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1.  空母いぶき 《ネタバレ》 
はい、最初に大変うるさかった世間のノイズは、映画見てみると何のことやら、でした。佐藤浩市さん演じる総理お腹も壊してないし原作にあるという嘔吐癖もない。国をつかさどる重責を担ったものの抱える「平和」と「戦闘態勢」とのバランスに心を痛める慎重な指導者です。いたずらに右でも左でもありません。何だったんでしょうあのから騒ぎは。 えーまず、私は原作読んでおりません。 領土権争いしてるらしい初島を東亜連邦という、はっきりしてることは反日の問答無用国家(?)が勝手に占領し、近づく日本の艦隊に攻撃を仕掛け、日本としては受け身受け身で戦わざるを得なくなる。 何しろ外交のルートさえない、北朝鮮とISを足してもっと意思の疎通不可能にしたような連中が相手なので、問題は戦うか戦わないか、つまり戦闘を戦争となる前に沈火させられるか、平和はどうやって守るべきかという、空母いぶき上での、艦長西島秀俊と副館長佐々木蔵之介の論戦が中心になってしまう。この二人は「一応」相反してますが、別に右対左ではありません。常に冷静な西島さん(役名無視)は「日本国民に犠牲を出さないのが自衛隊の最大目標」という信念を持ってるし、佐々木さん(役名無視)は「平和憲法を死守したうえで、戦闘ではなく戦争に結びつく行為にNGを出す」という立場です。全面戦争を良しとしないならこれもわかる思い。 大事なのは本土に影響が及ぶような戦いを避ける事。それは総理もいぶき艦長も副長も一致してます。しかし相手は「宇宙人なみに正体のわからん国」 敵さんは潜水艦から戦闘機からミサイルだの魚雷だの打ちまくってきます。あとは護衛艦潜水艦がミサイル撃ち落としと迎撃を繰り返すシーンが延々と続きます。  取材でいぶきに乗り込んでいた本多記者は、燃え上るいそかぜの画像を撮り、衛星携帯で画像を本社に発信してしまう。ここにおいて日本人は初めて、初島を巡り死者の出ている大きな戦いが起きていることを知った。そして中井貴一が徹夜でクリスマスブーツにお菓子を詰めてるコンビニで買い占めを始めます。ミキプルーン中井はブーツづくりに忙しすぎて戦争前夜みたいな近海での騒ぎを全く知らず過労で爆睡。このコンビニでのシーン、ここまで必要かってぐらい出てきます。  政治家のおっちゃんらは背広きて、ですますでしゃべる総理に向かい、ため口で「先制攻撃だ日本を守るんだ!」とわめきつづけますが、全面戦争まで発展すると倍返しになって終わりが見えない危険性があり、先は見えない。総理とアジア大洋州局長の吉田栄作は、国連と友好国に対し、日本が陥っている危機を訴え続けます。キチ国相手に本気の戦争はできない。この状況を許さないで、皆で助けて、というSOSですね。 その間にも若い戦闘機のパイロットは命を懸けて出撃し次々敵のミサイルを撃墜していきます。(市原隼人かっこよかったぞ! 人の心を持っている甘い日本の空母に対し雨あられの容赦ない攻撃からどう助かったかどう解決したかはある程度予測がついていた通りなので、もうここでは書きません。だって要するにそれしかないし。 お花畑とは言わないが、つまりそういうことなんです。どの国だってアジアが不安定になり、際限のない戦争が始まることなんて望んでない。だからお話としてのおさまりどころはあれしかない。今の日本にとっても。そして微妙に解決への道が、クリスマスブーツに書かれたメッセージと一致している。ええ、お花畑と言われても。  だがしかし。最終的に怨みなき平和なんてものを日本独自に手に入れるにはどうしたらいいのか。相手を追い詰めず和平を手にする。そもそも可能なのか。 それを、そのことを考えるためなら、右とか左とかいう針を自分の脳味噌から振り切って考えていくにはいいかもしれない。 核兵器30個ほど抱え込んでやっと安心な霊長類ってなんなのか、これで進化したと言えるのか、まあ情けない思いで色々考えました。あとは、次から次への戦闘シーンが好きな人はそれを堪能するため。一応退屈はしませんよ。 最後に、西島艦長佐々木副艦長はじめ各護衛官潜水艦の艦長さん、総理、コンビニ店長さん、皆いい演技でした。個人的に高嶋政宏の眼力が印象に残りました。  脱出成功した戦闘機のパイロットを空母上で斬殺した敵兵の捕虜に 「あったかいもんでも飲ませてやれ」と口角上げて言う穏やかな西島艦長と言い(信じられん) まあその他いろいろと言い、 嗚呼日本だ、あまりに整然と美しい(えーいろいろと思いは混じってます)平和を愛する日本の映画だなあ、とは思いました。 まあなんだかんだあるけど長尺であるらしいコミックをエンターテイメントの中に押し込んで、豊富ではない予算内でのCGともどもなかなか検討したという点で7点献上。
