラストの展開なんかは、観ている我々に「お前だったらどうする?」という問いを投げかけているのではないでしょうか・・・・・・。非常に考えさせられます。 [映画館(字幕)] 8点(2007-07-15 17:02:04) |
76. チャーリーズ・エンジェル(2000)
エンジェル達の魅力満載で非常に楽しめました。ビル・マーレイもハマリ役で良かったですね。 ただ、途中の日本風のパーティ-シーンがちょっと・・・・。 [地上波(吹替)] 7点(2007-06-30 21:33:56) |
77. カルラの歌
《ネタバレ》 我々はたくさん情報を享受しているけれども、真実についてどれだけ知っているのだろうかと考えさせられますね。 ロバート・カーライルが演じる主人公がニカラグアに行ったのは、おそらくカルラの気を惹くためであって、ロンドンとかに行くのと大して変わらない感覚だったんじゃないかと思います。それが、現地で「真実」を目にすることによって、自分の感覚がいかに文化や歴史、価値観の違いを無視した独善的なものであったのかに気づいたからこそ、カルラから離れ、ニカラグアから離れてしまったんでしょうね。(まあ、米国的思考であれば、そこで離れずに付きまとってちょっかいを出してしまうのでしょうが・・・・) [ビデオ(字幕)] 7点(2007-06-29 21:45:37) |
78. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 何というか30代半ば過ぎ、独身、1人暮らしの人間としては、いろいろと考えさせられる事が多い作品でしたね。一人一人が自分の「島」を持つってセリフとか、本当に共感してしまい、ちょっとヤバいかもしれませんが・・・・。 それ以外にも、片親の問題とか学校でのいじめの問題とかいろいろと重いテーマが取り上げられていますが、主人公と少年が問題を克服していく姿がコメディタッチで描かれているので、暗くなりすぎることがなく、観終わった後爽快な気持ちになりました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-05-23 18:44:38) |
79. スターリングラード(1993)
《ネタバレ》 非常にリアルで悲惨な戦争映画です。愛国心も英雄もここには存在しません。ただひたすら絶望的な兵士達の姿が描かれています。 ドイツ軍を描いているのですが、いわゆる「ハイル!ヒトラー!」のナチ式敬礼は殆どなされていません(1回だけ出てくるシーンがありますが・・・・・・)。 俯瞰して見れば戦争というものにはドラマがあるのかもしれませんが、個々の人間からすれば絶えず生命の危機にさらされる地獄に過ぎないのだなと痛感しますね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-05-17 18:25:03) |
80. パラダイス・ナウ
《ネタバレ》 パレスチナ問題をパレスチナ人側から描いている作品ということで、正直観る前は、パレスチナ人やイスラムの考え方がどこまで理解できるだろうかと思っていました。けれども、実際観てみるとまったく違和感なく映画の世界に入ることができましたね。ドキュメントとしても、ドラマとしても良い作品だと思いました。逆に「ミュンヘン」のようなイスラエル側の作品よりも、登場人物の思いがわかるような気がしましたね(どっちの肩をもつとかいう話ではないです)。 しかし、上映する場所が非常に少ないのが残念です。もっとたくさんの人に見てもらいたい作品ですね。日本のマスコミ報道なんか、「アラブ人=狂信的なテロリスト集団」みたいな扱いですからね・・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-04-25 16:56:41) |