1. 恋するシェフの最強レシピ
《ネタバレ》 食と笑いって何となく似てると思ってて、取り敢えずは美味しければ or 面白ければ(=笑えれば)ナンだってイイじゃん!とゆーか、且つはソコって完全に個々人の嗜好でしかないから(尚更)「結果=その時その人にハマるかが全て」みたいな感じかとは思ってたりするのですね。とは言え、つくり手側としたって個々の「理想・こだわり」とゆーのは有るものだとも思っていて、幾ら他人が=「摂取側が」美味しい or 面白いと思って呉れるかが全て…とはゆーて、余りに一貫性も無くただ迎合してても(流石にそれじゃあ)仕方が無い…とは思ったりもしますよね。なので、本作でも描かれる様に、その面でのフィーリングがピッタリとマッチする…というコト自体は、高度なつくり手に為れば為る程、他の全てを吹き飛ばしてもソレそのものが為に恋に落ちてゆく価値の在るナニか…なのかも知れないとは思わずには居られないトコロなのですよね。 本作、彩りの頗る優れた料理に係るシーンもごく興味深かったですし、コメディとしても(意外なマデに)シンプルですが相当に面白かった・笑えたと思うのです(⇒主演二人の様子ってのはコメディ的にも好い仕事だったと思いますし、そもそも両名とも結構エキセントリックなキャラながらまたシンプルに非常に魅力的に仕上がってたとも思うのですよ)。しかし、特に終盤に掛けてはちょっと余りにも「混ぜこぜが過ぎる」とゆーか、取分け金城武の側の仕事とか人生とかってナニもかもをひたすらに「美味しいから」で片付け過ぎな様に思われました。コレも本来、恋愛だってそもそもはそーいうモンじゃん!(=好きなら理由なんてどーでもイイじゃん!)てコトなのかとも思ってみたりはするのです…ケド、ソコは流石に私くらいの年回りに為っちゃうと「理解は出来ても共感は…」みたいな感じなのもまた確実なんすよね(⇒少女マンガじゃねーんだから…的な)。結論、全然フツーに恋愛コメディとしては面白かったので評価はこの位にしておきますが、もう少しダケ整合性と、そして「深み」みたいなモノが在っても好いって感じかなァ…という心残り感も在りますかね⇒女のコはともかく、金城武さんは40過ぎだろ?みたいな、とゆーか…… [インターネット(字幕)] 6点(2024-07-15 21:11:45) |
2. 少林寺
《ネタバレ》 冒頭に日本の少林寺拳法を紹介するような描写が入ってるのは、実際にエキストラとして日本から高段者を大勢連れて来てたからだそーで、好い宣伝になったでしょうね。しかし、ゆーてジェット・リーさんも含めて中国側の主要キャラもほぼほぼガチの拳法家だそーで、チョコチョコ入る実際の武術の動き・型をやるシーンは、そのクオリティと言いヴァリエーションの物珍しさと言い、かなりユニークな観る価値を擁していたとも思われるのですよね(まあゆーて所々に多少、正に「花拳繍腿」みたいな「その動き無駄でしょ?(どういうシチュエーションで使うワザなの?)」的なヤツも在ったかとは思いますが)。また特に、ジェット・リーさん自身も(相当に若く見えましたが)シンプルに中々なモンでしたよね(⇒躰もバッキバキだし)。その時点で既に、見逃すのは惜しいという作品にも思えますかね。 ストーリーは、唐王朝創成期の史実エピソードを下敷きに置いている…とのコトらしいですケド、そのワリにも全体的にごく好い加減で正直どーでも好いって感じかも知れません(⇒まあゆーて取り立てて酷いのは、件の犬のエピソード位…かとも思いますが、別にそれを挽回できる様な好いエピソードも無かったし)。あと、アクションに関しても、少林寺vs極悪非道の王将軍軍団!とゆうコトで他対他の大騒ぎがハイライトになってくるワケですが、その辺は(まあ仕方無いとは思いますが)振付けの質的にも雑なトコロもあるな~とは思いましたかね。ただ、今作は明確に主人公としてジェット・リーさんが居てそのクオリティは(重ねて)高かったコト、他対他と一対一が(まずまずのクオリティで)両方観れるとゆーのも寧ろ悪くないと思われたコト、加えて、師父役のおじ様が(この人もモノホンの武術家だそーですが)何か凄く好い~雰囲気・佇まいだったコト(⇒技量と人格のどちらも高そうな、正に「師匠」みたいな)も踏まえて、ちょっと加点してこの評価としておきます。お暇なら是非。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-06-30 11:44:37) |