[映画館(邦画)] 7点(2019-06-02 00:07:53)(良:1票)
2.  聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実― 《ネタバレ》 
史実そのものがもう十分劇的な展開の太平洋戦争、真珠湾攻撃と山本五十六の葛藤、それを主軸に「静」を置いて描いた五十六像にまず好感を持った。 部下を失っては悔しさに泣き、真珠湾攻撃の通達が遅れたことに激怒し、というシーンさえ極力抑えて、「やらねばならぬ」という状況に押し流されるリーダーの無念を裏から描く。それはとりもなおさず、現実を見ずに〝こうあるべきだ、あってほしい″という姿を追い求めた挙句、理想の残骸に誰一人責任を取ろうとしない国民一人一人の罪を背負わされたリーダーの姿でもある。 理性的に見て勝てるわけもない戦に、勝機はないと言いたてることが許されなかった空気と時代。それは今の日本に置き換えて考える価値のあるテーマではないかと思う。 近代史に疎い向きにもわかるよう最小限の説明を新聞記者にかぶせたのは苦肉の策としてまああり。「どれだけ史実に忠実か」という点よりも、あくまで映画としてドラマとして山本五十六という「流れの中で最善の策を探し続けた」男の在り方を、ひとつのかたちとしてクリエイトして観客に見せたその切り口は、寡黙にして誠実という印象を受けた。 今の日本において、改めて見直してみたい映画だと思う。 役所広司の五十六のテイストそのものがこの映画の魅力ともいえる、名演。でもラストの歌はいただけない。
[映画館(邦画)] 8点(2011-12-25 03:30:12)(良:1票)
3.  日本沈没(2006) 《ネタバレ》 
震災で日本中が右往左往している今だからこそとつい見てしまった。 見るんじゃなかった。わたしが悪うございました。 あれだけの大震災のさなかに原発崩壊による放射能汚染の描写が一切ないことはもうおいといて、 映画の命である「人間描写」が一切できていない。 日常に非日常が割り込んでくる、信じまいとしても現実だと誰の胸にも暗い未来が沁みこんでくる、 あの時間経過とともに盛り上がる不安感と焦燥が、国民の気持ちが全然描かれていない。 むやみに物資に群がったりフェンスにしがみついてガチャガチャやったり悲鳴を上げて走り回ったり。 どこでもここでも使い古された表現ばかり寄せ集めて、今ここでパニック映画を作ろうとするクリエイターの気概と誇りはいったいどこじゃい。 さらに致命的なのは登場人物の魅力のなさ。 いったい主人公はだれなのか、誰に感情移入してみればいいのかさっぱりわからない影の薄さ、人物描写の薄っぺらさ。 カップルと呼びたくもないレベルのお二人の付いた離れたの、始まりから発展から別れまでもう類型的で、こう来ると思ったらそう来た、な演出の連続に、映画作りを放棄してSFXを取りたかっただけかとみてるこっちも投げやりになってくる。 しかも日本中が火山爆発と反沈没状態でボロボロになっても、着物姿でツバメの帰巣に微笑む主役の母の住む福島県だけがどういうわけか絵に描いたようにきれいで無事なラスト。 いろいろととにかくご都合がよすぎます。 かてて加えてこの映画が53億ほど稼いだと聞いて、観客を含めた日本映画のレベルの低さに気分もずっぽりと沈没しました。
[DVD(邦画)] 2点(2011-03-30 01:28:42)(良:1票)
4.  のだめカンタービレ最終楽章 前編 《ネタバレ》 
