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221.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
エンターテインメントとして優れているアニメです。ネットのヴァーチャル世界と現実の対比、都会と田舎、陣内家の歴史(徳川家との対決)、甲子園、男衆と女衆の対比、曽祖母と妾の子、夏希と健二の恋などの多要素を上手く取り込んで、盛り上がる作品になっています。最後の危機又危機の展開はうまいと思いました。子供たなら感動できたと思います。大人目線でつっこみを:①IDを奪われたら世界中のコンピュータシステムが暴走するという設定が幼稚。②混乱しても、電話、ネット、電力、ガス、水道などは正常なのはどうして。電話なんか真っ先につながらなくなると思う。③セキュリティが甘すぎる。一晩で50人も解ける。④健二は暗号を解いてないのに、翌日テレビで犯人扱いされたのは何故?⑤あの数字の暗号って何なの?最初解くのに何時間もかかったのに、最後は暗算で数分で解いた。⑥曾祖母を死なせちゃだめ。AIハッカーとの花札対決は曾祖母にさせるべきだった。花札好きという伏線は描かれていた。逆に夏樹は侘助に負けている。曾祖母の死で一族の結束を高めるのは安っぽい。曽祖母の知恵と経験を生かして、コンピュータと戦う展開なら痛快だったはず。⑦格闘技ゲーム名人のキングカズが一族にいたのは許す。が、AIハッカーの開発者も同時にいるのは許せない。又開発者では何でもできてしまう。単にコンピューター好きにすればよかったのだ。⑧侘助は東大出なのに、なぜぐれてしまったのだろう。AIハッカーを退治して、米軍からお金もらったのかな。というか、米軍がこの映画観たら怒るでしょうね。⑨花札のコイコイって何?ルールわかりません。⑩ネーミングがしょぼい。サマーウォーズ、ラブマシーン、侘助。 ⑪ヒット30本打たれたら勝てません。⑫夏を強調しているわりには、夏の暑さが表現されていなかった。⑬夏希は学校中の憧れの存在なのだからもっと魅力的に描かないと。⑭健二の家族が出てこず、人物の掘り下げ不足。
[映画館(邦画)] 7点(2009-10-05 20:55:58)(笑:1票)
222.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 《ネタバレ》 
TV版のリメイクですね。TV版と同じカットが多く、いくらなんでも、こりゃなぞりすぎでしょう。「エヴァ」から「ヱヴァ」へ新生されるべきなのだから。志がとても低いと思いましたよ。冒険しなさすぎです。ただCGを取り入れたことにより、映像のクオリティは格段に上がっており、そのままアニメ技術の進歩を見る思いです。使途のデザインや動きも秀逸、演出のタメやカット割のキレも光ります。これらがプラス要因です。さてエヴァの物語には3つの要素があります。1.シンジの成長物語。2.使途との戦闘。3.人類補完計画という謎の裏作戦。中でも1がはずせません。これがこの物語の最大の特徴となっているからです。「ヒーローもののアニメで少年の内面の葛藤を描く」のは画期的なことです。この部分、使途ラミエルがTV版に比較して大幅に変形したように、ダイナミックに進化して描いてもらいたいものです。主要登場人物は両親の愛情を知らずに育ちました。故に生きるのに不器用で、自分を愛せず、社会との絆を知りません。それが最後には愛や友情にめざめ、自分探しの旅が完結します(あくまで予想)。そのところを丁寧に描いてもらえると、傑作に仕上がると思います。「序」では、シンジとレイの絆が生まれましたね。父親をなじるシンジをレイが殴りました。あそこから二人の感情が動きはじめました。最後の「こんなときどんな顔をすればいいのか知らないの」「笑えばいいと思うよ」と微笑む場面はとてもよかってです。ところで、両親の愛情を知らない子供というのは、監督の生育歴・人生観に関係しているのでしょうか?ちょっと気になりますね。
[DVD(邦画)] 6点(2009-09-03 20:33:19)
223.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
新「エヴァ」は、一見さんお断りの映画になっています。ATフィールドやダミープログラム、進化して神に近づくエヴァなど、初めて鑑賞する人にはよくわからないでしょう。でも、それでよいと思う。TV版と映画旧版とあったが共に説明不足感が否めなかった。新「エヴァ」は不要な部分は除き、テンポがよく、適度に新しい要素を取り入れ、新鮮味が増し、リメイクとして成功していると思う。というかリメイクのお手本といってもいいくらいです。最大の違いは戦闘シーンが増えたことと、美的センスが数段に向上したこと。戦闘場面では、うーんと唸りたくなるような素晴らしいカットが数多く見られた。使途の強さも際立っていて飽きさせません。個性的で斬新なデザイン、躍動・失踪するスムーズな動き、音楽とも見事にシンクロし、まるで芸術を見る思いでしたよ。そのクオリティの高さは、過去のどんなアニメにも負けないでしょう。製作者の「エヴァ」に対する半端じゃない思い入れがひしひしと伝わってきました。