1. 愛を読むひと
《ネタバレ》 原作既読。そもそも原作の時点で、3点セットのテーマ(年上の女性との恋愛、ナチ犯罪、文盲)にちょっとついて行き辛いというか、いやそれを絡めてこその話ではあるのだけれど、テーマの拡散感をもったところがあったんですね。感動はしたのですが。 で、この作品の映像化としては出来は大変良いと思います。まあ、「読む」というキーポイントにして英語映画である点、気にはなるんですが、映画はお芝居ですから舞台劇と割り切って観ればよしでしょう。ケイトはさすがで、実にはまっており、悲願のアカデミー主演賞も素直に納得。が、、、ラルフ・ファインズちっとも印象に残りませんでした。これに対してデビッド・クロスが良かった!まあ原作のミヒャエル15歳時よりは成長しちゃってるんですが(撮影時17-18だったそうで、法的な縛りもあり、ベッドシーンなんかは18になってから撮影したそうです)、少年期の秘めたある意味無軌道な恋愛、法学生になった青年期の苦悩を見事に演じてました。そもそも自国のベストセラーを演じるのに、英語でやんなくてはいけないので苦労もしたそうです。…で、ファインズになって、もう1つ。嫌いな俳優さんでは決してないんですが。。。てなことで私的には後半失速感。贖罪の朗読テープを送るところが原作ほど響かなかったのは、正直ファインズのせいかも。エンディングはきれいにまとめてました。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2014-12-24 08:39:56) |
2. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 アメリカン・ビューティやらノーカントリーやら先に観ていて、「アカデミー作品賞の映画なら少なくともソコソコは観られる」という概念が覆されてしまったし、「群像劇って散漫で…」みたいな感想もあるのは何となく知ってたので全く期待しないで鑑賞。いやあ、なんか予想に反しとても良かったです。ちょっとびっくり。人種のるつぼであるという日常的な混乱を抱えて、イラついているそれぞれの人種のアメリカ人たち、というのがよく表現できていたのでは。アメリカン・ビューティもノーカントリーも「アメリカ」を描いてることからすると、少し変わった切り口から「アメリカ」を描くと評価が高くなるのかなあ。私はあの2作の方はあまり理解できなかったけど、対して本作は難なくすっと心に入ってきた感じでした。私が単一民族国家の日本人であり、かつ長く海外に暮らしているからなのかもしれませんが。マット・ディロンはアカデミーにノミネートされただけあり非常に印象的で、徹底した人種差別主義の嫌な奴ぶりと、父の介護やセクハラした黒人女性の救助でみせる人間性、そういったものが1人の人間の中にないまぜになった混乱をよく出していたと思います。透明マントと空砲のエピソードはやっぱり感動してしまいました。これは絶対狙ってるから悔しいんだけど。黒人鍵修理工の幼い娘、ペルシャ人商店主の娘、この2人のそれぞれの父に対する愛が生んだ奇跡のようで…(でも子供を使うのは反則だ~)。ドン・チードルの弟はリュダクリスの方と踏んでいたのですが、弟分の方が殺されてしまった時点でもしや、と思ったらやっぱり・・・殺してしまうのが差別主義の同僚に嫌悪していた若い巡査という皮肉、そしてあの旅の守護聖人のお守りが出てくるところはすごく切なかったです。群像劇なのに散漫さは感じられず、それぞれのエピソードがつながるラストは秀逸。ブレンダンとサンドラの夫婦がなんかイマイチで残念でしたが、あとの俳優さんはみな良かったですね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-13 05:11:39) |
3. バーティカル・リミット
クリフハンガーとよく比較される映画なのか。どっちもどっちだなあ…。ストーリーの理不尽さを勢いとアクションで乗り切ってしまう映画もあるけど、これは乗り切れません。アクションはそれなりのレベルなんだろうけど、なんせくどくて、初めのうちはハラハラもするけど、だんだん飽きてきます。だから皆さんご指摘のストーリーの理不尽さも気になりまくりだし。 ただ、ビル・パクストンって本当に役幅の広い俳優さんだなあ、と思いました。ここ位が褒めどころ(あ、映画の褒めどころじゃなくて役者さんの褒めどころか)。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 4点(2009-08-19 15:12:45) |
4. マンマ・ミーア!
