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プロフィール
コメント数 298
性別 女性
ホームページ https://kawamari7.hatenadiary.com/entry/2021/09/03/221816
自己紹介 取り締まる法律が必要な(1)XX中毒。生まれた場所のせいで3歳で兆候が現れ、13歳で表彰状物の重症に、今ではより強い刺激を求め(2)X屋の中だけではなくこのサイトに出没、ネットで(3)XXXXXXがないかと探し回るのに誰も助けてくれません。KW = 「かわまり」「はてなブログ」で原子力開発関連の「プロメテウス達よ」と19世紀ヨーロッパを夢と詩で描いた「黄昏のエポック」を公開しています。  (Xの数に文字数が一致する言葉を入れてください。)

空欄の答え:(1)XX=「言語」、「活字」も可、(2)X=「本」、(3)XXXXXX=「読める外国語」、キリスト教国際病院で生まれ、宗教は仏教。

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1.  単騎、千里を走る。 《ネタバレ》 
北京オリンピック開会式のプロデューサーを務め、その後の作品で潤沢な資金やエクストラを駆使して「昔の心意気はどうした!」と揶揄されたチャン・イーモウ監督のまだ擦れていない頃のお涙頂戴もの作品です。別に日中両国をまたがなくても、とかツッコミどころはありますが高倉健と仕事をしてみたかっただけなのかもしれません。でもプロの日中ガイドと少し話しが混みいるとしどろもどになるガイドの二人を配して言葉が通じないことからくるドタバタもあり、最後は言葉を越えてわかり合うようにもっていくところなど、心憎いストーリーでした。リーの仮面の下での涙は唐突に感じましたが自分の子供のために動き回れる高田(高倉健)に対する羨望と囚われの身の自分に対する自責の涙だったのですね。高田がガイドを介して伝えた決断はリーとヤンヤンの父子両方にとって妥当なものだったと思います。高倉健さんは昨年亡くなりましたが「チャン・イーモウ監督、高倉健が元気なうちに撮れて良かったね。」と言いたい一作です。雲南省の風景がとても綺麗でした。 
[DVD(字幕)] 7点(2015-02-12 08:00:51)
2.  初恋のきた道
画面のきれいなことと出演者の服装や髪型のダサいことに感銘!主人公を演じるチャン・ツーイの格好なんて今の中国では農繁期の農村の女の子でもしないのでは?現在の場面がモノクロに近い青系統で、昔の場面がオレンジ色が中心の暖色系等でまとめられているのも心憎いです。わたしは小中学校時代を教師がすごく尊敬されている某県で過ごしたので女の子が若い先生に憧れる気持ちはわかりますが、嫁=労働力だった当時の中国の農村では18歳というのはすでに適齢期ちょっと過ぎの年増かもしれません。加えて主人公が文盲だということ・・・共産党が支配する前、学校の数も少なかった中国の大半の農村では子供を野を越え山超えで学校に通わせることができたのは地主か豪農くらいだったはずで、本作品で描かれている恋愛は今の日本や中国ではもう消滅してしまったタイプの身分違いのロマンスなのです。昨年建国60年を迎えた中国の共産党支配には批判もありますが、文字を簡略化し、農村に学校を建てて識字率を上げたことや都会の公園や公共施設から「犬と中国人は入るべからず」の立て札を一掃したこと(植民地化を止めたこと)はすごい功績です。この作品の題名にある「道」というのはただ単に個人の青春の軌跡を意味するのではなく共産党支配後の中国がたどった長い道も指していて、この映画は中国の若い人たちに「こんな時代もあったんだ。」と過去を振り返らせる大きな役割を果たしていることでしょう。でも、わたし個人としてはチャン・イーモウ監督作品の中で近い過去を振り返っている一群のノスタルジー映画の中では家や私娼の問題を通して人間性に鋭く迫る「菊豆」や「紅夢」のほうが評価しやすいです。
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-14 02:48:31)
3.  王妃の紋章
