321. 王手
《ネタバレ》 将棋映画ですが、まるでスポ魂格闘映画のような熱さ、躍動感、ロマンに満ち溢れたとても面白い作品でした。 赤井英和の危うい魅力(演技も危ういところはありましたが・・・・)が存分に引き出されていますし、若山富三郎をはじめとして脇を固める役者陣もそれぞれに味があって見応えがありました。 平安泰将棋は一度チャレンジしてみたいですね・・・・。 [地上波(邦画)] 8点(2008-10-07 12:50:15) |
322. 約束(1972)
《ネタバレ》 冬の日本海側、どこか陰のある過去を背負った男女・・・極めて日本映画的な設定を、まるでフランス映画のような洒落た雰囲気で撮っていて非常に新鮮さを感じました。 気品を感じさせながらもどこか陰のある岸恵子と野生的で子供っぽさの残るショーケンの組合せが非常に絶妙ですね。ストーリーもシンプルながらも奥深さを感じさせるものでした。 [ビデオ(邦画)] 8点(2008-10-03 21:59:52)(良:1票) |
323. 天空の城ラピュタ
《ネタバレ》 作画・ストーリー・キャラ設定・音楽等々20年以上たっても全く色褪せぬクオリティの高さには脱帽としかいいようがありません。特に、バズー少年の超人的な身体能力と運の強さ、ムスカ大佐の「ハハハ 人がまるでゴミのようだ」には痺れてしまいますね。 これからもずっと愛される作品でしょうね [地上波(邦画)] 8点(2008-10-03 21:44:29) |
324. つぐみ
《ネタバレ》 牧瀬里穂の魅力を上手く引き出していると思います。ただ、それ以外の印象があまり残らない作品ではあります。 ラストは、アラン・パーカーの「バーディ」みたいでしたね。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-09-29 19:22:37) |
325. サッド ヴァケイション
《ネタバレ》 ストーリーは良く練られており、また、大好きな中上健次の「枯木灘」のオマージュ的な要素が結構あったりして非常に面白かったです。映像構成も見事でした。また、ジョニー・サンダースの曲を主題歌に持ってきて作品世界にきっちり嵌め込むセンスは素晴らし過ぎます。ちょっと「ビヨーン」という効果音を多用していたのはどうかと思いましたが・・・・。 それと、豪華出演陣のそれぞれの個性の強さが映像の中で主張しあうが故に、「ユリイカ」のようにスーっと流れていくストーリーに身を委ねる心地よさを感じることが出来なかったのが個人的にはちょっと残念です。 この作品は北九州サーガ完結編と銘打たれてますが、是非青山真治版「地の果て至上の時」(「枯木灘」の続編)を撮っていただきたいですね。まあ、決着は既についているのかもしれませんけど・・・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-21 17:42:59) |
326. EUREKA ユリイカ
3時間40分と尺は長いですが、とにかく良く練られており、ストーリーの転がし方も絶妙で飽きることはありませんでした。また、登場人物たちの荒涼とした心象風景を示しているようなセピア色の世界は、不思議な心地よさを感じさせてくれましたね。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-18 10:22:32) |
327. 大奥(2006)
《ネタバレ》 何というか、映画版ということでちょっと背伸びしてしまった感じですね。やはり「大奥」なんですから、もっと城内の人間模様や政治的駆け引きの描写を多くして欲しかったですね(あれだけ、豪華なキャスティングをしているんですから・・・・)。 あと、いくらフィクションだからと言って、実際は流刑にはなりましたが6、70まで生きた生島新五郎を磔刑で殺しちゃダメでしょう。一応史実に基づいているわけですから、明らかに誤った歴史認識を観客に持たれるようなことをするのはどうかと思います・・・・。 [地上波(邦画)] 5点(2008-09-15 00:04:21) |
328. Helpless
温かい日差しの中に冷ややかな狂気が入り混じったようなこの映画の世界が、不思議と心地よかったです。音楽、映像、演技等々全てがバランスよく合わさっているのも又良いですね。 観終わった後、コーラとナポリタンが欲しくなりました。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-12 14:24:29) |