ミュージカルはベタで単純な方が入っていきやすいから、ストーリーの稚拙さは気になりませんでした。にしても、つくづく思ったのがABBAの偉大さ。楽曲がこれでなかったら、どうだったんだろう?と言って代わりになるグループも思いつきませんが…。これで歌やダンスが完璧だったら、とも思うけど、それだとかえってこの味を損ねるかもしれませんね。でも、おばさん3人組の歌唱シーンはまだ楽しく見れたのですが、ブロスナンのレベルまでいくと、ちょっとハラハラしてしまい楽しめませんでした。舞台設定はとても生きていて、風景はとてもきれいで良かったと思います。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-06-06 16:21:33) |
5. ナンバー23
《ネタバレ》 コメディでないジム・キャリーを見ようと鑑賞。事前にここの平均点を見ていたので、内容はあまり期待せず。役者の魅力が発揮されるのは必ずしも作品の出来と一致しない、が持論なので、きっとダークな魅力のキャリーが見られるだろうことを期待した。…うーん、演技は確かに上手いんだけど、イマイチ印象度が薄いというか。きっと、何も知らずにこの作品を観たら、主演俳優がジム・キャリーであることに気付かなかったと思う。私はやっぱコメディの彼が好きだなあ。期待してなかった(笑)ミステリーとしての作品の方は、皆さん書いてる通り。大体フィンガリングをキャリーが演じてる時点で、どんでん返しでもなんでもない。23のこじつけも生きてないし、単にサイコパスな記憶喪失者の自分探しストーリーと言ったところで、似たオチならオカルティックにまとめたエンゼル・ハートの方が断然上。最後までつきあってあげた奥さんのいい人ぶりが、ちょっと印象的だった位か。オープニングなど絵的には凝っており、映像センスは中々良かった。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2009-05-05 13:11:56) |
6. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
正直、007はあまりよく知らない。原作も読んだことないし、コネリーやムーアの頃(古い)の作品をテレビで観たことがあったなあ、でも通してみたヤツあったっけ?とか、デュラン・デュランが主題歌を歌った作品があったなあ、とかその程度。でも有名なキャラだからイメージはもちろんある。外見はダンディな英国紳士、スパイ小道具を駆使したり、キーとなる女性とヨロシクやっちゃって情報を手に入れたり、時には華麗なアクションを見せて任務を遂行する、というところか。ダニエル・グレッグという役者を知らなかったのでまずパッケージで驚いた。007って今こんな人がやってんの?殺し屋じゃん、こりゃ。って感じ。作品も今まで持ってた007のイメージを覆すもので、とっておきの秘密兵器も出ない正統派のアクション。特に女性に本気になってMI6に辞職願いのくだりは(しかも外見が殺し屋なのに)おいちょっと待て、と思ったが、これってビギニング的設定なのね。それならもっと若い俳優の方がいい気もするが…。でもまあ、映画は面白かった。アクションのレベルも高いし、ヒロインは魅力的だし、拷問シーンはひょえひょえ~っとなるし、ラストのキメもかっちょいいし。ポーカーはイカサマ勝ちした方が緊張感ありそうだけど、途中で殺されかけたりして緩急ついていた。ただ何となく自分としては、もう少し以前の作品を観てから観た方が良かったかなあ、という感じだ。ボンドをよく知る人が、リニューアル・ボンドを楽しむ映画なんだろうな。ボンド初心者としては、やっぱ昔のコテコテ作品(すんません、観てない&覚えてないのに、あくまでイメージ)から入った方がいいように思った。ま、面白い作品なのでこの点で。ところでバハマのホテルのフロント嬢が無意味にやたら美しかったが、彼女がヒロインと思わせるミス・リードなんだろうか。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-04-21 13:11:53) |
7. バリスティック
この手のチープなストーリーでも、メリハリをつけて面白くしようという意志が感じられたなら、「頑張ってるB級アクション映画」として5-6点の評価が出来るんだけど。まあB級というからには無名の役者を使い、爆発ももっとミニチュアかなんかを使って(但し本物に見えるような努力はされていること)予算ないんだなあ、と思わせること(笑)も条件ですが。バンデラス、ルーシー・リュー(まあ、どっちも他にも駄作アクションに出ているけど)、銃撃戦、大掛かりな爆発、これだけありゃ面白くなると思っている、アクション映画ファンをバカにした発想がイヤだわ。単なる金の無駄遣い。ルーシー・リューのアクション・シーンもキメのポーズがえらいこっぱずかしくて、ちっともカッコよく見えません・・・。 [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2009-03-16 13:13:46) |
