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プロフィール
コメント数 206
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22117/
年齢 43歳

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21.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
この作品について強く感じたのは、前作『千と千尋』から引き続いて「生きる力」が、描かれているという事でした・・・これは以前に書いたレビューの冒頭ですが、今回見返してみて、この感想をより自分の実感に即した、生き生きとしたものとして感じ取ることができました。  作中ではあまりにもさりげなく描かれていますが、冒頭のソフィーのどこかすっきりしない様子は、この作品の重要なモチーフとなっている「人の心」を表しているのではないかと思います。父親の店を自分が継がなければならないという義務感から自分を抑圧していたソフィーは、いつの間にか生き生きとした「自分だけの」心の動きをも、見失っていたのです。  そしてソフィーとハウルの二人を結ぶのも、この「心」というキーワードであるように見えました。ハウルは幼い頃に星を飲み込み、「自分の心」と引き換えに大きな力を手に入れますし、またハウルの心には「怪物」が潜んでいます(と言うより心の一部が怪物である、ということでしょうか)。そして自分の心の生き生きとした動きを取り戻したソフィーは、「あなたが怪物でも良い」と言い切って、ハウルを愛するのです。  この作品は、人の心がどれだけその生き生きとした動きを知らない間に失っているのか、そしてその動きを取り戻した時にどれだけ人が強くなれるのかという事が描かれていると感じました。親の店の引継ぎを振り切って、「心臓を取ってしまう」という恐ろしい噂がついてまわる男を愛し、徹底して自分自身の心に素直に行動するソフィーを形にした宮崎監督は、実は「人は心の動きを失いうる存在であり、一度それを取り戻すと世界の常識や決まりが無意味になってしまう」ということを浮き彫りにした、とても大胆な作品を作り出したのではないかと思います。
[映画館(字幕)] 10点(2006-04-15 00:28:35)
22.  魔女の宅急便(1989)
「確かにこれは子供向けでしょうね。ある程度の大人なら、見るのはちょっと退屈かも知れません」・・・これは今から3年以上前に投稿したレビューの最初の2行ですが、今は僕はそう思いません。確かに物語は明らかに、「13歳(特に女の子)」に向けて作られていますが、内容は大人にも十分訴えるものも持っていると、今はそう感じます。  これから働こうとしている人としてキキが描かれている限りで、この作品はキキと同年代の(そう遠くない将来に働くことになる)子どもたちへの「応援歌」であると同時に、働き始めて仕事上の苦難に遭遇し、周りの暖かさに支えられてそれを乗り越えていくキキの様子に注目すると、これは現在働いている人たちへの「応援歌」とも言えると思います。  生きている限り、人は必ず自立し、働くことになります。僕はこの作品に、そういう「これから働くことになる人、そして現に働いている人」たちを、静かな説得力でもって力づけてくれるような暖かさを感じます。  「神様か誰かがくれた力なんだよね。おかげで苦労もするけどさ」・・・ウルスラがこうつぶやくまでのあの一連のシーンを見ると、いつも僕は、「働くこと」、しかも「自分の能力を生かして働くこと」が、何か特別な、まさに神秘的なもののように感じます。   <追記>母親のホウキを使って、特に何も考えずに飛んでいたキキが、深刻な挫折の後に、仕事のため、そして友を助けるためという自立した意志を持って、ホウキの代わりにデッキブラシで飛ぶ・・・今回見直してみて、このキキの変化にとても興味が湧きました。デッキブラシは荒々しく、キキの乗りこなしも不器用です。しかしキキは、それでも一生懸命にデッキブラシにしがみついている・・・もしかしたら監督は、このようなキキの姿に、自立し始めた若い人たちの荒々しさ、不器用さ、そして一生懸命さを投影させているのではないか、そう思いました。
