1. 親切なクムジャさん
この映画、何度か見た方がいいかもしれないと思った。 なんかいっぱいメッセージが隠されているような気がしてならない。この監督、かなりいろんなものを仕込んでいるような気がする。一見単純なストーリーのように見えるが、いえいえどうして。したたかだ。それにしてもイ・ヨンエの演技。「オールドボーイ」のチェ・ミンシクの時も感じたけれど、日本の俳優で演じるとしたら、果たして誰ができるだろうと思った。「復讐は終わっても、魂は救済されない」3部作のエンディングにふさわしい言葉だ。 [映画館(字幕)] 9点(2005-11-14 20:10:06) |
2. 人形霊
僕は単純に人形というものに魅かれます。 それだけで6点。 イム・ウンギョンの美しさは彼女を初めてチョソンモのPVで見たときからすごいと思っていました。 それで+1点。 「箪笥」でもそうだったんだけど、切ないホラーは韓国の得意分野ですね~。 [映画館(字幕)] 7点(2005-10-31 19:54:02) |
3. オールド・ボーイ(2003)
鳥肌が立つような感覚ってそうあるもんじゃないと思うと(個人的な感覚ですが)、また韓国映画の骨太さにやられたって感じでした。 この監督の次の作品もすごく楽しみです。 [映画館(字幕)] 10点(2005-10-19 11:19:15) |
4. 四月の雪
僕はこの監督の作品の中では「春の日は過ぎ行く」が一番好きだが、この「四月の雪」を見た人は、ほとんどペヨンジュン目当てだとしたら少し残念である。台詞まわし、主役の職業、音楽の美しさ、季節感など、シリーズで楽しめるような感じだと思う。この作品でも、主役の二人の間に流れる「決して他人に見られたくない」ような「感情の揺らぎ」が観ている側に突き刺さる。それはじわじわ染み込んでくるような冷たい痛みであり、心を覗かれているような歯がゆさを伴っているように思えてしまうのである。 [映画館(字幕)] 6点(2005-10-17 13:07:10) |
5. マラソン(2005)
韓国って、結構映画としては難しいんじゃないかと思わせるような、「単純」なストーリーを料理するのが上手です。 この映画も、特別なものではないんだけど、主役のチョ・スンウの演技には目を見張りました。「ラブストーリー」の時のさわやかな彼を知ってる人なら役者魂を感じると思います。 [映画館(字幕)] 6点(2005-10-12 16:39:27) |
6. 殺人の追憶
DVDを買って、初めて見ました。まだそんなにメジャーな俳優じゃないけれど、3人目の容疑者役のパク・ヘイルが好きで興味深く見ました。彼の低温な存在感は、「普通の顔」の中に潜む不気味さを引き立てるのに効果的だったなと思いました。犯人が明らかにならないまま終わるストーリーは、ともすると不完全燃焼で終わりそうなところを、これほどまでに濃く、飽きさせない展開スピードはさすがです。DVDの特典映像にあるエピソードを観ていると、スタッフ側がすごく楽しみながら作っていること、役者の役作りの真摯な態度(例えば田舎の頑固な刑事の役作りにソ・ガンホが10kgの体重増量をしたりとか)なんかは、2人の刑事のコントラストを出すためのちょっとした努力なんだけど、すごいなと感じました。南北問題を扱った大作の多い韓国映画ですが、このようなどこの国でも作れるような題材であっても、こういった作品に仕上げるセンスは改めて感心しました。 8点(2004-09-05 08:44:46) |
7. 箪笥
うわ、これ久々に見た難解な謎解き映画でした。切り口は違うけれど、「カル」や「マルホランドドライブ」なんかを最初に見た時に感じた釈然としないもどかしさ。しかし、あれこれ考えているうちに少しずつ自分なりの解釈ができてきて、もう一度見ずにはいられなくなる、そして解釈が広がってゆく・・・そんな映画でした。単にある家庭で起こった事故による心身喪失というわけではなく、近親相姦、歪んだ姉妹愛と嫉妬、妄想と超常現象、多重人格、一見何気ない立場に見える人物が全ての引き金であること、死んだ人物の背景にある心理、ちょっとしたシーンに隠された伏線、あらゆる要素が複雑にからみあった深い作品だったと思います。そして、見終わったあとに来るせつなさが、全ての恐怖を悲しみに昇華させてしまうというちょっとやそっとじゃ真似できない作品じゃないでしょうか。そう考えるとこれはもはやホラーというジャンルではないような気がします。あぁ、韓国映画恐るべし。 (追加) DVDで監督のインタビューを見ると、彼は「ペパーミントキャンディー」の方がもっとホラーだと言っています。それは、人間の中に潜む狂気が全てを語っているという事 ですよね。ただ我々の思う「ホラー」という言葉にとらわれると監督の考える本質を見失うので、要注意ですよね。 9点(2004-07-31 19:24:05) |