8. ワルキューレ
わーい新作初めての一番乗り♪住んでいる某国(アメリカでもドイツでもないです)で、一足先に観てまいりました。実は映画館4つ入ったモールの無料チケットがあって、これで観れるのはこの2作品だけですね、どっちにしますか?とBride warと本作のポスターを見せられ選びました。よって映画の予備知識皆無。ついでに言うと実話(歴史)・・・ヒトラー暗殺計画についてもほとんど知識なしで観ました。という状況だったので、へえ、こんなことあったんだーという歴史の知識獲得的な意味においては面白かったです。不謹慎な言い方ですが、ナチの軍服ってのは惚れ惚れするくらいかっこいいので、作品もスタイリッシュな感じになってますね(反ナチ映画なので、もちろん美化しているわけではありませんが)。後からヒトラー暗殺未遂事件やそれに絡めてのワルキューレ計画の利用、シュタウフェンベルグのことを調べました(といってもWikiですが)が、かなり事実に忠実に作ってるようです(英語映画なのはともかく)。演出・脚色悪くありませんが、何と言ってもトム・クルーズの演技がいかにも硬いのが難。良心と信仰に従い、反乱を決意する生真面目なドイツ軍人、というのを意識しすぎたようにみえます。あれでは感情希薄に見え、こちらが感情移入できず、カリスマ性も感じられないため、軍の反逆者の中で、シュタウフェンベルグが特に英雄視されていることの説得性がありません。真面目に作られた歴史映画と思いますが、トム・クルーズを呼び物にしたのは失敗かもなぁ・・・。 [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2009-02-23 13:08:30) |
9. ミノタウロス
やっぱり日本未公開だったか・・・大した映画ではないが(じゃ、登録要望するなよ!と突っ込まれそうだが)、アマゾンに2件ほど、ヤフー映画に4件ほどレビューがあったので、何かの縁で観てる人もいるんだなと思い、レビューしたい。私も何かの縁で観たのでw。 ギリシャ神話のミノタウロス退治を題材にした作品。ミノタウロスはミノス王妃と牡牛の間に生まれた半人半獣の怪物で、神話ではアテネの英雄テセウスが退治する。…なんだが、神話的な部分は期待せず、怪物のいる地下迷宮に放り込まれた若者たちを描く、正統派モンスター・パニック・ムービー、と思って観た方が良い。1人また1人やられていく展開はお約束。このジャンルの映画としてそこそこ及第点かとも思うが(そもそもモンスター映画という時点で大半がB級だし)、途中はひたすらやられる&逃げるで戦いらしいことをするのはラストだけ、アクション好きには物足りないかも。地下迷宮もややちゃっちい。ま、ミノタウロスを退治するのを、神話の英雄テセウスから、等身大の村の青年にしたのはちょっと面白いかな。俺が殺す!と鼻息荒い割にそんなに強くないし。それにしても怪物ミノタウロスのこの造形・・・半人半獣じゃないじゃんよ~。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-02-13 13:06:40) |
10. エントラップメント
渋いじいさんと孫娘(不必要なほど美形)のような泥棒コンビ。この2人が騙し騙されの化かしあいをするって設定・展開は中々面白いのよ。ハラハラ+お色気のレーザー潜り抜けシーンなんかも漫画チックで私は好き。私にとって泥棒ものの基本はルパンⅢ世なんで、現実離れしてても面白ければ私は許せる。でも結果的に、なんじゃこりゃ映画になってしまった。・・・「男女」である以上、恋愛をさせないとまずいとでも思ってるのか?はっきり言ってのけぞったぞ。いっそさ、本当のじいさんと孫って設定にしちゃえば無理してロマンスを入れなくて済むのに。この恋愛要素は「邪魔くさい」どころじゃない、筋のどんでん返し以上におったまげてみんなぶち壊しだ。ショーンもキャサリンも好きな俳優だけど、、、頼むからくっつけんでくれ。 [映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2009-02-10 13:26:18)(良:1票) |
11. ブギーマン(2005)