[地上波(字幕)] 9点(2005-11-03 15:14:38)
23.  BLOOD THE LAST VAMPIRE 《ネタバレ》 
何しろ50分程度という短さですから、物足りなさを感じてしまうのは仕方のないところですが、それでもかっちりと作りこまれた作品内容となっていますので見ごたえは十分でした。あの「オニ」の造形(「人外」という言葉があるんですね、皆さんのレビューで初めて知りました)も面白かったし、最後にどうしてそれらが基地に向かっていたのかというオチも、僕自身は納得できるものでした(不謹慎かもしれませんが、これまでの大きな戦が生み出した死屍累々の中に、あのオニに襲われた死体が含まれ、また古今東西の戦場でそれらもまた密かに人を襲っていたという事は、何となくありそうなことだと思わされます)。  その一方で、確かに小夜の過去に関して掘り下げが足りないという印象も拭いきれませんが、それはそれで観る者の想像力を刺激しないわけでもありません。まぁこの点は、これから始まるTVシリーズで徐々に明らかにされることかもしれませんが。  工藤夕貴の吹き替えは、僕の予想を遥かに超えて優れていました。僕自身は、吹き替えに危惧を感じていてこの作品をなかなか見る気にならなかったのですが、今回見てみてそれが全くの間違いだったことがわかりました。意外と太いその声が、作品のハードボイルドな雰囲気ととてもよく合っていたと思います。
[地上波(字幕)] 7点(2005-10-10 01:22:45)
24.  火垂るの墓(1988) 《ネタバレ》 
僕にも妹がいるのですが、そのせいかはじめて見たときは、単純に悲しい気持ちにさせられました。それから何度か見返していくうちに、僕もやはり皆さんご指摘の清太の言動が目に付き始めました。僕としては、清太のあの愚かな行いに気が付いて、余計に彼ら二人の哀れさと、清太の(悪い方面での「子供っぽさ」と表裏一体になった)純粋さを感じました(無人の家に忍び込んで盗みを働き、「ざまあ見ろ」とばかりに笑う様子は、全く「子供」にしか見えません)。彼のあの愚かしい言動さえも肯定するつもりは毛頭ありませんが、僕としてはやはり彼があのような言動を取るに至った当時の状況(戦争)に思いが行ってしまいます。戦争という状況が、彼の子供っぽさ・純粋さに悪い方向に作用してしまい、最終的に妹を「殺す」事になったのではないか・・・そう僕には見えました。  <追記>この前久しぶりに見返しました。今度は意識的に、清太が親戚の家に居候した時を想定して「自分ならどうするだろう」と仮定してみました。答えは・・・正直言ってわかりません。僕自身は小心者ですので、どうにか不愉快な気持ちを押し殺して(清太よりは)上手く振舞ったかもしれませんが、しかし自分で自覚している自分の「愚かな部分」を思い合わせると、何とも言えなくなります。 僕自身は、非常に大きな数の人間を広範囲長期的に拘束する戦争という状況下では、皆がみな的確な行動を取ることは、とても難しいのではないかと思います。言ってみれば、こういう状況下では、人間の抱えている「愚かさ」みたいなものが、どうしようもなく表に出てしまう場面が存在するのでは・・・そう思ってしまうのです。 そしてこの映画の場合、その「愚かさ」は清太に現れました。後半で清太が見せる盗みはもとより、「自分と妹の二人だけで生活していける」という(致命的な)思い(込み)にしても、その思いの出発点がどれだけ純粋なものであっても、結果として妹を死なせる事になってしまった限りにおいて、「愚か」としか言いようのないものです。そしてこの愚行の出発点にあるこの純粋さの故に、僕は何ともやりきれない気持ちになります。 そしてこの清太の「愚かさ」と、その結果による節子の死と、これらの結果全体の「どうしようもなさ」を思うとき、僕は本当に哀れな気持ちになるのです。
[映画館(字幕)] 9点(2005-09-13 22:31:25)(良:2票)
