1. ファイティング・ダディ 怒りの除雪車
《ネタバレ》 淡々とした復讐劇。 淡々としすぎて、途中で中だるみしちゃう。 それでも、親父が息子のために、ヤップ、ロナルド、ストライクと順番に始末していく前半は良かったです。 絶対に復讐してやるという親父の気持ちが痛いほど伝わってきました。 もともと復讐ものは大好き。 弱者が強者に一泡ふかせるというシチュエーションも好き。 だから前半は良かったのです。 おかしくなったのは、『チャイナマン』とかいう殺し屋が出てきてから。 こいつに金を払って復讐を完了させようとします。 え?それは違うくない?復讐は自分で手を下してこそカタルシスを得られるってもんじゃないですか? それに、ヤップ、ロナルド、ストライクまではちゃんと殺害シーンが出てきたのに、兄のウィングマンやチャイナマンは『死にましたよー』って報告されるだけ。 なにかの意図があって、そーゆー演出にしたのかもしれません。 でもなんか『親父の復讐』も『映画』もちょっと後半手抜きに見えてしまいました。 映画そのものが淡々としているから余計に。 それに、私はいちいち原題まで確認しません。 映画のタイトル『ファイティング・ダディ』『怒りの除雪車』ですよ? もっと烈火のごとく怒り狂う父親を想像するじゃないですか。 親父の息子イングヴァルの遺体を駅のベンチに放置するシーンは静かながらなかなかの衝撃シーンでした。 だからこそ、親父の復讐が始まったときは不謹慎ながら胸躍ったものです。 それが終盤になるにつれ、なんか親父、くたびれて見えちゃって・・・。 どんどんこちらの期待とは違う流れに・・・。 中途半端なコメディテイストも個人的には邪魔でした。 それに後半人物の把握がわかりづらくなったのもマイナス。 ラストに死んだの誰ー? [ビデオ(字幕)] 4点(2025-06-05 02:48:34)《新規》 |
2. ゾンビの中心で、愛をさけぶ
《ネタバレ》 ゾンビがほとんど出てこないゾンビ映画。でもゾンビの存在をはっきり身近に感じることができます。 ほとんど自宅内でのみの撮影なので、予算もほとんどかかってなさそうです。 にも関わらず、世界の終末感がしっかり表現されています。 子供を死産したことがきっかけで、離婚寸前の夫婦。そこに突然訪れるゾンビパニック。 ゾンビ系でいつも思っていた『なぜわざわざ家から出るの?』とゆーことをこの夫婦はしません。ひたすら籠城を決め込みます。 そりゃそうだ。自分が同じ立場だったら、この夫婦と同じ選択をします。そして事態が鎮静化するのを待ちます。 自分と同じ考えだから共感できます。 困るのが食料。離婚寸前だったからか、備蓄がほとんどないこの夫婦。きりつめても2日で食料は底をつく。シンプルですが、籠城を決め込んだ二人を強制的に家の外に出すのに十分な理由。 しかし食料の調達は失敗。逃げ帰ってきて、しかも妻は噛まれてしまいます。 妻のために自分の血を飲ませる夫。とても離婚寸前だったとは思えません。 助けを求めてきた隣人夫婦ともひと悶着アリ。 ほとんど家の中だけでの出来事なのに、なかなかドラマ性に富んでいます。 そしてとにかく結末が気になる映画です。 個人的には二人には生還してほしかったのですが・・・そこだけが残念。 ・・・・それから、奥さんはもう少しきれいな人が良かったな・・・ [DVD(字幕)] 7点(2024-01-18 03:24:27) |
3. 偽りなき者
《ネタバレ》 映画として非常に完成度が高く、見ごたえがあります。 相手が児童であれば、男女問わず誰にでも起こりうる事案。とても強いメッセージ性をはらむ作品。 犯罪というものは、たとえ無罪と司法が結論づけても、容疑をかけられただけで世間とは切り離されてしまうものなのですね。 しかも、いつ、どこで、自分に容疑がかかるのか。この映画を見る限り、交通事故より予測が難しいと思いました。 自然災害であれば、みんな人生が一変してしまいますが、冤罪は自分ひとりだけが人生を狂わされます。比較できるものではありませんが、よほど辛いかもしれません。 最後まで目が釘付けになったのは久しぶりです。