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1.  イースト/ウエスト 遥かなる祖国 《ネタバレ》 
ラスト近く、駅でアレクセイが「きっと時間までに戻ってくる・・・」と遠い目をして呟くけれど、あれはある意味彼の本心じゃないかと思いました。10年もかけて愛する妻子を逃がしたとはいえ、妻はやっぱり自由より夫婦の愛(自分)を選び戻ってきてくれるのではないか、という一縷の望み。半面、どうか逃げ遂せて欲しい気持ちにも偽りはなく・・・。ラストショットが切な過ぎます。カトリーヌ・ドヌーヴの圧倒的な存在感もさすが。最初から最後まで緊張感の途切れない素晴らしい作品です。もっと多くの人に見られて評価されて良い映画の一つだと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2009-09-30 16:03:57)
2.  ラフマニノフ ある愛の調べ
もともと好きではないラフマニノフだけれど、こういう映画でも見ればちょっとは好きなほうに針が振れるかも・・・、なーんて思って見た私がバカでした。これぞ「駄作」という呼び名がふさわしい。こういう映画は、思いっきりドラマ性を追求するか、芸術性に走るか、その軸足が定まらないと、こういうどーでもよい作品になってしまいます、みたいな典型例。ラフマニノフの音楽はそこそこ使われますが、演奏シーンは少ない方です。しかも、彼の伝説の技巧が披露されるシーンはただの一つもありません。じゃあ、ドラマ性はといえば、彼が演奏家と作曲家の立ち位置について、その狭間で苦悩するというのはサラ~ッと描写されますが、そのほとんどは、女とスタインウェイに悩まされた以外に、何に葛藤し苦しんだのかも分からない描写の数々です。最近流行の時系列をグチャグチャにする作りを取り入れていますが、本作ではそれさえメリハリになっていません。原題にある「ライラック」もほとんど生きていません。ラストに唐突に意味を持たせて使われますが、スクリーンの中では最高の盛り上がりを見せるに反比例し、見ている方は最高に白けます。かの有名なラプソディーが虚しく頭にこだまするばかり・・・。不幸にも、私はこの映画を見て、ますますラフマニノフにアレルギーを持ってしまいました。
[DVD(字幕)] 3点(2009-08-24 12:02:05)
3.  ここに幸あり(2006)
おフランスのエスプリだか何だか知らないけど、退屈極まりない映画でございました。コーヒー5杯飲んでどうにかエンドマークに辿りつきました。
[DVD(字幕)] 4点(2009-05-26 15:00:49)
4.  12人の怒れる男(2007)
もぉ~、長いよ・・・。何度眠くなったことか。ロシアやチェチェンの昨今を語りたいなら、こういう形じゃなくてもいいじゃないのさ。やっぱり、密室劇というのは、緊迫感が一番大事だと思うが、本作はそこが完全に欠落しているので見ている方も気が緩む。また、肝心の、有罪から無罪へと流れが変わっていく過程だが、陪審員個人の、しかも評議と関係ないメチャクチャ個人的な、おまけになが~~いなが~~~~~~~いエピソードを聞かされた挙句、「だから無罪に変える」となって、こっちは「あ゛? だから、って? どこが?」状態。簡単に有罪にして良いのか? って最初に提議しているけど、じゃあ、評議ってこんな感情論・哲学論・思想論で収束させちゃっていいわけ? と問いたくなる。そっちの方がよっぽどコワイ。また、度々挿入される同じ画(雨の中の戦車に人が倒れその脇から犬が現れるとか、被告の青年が房でダンスしているとか)は、しまいには、イライラ倍増効果のためにやってんのかー、と言いたくなって来る。こういう密室劇で160分はキツイ。だったら、もっと緊迫した論戦を展開してくれないと。評議の最後と、本作のラストシーン(『用心棒』のパクリじゃない?)なんか、結構凝ったつもりなんだろうけど、こっちはそれまでにグッタリ疲れちゃって、「もう、何でも良いから早く終わってくれよ」みたいな気持ちでしか見れないわよ。こういう作品を味わえない自分が、まあ、未熟なんだろうなあ、とは思うが、それにしても160分はゴーモンだった。
[DVD(字幕)] 3点(2009-05-18 11:17:57)(良:1票)
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