3. ライド・オン
《ネタバレ》 ジャッキーの集大成!という宣伝文句が踊り跳ねてるってヤツですケド、流石にカンフー・アクションがモロ主体という作品じゃあ(今更)なくって、実際のジャッキーそのものを大いに投影した主人公による人間ドラマが完全にメインって作品ではありますかね(カンフーやアクションが無いってワケでは全く無い⇔むしろ人間ドラマなワリにはそーいうシーンもふんだんにゴージャスに盛り込めてるって方、ではあるかと)。その人間ドラマとゆーのは、私の解釈では、人がその人生において「犠牲にしたモノ・犠牲となったモノ」と、それに依って「成し遂げたモノ・貫き通したモノ」を並べて描き出してゆく…というコトだった様に思えます。それが(ゆーてワリと)ごく普遍的なモノだ…という意味ではままベタで在り来りで、更に言えば多分にお涙頂戴系の(若干)クサイ様な雰囲気に仕上げられてるヤツだった…とゆーのも、ある程度は的を射た表現・評価なのかも知れないとは思いますかね。 しかし、それを他ならぬジャッキーが言っている・演っているってなら話は完全に別なのです(⇒そもそもこの世の中って、「何を」言ってるかと同じ位に「誰が」言ってるかだって常にごく超重要だと思っては居るのですよね)。前述した「犠牲」だって、コレとて大いにジャッキーの実体験の中の正に現実だと思うのですし、それと遂に「折り合いを付けた⇒から、今こーいう映画を撮っている」てのだって多分(幾ばくか以上に)ホントのコトだとも思うのですよ。だとしたらそもそも、それってそれ自体が実に非常に喜ばしい・偉大なコトだと(私とて)思わざるを得ないじゃあねーですか。私はハッキリ、この映画は全編涙無しでは観られなかったですよね。 再度、カンフー映画ではない(ケド、カンフーも全然しっかりしてるサービス精神旺盛な)娯楽ドラマ映画で、とは言えカンフー盛り盛りなこーいうヤツには今まで9点を付けたコトがねーのでソコはかなり迷ったり&でも直近に観た『フュリオサ』よりは確実に満足度が一段階高かったってコトもあったり、でもでも結局「ゆーてジャッキーも実は別に今作が最後って感じじゃねーな⇒カンフーもまだまだ全然演ってくれそーだな」と思ったコトもありましたので、9点は今後の作品の為に取っておきます。良作以上であるコト自体は完全に保証可能だとは思いますケド。 [映画館(字幕)] 8点(2024-06-02 23:18:00) |
4. おじいちゃんはデブゴン
《ネタバレ》 サモハンは2010年の『イップ・マン2』では率直にもう少し動けていた様に思えますが、多分膝が悪いんでしょうね(⇒劇中の描写として足を引摺るシーンもありましたが、半分はマジなのかな…と)。それでも、今作でもアクションシーンは結構ガッツリ入るのですケド(⇒特にラス前)基本は上半身のみ映して・上体のみで捌き切る!みたいな(ある意味)より達人ぽい動きになっている様な気もしてますよね。 またその意味では、サモハンのアクションシーンが(意外なマデに)しっかり在るコト自体には大大大満足なのですケドも、映画のその他の部分に関してはあまり高評価とはし難い…とゆーか、昨今の娯楽系リーズナブル中華映画のクオリティドンピシャ!とゆーか特にストーリーの部分は相っ当に雑・行き当たりばったり+思いの外やるせないって感じに暗~くシリアスで正直あんまり面白くは観れなかったですよね。それでもでもでも、なんか懐かしい顔ぶれ(特にユン・ピョウと、他よ~く見るとディーン・セキとか)が集まってくれた同窓会感も心地好くはあったコトも含めて、個人的には観て好かったとマデは全然思えましたですね。一点プラスしておきます。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-05-25 21:49:18) |
5. さらば、わが愛/覇王別姫