宮崎監督や押尾監督もがんばっているが、新「エヴァ」が一頭地をぬいてると思う。物語はご存知の通り、「壮大」の一言。キリスト教の要素を取り入れ、人類の発生、進化、滅亡などに関わる地球規模のもの。並みの作品ではありません。これに親子の情愛、学園もの、恋愛の要素が濃密に加わります。そして謎だらけ、伏線だらけの脚本。世界中が熱狂したあの「スターウォーズ」に決して引けを取りません。それだからこそ心が躍るわけです。これまではサード・インパクトでラストを迎えてきたが、本作でもうそれが始まってしまった!ワクワクしますね。きっと人類補完計画も新しいものになっていることでしょう。今後どのような大風呂敷を広げてくれることか、大変楽しみです。完結のあかつきには、アニメ史上最高傑作と称されると予想しますよ。テレビ版以上にサービスカット(Hシーン)を多用していますが、もうそのようなものは不要では?と思わせるほど作品の質は高いです。大画面で見て決して損はありません。残念な点は、背景画がすこし荒いのと、昭和歌謡を用いたことです。 
[映画館(邦画)] 9点(2009-09-01 00:22:29)(良:2票)
224.  太陽の王子 ホルスの大冒険 《ネタバレ》 
公開当時全く売れなかった作品。作柄が暗いためだろう。美少女ヒルダは悪魔の妹。歌で人間を無気力にさせる力をもっている。「いのちの珠」をもっているため不死であるという。ホルスが「君なら人間になれる」というが、意味は不明。ヒルダは不死でありたいが故に、悪魔の手先となり、村に入り、人々の弱い心につけ込み、疑心暗鬼を起こさせ、団結する力を奪う。目的のためにホルスまで殺そうとするが、動物や子供達には優しい。天使と悪魔の両方の心を持っているのだ。ヒルダの葛藤が物語に深みを持たせているのだが、子供達には退屈だろう。太陽の剣とは何だろう?岩男の肩に刺さっていた挿話が不明だ。これは説明不足だろう。岩男には抜けず、ホルスに抜けたのは何故?一人では鍛えられないが、皆で団結すれば鍛えられる。鍛えた剣は悪魔を滅ぼす力を持っている。このあたりはありきたりの設定です。岩男は村人の味方となり、悪魔と戦ってくれた。岩男が現れたのは太陽の剣が完成したのを知ったからだが、もともと悪魔とは敵対関係にあったらしい。岩男と氷マンモスの闘いがあっさりしすぎていて残念。最大の見せ所なのに。悪魔が弱すぎるのも残念。単純に火に弱く、太陽の光に負けるなんて。それに顔がとても貧相。小動物はとても愛らしく魅力的で、雪狼の造形もすばらしいのに、肝心の大ボスがこれじゃ…。ヒルダにホルスを殺すように命令するが、自分がやればいいのに。悪魔は雪に関係するらしいが、手下は狼、ネズミ、鴉、怪魚など統一性がない。すべて雪や氷に関係するものにすればよかったのだ。そうすれば太陽対雪という構図が際立つ。「いのちの珠」を持つと飛べるらしいが、どうしてヒルダはその能力を使わなかったのだろうか。ヒルダが死ななかったのは人間の心を取り戻したからだが、人間になったのだろうか?ホルスは迷いの森でさまよっていたが、団結の力が大切だと気づいたとき出口が見えた。心の迷いを反映させる森だったのだろう。そのとき岩男が太陽の剣をかざしている姿が映る。どういうことだろうか?岩男の参戦がなければ戦いに勝てたかどうか疑問だが、肝心の岩男のキャラがはっきりしない。その後、ホルスは太陽の王子と呼ばれるようになったらしいが、なぜ太陽の王なのか?よくわからないところもありますね。まあ、大人が見れば、退屈はしない映画です。
[DVD(邦画)] 7点(2009-08-10 19:38:17)
225.  夢千代日記 《ネタバレ》 
夢千代は湯里の置屋の女将。幼少の頃長崎で被爆し、恐れていた白血病が発病、余命半年と診断される。そこから物語が始まる。帰りの電車中、余部鉄橋で飛び降り自殺を目撃。同じ列車に乗っていては目撃は不可能だろう。実際問題相当ジャンプ力がないと橋枠を越えられないし、手を合わせた姿では飛べるものではない。映画では窓の上から人が降って来た。苦笑。そもそも心中するのに電車の飛び降り選ばないだろう。一瞬しか好機がないからだ。普通飛び降りるのは崖から。置屋の芸妓は不幸のオンパレード。兎は客の子供を代理出産。「もう子供を堕すのはいや」が印象的。客の妻からよろしくお願いしますと頭を下げられる。紅は自殺願望が強い。妻子ある男を好きになる。客から車をせしめ、男にプレゼントするが、結局振られる。入水自殺未遂。夢千代に「命をもてあそばないで」とビンタ。小夢は足が不自由。老画家に買われ、ヌードモデルに。絵が完成し、画家が小夢の体をむさぼっている最中に頓死。癌で余命三ヶ月だったとか。「最後の命を燃やすことができて感謝してます」と妻の弁。エロじいにしか見えなかったが、有名な画家だった。いい年をして小娘の裸に夢中になるところが笑える。其の他、本番を強要されるストリッパーなど登場。温泉町は不幸の吹き溜まり。さて飛び降り事件だが、目撃証言で自殺か殺人かが決まる。もう一人の目撃者が旅役者の宗方。夢千代は宗方に証言するように頼むが、かたくなに拒否させる。実は宗方は父親殺しの逃亡者で、時効間近。二人はいつしか魅かれあうが、恋は死で終る。宗方は逮捕。脚本に作りすぎ、詰め込みすぎの感が強い。オリジナリティーがなく、全てが類型的。夢千代の日常や心の揺れ動きに焦点を絞るべきだった。被爆者という設定が生きていない。被爆した頃の夢千代の様子を描いていないからだ。吉永小百合の女優としての魅力でもっているような作品。監督から死に際に「ピカが憎い」と言えと頼まれた吉永が拒否したという撮影挿話が残っている。言わなくて正解。耐えて、受け入れてこそ夢千代であり、憎んだりしたら夢千代じゃなくなる。
