61. 焼肉ドラゴン
《ネタバレ》 予想以上に素晴らしい作品でした。 在日版「三丁目の夕日」といった感じです。韓国人俳優は韓国映画的な演技、日本人俳優は日本映画的な演技で、その違いを上手く使い、在日1世の両親や韓国から渡航してきた「直輸入」な韓国人と、日本育ちの在日2世たちのギャップを見事に表現しているように感じました。 まあ、内容的にはドロドロと悲痛さが入り混じった家族のドラマなのですが、それを感じさせないのはキャスティングの妙なんでしょうね。どこかユーモラスな両親と大泉洋らダメ男たち、そして3姉妹の美しさが現実の醜さを覆い隠してしまっている感があります。 もう少しリアリティを追求すれば「血と骨」のようになってしまうのでしょうけれども、そこは在日版「三丁目の夕日」ということで、すこしファンタジーを加えているようにおもいます。 その後の彼らがどうなったのかが本当に気になります。 [DVD(邦画)] 8点(2019-03-04 00:05:01) |
62. 南極料理人
《ネタバレ》 日本人ならやっぱり「No Life, No ラーメン」なんですよね。 南極での閉ざされた生活の中で、食事がどれだけ大切なものかを知ることができました。 [地上波(邦画)] 8点(2019-02-11 01:16:34) |
63. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 まず、まだ見てない人は、余計な情報は入れずにまず見てください。そして、どんなに自分に合わないと思っても、途中で止めずに我慢して観てください。 (以下ネタバレありの感想) まあ、最初は「なんじゃこりゃ」としか思えなかったのですが、後半からはまさに映画業界版「下町ロケット」もしくはジョン・ウォーターズ「セシルB」日本版のような展開で、映画製作に関わる人たちの情熱を感じることができ、本当に面白かったです。 あと、この作品の秀逸なところは、構成ですね。だから、ネタバレをちょっとでも見てしまうと面白さや感動が半減してしまいます。 [DVD(邦画)] 8点(2019-02-09 23:05:04) |
64. 駅 STATION
《ネタバレ》 昭和後期の日本映画を代表する作品と言っても過言ではありません。高倉健と倍賞千恵子のやり取りは何気ないようで、実は様々な心の機微が蠢いていて、今見てもすごい演技だと感じます。 「舟歌」を代表とする昭和の名曲と、北海道の冬の厳しい情景、そしてローカル線のうら寂しい様が、そして、当時のオールスターとも言える豪華キャストがこの作品の情景を数段ランクアップさせています。 最近、こういう大人の心の機微を描いたシリアスなドラマが少なくなってきているので、本当に心に沁みますね。 [DVD(邦画)] 8点(2018-08-14 02:49:45) |
65. 雪に願うこと
《ネタバレ》 いまや世界中でも、帯広でしか行われていないばんえい競馬。それを支える人たちの人間ドラマを丁寧に描いていて面白かったです。実際、普通の競馬と違って、途中で止まるし、鼻先ではなくてそりがゴールラインを超えないとレースが終わらないので、現地で見ていても結果がよくわからなかったりして、かなり独特なのですが、そういうことも描かれているので、ばんえい競馬に興味がある方にはお勧めです。 また、幻の橋であるタウシュべツ橋梁(帯広からは1時間以上かかりますが)も見ることができます。 [DVD(邦画)] 8点(2018-05-13 00:30:48) |
66. オーバー・フェンス
《ネタバレ》 世間から取り残されたダメ人間のためのファンタジー 本当に、山下敦弘という人はダメ人間を描くのが絶妙に上手い。この作品も、ダメ人間たちの日常をただ描いているだけなのに、最後まで引き込まれてしまいました。 それにしても函館という町は、どこかノスタルジックで映画映えしますね。 [DVD(邦画)] 8点(2017-11-03 09:30:00) |
67. マイマイ新子と千年の魔法
《ネタバレ》 原作が自伝的な作品ということもあり・・・ ほんわかとして夢想的な物語の中にも、時折シビアな大人の諸事情が織り込まれていて、それが逆に自分の子供時代の思い出を呼び起こしてくれました。 [DVD(邦画)] 8点(2017-08-23 23:20:16) |
68. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 「アニメの実写化」というか、実写映画を徹底的にアニメ的に作るとこうなるという印象。 内容的には、日本の政権体制の実情(らしきもの)と様々なオタク要素・ネタをギューギューに詰め込みながら、万人が楽しめるエンターテイメント作品に仕上がっており、とても楽しめました。いろいろな視点で、何度見てもその都度新たな発見ができる作品です。 [DVD(邦画)] 8点(2017-08-11 08:55:26) |
69. 清須会議
《ネタバレ》 歴史上の人物、出来事を我々の等身大に落とし込んで描かれており、人間ドラマとして楽しめる作品でした。 各武将のキャラクターや織田家での立ち位置、その微妙な人間関係が分かりやすく描かれており、「その後」の展開についても暗示している作りになっているのも興味深かったです。 [地上波(邦画)] 8点(2016-04-09 09:42:22)(良:1票) |
70. 映画 ビリギャル
《ネタバレ》 「意志あるところに道は開ける」といいますが、その意志を作りだしそれを継続させることの大切さを教えてくれる作品です。そして、そのことが如何に難しいかも伝えてくれる作品でした。(たまたま、この話は成功例ではありますが) 有村架純もまさに「旬」という感じでよかったです。 [DVD(邦画)] 8点(2016-01-17 11:55:00) |