《ネタバレ》 抗い得ぬ時代の波に翻弄されるとある一つの世界を描いた作品にも見えるのですが、同時に、その世界におけるたった一人のとある人間の人生というものを完全に=完全なる完成度で描き切ったごく希少な映画でもある様に思われます。その人物は、その世界と同様に、逃れ得ぬ業を根源とする自らの相容れぬ感情・性格=魂の咆哮に、これも同じく翻弄され続けて居る様にも見えるのです。まずは、その常人には届かぬだろう域に達した複雑怪奇な人間性を、これでもかと抉り出すサマのそれ自体が稀有なことと、その抉り出されるソレ自体にまた実に見事で完全なる説得力が備わって居たこと、に非常に深い感銘を受けたのであります。が、何よりもまた同時に、その私の理解の到底及ばない奇異なる一人の人間というのが、何ゆえにこんなにも崇高に美しいモノに見えるのか、ともはや驚愕しないことには居られなかったのですね。それは、正義・善悪だとか、運命だとか、幸せだとか不幸せだとかそんな一面的で単純な価値観で割り切れてしまうだろう自分自身の人間性というのが、心の底から恥しく・悔しくなる様な感覚だ、とでも言いますでしょうか。 重ねて、その分裂症ぎみに複雑怪奇な主人公の生の有様において、他方で一つ明確に一貫しているのが、京劇という芸術における彼の存在そのものだ、と思うのですね。彼は、生まれながらにしてその様な存在であり、またその様にしか存在できない人間でもあり、そして唯その様に生きて、そして死んでいったのだ、と。これこそが、一つの芸術の真髄・極致を描いたモノであるとしたら、だからこそ今作におけるその彼がこんなにも美しい存在に見えたのだとしたら、芸術というのは実に哀しいコトですね、と。私が今まで観た中でも、五指に入るべき深遠な作品に思われました。 [映画館(字幕)] 10点(2023-08-04 00:58:58) |
6. あなたがここにいてほしい
《ネタバレ》 原題は、意味的にはまんま「私たちは(=あなたと私は)一緒に居たい」という意味らしいですが、劇中一箇所、実際に言葉として出てくる場面では、字幕として「付き合ってください」と当てられていたのですよね。そのシーンに於けるニュアンス=意訳なのかとも思われますが、この句が実際にそーいう(ある種の)定型句として使われるモノなのかは、ちょっと調べたダケでは分かりませんでした。中国では、この様に言いたい時には、彼らは実際には何と言ってるのでありましょーかね。 中国本土の映画ですが、内容は相当にコテコテでメロメロ、かつ(前半の一部は)キラキラキラ…な青春恋愛ものなのですね。もう、日本でゆーたらひと昔(いやふた昔)は古っちい様な質感だ…と。若くして出会って、そして暫く青春のひと時を共有しつつ先をも見据えるけれど、突如社会の不条理が二人の仲を分つ…みたいな。でも、本質的に極めてオーソドックスな内容だ…とは言え(+個々の構成&演出の要素として音楽・画づくりとかも含めて、確かに日本のそーいう映画にもま~ソックリだ…とは言え)ソレでも随所に「彼の国らしさ」とでも言える様な諸々も垣間見るコトは可能だった、とも思うのです。重ねて、見た目とかもかなり「いつもの感じ」のソレに近いのですケド、やっぱ空気感とゆーか映像の「色遣い」みたいなモノも少し風変わりに見えたりもしますし、人物の具体的なキャラクターや抱く価値観なんかもそーだとは感じますよね。あと終盤は新疆の奥地が舞台になって軽く「別の星」みたいな情景の中で物語が展開してゆくのも、流石は中国…と思わされてしまいましたです(昔のドラマですが、少し『大地の子』を彷彿とさせられました)。その一方で、内容的&映像的にも意外なマデにごく「プラトニック」とゆーか、肌の露出する様なそーいうシーンはほぼ皆無だったのも(ある意味)特徴的なコトかな…とも思ったり=今どきのこのジャンルとしては。 もう一つ、恋愛映画としては、主役の二人にどれだけ入り込めるか=諸々の魅力をどれだけ感じ取れるか、というトコロは個人的には重視しているのです。が、まず男の子の方は(コレも)全体的にちょっと古風とゆーか、ごく一本気・かつ(最近の日本の軟弱な若者だったらばもはや珍しいマデに)「甲斐性」に溢れているトコロなんかは、個人的には結構好きになれる方のヤツだったな…と思いますね。んで、女の子の方は…とゆーと、コッチは実に単純にルックスがメッチャ好みだったのですよね。結論、私としては(私としても)全然まったく悪くない恋愛映画だな~と思いつつ観終わるコトが出来ました。プラス、ラストなんかについても、私はも~個々で好きに解釈すれば好いかな…とも思いますかね。 [DVD(字幕)] 6点(2023-07-31 00:06:35) |