[DVD(邦画)] 5点(2009-08-08 17:34:38)
226.  野良犬(1949) 《ネタバレ》 
暑苦しい映像はそのまま社会の暑苦しさ、生きにくさを象徴している。だからあれだけ永いシーケンスが必要だったのだ。悪い環境ゆえに罪を犯すという考えがあり、実際戦後の混乱期には犯罪が多発した。犯人遊佐のような生活環境であれば、もしかしたら自分も悪事を働くかもしれない、そう視聴者に思わせられなければ失敗だ。映画はそのことに全力をあげている。ぎらぎら光る目、ぎらつく太陽、疲れてふてくされた顔、水溜りに映る後姿、夕立、一々構図が決まり、カタルシスを覚える。一転、屋上での涼しそうな夕雲。空を大きくとった構図が素晴らしい。「ひと雨きそうだな」の言葉通り、雨がやってくる。その直前の雷。並木ハルコが遊佐からもらったドレスを着てくるくる回る。ドレスはあこがれの象徴だ。どしゃぶりとなり雷鳴と同時に刑事が撃たれる。ドレスも雨に打たれる。泥が犯人逮捕のヒントとなる。犯人を逮捕するシーンは、走って、止まり、撃って、静かにピアノが流れ、血が滴り、花が美しく映える。逮捕されたあとの子供達の歌声、そして犯人の咆哮。音と映像の静と動のコンビネーションは芸術。全てにおいて考えつくされており、無駄がない。遊佐と村上刑事は双子のように表裏一体に描かれる。ほんのちょっとしたきっかけで立場は逆になっていただろう。村上も遊佐同様、復員時に荷物を盗まれているし、辞表が受理されていれば自暴自棄な人生に陥ったかもしれない。人間の危うさ、運命の非情さ。遊佐の家と佐藤刑事の家も上手に対比させている。人間らしさが全く伺えない遊佐の茅屋。佐藤の家では子供達がすやすやと眠る姿。その眠る姿から静かに殺人現場へ移る。ここでも花とピアノが印象的に使われている。妻を殺された夫が狂ったようになってつぶしたトマトのアップ。死体を見せずに事件の残虐性を余すところなく伝える。善悪に徹しきれず、犯人に同情してしまう村上。犯人のことなんて忘れるんだなとアドバイスする佐藤。若さと老練、情と冷徹。遊佐から慕われる並木は社会を憎む危うい若人の一人として描かれる。女スリの見せた刑事への同情、遊佐に強く同情する姉、女たらしのリーゼント男、従業員と浮気する旅館の経営者。人生の機微を多様に描き、この悲劇は誰にでも起こる可能性があることを示唆する。天才のなせる業としかいいようがない傑作。文句なしの10点。
[DVD(邦画)] 10点(2009-07-08 07:25:59)(良:1票)
227.  一番美しく 《ネタバレ》 
昭和18年、14歳以上未婚女性を対象に勤労奉仕団体である女子挺身隊が創設。昭和19年には年齢が12歳に引き下げられ、強制動員となる。徴用期間は1年ほど。女学生も動員され、授業はほとんどなかった。多くは寮生活をしながら工場に通い、ときに3交代の過酷な勤務もあった。勤労奉仕といってもちゃんと給与は出た。昭和19年には既に食事事情が悪かったが、映画では省略されている。本土空襲が本格化する前のため、防空服や防空頭巾の着用はない。まだ国家としての威厳が保てており、ほとんどの国民が戦争の勝利を信じていた。女優を実際のニコン工場で働かせており、ドキュメンタリーとしては大変貴重で、そのぶん娯楽性は薄い。映画に出てくるスローガンや歌詞から軍需増産(戦意高揚)のための国策映画であることは明らか。人物の人間性はさほど表現されておらず、軍国主義の模範的な言動に終始する。イヤな人物は一人も登場せず、理想化されている。今日の観点から見れば、滑稽なほど生真面目だ。ただ当時の人はこの映画をみて素直に感動したと思う。そういう教育(洗脳)を受けていたこともあるが、感情移入する要素がふんだんに盛り込まれており、後の黒沢映画の豊穣さを予感させてくれる。映像も美しい。「一番美しく」は、自我を捨て、身を国家に尽す姿こそが最も美しいという意味だろうか。だが、一番美しい少女時代を犠牲にし、国のために捧げる彼女らの姿を憐憫のまなざしで表現しているともとれる。監督は戦後すぐに「わが青春に悔なし」という反戦映画を作っていることから、戦争には反対であっただろう。黒沢監督はただ映画を愛し、ひたすら映画に打ち込んできた、その結果がこの映画。当時は国策に準ずる内容でなければ、製作が許可されなかった事情を考慮すべきだろう。映画としての出来を云々するより、後に有名になる黒沢監督の手により、すぐれたセミドキュメンタリー風の映画が残されたことに感謝すべきなのかもしれない。    
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-02 23:51:20)
