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1.  ある戦争 《ネタバレ》 
前半の臨場感のあるリアルな戦場のシーンと後半の裁判のシーンの対比が見事で観客は主人公の指揮官クラウスと同じ感覚を共有し、共感して行きます。部下を救うため、敵がいると思われる方向への空爆を指示し、後に敵の確認を怠った事を理由に爆撃で市民11名が亡くなった責任を軍事法廷で問われます。誤爆(本当にタリバンがいたとも思える)で市民が亡くなった事自体は意図した物ではなく「事故」なのですが、事故の責任をシステム(アフガン紛争にデンマークという国家が軍の派遣という形で参画する事、地元に根ざしたタリバンの掃討に一時的派遣でしかない軍のパトロールという手法を用いる事)の不備を問う事なく個人の過失を問う事で済まそうとする欺瞞に、本人、部下、法廷の皆も気付いていて疑惑に満ちた「私は敵の発砲を見た」という部下の後付け証言で幕引きとなります。本当は映画の題名であるこの「Kreig」自体が問題だよね、という制作者の主張が見終わった後にじわりと迫ってくる秀逸な作品と思いました。集団的自衛権を論ずる全ての日本人必見の作品ということでこの点数で。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-12 09:22:29)
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