お金を払って映画を見に行くからには、テレビでは得られないものがほしい。DVDで見た場合と映画館で見た場合で、採点の基準も変わってくる。 本作の映画ならではのシーンは、千秋の指揮するマルレオケの演奏シーンと、のだめ主体の「変態の森」CGあたりだろう。 変態の森のCGの極端な使い方はコメディドラマとしての意地を見せたようなものだし、演奏シーンは玉木の指揮の流麗さとピアノ演奏に見る色気も相まって、迫力と感動のある仕上がりになっている。が、そのシーンを生かすドラマ部分がいささか薄い。他キャラにかかわるギャグシーンやドタバタに時間を奪われている分、ダメオケの再生というテーマをもりあげるためのマルレの人間関係その他の描写ガ簡単すぎるためせっかくのカタルシスが生きてこないのだ。役者の努力はわかるだけに残念風味ではある。 しかし勿論しょうもないギャグや大げさなのだめの喜怒哀楽あってこそのドラマなのであり、本来テレビ映画の枠から出てきたものなのだから、過剰に重々しい作りを期待するべきではないのかもしれない。例によってのギャグを大画面で見せられると、若干つらいものがあるが。 重い場面と軽い場面、いいところまで届いているかにみえる部分(千秋の演奏に対するのだめの反応など)と食い足りないドラマ部分が混在して多少バランスが悪いのも気になる。 が、逆にテレビドラマの延長上として見れば、ここまで演奏部分をしっかりと作り込んでごまかしのない感動を伝えてくれた画面作りは見事だし、テレビドラマならではのキャラ立ちした面々は見ていてやはり楽しい。上野も玉木もこの役のために生れてきたかのようなはまりっぷりだ。多少あざとい後編予告にも垣間見える、二人の関係の切なさを次回ではちゃんと膨らませて、うまくシンクロさせてほしいものだ。 期待を込めておまけの8点献上。
[映画館(邦画)] 8点(2009-12-26 16:28:05)
5.  真夏のオリオン
この作品の監督は、エッジの利いた映画を見なれている人よりも あまり映画を見にこない年配の人やお子さんを念頭に置いたらしい。 そして、学校の講堂で上映されるような作品にしたかったのだという。 本人が言っていたのだから間違いないだろう。 ならばこの映画は狙い通りだ。過ぎし日の給食の味がする。 これといった工夫もひねりもなく、戦争末期、最後の防衛ラインを死守しようとする日本の潜水艦と(かなり装備も悪く相手の艦を撃墜するなんてまれだったらしい) アメリカの駆逐艦の戦いを描いているのだが 乗り込み員も艦長も若く、重量感がない代わり 閉塞してはいるのにどこかから光がさしているようにも感じる、そんなちょっとさわやかな艦内である。 戦いの攻防そのものも正攻法に描かれ破たんはないが 小道具のハモニカとか、艦長と親友の妹のロマンスとか そういう大事なはずの枝葉が出てくると面倒臭くなってくる。脚本に工夫がなさ過ぎて、次にこういうだろうなと思ったら言ったか、みたいな会話で終始するのだ。 でも、講堂で上映する映画としてはこれでいいのか。 いまどきこれほど奇をてらわない戦争映画も珍しいけれど 冒頭と最後のつくりの弱さと北川景子のあり得ない演技を除けば これはこれでよかろうという気にもなる。 故人の犠牲の尊さとか、戦争の悲惨さとか必要性とか当時の人々の勇気と正義感とか そういう余計な重力がかなり軽かっただけでもまあセンスはいい。抑制って簡単なようで難しいからね。 見ていて今更驚くのは、本当にあんな狭い閉塞空間で、しかも艦長が弱冠25,6で(モデルがその年)少ない酸素で海底に潜みながら正気で戦った人々がいたという事実だ。今尊敬する人が周りにいないので誰か尊敬したいのだという人にはお勧めかな。 刺激がないので暇つぶしにはならないよ。
[試写会(邦画)] 6点(2009-06-10 14:48:35)
6.  ミッドナイトイーグル 《ネタバレ》 
原作も知らず前知識なしでみたのだけど 大作と銘打っている割に、せせこましい感が冒頭から抜けなかった。 たぶん、軍事サスペンス大作という割りに、俯瞰した視点が抜けているからだろう。  核を搭載したアメリカ軍のステルス戦闘機が、亡国の工作員によって爆破される。 墜落したステルスをさらに爆破しようとする亡国工作員(自衛隊も近づけない雪山になぜかうじゃうじゃいる) 様子見のアメリカ。 ここら辺の力関係とか国際情勢とかが、ほとんど語られない。たぶん社会派サスペンスという位置づけではないのだろう。 事件にかかわるフリーカメラマンとその後輩の新聞記者、単独で動く自衛隊員、雑誌記者それぞれの視点から事件を立体的に追うのだが それぞれの人間ドラマの描き方も散漫になってしまい、どこに力を入れているのかよくわからない。 だがそんな欠点を抱えながらも、ドラマは終盤に向かってなかなかの盛り上がりを見せる。