25.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 
鑑賞する回数を重ねる度に魅力を増していく作品は、アニメ(映画)に限らずあらゆるジャンルにも存在しますが、僕の場合それは同じ宮崎監督による『もののけ姫』でした。しかし現在は、この『千と千尋の神隠し』がその位置を占めています。  僕は映画を見ても「泣いて感動する」という事が余りない方なのですが(『ナウシカ』も『トトロ』も、大好きな『ラピュタ』も、あるいは『ニューシネマ・パラダイス』などの「感動の傑作」と言われている他の作品でも、感動はしても泣くことはありません)、前からこの『千と千尋』だけは別でした。千尋のあの健気な姿を見ては涙ぐんでいたのですが、今回見返してみて、自分でも思いかけないくらい感動してしまい、何度も涙が出てきてしまいました。  『もののけ姫』以来、宮崎作品は作中の一つ一つの事柄に象徴性が持たされるようになり、それらの事柄を一つ一つ「読み解いていく」のが、これら最近の宮崎作品を見る時の個人的な楽しみとなっていたのですが、この『千と千尋』も、やはりそんな象徴性に満ちた作品であり、これまではどちらかと言うとそのような鑑賞の仕方をしていました。しかし今回見た時は、そういう様々なメタファーやらシンボルやらということ以前に、作品全体に満ちており、千尋を暖かく包み込んでいる「優しさ」に対して、深く心に染み渡るような感動を覚えたのです。  そしてこれまで僕がこの『千と千尋』にあると感じて来た象徴やら何やらといった事柄が、全てこの千尋(そして千尋と同年代の子供達)に対する「優しさ」につながっているのではないかと思うようになったのです。正直言って細かいところを見るとまだまだ消化不良なところがあると感じているのですが(それはもちろん僕自身の感じかたの方です)、それでも僕は、何とも暖かいことこの上ないこの作品を、僕にとっての宮崎作品第一の傑作としたい気持ちです。
10点(2004-12-26 00:37:10)
26.  イノセンス 《ネタバレ》 
恐らく押井監督はこの作品において、「人形」と「人間」を区別せず、そして(人間自身を含んだ)「動物」に対する愛と「人形」に対する愛をも区別しないという姿勢を取り、そこから見えてくるものをこの作品で表現しようとしたのではないかと思います。  個人的に印象に残っているセリフで、「鏡は瞥見するものであり熟視するものではない」というものがあるのですが、これに関しては、作中に出てくるような精巧な「人形」が登場するようになれば、人間と人形との境界が曖昧になっていくばかりであり、そのような状況であえて人間と人形の区別を問うことは、それこそ人間の存在基盤を曖昧にしてしまう恐れがある、従って我々はあえてこのような問いを発するべきではない、すなわち「鏡を熟視」すべきではない・・・こういう意味があるのではと思っています。  僕はこういう主張に対しては、ある程度共感すると共に、「ちょっとそれは考えすぎではないのか」という気がしないでもありません(もし上に書いたような主張が本当にこの作品に込められているのだとすればですが)。例えば作中での「子育て=人造人間製造の欲望」という考えに関しては、実感としてピンと来ない上に、このような考え方が余りにも論理的であり、人間の「人間臭い」面を軽視しているのではないかと思えてなりません。  もっとも、この点に関しても、押井監督は監督なりに回答を用意しているのかもしれませんが。そしてその回答が、ラストにおける少佐とバトーとの再会シーンに込められているのかもしれません。個人的に異論もあるとは言え、結局この点数にしたのは、このラストの展開がやたらに感動的だったからです。   <追記>久しぶりに見返してみて、その時もラストに至ってやたらに感動してしまいました。そしてその時になって、その原因が作品の構造にあるのではないかということに思い当たりました。  この映画は、物語が進むにつれて、人間の人間たる基盤みたいなものを揺るがしていく(もっともこれは押井監督の意地悪ではなくて、あくまでご本人の問題意識の表れなのでしょうが)という構造を持っていますが、ラストに至って少佐が「登場」し、そこでようやく徹底的に揺るがされた「人間性」に訴えかける事により、見る者(と言うかこの場合僕自身ですが)に何とも言えない、虚無的な寂寥感を伴う感動を与えるのではないか・・・こんなことを思いました。