セットの豪華なことは一目みれば誰にでもわかります。チャン・イーモウ監督のスクリーン美学が如何なく発揮された作品です。でも、「紅夢」や「菊豆」にあったようなおどろおどろしさとか、人間の本質に迫ったり中国の家族制度を暗に批判したりする哲学性はいったいどこに行ったのでしょうか?中国の経済が豊かになって、監督自身も国際的に有名になって、大掛かりなセットや華やかな衣装をまとったエクストラに出資してくれるようなスポンサーができたからといって、資金不足だったころのハングリー精神や表現欲を忘れないでほしいです。皇帝の風格や個性を出していた三王子の演技は満点。皇后役のコン・リーの演技も満点近いのですが、私の趣味としては若い皇太子とのどろどろした愛欲におぼれるのは「サンセット大通り」の往年の大女優グロリア・スワンソンみたいな、皺だらけの顔を厚化粧で塗りたくるオバサンであってほしかったです。そうすればもう少し哲学味が加味されたかもしれません。えっ、文化大革命のせいで年長の世代からは主演が張れるような女優が育っていない・・・のかもしれません。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-18 02:37:21)(良:1票)
4.  ヘブン・アンド・アース
こういう歴史超大作にチャンバラ劇を混ぜたような作品、大好きです。井上靖の小説を映像化したよう(残念なことにまだ映画は「額田王」をテレビ化したもの以外には一作も見る機会に恵まれておりませんが・・・)で平均点よりずっと高い点数を献上できます。SFじみていて興ざめだという意見もあるようですが、これはSFではないのです。井上靖の西域ものの小説(呉承恩の『西遊記』もしかり)を読めばわかると思うのですが、西域や仏教伝来に関しては曖昧な点や後世で非現実的に脚色されていることが多く、この話もその類だと思って楽しんで見てほしいものです。それにしても、中井貴一さん、中国語が達者なのはいいけれど、日本人としてのアイデンティティーはどこに・・・?日本人がチャンバラしなければならない理由はあまり良くわからいです。この頃に中国に留学した日本人はコピー機の代用を努められるようなおとなしい人ばかりだったのでは・・・?皆さんにうけている文朱(ヴィッキー・チャオ)はディズニーの『木蘭(ムーラン)』よりもかっこよかったです。巻頭で張藝謀(チャン・イーモウ)監督(『紅夢』、『菊豆』などの監督)の名前がちらっと出たと思うのですが、砂漠の構図や色彩も堪能できる作品でした。SFでも何でもいいから、日中合作、それからモンゴルかどっかにも協力を要請して西域ものをもっと作ってほしいです。酒飲みながら見たのでろれつならぬワープロがさだかではないのですが、もう一度見てから「あらすじ」を書いてみます。
[映画館(字幕)] 8点(2008-01-10 13:40:21)
5.  未完の対局
悪いけれど、若手のミスキャストが痛かった。三国連太郎、孫道臨、三田佳子、大滝秀治などのベテラン陣は良かったがベテラン陣だけでやっている映画という感じが否めない。紺野美沙子はホームドラマ向き、相手の中国人の俳優はダイコン。十歳前後で日本に来て日本人の中で暮らした中国人はあの年齢になれば日本語はネーティブ並みに話せるはずなのに、意味がわからずに台本を棒読みしているような日本語の台詞に中国語の独白は不自然。日中国交正常化にこだわらず、日本人を起用したほうが良かった。キャストなどに気を配ればすばらしい作品になったはずなのに残念。
[映画館(字幕)] 3点(2005-09-04 23:23:01)
6.  北京ヴァイオリン
こんなにかわゆくって才能に恵まれた子供をもってみたいという親の願望まる出しのチェン・カイコー監督の親馬鹿映画。子供はたまったもんじゃありません。同監督は「始皇帝と刺客」でも親馬鹿の呂不偉を自演しています。「親の顔が見たい。」というのは人を馬鹿にする時の言葉ですが「監督の子供の顔が見たい!」・・・これは決して馬鹿にしているわけではございません。はい。神童と言われる、あるいは言われたことのある子供は思春期の自我確立と親離れの過程で決まって嵐のような葛藤を経験するようで、時には才能ある分野に進学しなかったり(この作品のモデルがそうだとも聞いています)、「シャイン」の主人公のように神経症になったり、さもなければ「アマデウス」でトム・ハルスが演じたモーツアルトみたいに(どこまで本当か知りませんが)死ぬまで子供っぽくて終わってしまいます。でも、この作品は主人公が十三歳の一年間を描いているだけで、原題や英語の題が示すとおり最初から最後まで父親にべったりで中途半端な感じがします。もっとも思春期の子供を映画で描くことは、特に男の子の場合、体格や声が変わっていくのでむずかしいものがあります。「シャイン」の場合、主人公の髪型を変えることによって対応していましたが、中国が舞台では主人公の髪型をまさかマッシュルーム・ボブやパンチ・パーマには変えられませんしね・・・。主人公のかわゆらしさ、音楽の完成度、特にラストのチャイコフスキーのバイオリン協奏曲の迫力に免じておおまけの点数をつけます。
6点(2004-07-04 11:22:35)
7.  變臉~この櫂に手をそえて~ 《ネタバレ》 