ステルスを工作員から死守する三人の男たちのキャラクターと演技が一応の説得力を持っているのだ。ここらあたり、一人ひとりをクローズアップしてからのクライマックスに、余計な音楽がないのも抑制が効いている。静かな山の中で逃げ場を失う三人の恐怖と戸惑い(担当は新聞記者落合)決断(カメラマン西崎)勇気と男気(自衛隊員佐伯)等々、ベタながら見せてくれるし泣かせてもくれる。雑誌記者の竹内結子、総理大臣の藤竜也、皆いい演技で見せてくれる。ラストもあんな終わり方でありながら後味は悪くない。 全体にバランスは欠いているが、伝わるものがないではない。たぶんこれは役者のがんばりによるものだろう。 抱え込んで生かせなかったものの多さは残念だが、こちらに残るものは悪いものでもなかった。エンドロールの音楽と映像もよい。 出来はともかく個人的に嫌いな映画ではないのでとりあえず7点献上。
[映画館(邦画)] 7点(2007-11-24 14:56:49)
7.  ただ、君を愛してる
やたら世間の(評論家ではない)評判がいいので見てみたらあっけにとられた。 いいのか世間的にはこれで? お粗末な脚本、大学生としては無理がありすぎな台詞の数々、誠人のキャラは精神年齢7歳くらいなのか?玉木の努力は認めるがミスキャストだろう。誰が見てもほれてしまう男じゃなくなる為の無駄な努力を何故わざわざイケメン選んで馬鹿面演技させるのかワカラン。最初からさえない男使っては何故いけなかったのか。 宮崎あおいが可愛いがかわいいというのは演技のうちではない。無邪気にもほどがある。 ファンタジーとは、その中に厳しい現実を匂わせる演出や細部の真実が混じってこそファンタジーなのだ。この作品にはそれがない。幼く無垢で美しい要素ばかり詰め込んでファンタジーにしてみましたという、貰っても困る花束みたいな作品で、参りましたというしかない。ごめんね平均点下げて。
[DVD(邦画)] 3点(2007-03-24 17:25:46)(良:1票)
8.  恋愛小説(2004)
いやこれ大好きだ。久しぶりに映画見て、ああいい時間過ごしたと思えた。 登場人物が少ない分、画面とか時間の動きがゆるい。そのゆるい中に込められた叙情がなんというかすべて絵画的。会話も、モノローグも、風景も。その絵画が、うつくしい。主要キャスト含めて。 その中で、からみあう感情と思いだけで話が進むので「だからどうなるんだよ」的な見方するとたるいかもしれない。だが、異常な運命を前提として、愛する事の意味と限界とその先を静かに突きつけてくる主題を、玉木と小西はよく演じている。この2人の演技が兎に角いい。終わり方も自分的には文句ない。ほどよい珠玉といった感じの上品な作品。
[DVD(邦画)] 8点(2007-02-17 14:08:39)
9.  リボルバー 青い春<OV>
B級日本映画を見るのは初めてかもしれない。もともとがチープさを前提に見ていたから、そこは減点にならなかった。で、意外に楽しめてしまった。自分女なので男子高校生やった経験はないのに、なぜか既視感のある懐かしい風景と気分。 何億分の一でしかない、何も約束されていない自分の命と中途半端な気分をもて余していた高校時代、何か人生をかえる大きなことに出会うのを待っていた。自分から動かなきゃそんなものは訪れないと分かっているのに。世の中に対する期待は大きいのに、自意識は過剰なのに、それこそ小さなことで傷つきいらだち、そんな卑小な自分を肯定することもできない。そんな時代とまた向き合わされた気分。でも鑑賞後の気分は嫌なものじゃない。アホ三人がとてもいとおしく、自分の旧知の友人のように思える。ビビリ森山、大日本手淫党玉木、ひよこマン佐藤三人ともがいい味を出していたおかげかもしれない。アホやって笑い話にできる時代はもう自分の中でファンタジーだから、この作品がいとしく切ないのかもしれない。ところで、のだめ某で玉木様に入れ込んだファンは近づかない方が身のためです。そりゃあ思い切りのいい抜きっぷりを見ることになりますぜ。
[DVD(邦画)] 7点(2007-01-10 14:57:46)
10.  さとうきび畑の唄〈TVM〉 《ネタバレ》 
