21. 海洋天堂
《ネタバレ》 導入部の舟のシーンでは、非常に観念的で嫌なものを感じたし、また当然その後はカットバックで後でここに戻ってくるんだろうと思っていたんだけど、何とそのまんまなシーンだったのにびっくり。その後の描写も(あるいは主人公の行動も)、何とも実直で、生活に足がついていて、一つ一つの目の前の現実的なことの解決に徹しています。奇跡は決して起こりません。逆に、展開のためだけのようなわざとらしい危機も起こりません。だからこそ、何気ないことの困難さが静かな重みをもって迫ってきます。そして、そうだからこそ、近くの商店の奥さんとのちょっと切ない関係が効いてくるし、たった1回の写メが、見る側にとっても忘れられない想い出として刻みつけられます。 [DVD(字幕)] 8点(2015-11-02 22:39:16) |
22. 少林寺2
《ネタバレ》 前作とは内容的に関係なしということを知らずに見たので、最初の20分くらいは、一体何が起こっているのかと思ってしまいました。しかし、それにしても最後まで騒がしかった・・・幼稚園か小学校低学年クラスにでも放り込まれた気分でした。クライマックスの12分間のてんこ盛りアクションシーンに3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-04-15 22:19:31) |
23. 少林寺
ところどころ演出が異様にださかったり間延びしていたりするのですが、精度を極めたカンフーアクションをとにかくあらゆる場面で見せつけてやりたいという執念だけで映画を一本作ってしまうという姿勢は、嫌いではありません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-04-08 02:35:52) |
24. 単騎、千里を走る。
肝心の親子関係の描写(義親子関係含む)があまりにも凡庸で浅薄なので、いくら主人公が中国の奥地に行って頑張っても、「脚本にそう書かれているから行っている」だけであって、感動を呼び起こすものになっていません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-03-01 13:16:58) |
25. 敦煌
《ネタバレ》 エキストラや美術関係は頑張って集めていますが、その全体をフレームに収めるのにカメラが専心しすぎていて、肝心の個々の俳優の表情や演技が全然撮り切れていません。展開としても、その場その場で登場人物が思いつきで行動しているだけで、何がその人の背景でありテーマであるのかというところが、ほとんど作り込まれていないのです。少なくとも、ラストをあの方向に着地させるのであれば、学問に向けた主人公の理念なり執念を、作中でもっと描いておく必要があるのでは? [DVD(邦画)] 5点(2015-01-07 03:16:02) |
26. 我が大草原の母
《ネタバレ》 上海で生まれた子が、大規模な飢餓のために集団移送で内モンゴルに送られ、そこで成人後、生みの母が自分を探していることを知り・・・というストーリーの概要からだけでも、空間的にも時間的にも壮大に展開するドラマを勝手に期待してしまうのだが、どうも何となく爆発すべき部分が爆発せずに、もっと飛翔しそうでしないまま最後まで至ってしまったという感じ。実の両親との対面の場面なんか、一番重く意義ある部分なはずなのに、何となく流れてしまっているし、養子先の兄弟や現地のガールフレンド(?)とのやりとりなんかも、もっと盛り上げようがあったと思う。あと、モンゴルの大平原はひたすらに美しいのだが、現地の実生活の描写、「家の中」の描写も、もっと見たかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-07-01 20:52:35) |
27. 初恋の想い出
《ネタバレ》 何かが起こりそうで起こらないまま、最後まで延々引っ張られてしまうという困った作品。要するに、主人公の2人がうじうじうじうじと悩んで考え続けるのを見せられるだけなのである。したがって、ドラマとしては何も起こっていません。過去にあったことがどうこうという部分も、もっともらしく提示されてくる割には、それを踏まえた各親の思考が停止状態なので、設定として安直になってしまっているのです。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-17 00:21:33) |
28. 子供たちの王様
《ネタバレ》 字を覚えて表現するという一点に特化した描写は、それだけにかえってインパクトを生み出しているが、生徒とのやりとりも特定の1人に集中していってしまったのが惜しい。あと、この邦題は何とかならなかったのか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-09 02:07:19) |
29. マイ・ブルーベリー・ナイツ
雰囲気で押し切っているといえばいえるが、独特の浮遊感とある種の倦怠感は意外に悪くない。各登場人物がさらりとした接点だけで通り過ぎていく中、デヴィッド・ストラザーンの地味怪演が、地道な存在感を残している。カサンドラ・ウィルソンの"Harvest Moon"の巧カヴァーに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-17 23:32:03) |