8. ブラザーフッド(2004)
南北関係を描いたドラマは韓国映画の得意とするところで、今回もきっと 激しいんだろうと思って見ました。やはり思ってた通りの激しさでしたが、 意外とウォンビンとチャンドンゴンが役にはまってたのが印象的。 ウォンビンの小鹿のような眼差しは、悲しげな表情をさせたら天下一品かも しれませんね。 チャンドンゴンは、以前から孤高な感じのキャラだなあと思っていたので すが、北に寝返るところからあたりは本領発揮って感じでした。「チング」 でも同じような部分を垣間見た気がしたのですが、あの美しい顔から出る ナイフのような雰囲気は素敵ですね。美しさと冷たさと優しさと激しさを 兼ね備えてる俳優は意外と少ないような気がしました。 内容についてはみなさんの意見に納得する部分も多いのですが、スタッフや キャストのがんばりに脱帽です。 8点(2004-07-18 11:10:25) |
9. シルミド/SILMIDO
《ネタバレ》 先入観無しで見るより、ある程度の予備知識を持って見た方がより深い理解につながると思います。そして事実は、作品内では死刑囚の設定だった人々も、普通の貧しい農村から連れて来られた人たちも大勢いたということをふまえて・・・。まず二つの面を感じたのですが、一つは最初から最後まで一気に見せる構成は見事でした。普通、ストーリーの中に引き込まれるまで多少時間がかかることもあるのですが、あっという間に引き込まれ、後半のクライマックスにかけて涙の量も増える一方でした。もう一つは韓国の俳優や監督の、この作品に対する情熱がひしひしと伝わってくること。空軍隊長をはじめとした主要キャストのキャラクター作りが完璧で、それぞれの言動に不自然な所が感じられず、つっこみたくなるような部分がこれほど無かった映画も珍しく感じました。あと特にクンジェ訓練兵第二班長が自分の息子ほどの担当指導兵をやむを得ず射殺したあと抱きしめるシーン、最後のバスの中での集団自決シーン、チョ軍曹がバスに向かって走る時に落ちた、訓練兵たちに渡す予定だったお菓子の袋・・・。脱走強姦事件の後、吊るされたチャンソクが早く殺してくれといわんばかりにわざと仲間を罵倒し、アカ(共産主義)の歌を絶叫するシーン、その他リアリティの中にちりばめられたこういったエピソードの数々、たとえこれらが単なるスパイスであっても僕は完璧にやられてしまいました。そして、この事実が単なる一事件として事務的に葬られたのを暗示したラストカット。キャストからして一見地味な先入観を持つ映画かもしれませんが、僕にとってはずっと心に残る映画になりました。JSAを上回る映画ってないと思っていたのですが・・・・ドキュメンタリー性とエンターテイメント性がこれほどまでに融合できる韓国映画にまたまた脱帽状態です。 10点(2004-06-06 13:23:53)(良:4票) |
10. 黒水仙(2001)
設定に若干無理があるんだろうか?ドラマチックな展開のはずなのに、後味が薄味でした。もう少しアクが強い方が韓国っぽいかも。 5点(2004-04-30 17:02:30) |
11. ラブストーリー
あえて辛口な点になってしまったが、何故だろうと思い返すと、母親のエピソードと彼との心象描写が秀越なのに対し、現代の娘と片思い相手の彼とのエピソードがあまりにも陳腐な気がしたからである。そう思ってしまうと、ラストへつながる偶然があまりにも強引に思えてくるのである。ただし、音楽と幾つかのカットは素敵だった。僕の中では猟奇的~の方が自然な感動を与えてくれた。しかし、この監督はロマンチストだなと感じた(笑)いっそのこと、過去をこの映画、現代を猟奇的~で構成してみたら・・・・あまりにも腹いっぱいになるだろうなあ(笑) しかし、アンハッピーエンドの多い韓国映画の中で、ハッピーエンドものがほっとするのも事実かもしれない。 5点(2004-02-10 19:33:48) |