期待してみなかったぶんやや点が甘めです。それに一応テレビドラマとしての採点でもあります。でも8点献上したかったのは、これはかなりさんまさんキャラに対して。正直芸人としても人間としても好きじゃなかったので、今回いきなり好きになれたのはかなり嬉しい驚きでした。 「僕はこんなことする為に生まれてきたんやないんです」という台詞を叫ばせるのは、まっとうな神経があるなら脚本家もそうとう勇気いったと思います。(いや、がんがんの平和主義の人なら全然いらなかったかも)だって戦争中でしょ。兵士として戦いに参加してるなら、国とか家族を守るのが第一義というのが大前提なわけで、個人が何のためにうまれてきたとか言ってる場所じゃないわけです、戦場は。沖縄戦は、日本軍としては綺麗な戦い方ではなかったけど、米軍のした事も凄絶を極めた。その描き方のバランスはどうなの。という疑問はこの作品にシビアについて回るでしょうが、私はあえて、笑いばかりとってしまいまで「国と家族を実力で守らず」「個人としてヒトゴロシはしたくないを貫いた」非現実的な父ちゃんの描き方を肯定します。この作品全体は、父親が菩薩のような頑固者という非現実感の中に込められた祈りによって成り立っている。現実がどうとかいうより、私は「祈り」をテーマにした作品として捕らえましたんで、その方向に向けて何者かに祈り続けたい思いで一杯なのです。
[地上波(邦画)] 8点(2006-08-14 01:40:29)
11.  ラヂオの時間 《ネタバレ》 
作られたのがかなり前とはいえ、画面全体に漂う古くささとわざとらしさにどうにも違和感を覚えてしょうがない。なんか、久々に「8時だよ!全員集合」を見たって感じ?千本ノッコてどうなのよ、名前。あんなわっざとらしい台詞回しでギャグでないラジオドラマとして聞くリスナーがいるたあ思えないし。(ケン・ワタナビーがそういう役ってのにも意表を突かれましたが)が、しかーし、いつの間にか「まあ、なじんでみるか」と諦めて見始めると、自分でも認めたくない笑いがこみ上げ・・・クライマックス近くの「寒い」の一言に涙浮かべて爆笑している私がいたのだった。やられてしまった。まあ、いっか。オヒョイさんと井上順がなんかいい感じでしたね。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-11 23:01:36)
12.  世にも奇妙な物語 SMAPの特別編<TVM>
ここんとこあまり笑ってなかったので、爆笑させてくれたキム拓に甘く6点、そして名作「13番目の客」には7点。あとはまあまあかな。 木村は何を演やらせても木村だ、とよく聞くけど、これはそこんとこがいい意味で裏目に出て存在感が凄かった。なんか不気味で意味の無い会話が延々と続く不条理状態と、暗くてむちゃくちゃ広い部屋。南極、おなら、ビール。最後の方まで各エピの目指すところが全然つかめなかったら、突然とんでもないところにがあ~~~っと連れて行かれた。いや~~やられたっす。声あげて笑っての久しぶりだったんで嬉しかったよ。 あと、「13番目の客」は、だんだんすがすがしくなってくる草薙君の顔が怖くて怖くて…どっかの国の教育ビデオみたいでもある。 しかしあの人、時代不明正体不明の顔つきしているなあと見るたび良く思う。面白いカオだ。 本来「映画はアートでなければ!」だったはずなのに、最近「面白けりゃいいや」な作品に転んでいるのは、現実が陰鬱なせいだろうか。ん~~~。まあ、やっぱり面白かったからいいや。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-18 10:20:20)
13.  電車男
評判がけっこういいので、間違ってみてしまった。 結論。こんなの映画と認めんわ。 大画面で、1800円とって「映画=一種のアート」として見せられるもの、として映画を位置づけていた自分には縁のない存在だった。微笑ましとか心が温かくなるとかがこの作品の効能なら、体質に合わなかったとしか言いようがない。 ちなみに、テレビ版は楽しんでみております。 
[映画館(吹替)] 4点(2005-09-13 01:44:13)
14.  妖星ゴラス
今の洗練されたCGではけして出せないプリミティブな迫力と、理屈を無視した地球をどけちゃえ計画。 このチープさがわがSF! じいちゃんの「地球も動いたしいい正月だな」を、壮大なる名せりふとして残したい。
8点(2005-01-18 01:32:11)
15.  火垂るの墓(1988)
