361. BROTHER
《ネタバレ》 虚無的な暴力描写に満ち溢れ、日本では悲劇的に捉えられがちな「バイオレンス系北野映画」が、アメリカを舞台にすると半分コメディではないかと感じてしまうほどのアクション娯楽映画に変貌していて興味深かったです。日本では異質な北野映画の世界も、アメリカでは日常のことなんでしょうかね? しかしまあ、おなじみの北野組の面々がLAと全くマッチしていないのが本当に笑えました。この違和感もこの作品の魅力かもしれませんね。 奥の深さはあまり感じませんでしたが、アメリカナイズ(?)された北野映画ということで貴重な一本であることは間違いありません。 [地上波(邦画)] 7点(2009-01-29 19:35:34) |
362. 赤軍派-PFLP 世界戦争宣言
《ネタバレ》 メッセージはひたすら「武装闘争」を呼びかけるなど非常に過激ですが、映像はパレスチナゲリラの日常を結構淡々と映して、冒頭等に出てくるニュース映像との落差に「闘争の現実」を感じてしまいますね。 正直、訴えかけられるメッセージに対しては賛同しかねるのですが、当時の世界的な新左翼運動についての歴史的資料という意味では非常に興味深い作品でありました(当時の赤軍派の動向も描かれています)。 [映画館(邦画)] 7点(2009-01-13 15:54:08) |
363. 風の絨毯
《ネタバレ》 一枚のペルシャ絨毯に込められた人々の思いが伝わってきましたね。派手さは無いですが、日本とイランの伝統的な文化の交流や人々の心が打ち解けていく様は見ていて興味深かったです。 [地上波(邦画)] 7点(2009-01-05 21:00:39) |
364. 犬神家の一族(2006)
《ネタバレ》 旧作も未見なので、今回初めてこの作品を観たわけですが、ストーリーというよりは佐清マスクや逆さ死体等次々出てくるインパクトのある映像が面白かったですね。やはり、日本映画を代表する一本であることは間違いないです。 [地上波(邦画)] 7点(2008-12-29 21:29:48) |
365. 私が棄てた女
《ネタバレ》 とにかくこの作品は森田ミツ役の小林トシエの熱演に尽きますね。優越感を感じさせてくれて、尽くしてくれて、しかも全てを赦してくれる・・・男にとってまさに理想の女性を見事に演じています。 森田ミツという女性は、日本が豊かさを得る代わりに失ってしまった「何か」を象徴しているのかも知れませんね。 ちょっと、彼女の死後の展開がシュール過ぎて別の作品のようになってしまったのが残念でした。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-12-27 18:42:48) |
366. UDON
《ネタバレ》 讃岐うどんは大好きなので楽しく観ることができました。特に、「讃岐うどんブーム」がどのようにして起こり、収束していったかについて描いているのは興味深かったです(ブームと引き換えに失うものも多いんですね・・・・)。 しかしまあ、シンプルさと安さが自慢の讃岐うどんをテーマに扱っている割には、無駄な費用をかけているような・・・・。時間もちょっと長かったです。 [地上波(邦画)] 7点(2008-12-23 18:58:05) |
367. バトル・ロワイアル
《ネタバレ》 とにかく「あるクラスが一人になるまで殺しあう」という設定が非常に興味深かったです。また教師キタノの不気味さこそが、国家権力というものの真の姿を象徴しているように思えましたね。 [映画館(邦画)] 7点(2008-11-11 19:06:37) |
368. コントロール(2007)
《ネタバレ》 自殺という結末はわかっているだけに、そこに至るまでの道程を見ていくのは辛いものがありました。ただ、好きなバンドの話だけに、知ることができてよかったですが・・・・。 しかしこの映画、ジョイ・ディビジョンやニュー・オーダーを知らない人が見ても重苦しさを感じるだけではないでしょうかね。伝説のロッカーであるイアン・カーティスを一人の悩める若者として等身大に描いているところに意味があるわけですから。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-11 18:36:37) |
369. 櫻の園 -さくらのその- (2008)
《ネタバレ》 まあ、某大手芸能プロダクション製作ということで、所属タレント達を魅力的に映し出して商品価値を高めていくことが主たる目的の一つでしょうから中味が殆ど学芸会化してしまっているのは仕方ないんでしょうね・・・・・。正直、途中まではこの作品に「櫻の園」のタイトルをつけるのは詐欺ではないかと怒りすら感じながら観ていました。 しかしながら、この「オ○カープロモーション学芸会」が徐々に「櫻の園」とシンクロしていき、エンドロールが流れる頃にはすっかり新しい「櫻の園」として爽やかな感動を呼び起こしてくれるんですから、中原監督の手腕は大したものです(まあ、旧作に思い入れのある方だと拒否反応を起こす人もいると思いますけど)。 [映画館(邦画)] 7点(2008-11-11 17:55:39) |
370. 天使(2005)
《ネタバレ》 ストーリー、映像、出演者等々全体的に悪くはないです。深田恭子の天使は、まあ狂言回しみたいなもので主役と言われると「?」という感じですが・・・(鳥人間とか言われてるしw)。 まあ、1800円払って映画館で鑑賞する気にはなりませんが、レンタルDVDやテレビで酒(観てると無性にジンライムが飲みたくなりました)を飲みながらボーっと観たりする分には結構楽しめる作品かもしれません。 [地上波(邦画)] 7点(2008-10-09 18:28:50) |
371. Helpless
