1. 雨あがる
《ネタバレ》 この映画を「黒澤明に捧ぐ」と出たので期待して観たのですが、やっぱり6点ぐらいの出来でしょう。黒澤監督ならそんなカメラの動かし方は絶対しないだろうと素人でも思うのに気がつかないのだろうか。自然なセリフにこだわりベテランの役者にさえ何度も叱咤を繰り返していた黒澤監督がこれを見たら安眠できない事でしょう。寺尾聡は自分の役柄をよく理解してただひとりいい演技をしていたと思う。役人に面と向かって木偶の坊発言はないと思うが宮崎淑子は何とか及第点。三船史郎と吉岡秀隆はもう一度演技の勉強をやり直しましょう。もうひと山あるのかなと思ったら意外に短い映画でしたね。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-16 18:25:32) |
2. かもめ食堂
《ネタバレ》 この3人で今まで数々のドラマや映画が作られているが、演技やセリフがどうも不自然に感じて好きになれないし、淡々とした作風の映画としての良さもそれほどの物とは思えない。固定カメラできちっとした安定感のある映像が、おにぎりの試食のときだけ手持ちになってぐらぐらと揺れているのはなぜだろう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-08-15 12:55:49) |
3. 日本沈没(2006)
《ネタバレ》 どこかで拾ってきたような下手な情緒話があちこちにばら撒いてあるけどそんなのもう見飽きてるんだよ。草彅が残したメモを見て柴咲が追いかけていくところは要らない。どうせなら一緒にわだつみに乗り込んで2人とも死んでしまえ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-08-18 08:10:43) |
4. 大冒険
40年前に観ていたらきっと大笑いをしていただろうと思う。平成の世になっても同じようなギャグが繰り返し真似をされているのでオリジナルを見ても衝撃を感じることが出来ないのは不幸だが仕方ない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-08-15 12:11:53) |
5. コアラ課長
《ネタバレ》 この映画を見た・・・なんて迂闊にも人に言うのがはばかれる、出来れば黙っておきたい、記憶から消したい、本当に劇場公開されたなんて信じられない程のC級映画です。サスペンス風ですがストーリーを追って行くと後悔します。中盤は不思議とあの「エンゼルハート」を思い起こさせるような展開もあるけれど「蘇生術」の文字を画面いっぱいに出すだけで死んだ人間が生き返ったとする掟破りな手法で観る人を納得させようなんていう監督の図太い神経に呆れてしまった。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2007-08-14 23:45:35) |
6. 天国の本屋~恋火
天国なのか現世なのか、ピアノなのか花火なのか、どこを中心にして見せたいのか全然伝わってこない。二役やってる竹内結子の区別も分かりづらいし、一番いけないのは竹内をはじめ原田芳雄までもみんな台詞が下手すぎる。これでOKを出した監督が信じられない。こんな映画を撮っているから日本はダメなんだ。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2006-08-14 20:55:53) |
7. 電車男
オチ無しかよ! お金持ちの家に育ったやや世間知らずのお嬢様でありながら男を翻弄するような言葉を平気で発するエルメスさんには、残念でしたではないけれどきっと何か裏があって最後にあっと言わせてくれる「転」を期待していたのに流されるように普通にハッピーエンドで終わっていささか拍子抜けした。これは本当に映画なのか。千数百円払って見に行った人はお気の毒様です。金曜夜の2時間枠で充分な内容で一時のブームになればそれで良いというフジテレビ御得意の商魂を見た映画。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2006-06-20 22:12:07) |
8. 赤ひげ
人間とはこれほどまでに素晴らしい存在だったのか。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2006-02-12 11:16:04) |