7. 上海ルージュ
《ネタバレ》 映像は綺麗なんです、がしかし… 特に前半は非常に華やか・鮮やかな映像が見事でして、少し靄のかかった様な感じも含めてちょっと幻想的でもあるとゆーか、ただ演出のその辺+実際の話の内容・テーマも含めて、ある種実に「虚ろな」美しさでもありますのよね。その意味では、個人的には映像的にも後半の⇒同じく虚ろな美しさでありつつも華やかさを脱ぎ去って寧ろ寂しさを纏ったかの様なソレ、の方が、私としては心に響くモノがあったかな…と思いましたかね。 でも、前述どおりお話としても「空虚な=登場人物の抱える空虚さを描く」作品だとは言え、まず最後まで観ると根本的に相当なバッド・エンドとして終わってゆくにも関わらず⇒ソレでも大して(コッチに関しては)私の心が痛まないのは、やはり前半で全く主役の2人(歌姫ちゃんとガキ)に感情移入するに至らなかったから…なのですよね。後半は、多少その意味で筋が「撚れて」ゆくモノの(=少なくとも歌姫ちゃんの描き方とゆーのは明確に変わってゆくし)ソレでも尚、感情移入の方向が反転するには至らなかった…というコトもありまして、個人的にはどーにもお話としては中途半端…だと感じられてしまいました。重ねて、映像は綺麗だった(女優さんも美しかった)のですケドね。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-20 22:39:48) |
8. ノースマン 導かれし復讐者
《ネタバレ》 事前情報は(また)特に入れていなかったのですが、ワリと始まった瞬間にも「たぶんあの手の(古典的な)ヤツだな…」という予想は付く様な感じの作品でしたし、結局はその予想どおりの内容でもあったのですよね(=北欧風『ハムレット』)。ただまァ、大部分においては古典的でシンプルな復讐譚、でかつやや貴種漂流譚的な要素も含みつつも、後半は多少の工夫・アレンジも施されて新鮮み・意外性も在り、かつそのごく破滅的(+どこか解放的)なラストにもチャンと巧く繋がってゆく全然出来の悪くない流れをしっかりと擁している…とも思いました(⇒古典的とは言え、お話としてもシンプルにそこそこ面白いヤツだったかなと)。 また、ソコまで神話的・ファンタジー的…というワケでもないごく尋常な「人間」の描き出しをメインに据えた物語だとも思いましたが、所ドコロに多少は超常的な要素も適度に配されており、かつ描写が相当にホラー寄りとゆーかごく凄惨で陰惨であるコトも相まって全体の雰囲気はだいぶダーク・ファンタジーとかに近い暗くて重厚で歯応えの在るモノに仕上がっていたのですよね。んで、また音楽が全編通しても実に見事に重厚だったのですよ。なので個人的には私も今作、長大な古典的悲劇やオペラ・セリアの類いを観終わった時と同様の高度に濃密な鑑賞後感を味わうコトが出来ました(エンドロールが実に清々しかった・心地好かったですね⇒主人公と同様、ナニかから「解放」された…かの様な)。結論、私個人としてはまた一発で監督の信者になってもーた…という、モ~全力でオススメ出来る…て作品だったです。重ねて音楽と、そして映像美を最大限に堪能される為にも、今作はぜひ劇場でご覧頂ければな、と思いますね。 [映画館(字幕)] 9点(2023-01-29 23:00:57) |
9. ソウルメイト/七月と安生
