1. シンプル・プラン
《ネタバレ》 自分の身にも起こりかねない物語は数多くありますが、これほど身に迫るものは初めて観ました。ハンクたちは当初、外部にバレることを警戒していたはずなのに、結局は内輪のトラブルでピンチに陥ったのが面白い。普通の逃走劇になるような設定を逆手に取っていますね。典型的な『優しい隣人さん』だったハンクが何回も引き金を引くことになったのは怖い。「あの人がこんなことを!?」と驚くことはよくありますが、僕も貴方も誰でもいつだって彼のようになりえる。人殺しをする自分はすぐ隣にいる。説得力のある映画でした。前半、顔面パンチしたくなるほど観ていてイライラするジェイコブでしたが、映画終盤の彼には泣かされました。 [DVD(字幕)] 7点(2015-05-13 21:53:37) |
2. ザ・スナイパー(2005)
大好き。陽気な殺し屋ジュリアンと、生真面目なサラリーマンのダニー。この二人の不思議な友情の物語です。二人の対比が絶妙なんです。とっかえひっかえで女をひっかけて遊ぶジュリアン、学生時代から付き合っている妻を愛し続けるダニー。特殊な生業ゆえに一般人には分からない孤独を抱えるジュリアン、平凡だが悩み多い人生を自分なりにしっかり生きるダニー。二人はたまたま“出張先”が同じだったことから出会う。パッと見では正反対に見える二人ですが、不思議とウマが合った。クライマックスでは、お互いの生きるべき道を相手に示し合います。これぞ友情!公衆の面前をパンツ一丁で堂々と歩くピアース・ブロスナンは見物ですよ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-04-13 21:36:44) |
3. 暴走特急 シベリアン・エクスプレス
ここまでロシアに関わりたくなくなるような話をされ続けるとは思いませんでしたね。後半は少し茶番な気がしましたが、全体的には好きな雰囲気でした。暗い画が良い感じ。登場人物の描き方も好きですね。コイツは何を考えているんだろうって思いながら見られて楽しかった。主人公のエミリー・モーティマー、初めて拝見しましたが、カッコいい美人さんですねえ。ベン・キンズレーのロシア訛りも楽しい!そして、ウディ・ハレルソンがやたら良い人だったのがひたすら面白かったです。しかし、「何をする!俺たちはアメリカ人だぞ!」ってそこ強調するところなのか? [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-13 21:34:23) |
4. グランド・ブダペスト・ホテル
ユーモラスなキャラクター、色鮮やかなセット、おとぎ話のような世界観・・・他の映画にはないユニークなモノがぎっしり詰まった作品でした。が!ペースがず~っと「一定」だった気がしました。緩急がないんです。しかもそのペースが速いから追いかけるのが大変。例えるなら、ステーキを永遠に出される感じ。とっても美味しいんだけど、野菜とかデザートも欲しいし、料理と料理の間を空けてくれないとすぐお腹いっぱいになって食べ切れなくなる。「これじゃあ、まるでお前の故郷だ」など好きな台詞やシーンは沢山ありますが、似通ったジョークが続いてしまうと飽きてくる。全体的にもう少しバリエーションが欲しかったかなと。 [映画館(字幕)] 5点(2014-12-04 18:19:15) |
5. 誰よりも狙われた男
そりゃ酒とタバコに溺れるわな・・・。ホフマン氏の演技は相変わらず凄まじかったです。最初は「ん?」となったドイツ訛り(かな?)にもほんの数分後には違和感がなくなり、「世界の平和のため」に己の存在を消して格闘する男の姿だけがそこにありました。熱っぽさがないのに熱っぽい。抑えた演技なのにパワフル。名演です。他の役者たちも素晴らしかったし、冷たい印象を与える演出も良かった。綺麗にまとまった渋い作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2014-11-30 23:33:49) |