228.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 
パロディー、コメディなのだからもっと楽しめるものにしてほしかった。死刑判決が出るかもしれないような重要な事件を題材にしているのが最大の欠点。もっと笑える、ごくつまらないものに議論を尽す構成にすればよかっただろう。つまりどっちに転んでも大して違いがないようにすれば、結論をあまり気にせず評決がでる過程を楽しめるはず。議論するのに理屈や理論ではなく、ただ感情に左右されすぎる人物が多すぎるのも気になる。ただフィーリングと繰り返したり、口を聞かないとか、たとえ有罪でも無罪とか、ちょっとひどすぎる。もっと議論好きを出して、議論を楽しむ内容にしてもよかったのではないだろうか。結論もトラックの運転手が眠っていたとか、被害者の自殺だったとか、ジンジャエールと叫んだとか、無理が多い。また元夫婦の寄りを戻す話し合いを居酒屋ではしないだろう。実際にはトラックの運転手が二人の立ち位置や轢かれた瞬間を目撃していたはずで、その証言が決め手になるだろう。急カーブをふくらまずに曲がっているので眠っていたとは思えない。一度観れば十分という程度の作品。脚本ががんばっているのは認めます。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-02 02:49:23)
229.  ガメラ対大魔獣ジャイガー 《ネタバレ》 
ガメラ映画としては佳作と思いました。良い所を上げます。1.怪獣バトルシーンが多い。2.ジャイガーの武器が多彩。幼虫攻撃でガメラが透明になるシーンは出色。3.子供達の活躍が効いている。4.ムー大陸や悪魔の笛など小ネタがいい味を出している。5.万博という当時の世相を反映している。残念なところ。1.呪いを訴えたウェスター島の島民が最初に出てきたきりになってしまっている。一緒に知恵を絞ってほしかったです。2.万博会場を壊してほしかった。かなりのインパクトになったはず。3.ジャイガーはどうしてあの石像を追ったのだろうか?4.ガメラが子供の味方であることを強調しすぎ。人類の味方でいいのでは?
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-02 00:14:25)(良:1票)
230.  リリイ・シュシュのすべて
ワザとらしい作り物の世界。後味が悪い。「気に入らないやつは殺せ、完全犯罪で」というメッセージ。ドビュッシーがかわいそう。
[DVD(邦画)] 0点(2009-05-11 15:08:37)
231.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 
思い出をどうしても忘れられず、過去まで追いかける博子。忘れていたつもりでも次々と思い出が蘇ってくる樹♀。思い出というものはやっかいなもの。そんな心のゆれ動きを描いた作品。冒頭樹♀が雪に寝て息を止めていますが、その意味が分かった時じんと来ました。そういう伏線が多数。樹♂の部屋の絵と答案用紙の裏の落書きは、最後の図書カードの裏の絵への伏線。松田聖子の挿話は、本当は好きなのに嫌いと言ってしまう樹♂のシャイな性格を表し、秋葉たちが樹♂を思い出すときに歌います。樹♀は樹♂を好きでした。答案用紙交換の場面でわざと答え合わせをしたのは、二人でいられる時間を稼ぐため。樹♀も樹♂のことを気にしてます。陸上の場面でしっかりと樹♂を見てシャッターまで切ったのに、友達には見てないふり。花瓶を割った挿話からも明らか。樹♂が博子に一目ぼれしたのは初恋の人に似ていたから。樹♂の初恋のラブレター(図書カードの絵)は、その死後婚約者が天国に手紙を出したことが縁で届けられます。青春と恋はほろ苦く時に残酷です。風邪薬を送るのは非常識と思いましたが、天国に送っていたのですね。博子が山に叫ぶ「お元気ですか?私は元気です」これは最初の手紙の文面と同じ。思いが大きすぎて、それ以外の言葉が出ません。悲しさ、苦しさ、感謝、謝罪、怒り、別れなど様々な感情が渾然一体となってほとばしり出ました。繰り返すことでその思いがずしりと伝わります。秀逸な演出。樹♀の家の挿話も見事。朽ちる寸前の古い家は、古い思い出と重なります。じいは息子を亡くしたトラウマを抱え引越したくありません。樹♀の母はそのわだかまりがあるため引越したい。樹♀を病院に無事に届けたことで両者が和解し、トラウマが解消されます。博子のトラウマも天国へ声が届いたことにより(時間がかかるが)解消されることを暗示しています。樹♂が最後の手紙を出さないのは優しさからですね。樹♀と博子がすれ違う、樹♂がカーテンに隠れる、樹♀が焚火の煙と戯れる、自転車の明かりに映る二人など印象的な場面多数。露光オーバーのカメラワークがグッド。二人が似ていないと成立しない物語なので一人二役は納得。突っ込み:卒業していないのに卒業名簿?名簿に二人の名前があるのに気付かない?ワープロなのに手書きで届く?風邪長引きすぎ?あと、蘭々をふる場面で持ってた本がエクソシストには大笑い。
[DVD(邦画)] 9点(2009-05-11 11:35:24)(良:1票)
232.  帝都大戦 《ネタバレ》 