12. リベラ・メ
犯人のトラウマ、炎の見せ方、来るぞ来るぞという爆発の瞬間、結構やるじゃんと思った。日本では無理めなロケ、さぞかし大変だったろうなと。(一部CGだったとしても)しかし、見終わった後、暗い気持ちになった事を思い出しました・・・ 6点(2003-11-11 15:39:35) |
13. ボイス
少し不完全燃焼気味だったでしょうか。子役の演技に話題が集中しているみたいだけど、韓国映画なんだからもっと過激な描写があってもいいのでは(笑) 5点(2003-11-11 15:24:06) |
14. 猟奇的な彼女
僕は、なんだか韓国映画の感情描写にはまる傾向があるようです。たしかに最初の方のエキセントリックな部分は違和感あるんだけれど、後半部分からラストにかけてのエピソードはまたしても涙を誘われてしまいました。「運命は、努力した人にだけ偶然という橋をかけてくれる」この言葉が離れません・・・ 9点(2003-11-11 08:45:25) |
15. おばあちゃんの家
大阪での初日に見ました。静かで美しい映像の中で淡々と進行する物語。無言のおばあちゃんからにじみ出てくる無償の愛情、子供の頃の特有のぶつけどころのわからないわがままさと癇癪、両方の心情がとてもよくわかるような気がします。乾電池、チキンのエピソード、くしゃくしゃのお札、裸足、くし・・。おばあちゃんの優しさがラストの絵葉書のシーンでようやく通じ合うところでは一気に涙があふれていました。忘れることのできない映画のひとつですね。 9点(2003-09-08 10:12:09) |
16. 春の日は過ぎゆく
結構、映画にするには難しそうな作品ですよね。ともすれば退屈になりそうで。でも、主人公の二人の演技と台詞のリアリティが秀れてるので、見ていてすごく自分の経験とオーバーラップするものがありました。人間っていくつになっても不完全で、楽しくなったり、わがままになったり、そのときの感情で相手を傷つけたり、でも後悔したり・・・・そして少しづつ大人になっていくという。淡々とした進行の中にちりばめられているBGMと音と、何気ない会話の数々が素敵です。勢いとわがままと、未練と後悔のブレンド具合、うまいです。 8点(2003-08-15 14:50:01) |
17. プライベートレッスン 青い体験
原題の「青春」の方が絶対いいと思うんですが、単に韓国の若者のグローイングアップ物語ではなく、韓国ならではの家族、恋愛、友情、生死にまつわるエピソードがちりばめられています。思春期における性衝動の描写の陰に見え隠れする、友情と同性愛の葛藤(といっても、本人たちも気づいていないような描写の仕方ですが)がせつなかったです。景色の美しさと、登場人物たちのみずみずしさを思うと、この邦題はいかがなものかと思うのですが・・・。単にエロチックな内容を彷彿させるタイトルよりも、原題の「青春」にしてほしかったです。 8点(2003-07-17 12:02:21) |
18. カル
これは何度も見た作品でした。謎解き映画はその伏線に気づいたときの満足感がたまりません。グロテスクな部分が強調されがちですが、僕としては少しせつない同性愛テイストが全ての軸なんだなあと。 9点(2003-06-12 17:33:50) |
19. 八月のクリスマス(1998)
最後の方で、自らセルフポートレートを撮ったシーンで涙・・・。韓国映画の好きなテイストが優しく僕のまわりを包んだような気持ちになった。あくまでも静かな静かな心地よさとせつなさが記憶として見てよかったと思わせる。 8点(2003-06-09 20:44:35) |
20. ラスト・プレゼント
人の死についていろんな角度から描く韓国映画ですが、これもまたお決まりのストーリー、多少大げさな描写とわかっていつつも僕は弱いんですよね・・・。音楽と夫婦の表情と、喜怒哀楽のはっきりしたストーリー。お母さんのお墓のシーンではもう止まりませんでした。エンドロールが終わるまで立つ人のいない映画って少ないと思いませんか?この映画もまた誰も席を立とうとしなかったのが印象的でした。つっこみを入れたくなるような部分も帳消しにしちゃいましょう。 9点(2003-05-10 15:51:47) |