9. 絵の中のぼくの村
《ネタバレ》 護岸工事のされていない透き通った流れの川、未舗装の砂利道、草刈りをしていないあぜ道、汲み上げ式の井戸、木造校舎など50年前の日本の田舎の懐かしい風景がそのままの残っている高知県吾北村の映画・ドラマ制作者向けのプロモーション映画という印象。物語は絵の上手な双子の少年時代の思い出を綴っただけで、よく分からない表現が多くて困った。お母さんはどうしてセンジを家に上げてはいけないと言ったのか。何かしらの形で答えを用意してもらわないと見た人の気持ちがすっきりとしない。三人の老婆は何を象徴するものなのか。目を狙ったのに外したとは双子に対する何かの戒めだったのだろうか。なぜお前まで一緒になって靴を投げたんだと問い詰められて叫んだ子役の言葉が何を言っているのか聞き取れなかったのが残念。現在の田島兄弟の姿は要らなかったと思う。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-02-12 10:45:14) |
10. いま、会いにゆきます
約束通り一年後に蘇って更なる永遠の愛を築き上げるという泣きを狙った感動作としては、筋書きがややありきたりな展開だなと思っていたら、実は生き返ったのではなく事故の瞬間に見た自分の未来を確かなものにするために自分が自分の人生にタイムスリップする話にいつの間にか変わっていった。 自分が自分の未来にタイムスリップすると言うことは、29歳の澪が二人になるのかという心配は無用で本当の私は一年前に(都合よく)死んでいた。 蘇りだけでなくタイムスリップ(ワープ)までもやってしまう幻想的な部分の表現で本当はいくつものパラドックスが物語にも澪のせりふにも日記にも発生しているのに、極めて写実的で丁寧な泣かせる演出と高校生時代の淡いエピソードがジグソーパズルの欠けたピースのように気持ちよく順に合っていくため、知らないうちにうまく騙されていき見ている者に無駄な詮索をさせない。卒業の寄せ書きを書いた後の行き違いの場面など一つ一つのシーンをとても丁寧に効果的に撮影した確かな頭脳プレイの勝利と言える。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-29 21:30:40) |
11. 生きる
ストレートに表現するテーマと力強いメッセージが製作側の主張を感じさせるが、脚本の三人は市役所で何か嫌な思いでもしたのだろうか。通夜の席で主人公に対する賛美の意識が徐々に高まり、渡辺さんにわれらも続こうと同意するも翌日には旧態依然の仕事を繰り返す現実に普通に人間の弱さを見るし、公務員の仕事振りに批判的な表現が必要以上に濃すぎて、一人の人間の生きる意味を問うこれまた大きな主題が次第に霞んでいってしまうのは残念至極だ。志村喬の演技は他作品では見ることの出来ないほど鬼気迫るものを感じるが、繰り返されるギョロ目アップとぼそぼそと聞き取りにくい小さな声には少々不満が残る。人は生きた証を如何に残すかのテーマは思う所ありだが、他の黒澤映画と比較して完璧な出来とは言い辛い。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-23 22:39:48) |
12. 拝啓天皇陛下様
魂を打ち抜かれたかのように今まで映画を観て経験したことがないくらいの衝撃を受けました。男はつらいよシリーズなんか吹っ飛んでしまうくらい、渥美清の最高の作品は間違いなくこれです。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-08-26 22:03:36) |
13. 椿三十郎(1962)
知らなかった、三船敏郎がこんなに格好良かったなんて。 知らなかった、三船敏郎の殺陣がこんなに凄いなんて。 知らなかった、若大将の前に加山雄三と田中邦衛が黒澤映画に出ていただなんて。 知らなかった、若い小林桂樹が小林稔侍に似ていることを。 そして、40年以上前の映画にいまの映画はまるで追いついていないことを知った。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-23 20:30:38) |
14. 馬鹿まるだし
