1. モンスター(2003)
アイリーンの行動原理には、人間を人間たらしめる要素、すなわち理性のかけらが全く無い。 常に大脳新皮質が麻痺していて、動物的本能が丸出しになっている。 欲しいものは力ずくでも手に入れる。確かに、一般人から見たらモンスターである。 しかし、そんなモンスターにも、力ずくでは手に入らないものがあることに気付いた。 それは、セルビーであり人の心である。 それを手に入れて留めておこうとすべく、アイリーンの中に徐々に理性が芽生えて、悩み苦しみ葛藤が起こり始める。 「何故愛を知ってしまったのだろう…」という台詞があるが、セルビーと出会わなければ、アイリーンはアイリーンのままでいられたはず。 自分はこの物語で語られているアイリーンに対して、むしろピュアな人間臭さを感じずにはいられなかった。アイリーンの純愛物語、そんな感じがした。 従って、どうしてもセルビーが、純粋無垢で計算された悪意が無いだけに、より残酷に見えてしまう。 [DVD(字幕)] 7点(2005-07-11 00:33:30) |