温かい日差しの中に冷ややかな狂気が入り混じったようなこの映画の世界が、不思議と心地よかったです。音楽、映像、演技等々全てがバランスよく合わさっているのも又良いですね。 観終わった後、コーラとナポリタンが欲しくなりました。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-12 14:24:29) |
372. グミ・チョコレート・パイン
《ネタバレ》 内容が馬鹿馬鹿しくたって、演劇人の作品っぽいクセのある作風(個人的にはあまり好きではありません)であったって、オオケンの原作をケラが監督し音楽を電気グルーブが担当しているんですから、あの1980年代中盤からのナゴムをリアルタイムで経験している人間にとってはたまらなく愛おしい作品です(主人公達とほぼ同世代なんで非常にシンクロする部分も多いんですよね・・・・・)。 かつてサブカル文系人間だった方は、懐かしさと共に過去の自分のしょうも無い考えや言動がフラッシュバックしてきたりする恐れがありますので覚悟して観て下さいねw [DVD(邦画)] 7点(2008-09-11 11:21:37)(良:1票) |
373. 日本の悲劇(1953)
《ネタバレ》 生きていくためには自分を育ててくれた親をも捨て、男や金持ちの許に走る・・・・。これは、まさに敗戦によって過去を捨て去り、アメリカの傘下で生まれ変わろうとしていた当時の日本の姿そのもののように思えます。 正直言って、この子供たちは薄情でひどいし、母親は本当に可哀想です。でも、あれだけ支配欲が強いと子供たちが逃げたくなる気持ちもわからないではないですね。何ともやりきれない後味が残りました(最後の佐田啓二のセリフがまた無情でなんともまあ・・・・) 。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-07 21:18:38) |
374. 明治天皇と日露大戦争
《ネタバレ》 日露戦争とはどのような戦争であったのかコンパクトにまとめられているので歴史の勉強にもなる作品です。内容はまさに「偉人伝」といった感じで、やや仰々しく浪花節的ではありますが、それがまた良かったりします。嵐寛寿郎 の演技が非常にハマっていて素晴らしかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-03 15:54:33) |
375. 1980(イチキューハチマル)
《ネタバレ》 1980年が舞台なんですが、当時の雰囲気をそのまま描いているという感じではないですね。あくまでも「80年代風」の映画です。ただ、東馬健の「根が演歌なのでどんなジャンル(テクノとかディスコミュージック)を歌っても結局演歌っぽくなってしまう」設定は当時の日本の若者(今もかな?)を象徴してるような気がしますね。 まあ、ストーリー的にはあまり印象に残るようなものはあまり無かった(映画が失敗した時の大騒ぎシーン位ですかね。あれは「台風クラブ」みたいでした・・・)のですが、主人公の3姉妹のキャスティングが抜群に素晴らしいので最後まで楽しく観ることができました。 [DVD(邦画)] 7点(2008-08-31 21:55:06) |
376. ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発
《ネタバレ》 まあ、相変わらずのバカ映画なんですが、幼少期から特撮怪獣ものを見て育ち学生時代にビートたけしの洗礼を受けた世代なら金払って映画館で見る価値のある作品だと思います。もう、タケ魔人が消火器と傘を持っているのを見たときは飲んでたジュース噴きそうになりましたよw 加藤夏希のおちゃらけてない真剣な演技も非常に良かったです。 G8(+α)の風刺ネタもベタですけど過激で面白かったです。北のあの人はもう鉄板ですが、フランス大統領が妙に似てて笑えました。でも、本人見たら怒りますよw。ロシアネタも危険でしたしw日本の映画でここまで露骨にやるのは珍しいですよね。まあ、ベネチア映画祭で上映されるみたいですけど、もしかしたら日本よりも外国で受けるかもしれませんね(特にアメリカとかで受けそうな気がします)。 この作品が遺作となった水野晴郎先生の姿にはつい涙がこぼれそうになりました・・・・ご冥福をお祈りいたします。 [映画館(邦画)] 7点(2008-08-18 12:34:57)(良:1票) |
377. 戒厳令(1973)
《ネタバレ》 非常に静かな緊迫感に包まれた作品でした。自らの思想が己の想像、度量を超えた影響力を持つようになり暴走していく状況の中で、不安に畏れ慄く思想家の姿を三國連太郎が見事に演じています。 「神」は「神」であるが故に「神」であり、人間は決して「神」になり得ない・・・・。観終わった後、そんな事を考えてしまいました [DVD(邦画)] 7点(2008-07-15 18:14:58) |
378. モナリザお京
《ネタバレ》 渥美マリの女スリが意外にいい味出していて面白かったです。非常に安っぽいですが、娯楽作品としては良く出来ています。しかし、あの「カリオストロの城」の名セリフの元ネタ(?)がここで聞けるとは・・・・ [地上波(邦画)] 7点(2008-07-04 12:55:58) |
379. トニー滝谷
イメージ映像付き朗読劇というか小説のPVという感じですね。ややもすると退屈になりがちな手法ではありますが、この作品は村上春樹の世界観と市川準の映像、坂本龍一の音楽が上手くマッチしていて観ていて心地良かったです。ただ、イッセー尾形の学生役はちょっと無理が・・・・・ [地上波(邦画)] 7点(2008-07-01 10:48:35) |
380. 解夏
《ネタバレ》 失明すると暗黒の世界ではなく、乳白色の霧の中のような世界に包まれるのですね・・・・・。何というか、残酷な運命を受け入れざるを得ない恐怖と無念さを大沢たかおが見事に表現しています。そして、恋人役の石田ゆり子がこれまた素晴らしいです。 地味ではありますが、心が温かくなるような良作でした。 [地上波(邦画)] 7点(2008-06-28 23:26:24) |