子役が可愛くてその演技が真に迫っていることは巻頭から最後まで変わらず、この作品の内容では当然とも言えるので軽く書いておくだけにして、作品中に登場する老人のペットの猿の表情がその時々に応じて時には哲学的といえるような表情で老人の感情や境遇を反映しているのが印象的でした。こういう猿の細かい表情は訓練してやらせているのでしょうか?それとも、飼われていて表情豊かな(と飼い主が思っている)猿からオーディションでこの採用した?あるいは、表情でコミュニケーションをする猿の群があってそこから抜擢したのでしょうか?四川劇の女形のスーパーヒーロー的なアクションでハッピーエンドとなるのですが、今までなじみのなかった四川劇を垣間見させてくれたのも良かったです。北京の京劇と異なって超自然的な役柄には隈取ではなく仮面を使い、演技もパターン化されていないようです。
8点(2004-04-14 00:24:13)
8.  始皇帝暗殺
イエス・キリストは 1. ローマに布教に行く途中で病死した。2. 磔にあって刑死した。3. 天寿をまっとうした・・・の答えと同じくらい司馬遷の史記のこのくだりは日本人の知識人、特に男性にとって長い期間、常識と言える事実だったのことです。「・・・だったとのことです。」という断定を避ける言い方をしたのは源氏物語の中で光源氏のライバルが燕の皇太子が決意に煩悶する史記のくだりをあてこすりで暗誦する場面があるのを思い出したからで、私自身は史記は「覇王別姫」の元になった「垓下の戦」を高校の漢文の時間にちょろっと舐めた程度ですが・・・。コン・リーがやはり出演していますね。この人は強い女しか演じられないと私は思っているのですが、趙夫人のような強い女の役をどんどん演じてほしいです。でも、男と言い争った後でくるっと踵を返して肩を怒らせてスタスタ歩いていくようなのは止めてほしいです。もっとも「女の三従」なんていう道徳律が一般化されたのは後世のことで、この時代の女性がシャネル、ではなくてしゃなりしゃなりと歩いた、なんていう記述が「史記」あるとは思えないので、地のままでいくしかなかったのでしょうが・・・。日本の新石器時代の年代をこの頃だったのかな・・・などと推定するのに放射性炭素のお世話にならなければならない紀元前3世紀に、お隣の国では貨幣や度量衡の制定、交通路の整備、北方民族の侵入阻止などのために強大な指導力が必要とされるほど商工業が発達し、もちろん文字もあればウーマン・リブ運動もあった・・・というのは一番最後だけ未確認です。
7点(2004-04-07 02:46:19)
9.  ラストエンペラー
映画の題材として興味深い愛親覚羅溥儀の人生を描いてみたいという伊・英の映画人の意欲には脱帽しますし、中国人も顧問などでは製作にかかわっているとは思いますが、長い歴史のある中国文化を垣間見るためにはやはりチャン・イーモーやチェン・カイコー監督などの作品で登場人物も作中で中国語を話す作品を選ばざるを得ないです。中国人自らでこの映画のリメークを作って欲しいと思いますが、この映画を超えられるかどうか・・・。また、それができた頃には私はもうこの世にいないと思います。(注:私は「年寄り」と呼ばれるまでにはあと何十年かある年齢です。) ジョン・レーンやジョアン・チェンの演技がすばらしかっただけにセリフが全部中国語だったらと思います。(彼らはうちでは中国語を話していたりやなんかして・・・。)
7点(2004-02-27 05:57:17)
10.  グリーン・デスティニー
ワイアーを使った不自然なアクションさえ無ければ、二人の女性カンフー戦士の対照的な生き様や愛情のせつなさなどが伝わってくるすばらしい作品だったんですけれどね・・・。CGを使ったもっと自然な作品にリメークしてください。そしたら満点をあげます。それから中国映画に変なカタカナのタイトルや説明的蛇足(たとえば「覇王別姫」の「さらば、わが愛」など)をつけるのは止めてほしいと思います。中国映画のタイトルはそのままにしてほしいです。そのほうが想像力をかきたてるし原作を尊重していることになると思います。
6点(2004-02-23 12:38:48)
11.  黄色い大地(1984)
中華人民共和国建国直後から文革期に至るまで、中国では共産党を讃えるミュージカルやオペラが数多く作られました。そのほとんどは同じストーリーの焼き直しで何十年か先には忘れられる運命にあります。でもわりと最近に作られたこの映画は、その系列にありながら生き残る数少ない作品の一つになるでしょう。伴奏なしのソロで個人の感情を切々と歌い上げている民謡の一つ一つが歌っている人物と切っても切り離せない正に作品の中心と言えます。この時代、中国の農村にはテレビはもちろんラジオもなく、地方の人々がインターネットを利用して情報の発信まで行う現在とは異なり、農村の人々は共産主義を多角的に評価するどころか読み書きさえもできなかったのです。ですからこの作品を鑑賞する上で、私たちは共産党に関する固定観念や現在の私たちが持っている知識等を排除した上で、「どん底の生活をしていても人間には美しい音楽を作り出す能力があるんだな・・・。」とか「暗い生活をしているから、一筋の光が見えた時に必死になってそちらに手をさし伸べるんだな・・・。」といったピュアな見方でもってこの作品を鑑賞するべきでしょう。自分の運命を自分で切り開く決意をした時の主人公の少女が最高に美しかったです。作品の暗さのせいで点数はちょっと辛めです。