9点(2004-12-10 16:53:02)(良:1票)
27.  風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 
僕自身は、テーマの掘り下げ方や世界観の深さ、それにスケールの大きさで言うとマンガ版に分があると感じているのですが、映画の方はそんな違いなんか吹き飛ばしてしまうくらい、見る者の「感情」を直撃する抒情に満ちています。  しかし個人的には、このような「抒情」(主に「優しさ」でしょうか)は初期の作品だからこそこれだけ存分に盛り込まれ、のびのびと表現することができたのではないかと思います。全体的に僕はこの劇場版からは、『もののけ姫』や『千と千尋』といった最近の2作、そして原作の『ナウシカ』には無い「無垢さ」を強く感じるのですが(それは例えば、登場人物全体が最終的にナウシカという存在に引き寄せられ、物語が彼女を中心にしてきれいに解決を見るという展開からも強く感じます)、こういう「無垢さ」は、製作者が認識を深め、改めて行けば行くほど、素直に表現する事が困難になるのではないかと僕は思うのです。極言すると、目の前で行われている戦争の真っ只中に飛び込んで、たった一人で本当に「愛」や「優しさ」を説く事ができるのか、また説いた所でどれほどの影響を及ぼすことができるのか、という事を考え出すと、とてもこの『ナウシカ』のような映画を再び作ることはできないのではないかと思います。この文字通りの純粋無垢な内容が、この作品の弱いところではないかと僕は感じています。  しかしこの作品の場合、その「弱点」が同時に「魅力」であるとも感じています。下手をすれば皮相な綺麗事と取られかねない主張を持つ人物(=ナウシカ)を設定しつつ、その人物に嘘臭さやいかがわしさが全く感じられないのは、やはり見事としか言いようがないと思います。
8点(2004-07-22 12:03:52)
28.  もののけ姫 《ネタバレ》 
僕はどうも、こと『もののけ姫』となると、ダラダラと書いてしまう様です(もちろん今書いているこのレビューもそうでしょう)。そこでこの作品に関しては、個人的に最も重要であると思われるポイントに絞って、レビューを書いてみたいと思います。  この作品における最重要ポイント、それは「アシタカ」という人物に尽きるのではないかと思います。作品における表面的な構図(つまり「自然対人間」という対立構造)とは裏腹に、「自然」に関するメッセージ性はそれほど強くは無いのではないかと思います。そして仮に「強いメッセージ性」がこの作品にあるのだとしたら、それはただ一点、「憎しみへの警鐘」ではないかと思っています。  実際この作品では、「憎しみ」は様々に形を変えて描かれます(ある時は身体を蝕む不吉な痣として、またある時はヒルのようなぬらぬらした姿を取って)。そしてこの作品に関しては、その「憎しみ」は「死」とも密接に結びついているのです。『もののけ姫』においては、作中に渦巻く憎しみの源泉として、この「死(への恐怖)」が描かれています。そして主人公のアシタカは、作中の錯綜した対立構図(自然対人間、人間対人間、そして人間対「神」)と共に、この「憎しみ」と「死への恐怖」をも背負っているのです。  そして僕にとっては、このような「重荷」に対してアシタカが最終的にどの様な解決をもたらすのか、という点よりは、このような「重荷」から逃げ出すことなく、様々な状況に真正面から、しかも「憎しみ」をできるだけ排除した上で対決しようとしているその「姿そのもの」に、大きな魅力を感じています。この『もののけ姫』は本当に豊かな作品だと僕は思うのですが、個人的には、その豊かさの多くは、このアシタカという人物に負っているのではないかと思います。