ホラーという分野は題材はいいのに駄作になってしまう、「惜しい」とか「もったいない」作品が多いような気がする。ブギーマンというのが本当に都市伝説みたいになってるのかは知らないが、子供の恐怖の対象として「クローゼットに隠れている、得体の知れない怪物ブギーマン」がいて、子供の頃蒸発した父親はブギーマンに連れ去られたのだ・・・という思い込んでいるトラウマ青年、というすべり出しは中々いいのである。この「本当に起こったのか、空想だったのか」わからない(つまりホラー映画にもサイコ映画にもなりうる)という状態でもっと引っ張り、例え本当に怪物はいたのだ!というホラーに落ち着いたとしても、あんなCGばりばりのクリーチャーを見せずに工夫すれば、もっと面白く出来るはずなのだ。出だし以外にも、謎めいた少女とのやりとりとか、恐る恐るドアを開けるちょっと和製ホラー的緊張感(家にテレポートしたのは拍子抜けだったが)とか、結構いい要素があちこちに散らばってるのである。ミッシング・チルドレンももっと面白い絡め方ができそうだし。あのCGブギーマンには心底がっかり。最後のオチもあっそってな感じ。ただの駄作というより、観てて惜しい、もどかしい映画。 [DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2009-02-02 13:26:10) |
12. ビヨンド・ザ・リミット
残虐スプラッタがだめな人は観てはダメ。現代編の一人一人血祭りにあげられるところなんかは、題名通り限界超えてます。「顔面破壊」のリアリティにこだわる監督は○チガイとさえ言われているとか。中世編は意外と見所もあり(途中、訳の解らん微エロがあるが)、残酷描写も中世の異端狩りって本当にこの位やったんじゃないかと思った。でも全体のストーリーが・・・一応サスペンスなんだが、肝心の“永遠の心臓”の謎、現代の男たちの麻薬ビジネスとの関連もなんかよく解らなかった。私がバカなんだろうか。 [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2009-01-15 13:18:32) |
13. モンスター(2003)
B級モンスターパニックに紛れていたため(苦笑。題名のせいか)何の予備知識もなく観た。最後のテロップで実話に基づいていると知った。また後から主役を演じているのが美人女優として名高いシャーリーズ・セロンであること、相手は子役から出ているあのクリスティーナ・リッチであることに気付いた。そしてセロンの“女優根性”が話題になったことやアカデミー賞受賞を知った。今思えば、話題作を何の予備知識もなしに観れたのはラッキーだった。役作りの話題、実話物であること、犯罪物であることすら知らずに観たのに、作品の力に圧倒されてしまった。よって、私としては相当高い評価が出来る作品。偶発的に最初の殺人を犯してから、殺人を繰り返すようになってしまう女性。不幸な生い立ちを背負いつつ、いつか来る幸せを夢見る少女だったのに。セルビーとの逃避行は息も詰まるようだ。あとからアイリーン・ウオーノスの伝記を見ると、映画では描かれていない背景は多々ある。しかし、映画というのは欲張りすぎると失敗するので、セルビーとの関係に的を絞ったのは成功だろう。裁判で冷たくアイリーンを指差すセルビーが印象に残った。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-01-14 13:44:57)(良:1票) |
14. ターミネーター3
言われるほど駄作とは思わない。小粒感は否めないが・・・。シュワちゃんも随分歳くってるのに頑張ってるし、スタールとデインズも好演していると思う。ストーリーや結末も私としては前2作からの流れで納得できる展開。母親の棺に武器が詰まってるシーンなどおお!と思った。ただ、敵役T-Xは2のT-1000とあまり違いが感じられなかったので、もう一つ工夫が欲しかったか。酷評されるのは前2作のクオリティが高すぎるので仕方ないのかもしれない。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2009-01-08 16:09:22)(良:1票) |
15. フラッド
いいの、スレーターはB級俳優になっても、とりあえずかっこいいから(笑)。まあいいんじゃないですかね、立派なB級アクションと思いますよ。洪水要素をとったらC級以下かもしれないけど、最後の最後まで水にこだわり、「乾き」を全く入れずに一貫して雨の中という徹底振りでちゃんとB級になってます(笑)。水を生かしたアクションを堪能させて頂きました。それから、フリーマンの「ありがちなちょっといい悪役」、他の俳優だったらC級(以下)になっていたかもしれないけど、やはりさすがでした。それなりに中々に演じた彼の功績も大。ただ、他の人も書いてますが、この6カ国協賛には首を傾げる。。。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-05 16:15:54) |
16. ジーパーズ・クリーパーズ
コッポラ・・・どうしちゃったの??前半ハラハラして観てたのに、モンスターの姿がはっきり映されてからどうでもよくなった。ラストなんか、なんじゃそりゃ、です。でも続編観ちゃった(笑)。 [DVD(字幕なし「原語」)] 3点(2008-12-19 14:08:38) |
17. アローン・イン・ザ・ダーク
なんじゃこりゃ。スレーター、お願いだから作品選んでくれ。 [DVD(字幕)] 2点(2008-12-16 13:41:45) |