うーんと、物語がわからないままに進んでゆく。昭和20年元日の空襲で、少女みよは盲目となり孤児となった。途中の幻想シーンで昆虫みよちゃん、みよちゃん加藤(最高!)などが出てきて、エンディングもみよと雪子(南果歩)の再会です。でもいろいろ出てくるわりには物語には絡まないですね。霊能者が光って見えるそうですが、みよも霊能者なのでしょうか?観阿彌(丹波)と近衛らで東亜一の性能を誇る電波搭を利用して連合国首脳の調伏(呪い殺す)を計画します。荒唐無稽ですね。霊波は機械で増幅できるという考えが背景にあります。サイキッカー中村と加藤の決闘シーンでも使われてました。東条英機が出てましたが、この時期には半引退状態だったはず。調伏を阻止しようとするのが加藤。加藤は帝都に巣食う怨霊達の化身。前回では将門を蘇らせようとしてましたが、今回は米英の味方をして、東京を火の海にしたいようです。雪子は将門一族の最後の生き残り。加藤につけ狙われますが、不思議と襲われません。前半加藤が出没しても、すぐ消えることが多いのでイライラしますね。闘っても止めを刺さない場合も多い。観阿彌の現場に現れますが、すぐ消え、中村と軍人が追います。どうやって追ったのか、ともかく日劇に。ここでの残虐な殺害シーンが最大の見せ場でしょう。野沢直子はB-29ではなく、艦載機のP-51の機銃掃射で殺されます。最後にどんでん返しが。観阿彌の調伏は連合国首脳ではなくヒットラーに対してのものだった。日本を敗戦に導くことで帝都を護ろうとしたのです。雪子と加藤の対決はあっさりもの。観阿彌と加藤の対決がないのが残念(全身お経の芳一僧には爆笑)。三人で団結して加藤と戦るシーンがあればよかったのに。加藤に子分がいないのも不満。いつも一人じゃん。計画を阻止するには鉄塔を壊せばよいことに気付け!軍の首脳部を襲うとか、自分で帝都を爆破するとかすればいいじゃん?この人わかりづらい。
[DVD(邦画)] 3点(2009-05-08 04:09:02)
233.  星に願いを。 《ネタバレ》 
笙吾はニセ盲人と思いました。杖の使い方むちゃくちゃだし、歩道歩かないで道路歩いているし。働いているのか?市の共同墓地に葬られたので親族はいないのか?すると生命保険に入るわけないですが。ラジオに出すリクエストの葉書はどうやって書いたのか?二度目の交通事故のとき、耳が聞こえるのだから車に気付くはずです。車も避けます。飛びすぎです。あんだけ飛んだらハーモニカも飛んでます。救急医療の場合、どこに傷を負っているか調べるためにズボンも全部脱がせます。左利きなのに、遺言書くときは右利きになっている。細かいところをきちんとしてほしいです。奏は笙吾に手術を受けさせたいがために宝くじを買いましたが、当選してもいないのに一緒にアメリカに行こうと誘ったのは何故?また病院に留学するなどと嘘をついたのは何故?二人が同棲か半同棲しているくらい親密でないと成立しない物語と思いました。笙吾は奏の顔を見たことないですし。奏は点字日記で笙吾と気付きますが、バインダーだから二枚目以降が抜かれていると考えなかったのか?「昔の知り合いに自分だとわからせてしまうとすぐにあなたは消されます」のルールが無視されている。だいぶ時間があった。そもそも気付かれたら消えるのだから、伝えようがない。手紙を残すしかないね。そもそも心の問題なので、保険金など出さなければよかったのです。野暮すぎます。だから感動できないのです。それにしても皆さん殴りすぎです。気持ちを伝えるためとはいえ、安直すぎませんか?患者を殴る看護婦がいますか?決して見習ってはいけません。ジュースの一気飲み、何度見せれば気が済むんですか?あの医師、女性が愛する人を失って傷ついている時期にプロポーズするな!DJが役に立っていない。姉、申し合わせたように交通事故になるな!事故のショックで無事出産するな!最後の濡れ場で笙吾がほとんどしゃべらないのはなぜ?「冬のソナタ」の主役二人の演技と比較して大人と子供、雲泥の差です。宝くじ、ハーモニカ、河に飛び込んだら助けるの伏線はよかった。ちなみに四月に流星群はないです。
[DVD(邦画)] 4点(2009-05-07 16:16:26)
234.  パッチギ! 《ネタバレ》 
パワー溢れて活気のある映画。俳優が活き活きと演技しているのがいい。監督が上手に乗せるのだろう。監督の美徳である。一方で暴力シーンの連続には辟易。冒頭オックスがヘタな演奏を聞かせるが、これは実在のバンド。何か恨みがあるのだろうか。映画の原作は松山猛で「イムジン河」の訳詞者。「誰が祖国をふたつに分けてしまったの」など原詞には無い勝手(過激)な訳をつけたために発売中止に。そこをフォローするためか原詞で削られた「共同農場の稲、波の上で踊る」の部分が語られている。朝鮮人が松山猛訳をどう思っているのか知りたいところ。危惧するところでもあります。例えば朝鮮人が広島の原爆の悲劇を歌にするようなものか。沢尻は日本人と仏人のハーフ。在日朝鮮人を演じていいのだろうか。いがみあう日本人と在日の間に風穴をあけたのが歌。主人公は歌で仲間に入れたし、ラジオで熱唱して恋人の親族に気持ちが伝わった。ラストは河での喧嘩と出産とフォークコンテストが三つ巴の同時進行。感動するシーンだ。特に主人公がギターを叩き割るところがよい。