困っている人がいたら放っておけない。頼まれたら断れない。恩義には忠誠で報いる。正しいと思ったことは相手が誰であろうとぶつかっていく。でも惚れた女は口説けない。男気を感じさせる安五郎の七転八倒ぶりに拍手を送る。 こんな馬鹿なら町内に一人ぐらい居て欲しい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-16 11:34:19) |
15. 南の島に雪が降る(1961)
いささか個人芸の競演大会の様相を呈しているが、さすがにどの役者の名人芸にも感服し、唸らされるばかりだ。特に深夜に自らを叱咤しながら練習する伴淳と五木の子守唄をしみじみ聞かせるは森繁は堪らない。積年の賜物芸というか今のテレビ芸人など足元にも及ばない力の差を見た気がする。舞台の雪景色を見て内地を想い涙を流す兵隊たちの顔が実に悲しい。部隊によって待遇に雲泥の差があり、かなり裕福な演芸部隊と戦死と発表されたらたとえ生き残りがいても訂正されないという瀕死の部隊との対比で戦争の残酷な部分をしっかり描いて見せている。「リアル、リアリティ」と敵国語の台詞が気になったが、忘れてはいけない日本映画の一作に間違いない。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-16 11:24:03) |
16. 火垂るの墓(1988)
幼い子供が死んでいくお話には涙を抑えることが出来ない。確かに清太のとった行動は正しかったとは言えないが、この戦争が終わって将校である父が帰って来さえすればまた元の幸せな暮らしに戻れるんだという信念が疎開先のおばさんに迎合するのを拒んだのだと思う。子供らしく天真爛漫に振る舞う数々の描写、兄に全信頼を寄せて疑うことのない節子が徐々に弱っていく姿に、次第に観ている自分が清太と重なり責任を感じていく。何とかしなければの思い。でももう助けてやれない。ごめんよ、節子ごめんよ。死んだ後、防空壕の前で戯れる節子の残像と亡き骸を荼毘に付す清太に涙は止め処なく溢れる。反戦映画と言うよりも戦時中に起こった不幸な兄妹の話として感動です。 [地上波(字幕)] 8点(2005-08-14 09:41:02)(良:3票) |
17. スクールウォーズ HERO
感動は時代を超えた。どんな相手にも対こころで本気でぶつかって一人また一人と生徒の心をつかんでいくそれぞれのエピソードはどれも胸を打つ。いまどきスポ根なんてという考えは見事に吹っ飛ばされ、くささは微塵もない。とにかく熱い。本気で泣ける。ここ数年の間に観た邦画では最高の作品だ。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-06-11 21:31:57) |
18. 世界の中心で、愛をさけぶ
現在と過去を同時進行させながら物語の全体像を次第に明らかにしていくという難しい構成を上手く纏め上げた手腕は中々のもの。普段は心の奥底に忘れ去られている青春時代の甘酸っぱい記憶が、ある時鮮明に甦り心が癒されることがある。それは何故か良い思い出よりも失敗や苦しみ、傷心の想いの方が印象の強いものが多いのです。そして観る者をタイムマシンに乗せそれぞれの過去の恋愛を再体験させてくれるような色調とテンポがとてもよい。こういった点で森山未來よりも大沢たかお演じるサクの年代以上の人が観ればより感じる物があるのではないでしょうか。17年前の彼女の遺灰を撒きに付いて来た律子がかわいそうだ。オーストラリアまで来てサクは誰に対する愛を叫ぶつもりだ。今は律子だろ。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2005-05-02 21:34:53) |
19. 下妻物語
テレビでよく見るタレントが出ているからと言って喜んでいてはいけないのだ。そんなことは映画の良し悪しとは全く関係が無い。所々でクスっと笑えるだけでも最近のエンターテイメントに振った映画としては一応成功と言えるのかも。テレビドラマと変わらない内容と出来栄えでは金を払って映画館まで足を運ぶ気にはならない。正直思ったほどでもなかった。 6点(2005-03-06 17:11:27) |
20. ジョゼと虎と魚たち(2003)
情の無い愛とでも言うか,とりあえず付き合うと言うか簡単にくっついて離れるような現代の若者の恋愛情景をそのままに見せてくれた。少々ねじれたものの言い方付き合い方をする生身の女性像をリアルに魅せた池脇千鶴と、胸にぐさりと突き刺さるようなせりふを連発するおばあ役の新屋英子の演技が素晴らしい。 7点(2005-01-08 00:47:06) |