10点(2004-07-22 11:47:21)(良:1票)
29.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
<ネタバレあります>何だかやたらに評判が良いので、ちょうどTVで放送していたものを見ました。いやぁ、これは本当に面白かったです。しんちゃん、相変わらず笑わせてくれました(それと今回は相当健気ですね・・・)。まぁしんちゃんのおバカ振りはいつものこととして、かなり深い内容でした。高度経済成長期の下町の「ニオイ」とか大阪万博の雰囲気とかは世代の相違でよくわかりませんでしたが、「やたらに懐かしがる」気持ちは僕にもよくわかります。こういうどうしようもないノスタルジーを抱えつつ「今」を生きることを決意するヒロシたち大人の姿が、やたらに切なかったです。
8点(2004-07-19 23:18:56)
30.  セロ弾きのゴーシュ(1982)
高畑勲監督による「セロ弾きのゴーシュ」の映画化です。原作はもちろん宮沢賢治です・・・あれから(というのはこの映画を登録していただいた時のことですが)ようやく原作を読み、それから改めてこの作品を見てみたのですが、おかげでこの作品が、かなり原作に忠実な作りになっていることがわかりました。ただ、原作つきの映画を作る際には、製作者による原作の「読解力」が問われると思うのですが、その点高畑監督はきちんと「読解」しているように感じました。単なる忠実な「再現」に終わっていない、独立したアニメーション映画としての雰囲気を備えていると思います。しかしこの作品に登場する動物達は本当に愛らしいですね。
8点(2004-05-04 21:46:43)(良:1票)
31.  Kids Return キッズ・リターン
言うまでもないことですが、僕は劇中のマサルともシンジとも似ていません(内外両面の意味で)。それでもこの二人が他人と思えないという事は、個人的には驚異的と思うほかありません。別に焦るという事でもないのに、どこからか滲み出てくるあの年代特有の危うさと、それを経た上でのあのラストの短い会話は、本当に味わい深いです。
10点(2003-11-30 20:43:02)
32.  パンダ・コパンダ
後年の宮崎アニメを知っている人間としては、確かにこの作品はちょっとゆるいです。ゆるいですが、「それでもいい」と思わせるくらい、本当に安心して見られる良心的なアニメ作品だと思います。それにしても杉山佳寿子さんは一体どこから声を出しているのでしょうか・・・見事に役にはまっていますね。
7点(2003-11-14 00:25:01)
33.  機動警察パトレイバー
これは面白かったです。劇場版パトレイバーの中ではコミカルな部分が多く、ストレートに楽しめる作品だと思います。
8点(2003-11-14 00:08:06)
34.  千年女優
場面やら状況やらが突然変わる(と言うより交錯する)独特の手法を見ていると、さすが『PERFECT BLUE』の監督だなと思います。前作と違って安心して見ることができる話の内容が、個人的に良かったです(テンポの良い展開とあの独特の手法が良い具合にマッチしてとても面白かったです)。ただラストのあのセリフに関しては、個人的に拍子抜けの感じがぬぐいがたかったです。今監督は個人的に期待しているので、新作が発表されれば見に行くつもりですが、それでも「次はどう出るのだろうか」という多少の不安を感じないでもありません(老婆心ながら、『PERFECT・・・』といいこの作品といい、「アイディアで勝負」という面が結構強いので、「次」のアイディアが前二作に比肩するなり凌ぐなりできるのかと、心配になってしまいます・・・まぁこんな心配は、一視聴者としての僕の想像力の貧困を物語るだけで、たぶん今監督は今度も十分楽しませてくれると思いますが)
6点(2003-11-13 17:30:32)
35.  PERFECT BLUE 《ネタバレ》 