普段感情を露わにしないキャラなので驚いた。注文もある。ラジオのディレクターに暴力を使わせたこと。ここは誠意で上司の心を動かすのでなければならない。暴力では解決にならない。当時「イムジン河」は放送自粛で歌えないので、本来は別の歌を予定していたが、急遽「イムジン河」を歌わせてくれとお願いするような展開なら無理がなかった。出産も父親がそのことをどう思っていたのか全く触れられていなかった。父親としての自覚を持つにしては唐突すぎるのだ。ところで在日と日本人がどうして喧嘩するのか描かれていない。兄や親の代からの惰性でそうなっているのだろう。在日への差別もあまりなく、ただ在日の貧しさが描かれていた。棺を前にして老人が主人公に怒鳴り、虐げられてきた経験と怒りを吐露する。監督の最も言いたい部分でしょう。素直に拝聴しておきます。
[DVD(邦画)] 7点(2009-05-07 10:52:42)
235.  天国の本屋~恋火 《ネタバレ》 
整理してみます。健太は楽団をクビになる。理由は不明。きっと独りよがりな演奏だからでしょう。気が付くと天国に。理由は不明。最後戻ってきた理由も不明。自殺の暗示は無し。恐らく翔子(竹内)に曲を完成させて地上に届ける役目だったのでしょう。天国は心の傷のリハビリの場所ですが、健太には関係さなそうです。さほど成長したとも思えませんし。翔子は花火工房の事故で、左耳が聞こえなくなります。それでピアノが弾けなくなり(普通に考えて弾ける筈ですが)花火師の恋人瀧本(香川)に「責任をとって花火を辞めろ、婚約は破棄する」と宣言。入院して花火を待ちますが(本当は辞めてほしくなかったの)、花火は上がりません。花火が曲想の組曲は中断のまま天国へ。瀧本は花火を辞め、自堕落な生活を送る。生き物が好き。わかりやすいです。香夏子(竹内)は翔子の姪。一人二役する必要はなかったですね。瀧本に翔子が花火を待っていたことを告げ、花火を作らせようとします。瀧本に立ち直ってほしいわけですが、かなり強引です。ビンタ合戦は違和感ばりばりで、こっちがビンタを食らった感じです。香夏子は翔子の妹か親友にしておけばしっくりしたのに。ラストは天国のピアノと地上の花火の夢のコラボ。天国のピアノが地上に届くのはわかるけど(届け人がいる)、花火はどうして天国に届いたのか?瀧本は何故花火大会が終わってから花火を上げたのか?また花火をどこで作成したのか?(工房の人は知らなかった)また健太が本屋のピアノを開けることができなかったのはなぜ?その他、天国では好きな人に会えない(自殺を防ぐため)といっていたのに由衣は弟に会えました。なぜ?由衣に恋する店員が由衣が死んでないことを知らなかったのはなぜ?戦前の子は戦前の服を着てましたが、なぜ?いろいろと説明不足のところがあります。この映画の最大の見せ場は、心の傷を負った瀧本と翔子が、トラウマを振り払い、それぞれ花火を作り、曲を作るところです。そこの愛の完成があるのです。それが中途半端。瀧本は作っている場面がないし、翔子は健太に手伝ってもらってますね。そもそも花火から曲想を得る筈ですが。両者の心の成長が見えないのが残念です。花火を見て翔子が即興で曲を奏で、健太の腕を通じて地上にも届くという脚本にすれば感動的だったのです。花火、ピアノ、天国、本、恋…、材料はよかったのですが、できたのは湿っぽい花火でした。
[DVD(邦画)] 5点(2009-05-07 06:06:18)
236.  モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 
気楽に楽しめる怪獣映画の見本。嵐のシーン、町を襲うゴジラなど特撮で見るべきものがある。美的感覚が優れているのだ。モスラは成体、卵、幼虫(しかも双子)と三度楽しめる。小美人という神秘もありますし、何より歌が素晴らしい。モスラが愛される理由がわかります。ただしインファント島民はいただけません。意味不明の言葉しゃべっていたのに、酋長が急に日本語しゃべりだします。成体は寿命がつきる寸前という設定がいいですね。幼虫が親の仇を討つ展開と見れば、感情移入できるます。どう考えてもゴジラの方が強そうだが、それをどう補うか、闘い方にいろいろと工夫されていますね。幼虫が尻尾に噛み付くのがツボでした。放射熱線が幼虫に当らないのがじれったいです。幼虫にジャンプ能力がり、すばやく移動できるようにすればよかったですね。糸にも毒の成分があるとかすれば完璧でした。卵は地中で育つうちに大きくなるそうですが、水に浮くのはどうしてでしょう?また漁民は、沖にあった卵をどうやって浜まで運んだのか?政府が卵を保護しないのも不自然ですね。モスラの卵を返せといいますが、モスラが勝手にもってかえればいいのでは?こういった疑問を解消するには卵は政府が管理し、小美人は政府と交渉したことにすればよかったですね。ゴジラ登場シーンがよかったです。海からではなく地中から。ところで記者が拾った放射能を浴びた物体は何だったのでしょうか?ゴジラの皮膚でしょうか。ゴジラは名古屋城を壊したのは意図したのではなくコケた結果です。城にぶつかって怒って壊している。子供みたいで面白いですね。自衛隊が何をやってもうまくいかないのはお約束。戦車など効果ないのが分かっているのに、何度も進行します。203高地?搭乗員達は上官を恨みながらも、渋々命令に従っているんでしょうね。どの社会でも下っ端はかわいそうです。飛行機によるミサイルの連続攻撃で海に追い払えばいいと思います。人間ドラマの部分ですが、悪徳商人二人がちまちまやっているだけという印象。どうしてあそこに大金をしまっておくのか?背中から撃たれたのに、額から血が出しているし。その悪人を倒すのはやっぱりゴジラ。最高です。あ、悪人の秘書はもっと美女じゃないとダメですよ。