329. グミ・チョコレート・パイン
《ネタバレ》 内容が馬鹿馬鹿しくたって、演劇人の作品っぽいクセのある作風(個人的にはあまり好きではありません)であったって、オオケンの原作をケラが監督し音楽を電気グルーブが担当しているんですから、あの1980年代中盤からのナゴムをリアルタイムで経験している人間にとってはたまらなく愛おしい作品です(主人公達とほぼ同世代なんで非常にシンクロする部分も多いんですよね・・・・・)。 かつてサブカル文系人間だった方は、懐かしさと共に過去の自分のしょうも無い考えや言動がフラッシュバックしてきたりする恐れがありますので覚悟して観て下さいねw [DVD(邦画)] 7点(2008-09-11 11:21:37)(良:1票) |
330. 日本の悲劇(1953)
《ネタバレ》 生きていくためには自分を育ててくれた親をも捨て、男や金持ちの許に走る・・・・。これは、まさに敗戦によって過去を捨て去り、アメリカの傘下で生まれ変わろうとしていた当時の日本の姿そのもののように思えます。 正直言って、この子供たちは薄情でひどいし、母親は本当に可哀想です。でも、あれだけ支配欲が強いと子供たちが逃げたくなる気持ちもわからないではないですね。何ともやりきれない後味が残りました(最後の佐田啓二のセリフがまた無情でなんともまあ・・・・) 。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-07 21:18:38) |
331. 明治天皇と日露大戦争
《ネタバレ》 日露戦争とはどのような戦争であったのかコンパクトにまとめられているので歴史の勉強にもなる作品です。内容はまさに「偉人伝」といった感じで、やや仰々しく浪花節的ではありますが、それがまた良かったりします。嵐寛寿郎 の演技が非常にハマっていて素晴らしかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-03 15:54:33) |
332. 菊次郎の夏
《ネタバレ》 何というか、子供のころ夏休み終盤に感じていた寂しさのような感覚が甦ってきましたね。 暴力的で自己中心的な「殿」だけれども、実は心の優しい男・・・・菊次郎という男は、まさに世間が(もしかしたら北野監督自身が)求めている理想の「ビートたけし」像ですね。それを、ロードムービーでふんだんに見せてくれるのでファンとしてはたまりません(ファンでないと、母親を見てからの展開がグダグダに感じられるかもしれませんけど) 。久石譲の日本映画史に残るであろう素晴らしすぎる音楽、独特の映像美(色彩・風景・カメラワーク等々)・間合いも言うことなしです。 [地上波(邦画)] 8点(2008-08-31 22:35:54) |
333. 1980(イチキューハチマル)
《ネタバレ》 1980年が舞台なんですが、当時の雰囲気をそのまま描いているという感じではないですね。あくまでも「80年代風」の映画です。ただ、東馬健の「根が演歌なのでどんなジャンル(テクノとかディスコミュージック)を歌っても結局演歌っぽくなってしまう」設定は当時の日本の若者(今もかな?)を象徴してるような気がしますね。 まあ、ストーリー的にはあまり印象に残るようなものはあまり無かった(映画が失敗した時の大騒ぎシーン位ですかね。あれは「台風クラブ」みたいでした・・・)のですが、主人公の3姉妹のキャスティングが抜群に素晴らしいので最後まで楽しく観ることができました。 [DVD(邦画)] 7点(2008-08-31 21:55:06) |
334. 狂わせたいの
《ネタバレ》 何というか、鴨川つばめのマンガ(「マカロニほうれん荘」とか)のようなシュールでナンセンスなユーモアとリズムを持っている映像作品ですね。最初はちょっと面喰ってしまいましたが、慣れてくると中々面白く感じられるようになってきましたね。 しかしまあ、映画音楽の重要性を痛感させられましたね(この作品で流れる昭和歌謡はパンチが効いた名曲揃いで素晴らしかったです)。内容がしょうもなくても音楽が良ければ結構好感が持ててしまうんですよね・・・・。 [映画館(邦画)] 6点(2008-08-26 17:30:25) |
335. ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発
《ネタバレ》 まあ、相変わらずのバカ映画なんですが、幼少期から特撮怪獣ものを見て育ち学生時代にビートたけしの洗礼を受けた世代なら金払って映画館で見る価値のある作品だと思います。もう、タケ魔人が消火器と傘を持っているのを見たときは飲んでたジュース噴きそうになりましたよw 加藤夏希のおちゃらけてない真剣な演技も非常に良かったです。 G8(+α)の風刺ネタもベタですけど過激で面白かったです。北のあの人はもう鉄板ですが、フランス大統領が妙に似てて笑えました。でも、本人見たら怒りますよw。ロシアネタも危険でしたしw日本の映画でここまで露骨にやるのは珍しいですよね。まあ、ベネチア映画祭で上映されるみたいですけど、もしかしたら日本よりも外国で受けるかもしれませんね(特にアメリカとかで受けそうな気がします)。 この作品が遺作となった水野晴郎先生の姿にはつい涙がこぼれそうになりました・・・・ご冥福をお祈りいたします。 [映画館(邦画)] 7点(2008-08-18 12:34:57)(良:1票) |
336. 博士の愛した数式
《ネタバレ》 数学の哲学的、文学的な奥深さについての講義を受けているような感覚で鑑賞しました。文系人間でもその魅力は十分感じ取ることができました(吉岡秀隆の講義部分が非常にわかりやすくて良かったです)。 出演者たちの自然な演技や美しい風景も素晴らしく、心が癒される作品でした。 [地上波(邦画)] 8点(2008-08-05 18:15:01) |
337. 地下鉄(メトロ)に乗って
《ネタバレ》 昭和の風景は非常にノスタルジーを感じさせますし、出演者の演技も中々良かったのですが、設定やストーリー展開に粗が目立ち、もう少し丁寧に作り上げても良かったのかなと思いますね・・・・。 まあ、それでも途中まではおかしな点を突っ込みながらもまあまあ観れたのですが、「階段落ち」シーンの前後当たりで全てが台無しになりましたね。まあ、あの展開はいくら作り話とはいえ酷すぎます。唖然としてしまいました。自分の父親やそれぞれの愛人に余計な苦しみを与えておいて、自分は不倫が無かったことになり後ろめたさが消え、父親を許せる気持ちにもなりました目出度し目出度しではね・・・・・・。 [地上波(邦画)] 4点(2008-07-29 17:31:05) |
338. 浮雲(1955)
《ネタバレ》 高峰秀子と森雅之の会話のやり取りが非常に素晴らしく、シナリオを手に入れて読み返したくなりました。ストーリーは結構ドロドロとしたものなのですが、比較的乾いたタッチで描かれており独特の空気が映画全体を覆っていて、それが不思議と心地良さを感じさせてくれます(山形勲が良いアクセントになっています)。 この映画の最大の魅力は、高峰秀子演じる主人公が我々男性の多くを占める「弱くて、人間のずるさを持ってそれを隠している」人間にとってまさに理想の女性であるということでしょう。自分勝手で見栄っ張りで卑怯な男の性質を理解した上で、変わらぬ愛情を持ち続けていてくれる・・・・・。まあ、実際にはそんな都合の良い女性にめぐり合うことなんてありえないのでしょうが、それでも夢見てしまうのが男の哀しい性なのでしょうね。 [ビデオ(邦画)] 8点(2008-07-24 17:51:55) |
339. カオス(2000)
《ネタバレ》 時系列を崩した構成で、次々と仕組まれた狂言誘拐の種明かしをしていく中盤までは中谷美紀の魅力もあって結構面白かったです。ただ、終盤の展開がややグダグダで、最後も「えっ、これで終わり?」という感じで何となく不完全燃焼な気分でした・・・・。 もう少し、中谷美紀が演じる女性の人物像を深く描いて欲しかったですね。 [地上波(邦画)] 6点(2008-07-16 13:55:45) |
340. 戒厳令(1973)
《ネタバレ》 非常に静かな緊迫感に包まれた作品でした。自らの思想が己の想像、度量を超えた影響力を持つようになり暴走していく状況の中で、不安に畏れ慄く思想家の姿を三國連太郎が見事に演じています。 「神」は「神」であるが故に「神」であり、人間は決して「神」になり得ない・・・・。観終わった後、そんな事を考えてしまいました [DVD(邦画)] 7点(2008-07-15 18:14:58) |