71. オルゴール
《ネタバレ》 内容的にはありふれた極道映画ですが、そこに散りばめられた長渕ワールドこそが、この作品を魅力的なものにしています。 バブル景気に沸き、消費や悦楽にうつつを抜かす日本人への警告としての長渕の演技は、「勝ち組」には決してなれない多くの人たちが快哉を叫ぶものでありましたね。 ただ、痛快なまでの長渕の俺様ぶりは、賛否両論あるかなとは思います。 私は長渕剛のファンですのでこの作品は大好きですが、それでもオルゴールの音楽はもう少し考えたほうが良かったのではと思います・・・・ [DVD(邦画)] 8点(2015-11-29 23:27:49) |
72. 舟を編む
《ネタバレ》 まず、「辞書編纂」をテーマにした作品というだけで興味をそそられました。 そして、その地味ながらも崇高ささえ感じる辞書編纂の作業、そして言葉というものの奥の深さを感じました。 もちろん、映画としても良くできていて、辞書完成までの長い時間の移り変わりを流行やファッション等でうまく表現していたり、辞書だけでなく主人公の成長もはさみ込みながらのストーリー展開といった工夫も効いていました。 [地上波(邦画)] 8点(2015-11-26 00:48:28) |
73. 花とアリス殺人事件
《ネタバレ》 前作から10年経過し、元のキャストでの実写化は厳しい訳ですから、アニメーションという表現手段の選択はありですね。 ただ、前作の実写ならではの幻想的でキラキラとした世界観は再現しきれていません。 しかしながら、脚本の巧さや前作ファンがニヤリとしていまうような仕掛けが目立つ仕上がりになっていて、さすが岩井監督と感服しました。 [映画館(邦画)] 8点(2015-11-03 12:15:17) |
74. 無人地帯
《ネタバレ》 3.11直後の福島第一原発付近の状況を記録した貴重な映像です。そして、それだけでは無く原発、放射能の危険性があまりにも喧伝されたがために、見捨てられたものがあったことを冷静に伝えていることは評価したいです。ただ、オーディオコメンタリーで監督が語っていましたが、現地で空き巣被害が相当数あったというような負の部分が、映像の美しさ、被災された人々の力強さに消されてしまっているのがちょっと残念でした。 [DVD(邦画)] 8点(2015-07-25 12:32:55) |
75. リアリズムの宿
《ネタバレ》 「微妙」な距離感の「微妙」な感じの二人が、「微妙」な町を旅し、「微妙」な宿に泊まり・・・という「微妙」尽くしの内容を山下敦弘監督のセンスと 尾野真千子の存在で「微妙」でない映画に昇華させています。 あの旅館の宿泊代はいったいいくらだったんでしょうか・・・・ [地上波(邦画)] 8点(2015-07-11 10:23:45) |
76. 喜劇 とんかつ一代
《ネタバレ》 「とんかつが食えなくなったら死んでしまいたい~♪」のフレーズが頭から離れません。そして、とんかつが無性に食べたくなってくる作品でした。 とんかつ屋を舞台の中心とした人情喜劇ですが、脂に滲んだベタベタさは無く、カラッとした仕上がりになっています。もっと劇的な演出にもできそうなところを、一歩引いた視点で撮っているところが川島雄三監督ならではなのかなと感じました。カメラワークも凝っていました。 あと、冒頭に豚供養のシーンを持ってくるなど、私達が美味しいとんかつを食べられるのも豚の生命の犠牲があってこそであるということを、笑いの中で描いているのも興味深かったです。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-20 12:26:38)(良:2票) |
77. ばしゃ馬さんとビッグマウス
《ネタバレ》 吉田恵輔監督は、「平成の川島雄三」と呼べるところまで来ているかもしれません。軽妙なタッチでありながら、人間観察の鋭さ、シニカルさが冴え渡っており、でも、そこはかとなく漂う温かさ・・・・。今後も注目していきたい監督です。それにしても、見ていて「痛く」なる映画でした・・・・ [DVD(邦画)] 8点(2015-02-22 23:36:52) |
78. トラック野郎 望郷一番星
《ネタバレ》 「下品こそこの世の花」という鈴木則文監督の言葉通りの下品極まりない痛快娯楽映画です 今、こんな作品を発表したら社会問題になってしまいそうなくらいの下品さですが、今の日本に必要なのはこの作品が持つ強烈なパワーではないかなとも思います。 [DVD(吹替)] 8点(2015-02-11 23:53:57) |
79. トラック野郎 御意見無用
《ネタバレ》 知的な役も、この作品のような破天荒な馬鹿(褒め言葉です)も見事に演じ切れる菅原文太という役者の凄さは日本映画の宝であったと思います。こういう、破天荒で下品極まりないけれども、実は我々観客の抱えている、日常生活への不満や哀愁を上手く拾って、パワー全開で吹き飛ばしてくれるような痛快な作品が、本当に好きでたまりません。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-03 00:45:44) |
80. 地獄でなぜ悪い
《ネタバレ》 ジョン・ウォーターズが『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』でインディーズ魂やカルトムービー愛を炸裂させたが、我が日本にも園子温がいた! 細かいことは抜きにして、ここまでのエネルギーに満ちた、センス溢れる爆発的な映画を作る園子温監督の映画愛には、思わず感服いたしました。 [DVD(邦画)] 8点(2014-08-31 00:41:02) |