《ネタバレ》 本作、導入部からしてやや「同性愛もの」にも見える様な感じもあるのですが、メインの2人の関係性とゆーのは結局のトコロその類いのモノではないのですよね。でもラストまで観てみると、やっぱりそーいう系統の映画に見えるな…とゆーか、近年流行しているそういった「先進的な」愛のカタチを描いている映画だとも(確実にそう)思われるとゆーか、ただ個人的にはその中でも比較的かなり深い方の作品だな…とゆーか、ある点で非常に高次元な人と人との関係性を描いた映画だとも思われました。重ねて、2人の関係性は恋人よりも更にもっと深い、正に「魂の伴侶」とゆーべきモノであって、だからやはりある意味でその2人が「添い遂げるコト」が可能な社会に(残念ながら)生まれなかった…というコトこそがこの悲劇の最たる根源だとも思うのですね。実は、このレベルの先進的な映画が2016年の中国(香港)で製作されたというコトに当初少し驚きつつも、観終わっては翻って実は彼の国こそがこのお話を描くのに最も適した国の一つだったのではないか…という一種の納得に(私の中では)変わったとも思うですよね。主演の2人の演技等もろもろ、実に好く出来た映画だったと思います。 [インターネット(字幕)] 9点(2023-01-01 23:34:57)(良:1票) |
10. ハンターキラー 潜航せよ
《ネタバレ》 ワリと序盤から、率直にかな~り「荒唐無稽」な作品に思えてたとゆーか、でその感覚は最後まで観ても結局変わりませんでしたですね。が、昨今の戦争映画ってこの手の娯楽に振り切ってるファンタジック系と、もう一方は徹底的にリアリズム側に寄ったごく重っ苦しい系にキレイに分かれてる様な気も…とも思えてまして、なのであくまでコレは娯楽系の戦争映画だと思って(あまり気にせず)割り切って観るコトにはしたのですね。ゆーて、かの名作潜水艦もの『U・ボート』とかにだって描写の一部にはやや誇張のあるモノも含まれていた…とは言いますし(水圧で鋲が吹っ飛びまくる…て、そんなん電気溶接してるに決まってんだろ!とか)。 で、そーして観てゆくと全編に渡ってかなり緊迫感のある状況が続くのがアクションとしてそこそこ優秀なよーにも思えたり、却ってメリハリが無いよーにも思えたり、潜水艦ものだと思ったら他にもナンだカンだと色々(近代兵器も沢山)出てきてお得感もあったり、でもやっぱちょっと荒唐無稽・出木杉・(ちょっとダケ)支離滅裂にも思えてうーん…となったり、と中々忙しい映画でした。結論、ジェラルド・バトラーのグラス艦長とミカエル・ニクヴィストのアンドロポフ艦長がとてもカッコ好かったのでこの評価とします。この2人にはやはり少しダケ、名作『眼下の敵』の方の2人を思い出してしまいましたよね。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-11-18 23:38:25) |
11. アイヌモシリ
《ネタバレ》 思ったよりも劇映画、とゆーか、演技経験の浅い実際の関係者を多用した全体の質感とか、随所にまた実際のアイヌの儀式や生活風景の描写を挿入しているコトだとか、確実に多分にドキュメンタリチックな性質を孕みつつ、でもその一方で非常に明確な(創作の)ストーリーが一本通して在る、という作品なのですよ。コレって、率直に実は結構難しい…とゆーか、特にしっかりした…と言いつつかなり繊細な物語を描く上ではやはりその演技の質感とゆーのは(誤解を恐れずに言えば)少なくともやや「いつも(の映画)と違う」という感じだったのは確かかと(例えてゆーならソレこそ、中盤のリリー・フランキーのシーンだけは妙に安心して観れた、とでも言いましょーか)。とは言え、伝えたいコト自体はまずまずチャンと伝わる作品だとも思いましたし、ある種「両構え」であるコトの好さとゆーかドキュメンタリ的な観方をしたとしても(その側面からの)クオリティとゆーのもまま十分に得るコトが出来た…という感じだったとも思いますね。個人的には、観て損は無い…て作品かな、とゆーのはワリと強めにも思われたトコロです(やや「ホット」な題材だとも思いましたし)。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-10-24 12:32:16) |
12. プロジェクトV