[DVD(邦画)] 7点(2009-05-06 23:06:09)(良:1票)
237.  レイン・フォール/雨の牙 《ネタバレ》 
日系米人のジョン・レイン(椎名桔平)は元秘密工作員で、今は暗殺者。高級官僚二人を殺し、続いて官僚の川村を電車内で自然死と見せかけて殺害、メモリースティック(MS)を探すが見つからない。MSには政治汚職の証拠がある。レインはMSを隠匿したと勘違いされ、ヤクザとCIAに狙われる。MSがあれば政府を脅すことができるためだ。川村の次女がヤクザに射殺される。それで長女みどり(長谷川京子)と逃避行。こう書くと面白そうだが、リアリティがないのでつまらない。先ず国のデータを簡単に盗めるのが問題。セキュリティがあり、MSが差し込めるわけもないのですが。レインが川村を殺害したのかも不明のまま。死因は持病の心臓発作。他の二人の殺害方法も最後まで不明。MSを奪うのが目的なのに、なぜ殺害するのか?なぜ次女は殺された?長女もMSを持っていない。CIAは東京中の監視カメラでレインらを追う。レインは「監視されているので、歩き続けるしかない」というが、帽子等で顔を隠せばいいのだ。レインが長女に意味深に「プレゼントをあげるから、目をつぶって」と渡したのが拳銃。渡したからには銃撃戦を期待するが、なし。長女がアジトを探しまわる不要な場面が続く。二人で電車で逃げて旅館で一泊するが、濡れ場はなし。翌朝レインは東京へ。意味なし。レインは長女の父を殺して葛藤はないの?長女はレインのどこに惹かれたの?追われる者の緊張感や、男女間の愛情の描写もなし。CIAの支局長は怒ってばかり。駅ホームでレインを射殺せよなどと無茶な命令。政治汚職ネタで、大騒ぎしすぎ。やがて殺害の依頼者がCIAと判明。CIAなら自分たちですればいいのに、なぜレインに依頼したの?レインは復讐のために、支局長の住所をヤクザに流す。他人まかせで、すっきりしませんね。エピローグ。子供時代をすごしたアパートを懐かしそうに眺めるレイン。意味なし。レインは長女に会いに行くが、メモだけ残して消える。「過去は忘れて、未来に生きて」余計忘れられなくなります。案の定、女は男を追う。おお、そういう展開かと思いきや、道路を挟んで見詰め合い、男は消える。がっかり。そんなレインに仕事のメールが。あれ、仕事辞めた筈ですが。レインは男(たぶんターゲット)に会いにゆき、本名を名乗ると、相手の驚く顔。で、エンド。映画館がガラガラの理由がわかり、ここだけすっきり。
[映画館(邦画)] 3点(2009-05-01 23:38:30)(笑:2票)
238.  花とアリス〈劇場版〉 《ネタバレ》 
独特の映像美に魅せられました。高感度フィルムの採光オーバー撮り、周辺をぼかすフィルター、様々なアングルの多用、小津監督のようなローアングル、凝った背景、いろいろとやっています。物語の中心になるのは、偽の記憶喪失ですが、すぐに気づくはずで、引っ張るのは無理があります。宮本のキャラと演技に魅力がないのが欠点。花とアリスの恋のせつなさが伝わりづらいです。アリスが中心に描かれています。両親は離婚。一緒に暮らす母は母親の役割を果たしません。父を思慕していますが、両者の会話はぎこちなく、記憶もかみあいません。3人でデートする場面は、アリスの思い出の追体験です。親子三人で海に来て、縄跳びをし、トランプをし、おむすびサンドを食べたのでしょう。「ねえ、これ覚えてる?」の質問は宮本ではなく父に向けられています。父と宮本が重なって見えたとき、擬似的な恋愛感情が生まれました。それが、「ジョウダンヨ」のせりふになります。父はアリスがところてんを嫌いと思っていましたが、それは過去のことで、すれ違いがあります。宮本との恋愛もところてんが原因で破綻します。このあたりの脚本はうまいですね。宮本が「失われたトランプ」を拾っていたのを知って号泣するアリス。本当に恋をした瞬間です。が、すぐに別れなければならない宿命。トランプを渡して「せめてときどき思い出してね」の後に、伝わらないのを承知で、父から教わった「我愛称」をいいます。切ない青春の1ページ。これらのことを経験し、アリスは過去(楽しかった家族の思い出)に捕らわれないで、現実と向き合い、強く生きていこうとします。それが自分らしさを初めて表現できたバレエシーンとなります。花には引きこもりの過去があり、それが原因で「生き残るためのウソ」を覚えたのでしょう。強引な恋愛は、なめくじのようにぬめぬめしています。アリスとの友情を思い出し、宮本に真実を話したことで、トラウマは解消されました。そして二人は元の仲良しに。写真部の女性、グッジョブ。で、宮本は?うーん中途半端。何故落研なのかも触れられていない。落語へただし。花の見せ場として落語を演じて欲しかった。アトムやライオンキングなどの小ネタ満載で楽しめました。 で