なんだかなあ。「反戦映画にはだまされないぞ!たとえ悲惨でも世の中には必要な戦争もあるんじゃい!」って反応が昨今多いようだけど、評価の内容じゃなく見方そのものが間違っているのでは。ごく個人的な作品だと思う。 これは、自分のおろかさから妹を餓死させてしまったおぢさんの懺悔が原作でありましょ?だから主人公がおろかなのは当たり前。現実にああいう子供がいる。今もいる。戦争中に理想の行動は取れずに野垂れ死んだ多くの子供たちの一例だと思う。主人公を立派な少年に描いて、悪いのは戦争しかあるまい、というあざとさには持っていってない分のリアルさが自分には悲しかった。画面も動きも話の運びも丁寧。よく作られているけど、だからどうしろってんだというような切なさではちきれそうになるのでとても好きとはいえません。外国で上映するとどこでも涙の嵐になるそうですね。馬鹿な子供の行動の是非を問う前にそうしてただ涙を流す人々が世界中にいることに安堵を覚えます。
7点(2004-11-28 01:23:00)(良:2票)
16.  キル・ビル Vol.1(日本版)
ジャパニメーションあたりまではおおっ、なかなかのセンス!とワクワク見ていたが 変な刀アクションが始まってから睡魔に襲われた。 漫画なら漫画でよいが、それでも解せないのはオーレンの手下の変なアイマスクとあまりのしょぼさ。あれじゃ逆爽快感も何もあったもんじゃない、ハエ叩きレベル。 だいたいアンタ一ヶ月しか修行してないんだろうが。ハチャメチャでもいいから、もっと感情移入のツボを作ってくれてからアクションシーンでスカッとさせてくれ。アホ全開に付き合うだけでは疲れるしかないのだ。 栗山千明ちゃんはたいへんよかった。本来3点のとこに1点プラス。
4点(2004-11-12 12:15:52)
17.  デッドマン(1995)
ビヨヨ~ンボヨヨ~ンとむせび泣く二ール・ヤングのギターとまだら馬に載せられて 魂のふるさとへの旅。 情けないんだかかっこいいんだかわからないという、相変わらずの不思議風味を ジョニ―が上手く出しているし、彼をよく知っているジャームッシュが上手につかっている。 生への執着も死への怖れも、あるのかないのかわからなくなる、本能の擦り切れる境目まで 不思議な透明感を持ってたゆたっていく不条理さに、妙なおかしみを加える、絶妙な味わい。 こういうテイストを、また彼の作品でみたいと思う。 
8点(2004-09-16 09:03:16)
18.  回路
私にとって一番怖いホラーは自分の見る悪夢。誰か監督してくれい! と思うのだけど起きて五分もするとあとかたもない。 でもこの作品は、その片鱗を集めたような気配がある。 ここに出てくる闇、不条理、闇に比べてあまりに取っ掛かりのない薄い日常、薄い感情の不気味なまでの頼りなさ。闇が世界レベルに広がるという救いのない話の広がり方。 はっきりいってあまたあるホラーの中で一番好みでした。 大声やこけおどしが少なかったのもいい。 本物の恐怖は常に静けさの中にしかないと思ってるので。
7点(2004-05-26 01:13:55)
19.  僕らはみんな生きている
おもしろかった。まず、着眼点がいいですね。 日本という、世界でもまれな箱庭的平和が約束されてる先進国のゆりかごから出て、 常識もプライドも木っ端微塵の理解不能な国で 悪戦苦闘する「ニッポンのサラリーマン」。 いろんな意味での、さじ加減が上手い。 いろいろ笑えて考えられて、役者よしセンスよし。 こういうのに出会うと、日本映画捨てたもんじゃないと思えるなあ。
[映画館(字幕)] 8点(2003-12-31 21:55:06)
20.  大魔神
子どものころ、街中で蒸気機関車に追いかけられる夢を良く見た。この作品にはそれに近い、なんかとても日本的な恐怖がある。怒ったハニワにどこまでも追っかけられるという、理不尽な恐怖。しかしてその呼び名が「神様」。ハニワが激怒するに至る筋書きの単純さがまたいい、歩きのゆっくりさ加減もいい、屋根に上って目と目が会う程よい大きさもいい、おどろおどろしい音楽もよし。やたらSFXに凝って中身すかすかになっている昨今、特撮恐怖映画の作り手は、恐怖の中身を良く考え直してみるべきだ。そのきっかけにこの作品鑑賞を強くお勧め。
8点(2003-07-16 23:15:18)(良:1票)
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