《ネタバレ》 ジャッキー・チェンが民間の国際軍事会社「ヴァンガード(Vanguard)」の社長なので、プロジェクト「V」なのです。そしてジャッキーもまだまだ闘ってくれてますケド、メインは若手の男のコ女のコに任せてる感じですかね(でも川下りのシーンで間違って落っこちてプチ騒ぎになる等、まだまだ体張ってるらしいすよ!)。その若手は男女どちらもかなり眉目秀麗で率直に好かったです(特に第一主役の男のコはかなりのアイドル的イケメン)。 かつてのカンフー映画(そーいうのもまだまだ探せば最近も在りますケドね)とゆーよりは、コレもより総合的アクション作品とゆーか、まずは徒手格闘よりだいぶガンアクションの比率が高めではありましたし、またドローンその他の最新テクノロジー的なギミックも多々盛り込まれていました。ただ、全体的に相当にCGを多用している感じでもあり、かつそれらのシーンは少し早送り+コマ落ちな感じも無くはなかったのですね(=ハリウッドのA級と比べると少~し違和感があるカモ…的な)。また、ストーリーもごく単純でアクションを眺めてゆくのがほぼメイン…という作品でしたが、アクション自体は量はかなり豊富でバリエーションもあったので、概ね満足は得られたかと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-03-20 22:52:14) |
13. レイジング・ファイア
《ネタバレ》 お話の方は比較的シンプルなクライム(ポリス)サスペンス、かつワリとシリアス・ハード系のごくマジメなヤツですね。その内容自体はまま在り来り・よくある感じではあるのですが、まずまずシリアスに手堅く進められてゆくのは香港産のこの手のにしては結構好く出来ている方かと思いました(とは言え中盤、首に爆弾ぶら下げた副総監登場⁉の辺りはちょっと運び方が雑かなあ…とも思えましたケドね)。 ですが今作、より評価すべきは間違い無くアクションの方です。コッチの方も、ドニー・イェンを擁していながらも(古き良きカンフーとゆーよりは)かなりリアル路線な肉弾格闘+銃器アクションでした、が、銃撃の方もマシンガン撃ちまくりのボリューミーで好かったですし、何より肉弾格闘の方がエラく泥臭いとゆーか非常にリアル度の高いパワー系取っ組み合いで率直に見応えが中々凄かったですね。ソコはドニー・イェンの(特に『イップ・マン』での)スマートでスタイリッシュなカンフーとは趣を異にするトコロで少しお得感とゆーのもあったかと。やや早回しに頼りすぎ(で少しだけCGぽいちゅーか違和感も無くはない)かとも思いましたが、だからとゆーか全体的にキレは相当に良好で、そしてオーラスのタイマンについても中身がナイフ術やらハンマー・鉄パイプでのフルパワー殴り合いやら、バリエーション的な面もキレ・パワフルさの面も総じて非常に満足度が高かったですね。結論、アクションの出来からすれば確実に良作という範疇かと思います(素直に1点加点しておきます)。 [映画館(字幕)] 7点(2021-12-30 16:11:20) |
14. Mr.ノーバディ
《ネタバレ》 よくある「隠れ」スーパーマンが躍動するアクションスリラーで、お話の中身・キャラ設定・実際のキャラの出来映え等についても、さほど特筆するレベルなモンでもないかと思います。ボブ・オデンカークって、もっと全然年寄りなイメージだったんすけど(現実も還暦近いし)、今作では40代くらいの設定でしょうかね。だとしても若々しさやパワフルさといったものは(見た目的にも)あまり強くは感じられませんし、個人的にはジェイソン・ステイサムとかデンゼル・ワシントンとかキアヌ・リーヴス、とかの方がこーいうのとして好みではあります。 ただ、その肝心のアクションの爽快感とゆーのは率直にかなり素晴らしかったですね。例えば、音楽の使い方が実に好いです。ジャズ風の曲が多かった気もしますが(サッチモとか)ノリは好いしレトロな聴き心地もリラクサブルで、結構凄惨なアクションシーンなのですけど(主人公側もチョコチョコダメージ喰らってますし)実に心地好く眺めてゆけるのですね。その意味では、スピード感重視の(内容薄めな)展開運びも空気感を味わう上では適切だったかと。 全体的に非常にシンプルで軽~く観れるという映画です。暇潰しには確実に有用な作品でしょう。 [映画館(字幕)] 7点(2021-07-22 12:41:54) |
15. 鵞鳥湖の夜
