1. アクト・オブ・キリング
《ネタバレ》 「虐殺」の当事者が自ら「虐殺」を演じる・・・まずその発想が驚きで、また、その発想を見事に映画作品としてまとめ上げた監督の力量に感服しました。 どんなに、(加害者側に)大義名分や正当な理由があっても、人の命を奪うという行為は、加害者・被害者関係なく大きな傷を負わされることになることを、この作品は教えてくれます。 湖や滝を背景にした幻想的な映像は、加害者たちが今まで続けていた現実逃避、そして彼らに対する贖罪を象徴しているように感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2015-09-30 21:22:22) |
2. ペレ
《ネタバレ》 希望の見えない過酷な状況の中で、生きるために希望を諦める大人たちの姿は、実は形は違えども今も昔もそんなに変わらないように思えました。その中で、希望を求め新天地へと旅立つ主人公の姿はやはり心を打ちますね。 過酷な状況と美しい自然の対比も印象的でした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-11-24 23:54:43) |
3. メランコリア
《ネタバレ》 ラース・フォン・トリアーは相変わらずイカれてることは良くわかりました。でも、これなら、日本ではもっと凄いイカレっぷりを富野由悠季が「伝説巨神イデオン」で見せてくれてるんですよね。(ちなみにイカれてるは褒め言葉です) まあ、とにかくかなり私小説的な物語の世界の狭さと惑星が地球に激突するという設定のスケールの大きさのギャップが、美しすぎる映像に引っ張られていて非常に興味深い魅力を産み出しています。 ただ、第1部のグダグダな展開はもう少しカットできるような気がしましたね。第2部後半の終末に向かう緊迫した展開が良かっただけに勿体無いと思いましたね。 [DVD(吹替)] 7点(2012-09-27 23:43:01) |
4. アンチクライスト
《ネタバレ》 まあ、露悪的でアホな作品にしか思えないのですが、それでも最後まで飽きずに観ることができたのはラース・フォン・トリアー監督の力量(というかブランド力)なんでしょうかね。それにしても、この監督病んでるとしか思えませんが。 内容的にはなんと言えばいいのでしょうか・・・・、例えるならば子供が放送禁止用語を叫びながら無邪気に走りまわっている姿を芸術的に映像化しているような・・・そんな感じでしたね。 [DVD(吹替)] 6点(2012-02-05 00:48:45) |
5. マンモス 世界最大のSNSを創った男
《ネタバレ》 家族愛の大切さだけでなく、この世界で現実に起こっている貧富の格差がもたらす問題も描いていて非常に興味深い作品でした。 なんと言うか経済的に富むことと人格的に富むこととは別物で、逆に経済的に富むことにより人間的に下劣になっていくケースもあることが非常に哀しいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 23:06:01) |
6. ビルマVJ 消された革命
《ネタバレ》 ミャンマーの混乱を映した映像は長井さんの件もあってニュース等でも良く観ていたのですが、やはりデモが徐々に盛り上がっていく躍動感とそれが武力で押さえつけられてしまった絶望感が緊迫したビデオ映像(隠し撮り)で強く伝わってきました。 本当に不思議なのはどうしてこのような事態が行っているのに、日本はミャンマーの軍事政権と友好関係を維持し続けているのかですね?何か利権が絡んでいるのか、それとも反政府活動側のプロパガンダ活動が世界的に目立っているだけで、実はミャンマーの現政権は極めて真っ当な国政運営を行っているからなのか(とてもそうだとは思えませんが・・・・)? [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 23:04:57) |
7. 骨(1997)
《ネタバレ》 そもそも、旧植民地からの移民が多く住むスラム街というシチュエーション自体が十分ドラマ性(語弊があるかもしれませんが)を持っているわけで余計な脚色は逆にそのドラマ性をぼやかしてしまうのかも知れませんね。そういった意味で余計なものを削ぎ落としたこの作品の製作手法は間違ってはいないと思います。 ただ、事前に作品内容についてある程度の予備知識を持っていないとはっきり言って何がなんだか良くわからないのではないかなとは思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2010-10-01 00:26:08) |
8. フォーリン・フィールズ
《ネタバレ》 途中で目を覆いたくなるようなストーリーでしたが、現代の戦争をめぐる現実を痛烈に皮肉っていて興味深かったです。大量破壊・大量殺人を上手くやれば勲章をもらえる「戦争の論理」、バーチャルと現実の区別がつかなくなってきている現代人、平和維持という名目の下で大国のメンツ・思惑のために全く関係のない末端の兵士が戦地に送られる現実・・・・・。ラストの後味の悪さも含め、非常に考えさせられる映画でしたね。 [DVD(吹替)] 7点(2009-01-25 19:18:33) |
9. エヴァとステファンとすてきな家族
《ネタバレ》 どんな崇高な理想やイデオロギーであっても家族の絆は作り出せないというメッセージを感じましたね。 しかし、この邦題はちょっと違うような・・・・(予告編も酷いです)。 [DVD(字幕)] 7点(2007-08-08 19:02:12) |
10. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 息が詰まるような140分でした。もうひたすら絶望的な物語がドキュメンタリー・タッチで描かれていきます。セルマ役はもうビョーク以外に考えられないという位ハマリ役で、息子の眼を治すという最後の希望のために、あえて死刑を選ぶ姿に非常に心打たれました。 映像が非常にドキュメンタリー・タッチでリアルなので、ビョークの美しい音楽に救われる部分が多かったです。ミュージカル部分が無かったら、後味最悪の映画になっていたでしょう。(もうエンディングなんて心臓止まるかと思いました。) しかし、ビョークが凄い魅力的でしたね。凄く美しいというわけではないのですが、シーンによって様々な表情を見せてくれるので、最初から最後まで惹きつけられっ放しでした。 [DVD(字幕)] 9点(2006-04-30 19:22:07) |