これは面白かったです。そこら辺のB級サスペンスよりよほど良くできていて、恐いです。個人的には、アイスピックでの殺人シーン(某「@@@笑」の冒頭シーンよりも恐い・・・)など、多少正視に堪えないシーンがなくもなかったので、やや低めのこの点数ですが、それでも(既に指摘されている通り)アレハンドロ・アメナバール顔負けの二転三転する物語を満喫しました。
7点(2003-11-12 23:19:33)
36.  雲のように風のように〔TVM〕
TV放送当時は、結構テレビ局でも宣伝に熱心だったことを憶えています。CMを見て、「これは見てみたい」と結構楽しみにしていました(見ようと思ったのは、絵柄がジブリアニメっぽくて、本当に「ジブリアニメ」なのではないかと半分思いこんでいたからということもあるのですが・・・↓他の方のレビューを見ると、実際にジブリ作品に関わったスタッフが参加しているとのことで、びっくりしました)。別に不思議な出来事が起こるわけでもないのに、どことなくファンタジックで、とても印象的でした。一本の作品として見ても、とてもよくできたアニメだと思います。
7点(2003-11-12 19:53:41)
37.  リリイ・シュシュのすべて 《ネタバレ》 
この映画の内容は、エンドロールに出てくるチャット風の文章にその全てが集約されているような気がします。無いようだけど確かに痛む傷、癒えそうで癒えない傷、変りそうで変らない、けれども確実に苦しい日々・・・生きたいのに、その生きる力をどこに向けていいのかわからないこのような毎日を、それでも生きなければならないのだとしたら、星野みたいにリリイシュシュを聞きながら思い切り叫ぶしかないのかもしれません。
9点(2003-10-30 12:01:24)
38.  TRICK トリック 劇場版
テレビシリーズが好きで、結構楽しみにしていたのですが、個人的にはどうもドラマほどの切れのいいテンポは感じられず、何だか間延びのした展開だなと感じてしまいました・・・ベンガルや竹中直人や石橋蓮司といった、名前を並べただけでも非常に濃ゆい脇役も、どうもこの映画に関しては(その演技も含めて)少々くどいと思いました。ただ含み笑い、小笑いは相変わらずで、そこはやはりテレビと同じく楽しませてもらいました。
5点(2003-10-20 15:13:21)
39.  WXIII 機動警察パトレイバー
廃棄物13号のエピソードは確かに原作のものですが、特車二課はほとんどノータッチですね。「これは『パトレイバーの映画』と言えるのか」という点を重く見るのなら、確かに評価が低めになるのも仕方が無いかもしれません。個人的には、あくまで一本の映画としてこのアニメを楽しむことができたので、この点数です。僕自身は(やはりお馴染みの面々の出番が少ないのは淋しいですが・・・)なかなか気に入っています。
6点(2003-10-20 14:57:12)
40.  天使のたまご(1985)
押井守監督によるアニメーション作品です。まず映像表現についてですが、これは本当に美しいです。『GHOST IN THE SHELL』でも見られた重厚な(重みのある動きの)表現を見ることができます。それと舞台となっている、雨ばかりが降っているヨーロッパ風の街の廃墟の、終始一貫重苦しくダークな雰囲気が個人的に好きです。次に物語の内容については、これは「難解」の一言に尽きます(「詩的な難解さ」というのが僕の印象です)。主要な登場人物は10代前後の少女と20代前後の青年(声は何と根津甚八が当てています)の二人だけで、しかも最初の25分ほどはセリフらしいセリフもありません(その代わり素晴らしいアニメーション表現を堪能することはできますが)。僕自身も一回見ただけなのではっきり言って解釈らしい解釈もできないのですが、どうも僕が見た限りでは、押井守が世界をいかに(閉塞的に)見ているのかと言うことは、この作品から汲み取れるような気がします。なおこの作品は公開当時に大コケしたらしく、好き嫌いがはっきりわかれる作品かもしれませんが、僕自身はこの作品が大変気に入りました。
8点(2003-10-19 13:49:01)
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