30. 墨攻
各国合作の悪いところが全部出てしまった感じ。登場人物をどういう人として描きたいのか、その思想やメッセージが何もないまま、戦闘シーンだけを手間暇かけて作ったものだから、巨大なハリボテだけが完成してしまっている。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-03-22 23:26:26) |
31. あの子を探して
設定はこの上なく面白そうなのですが、やっていることをそのまま追っているだけで、各場面の必然性や表現というものがないので、平坦に感じてしまうのです。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-17 03:30:26) |
32. ソフィーの復讐
何がびっくりしたって、チャン・ツィイーの劣化ぶり。最初のほうはずっと、「いつになったら出てくるんだろう?」と思いながら見ていた。ヘアメイクや衣装も最低だし、こんなふうにしか撮れなかった制作側の責任は大きい。内容的にも、笑わせようとしているっぽい場面がことごとく滑っている。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2012-01-31 01:54:44) |
33. 胡同のひまわり
《ネタバレ》 前半は、父親のスパルタ教育で子供が芸道を極めようとするという特に目新しいところのない内容だったのですが、子が人格を備えて周りの登場人物も絡んでくる中盤以降にむしろ見るべきところがありました。父親が岸部一徳に似ているのと、ジョアン・チェンがえらく老けてしまったのが気になりました。それと、音楽はかなり単調だった気が。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-05 03:02:17) |
34. チベットの女 イシの生涯
チベットのドラマというのはあまり見る機会もないので、期待したんですが・・・風景や現地の日常生活は面白かったものの、50年にわたる話であるのに、思ったほどのドラマとしての壮大さが感じられなかったのがちょっと残念でした。孫娘の存在も、そもそもいらなかったのでは? [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-07-01 22:03:15) |
35. 追憶の切符
《ネタバレ》 自分が親に捨てられたからといって、レポーターとして取材対象夫婦に絡み出すという初期設定は、かなり強引ではないのかな。なので、切符云々も設定のための設定という気配が漂っているし、途中のところは無理に山村の風景に寄りかかっていないかという気もするが、上品に締めるラストはなかなか良いです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-11 00:58:11) |
36. ヘブン・アンド・アース
《ネタバレ》 前半はいかにも平坦で視点の定まらない描写で、これは駄作決定かと思っていたのですが、馬賊の襲撃シーンには適度な陰湿さと強引なファンタジックなまとめがあって面白かったので+1点。また、ヒロインの女優さんも、後半はだんだん可愛くなっていました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-02-06 03:54:36) |
37. 女帝〔エンペラー〕
こんな大時代的で仰々しい話を、何でこんなに暗くて気が滅入る撮り方をするのかな。チャン・ツィイー目当てで見ましたが、全然綺麗に映ってないです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-01-15 20:37:58) |
38. 變臉~この櫂に手をそえて~
ことさらに突飛な展開をしない地道な描写の積み重ねに好感が持てる。主人公の爺さんも絡み役の少女も、最初の方は素人級の芝居ではないかと思っていたが、物語が進むにつれてとてもいい顔をするようになっている。歌劇役者の彼が裏の功績者ですね。 [映画館(字幕)] 6点(2010-10-31 22:00:57) |
39. 世界
ひたすら一本調子で似たような感じの映像が流れているだけで、誰が何をしたいのか最後までよく分かりませんでした。中国映画と日本映画とフランス映画の欠点だけが重なってしまったような感じ。静寂と沈黙を多用した作品世界の雰囲気は悪くなかったので、もう少し何とかならなかったのでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-12-21 02:15:28) |
40. ココシリ
《ネタバレ》 この題材を映画化したという志の高さにおいてまず大いに価値があるし、全体を通じて不必要な会話を落とした原始的な描写がもたらす生々しさも強力。軽々しくパトロールの成果が上がらないのも、現実の厳しさを伝えてくれる。ただし、部下も置いといて食料や燃料の欠乏を認識しながらさらに山奥へ乗り込んでいく後半は、どこまで事実に即しているのかな?と思わないではない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-22 02:33:19) |