《ネタバレ》 『薄氷の殺人』という映画が世界的にも極めて高い評価を受けている理由というのは、ストーリー部分はよくあるノワールなのだけど、作中に中国社会の底辺の独特な猥雑さ・暗さ・やるせなさ等をふんだんに描き込む一方で、そこに中華映画界30年の逸材グイ・ルンメイを叩き込むことで、それと相反するアジア的な「人の美しさ」をいとも簡単に融合させてしまった、という点に在るのかも知れないと思っている。 今作、やってることは要するに前作とほぼ変わらない。ただ中国底辺社会の描かれ方という点に関しては、タイトルに『夜』を冠するだけあって暗さ・陰湿さという部分は前作を間違いなく上回るし、加えてスリリングさという部分のノワール的な価値はこれも前作を少し上回るよーにも思われる(とは言え、今作もお話自体はさほど面白くないのが事実としてはあるのだケド)。率直に、これは続編として観る方が面白く観れる作品だろうかと思う(なので、コッチを観たかったら先に『薄氷の殺人』を観た方が好いと思いますね)。 問題は、そのグイ・ルンメイの出来なのだ。当然彼女も齢を重ねている、とゆーのも厳然たる事実として在るのかも知れないが、個人的には『薄氷の殺人』で彼女を観たときに得られた衝撃、というホドのものが得られたということは全く無かったのである。役柄的には彼女は「水浴嬢」と言われる娼婦であり、なのだからもっと普通に男に「媚びた」風貌であっても好いハズだと思うのだが、端的に少しボーイッシュすぎるというか、髪も短すぎだし眉毛も整ってないし、何故こーしたのだろう、と少し疑問に思ったのが正直なトコロ。その点で、前作以上の評価とはし難い、という感じすね(あくまで個人の感想に過ぎませんが)。 [映画館(字幕)] 5点(2021-06-07 22:15:59)(良:1票) |
16. 薄氷の殺人
《ネタバレ》 中国の地方都市の「格好をつけない」雑然とした雰囲気、というのは中々に物珍しく、本作ではそこにリアリティやある種の凄みまでが感じられ、偶にはこーいう映画もやっぱり全く悪くないな、とその時点で思ったのですね。もう一個、こーいう言い方はちょいアレかも知れませんが、リャオ・ファンの脂ぎってる感じや女性の扱いが雑なの(ややセクハラ気味、というか)なんかも、如何にも中国ぽいなあという感じでここにも少し新鮮味(+一種の感動)を覚えたとゆーか。 まあでも本作は、そーいう少しばかりの「中国の底辺」的な濁々とした質感の中に、一刀切り込んで来るグイ・ルンメイの透明感ですよね。どー見ても彼女は「只者ではない」のだし、その透きとおった彼女が結局は黒幕なのですから、ノワールとしては(もしかしたら「最初から明白」なのかも知れませんが)その時点でコンセプト勝ち、と言っても過言ではないと思います。彼女の存在だけで観る価値とゆーのは間違い無く十二分かと。 ストーリーの本筋の部分と、あと随所の演出にも若干の分かり難さが在るのがやや玉に瑕かも知れませんが、個人的には好きな作品です。 [映画館(字幕)] 6点(2021-06-02 15:57:52) |
17. イップ・マン外伝 マスターZ
《ネタバレ》 シナリオの方はややダメ気味かと。 ・少し一貫性を欠き、筋がチョロチョロと二転三転して勘所がよく分からない ・雰囲気の面でも、序盤のファミリーでコミカルな感じに比べ後半がだいぶん重いのが若干チグハグ ・豪華助演陣の使い方も(お話的には)なんか雑 しかし肝心のカンフーアクションの方は、CGとワイヤーと早回しをフル活用し、かつそれらを見事に融合させた迫力抜群な出来映えがカンフー新時代を拓けるという程のクオリティ(とにかく電光石火、かつかなり「痛そう」で実にグッド)。マックス・チャンは演技もカンフーも流石の素晴らしさだが、豪華助演陣も各々の見せ場はこれも納得の風格(トニーの鋭さ、ヨーの華麗さ、バウティスタの筋肉)。 [映画館(字幕)] 7点(2020-09-27 20:25:25) |
18. 羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来