[DVD(邦画)] 7点(2009-04-20 06:09:42)
239.  下妻物語 《ネタバレ》 
とても勢いのある作品。前半は漫画チック、後半は劇画調。発色のよいフィルムを使って、ポップ調に統一している。B級コメディ路線狙いが見事に成功。お馬鹿映画に見えるが、内容は深い。「星の王子様」と同じテーマ。桃子は、不幸な家庭環境が影響し、現実を拒絶している。牛の糞のある田舎町を受け入れず、18世紀のロココの時代に生きる空想ばかりを抱く。生きがいは、ロリータファッション。服が心の鎧となっている。現実を生きていないため、常に孤独で、友達もいない。感情も停止させているので、孤独さえも感じない。重症である。そこへレディースのイチゴ登場。彼女は過保護すぎた家庭環境のせいでいじめに遭い、それから抜け出すためにレディースに入った。一皮剥けたのである。イチゴは自分をぶつけてくる。好きな服には感心し、先輩のために刺繍を入れたいと願い、バイトもするし、将来の設計もあり、失恋もする。現実に生きて、悩み、もがいているのだ。二人に共通なのは孤独。桃子は離れようとするが、特殊能力が友情のきっかけに。パチンコである。ここはご都合主義だが、もう一つの特殊能力、刺繍に目覚めてから桃子は変わる。イチゴのために刺繍をしたいと願うのだ。初めて自分から他人との関わりを願ったのだ。それはイチゴの「他人のために何かしたい」という無垢な心が伝わったから。そして服の会社から刺繍の依頼。初めて社会との接点ができたのだ。他者から必要とされることで、不安を覚えならがも自我に目覚めてゆく。不安は刺繍するときに出る汗で表現されています。そんな桃子に感応して、自己中心的だった社長も仕事より友情を選べといってくれます。途中で事故に遭うが、このとき桃子は生まれて初めて「生きたい」と心から願った。イチゴを助けるために。神に願いは届き、再び立って歩き出す。再生した桃子だ。あとは怒涛の展開。心の鎧であった服は泥にまみれる。生きるとは泥にまみれること。啖呵は初めての感情の発露。関西弁が出たのは、不幸な子供時代を受け入れたということ。ウソがすらすら出たのは、現実で生きるための直感と知恵が備わり始めたということ。現実逃避の少女が、友情をきっかけに現実を受け入れ、真の自分らしさとは何かを探し始めるというテーマに貫かれています。スカッとする映画です。最初に事故のシーンを出して驚かすのもうまい。女優二人の体当たりの演技も光ります。
[DVD(邦画)] 9点(2009-04-19 07:50:27)(良:4票)
240.  がんばっていきまっしょい(1998) 《ネタバレ》 
設定を70年代にして、ノスタルジアを誘ったのが成功しています。ゆったり進む展開も気にならなくなります。甘酸っぱい青春がよみがえりますね。10数年後の現代から入る導入部分は見事ですが、これを受けるエンディングの現代の部分がありません。これは尻切れトンボでしょう。最後でもう一度観客にノスタルジアを感じさせるチャンスなのですが。主人公の悦子は志望校に合格しながらも鬱々しています。家族が出来のよい姉ばかりに期待して、自分を気にかけていないことと、やりたいことが見つからないからです。彼女は海で見たボートに興味を持ち、ボート部に入ろうとしますが、女子部がないと知ると結成します。ここまではグッド。部員勧誘は本来見せ所になるのですが、あっさり見つかり、残念。以後様々な苦労があるけど、がんばっていく展開になると思いきや、あれれ。大きな事件やトラブルは起らず、招聘したコーチは不思議とやる気なし(オーバー演技)。謎のコーチの心境が描かれないのはどうしてか。トラウマを負ったコーチが部員たちのひたむきな姿に感動し、己を取り戻し、一緒になって勝利をめざすのが本来の姿。さもないと後半でコーチがやる気を出す理由がわからない。その後悦子は貧血、ぎっくり腰になり、難病ものかと思ったのですが、そうではありませんでした。恋もありますが、二人は本当に惹かれ合っているか最後まで不明。途中で新体操の女の子を出してしまい、ふられた形になってしまったからです。ここは「お互いに好きだけど言い出せない」と引っ張るべきでしょう。保育園からの幼馴染というよい設定なのですから。合宿での彼女達の会話が映画のテーマ。「二十歳になったら…、三十歳になったら…、四十歳になったら…、一年先だってわからないよ」青春真っ只中です。ただ彼女達のキャラがいまいち描けてない。母親がいない子だけは描けており、ほろりとしました。さてラストシーンですが、応援が少ないのがもったいない。同級生、先生、家族、地元の人を加えて大いに盛り上がるべきところです。悦子の両親は最後まで悦子に無関心で終わります。これも、もったいない。家族愛にめざめましょう。そうすれば号泣シーンになりえたはずです。 「線香花火が消えそう」「料理が上手ね」の場面で肝心の手元を見せないカメラワークには疑問。
[DVD(邦画)] 6点(2009-04-06 18:36:29)(良:1票)
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