本来であれば9点、もしくは10点の価値のある映画かもしれません。 ですが、私にとって映画は娯楽であり、エンターテイメント。やはり映画という媒体を使う以上、あやふやな結末はちょっと受け入れがたいものがあります。 ラスト10分、場面が切り替わり、突然の祝賀ムード。祝ってもらっているのはルーカスの息子ですが、ルーカスが住民から受け入れらているのが伝わってきます。あれ?容疑は晴れたのか?でもテオの奥さんはいないし。しかもあろうことか銃で狙撃されるルーカス。 ・・・・・もしかして住民たちのルーカスへの疑惑は晴れていないんじゃ・・・。月日が経ったようだから、そろそろ許してやるかみたいな?う~ん、わからん。その結論を見ている私たちのご想像にお任せしちゃっているのだとしたら、そーゆースタンスは好きじゃない。 事の発端となったクララ。先入観で住民を扇動した園長。誘導尋問をした園長の知人。おそらくクララの狂言であろうことに最後気付いたにもかかわらず、それを住民たちに打ち明けてはいないであろうテオ。その妻。犬を殺し、窓に石を投げた人間。スーパーの店長。スーパーでルーカスを蹴り、缶をぶつけルーカスに怪我をさせた若いにーちゃん。 このひとたちみーんなに、罰を与えるか、涙ながらの謝罪をさせないと、私のような人間は全然すっきりできないのです。 ルーカス、あんたも最初から全力で否定しなさいよ。 なにかってーと、『あなたはどう思う?』のスタンス。それやってる人のスタンスだから!自分から疑われるよーなことしなさんな。 [DVD(字幕)] 6点(2023-06-08 04:14:26) |
4. ブレイカウェイ
《ネタバレ》 裏家業で生計をたてる4人が、組織のお金をぱちってトンズラするストーリー。 マフィア、サスペンスものではよくありそうなプロットですが、普通と違うのが4人の過去のエピソードが挿入されること。何故4人がつるむようになり、今に至ったかがわかるわけです。 その過去のエピソードというのがまさかの『少年時代』。まるで『スタンド・バイ・ミー』のような雰囲気なのです。 一人一人のエピソードはかなり印象的です。はっきり言って、本筋のストーリーより少年時代のエピソードのほうが興味をそそられます。 4人は『ただの仲間』ではなく、もはや『友情』という固い絆で結ばれているというのがよくわかります。だから仲間がありえんことして仲間割れしても必ず仲直りしちゃうわけですね。確かに普通の『バイオレンスもの』にはない魅力が本作にはあります。 ただ映画としてのバランスは決して良いものではないでしょう。結果としてうまくいきはしましたが、4人は行き当たりばったりの無計画も良いとこだし、犯罪も犯すし、暴力もふるう。現在の4人がしていることに共感するのは難しいので、感情移入もしづらいです。 いい年して子供っぽい4人の友情物語として、暖かい目で見てあげる優しさが必要かもしれませんね。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-26 15:38:55)(良:1票) |
5. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 あまりに救いようのないストーリーに、苦手なミュージカルがブレンドされて、観賞後しばらく後遺症が残りました。 面白い、面白くないに関わらず、今までに、観賞後「見なければ良かった」とまで思ったのはこれと「メメント」くらいです。 完全無実に決まっているのに、その無実を証明するために、弁護士費用として息子の目の手術代が必要って・・・そこまでしますか・・・。 観賞時、DVDのパッケージだけで勝手に「サクセスストーリー系の感動もの」と思い込んでいた自分も悪いのですが、それにしてもあのパッケージと中身のギャップが大きすぎます。 しばらくしてから、友人と「ダンサー・イン・ザ・ダーク被害者の会」を作って(と言っても3人だけですが・・・)、慰めあって、お互い元気を取り戻すことができました。 [DVD(字幕)] 0点(2012-05-18 15:03:17)(良:1票) |