《ネタバレ》 非常にシンプルな質感に統一された絵柄といい、作画・表現技法に特に目新しいものがある、という訳ではない。むしろ日本語に吹替えて諸外国人に見せたら、普通に普通の日本のアニメだと思うだろう。ただ、作画・デザイン自体の質はかなり高い。特にスピード感のある戦闘シーンの構図などは非常に考え抜かれて作られており、その迫力は素晴らしかった。声優も、いわゆるアニメ声的というか可愛いキャラにマッチした声だったりで、総じて、現在の中国のアニメ生産体制の総合的な高水準さを大いに知らしめるだけの優れた作品であると思う。 テーマ・内容面は、侵略と破壊を繰り返す人間と、人ならざる者の共存、とでもいうか、ありふれたテーマではあるが別にこれも決して悪くはない。ただ、今さら、それも「中国人」にそれを言われてもねえ…という感があるのも正直なトコロ(かなり感情移入可能なキャラに仕立てていた風息に仮託して、実はウイグル弾圧を批判している、とかなら話は分かるケド)。 このまま実直に、本作のような高水準かつ王道な作品の製作に勤しんでいけば、いずれ中国にも手塚治虫・宮崎駿クラスの真に偉大な才能が現れ、日本人にもグウの音も出ないような歴史的傑作が生み出されるのは間違い無いだろう。しかし、その時期がいつになるか、となると、これは中国社会の(実際的な意味での)民主化の成立可否に全て掛かっている様にも思われる(それは中国のエンタメ分野全体に言えることかも知れないが)。 むしろ、私的に今の中国アニメに期待すべき、と思われる点は、アニメという表現技法を手にした中国が、その雄大な文化資産をこの分野に還元することであるかと考えている。本作でもいわゆる『封神演義』的な世界観が描き込まれていたとはいえ、どうもそういった要素の取り込みは、コアな方向というよりはユニバーサルな方向に流れてゆきがちな気がしている(それは本作を観てもそう思う)。断言したい。中国アニメのクオリティは、もはや十分にユニバーサルである、と。そして敢えて言おう、ガラパゴス化を恐れるな、と。 [映画館(字幕)] 6点(2020-06-14 22:15:10) |
19. ザ・フォーリナー 復讐者
《ネタバレ》 往年の二大スター競演作だが、ブロスナンの方はほぼアクションも無し、役柄的にも殆ど何もしない(何もできない)&身内も統制できずに裏切られまくるとイイとこ無しで、そこは少し残念。ただ、見た目のシブさは流石の素晴らしさで(ちょっとショーン・コネリーぽい)、もっと他の作品でも見たいと思った。 だから今作は言うてタイトルどおりの「復讐者」ジャッキーの物語で、冒頭、娘を亡くして落ち込む様子は観てるコッチが大丈夫か?と心配する程にヤバい老け込み方だが、それは擬態。爆弾は駆使するわ、カンフーは健在だわの大暴れ、観てるコッチが大丈夫か?と心配する程に体張りまくりのノリノリぶりで、アクション面は質・量ともに見事な出来映え。加えて、今作のジャッキーはとにかく顔が怖すぎる(仇を為そうもんなら一族郎党祟り殺すかの様な中華系ヤバい人な感じが炸裂している)。ラストも警察に任せりゃいいのに、犯人一味は皆殺し、一枚噛んでたブロスナンも破滅させるパーフェクトな仕事ぶりで、腹十二分目までオナカいっぱい。文句無しにオススメ。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-02 17:20:25)(良:1票) |
20. MEG ザ・モンスター
《ネタバレ》 ジェイソン・ステイサムが主演な時点でホラーな訳は無いのだが、案の定怖がらせる描写の部分は結構に適当で、ここまでマイルドなのは一種の製作側の販売戦略なのだろう。じゃあステイサム満を持してのアクションはどうなのかというとこれもかなり月並で、何ともどっちつかずの中途半端でモッサリした凡作に思う(全体的に75点を狙って置きに行ったら65点だったという感じで相当にイマイチ)。また、モンスターパニックとしてイマイチな最大の理由は、色々とリアリティが無さ過ぎる点にある(かなりSF寄りな演出・展開運びにも関わらず科学面も相当いい加減だし、全編フルCGの質感も「つくりもの」感満載だし、こーいうのは中々スリリングにはならない)。ただ、金の掛かったサメ退治を金を掛けて撮ったという意味では、大変貴重なサメ映画であるとも思える(巨大サメの迫力は、まあそこそこ見応えは有る)。 [映画館(字幕)] 5点(2019-11-27 22:18:12)(良:1票) |