8点(2004-01-25 08:47:55)
12.  紅夢
強い女の役が好きそうなコン・リーが地のままでやっているような演技がとてもいい。チャン・イーモウ監督の映像美にかける執念がこの映画からも伝わってきて、とにかく映像が美しい。コン・リーの主人公もライバルの第三夫人も美しい。この上、正妻と第二夫人もきれいだったらこの映画は中国モードのファッション・ショーになってしまうでしょう。主人公が大学中退だということはストーリーの時代がかなり現代に近いということで、もう少したてば毛沢東が中華人民共和国建国を高らかに歌いながらこういった前近代的な妾制度を廃止し、主人公たちを解放することになるのだけれど、もちろんそんな明るい結末ではないからこそこの映画は世界中で上映されるような芸術度を達成しているのです。閉鎖された環境の中で衣食住等物質的には何一つ不自由なく、正にモルモットのように飼われている女たちがどう考え、どう行動するかを冷徹な目で見つめている、美しくかつ残酷な作品です。日本語の題名は「紅楼夢」とまぎらわしいですね。
8点(2004-01-23 12:40:20)(良:1票)
13.  菊豆/チュイトウ
染物屋が舞台になっているだけあって、色彩がすばらしい。それからコン・リーの演技もよかったです。「跡継ぎ息子を産め!」といって妻を虐待する子供のない老人(こんなふうにして子供ができるわけないでしょう)に耐えかねて主人公は「自分の身を守るためにはどうしても子供を生まねば・・・。」と決意しますが、封建的な中国社会に特有かもしれない家(それに加えて自分の身)を守り、跡継ぎを確保しようという意図がポルノまがいのストーリーとシーンにつながっていくのにはぞっとさせられました。この映画、決してポルノ映画ではないけれど、中国で上演禁止になったというのもわかります。後半、子供ができてからはもっと怖い。「中国人よ、家の亡霊に取り付かれるのはやめろ・・・。」という作者の叫びが聞こえるようで、何事もいきすぎると変態じみていくのかと感じました。美しい映像が重苦しいストーリーをなんとか救っています。
7点(2004-01-23 10:54:32)
14.  さらば、わが愛/覇王別姫
人類全体(と言おうかあえて言えば全世界の女性)に対して有益この上ない同性愛関係、あるいは徹底的なプロフェッショナリズムのお話として私はこの作品を見ました。日本でも坂東玉三郎を追い回す熱烈なファンは女性がほとんどだし、この映画の中でもレスリー・チェン扮する女形に向かって客席で涙を流しながら手を振っている女性が写し出されていました。歌舞伎でも京劇でも女形は女性の美しさとその本質を体現することを職業とするプロなのです。暁楼の妻を演じるコン・リーの美しさをもってしてもプロとしての女形の人工的な美しさには及ぶべくもないと感じたのは私だけでしょうか?それにしてもコン・リーって強い女しか演じられない女優みたいです。ここまで徹底して女性の美しさを表現しつくすプロに対抗しようと思ったら本当の女性はしおらしく、か弱く振舞うしか太刀打ちするすべがないと思うんですけどね・・・。全体的にはストーリーや音楽、レスリー・チェンに満点、その他(少年役やコン・リー)でちょっと減点といったところです。前半の主人公の暗い子供時代に関しては「いい映画を鑑賞するためには忍耐も必要」の一言・・・初めてみる方、我慢して付き合ってあげてください。幼年時代の主人公はレスリー・チャンにそっくりなのに少年役が全く似ていないことを点数に加味するのは不当でしょうが、相棒の石頭(暁楼)は幼年時代には末恐ろしいほど豪胆な性格で少年時代はモチベーションの高い秀才だったのに大人になってからは確かに尻すぼみですよね。 ノーカットバージョン(海賊版?)では蝶衣が侵略者日本軍の将校の前で普段着の素顔で舞う場面があり、生き生きとした表情と相まって主人公の芸術至上主義がわかる好場面だったのにビデオなどではカットされているのが残念です。
9点(2004-01-22 04:39:26)
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