1. アヒルと鴨のコインロッカー
原作未読ですが、「あ、叙述トリックだったんだ」と分かってからは、映像化できたことが凄いと思うようになりました。 推理小説が好きで、かなりの量を読んできましたが、基本的に叙述トリックが原作の場合、映像化は無理な場合がほとんどです。 すなわち、文章だから成り立つトリック、ギミックが使われるからです。 そういう意味で、この作品は多少の無理や、強引な部分もありましたが、許容できる範囲内にうまく収めていたと思います。 また、推理ものというよりも、椎名とドルジ、ドルジと河崎の友情を描いた青春ものとして見れば、高い評価を与えても良い作品だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2009-08-01 18:25:54) |
2. やじきた道中 てれすこ
小泉今日子の魅力が最も出ている作品を、各年代で挙げるとしたら、 10代の代表作が「生徒諸君!」。 20代が「怪盗ルビー」。 30代が「風花」。 そして、現時点で40代の代表作は、この「てれすこ」で決まりです。 渚のハイカラ人魚で、彼女自身が「女の子って少しダメなほうがいいの~♪」と歌っていますが、小泉今日子の魅力は、そういうキャラを演じたときに最大限に発揮されます。 また、アイドルから脱皮しつつ、そういうイメージ(実は彼女本来の部分では?)も少しずつ出していくことで、女優小泉今日子が開眼して来たのだと思います。 そういった観点から、彼女の素の魅力はこの作品が一番よく出ていると感じました。 また、彼女の主演する映画は脇を固める俳優さんたちが豪華ですが、この作品も例外ではなく、ストーリーはもちろんのこと、そういった面でも安心して見ることが出来ます。 ファンとしては10点ですが、ここは冷静に7点にしたいと思います。 あ、小泉今日子好きの、小泉今日子論になってしまいました・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2009-05-17 18:42:01)(笑:1票) |
3. パコと魔法の絵本
《ネタバレ》 大貫は、創業者根性丸出しの、昭和の遺物的な人物です。 自分はこうあるべきだ、こうしなければいけない、という役割をひたすら忠実に演じながら生きています。 でも、そういうペルソナに振り回される生き方は少々、いやかなり疲れます。 だから、人には本来の自分を出せる場所、取り戻せる場所が必要なんです。 家族の前でも、友人の前でも、恋人の前でも、夜のネオン街でも、何でもいいんです。 大貫は、パコと触れ合うことで本来の自分を取り戻しました。 そう、この作品は表向きは子供向けっぽくしているけれど、完全に大人、しかも世の中のお父さん対象だと感じました。 役割を演じることに疲れた人々への、監督なりの癒しと回復の提案なんだと思います。 劇中劇も出来が素晴らしく、全篇楽しく見れましたが、個人的には中島監督の前2作(下妻と松子)のほうが好きです。 よって、8点にします。 [DVD(邦画)] 8点(2009-05-17 18:02:45) |
4. 人狼 JIN-ROH
アニメを観ない人にも見てもらいたいアニメの一つ。 陽の代表作が「東京ゴッドファーザーズ」、陰の代表作はこの「人狼」で決まり! 渋くて切ない・・・。 [DVD(字幕)] 9点(2008-04-13 19:50:49)(良:1票) |
5. はつ恋(2000)
作品のテーマを考えたら、岩井監督の「Love letter」と同じ“失われた時を求めて”というフレーズが思い浮かんだ。 ただ、この作品で、主人公が求めた“時”は母親の青春時代。 その過程で、自己の成長や家族愛が描かれている。 切ないラスト、美しい風景、美しい音楽、田中麗奈の熱演ということのない出来。 人は前を向いて進まなきゃならない生き物だが、その一方で、思い出に生かされている、ということも忘れてはならないと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2008-04-13 19:43:06) |
6. カナリア
鑑賞して、再認識したこと。 「残された家族が可哀そうだ、という発想で子供を巻き込むな!!」 日本人は家族を事件に巻き込むことに対して、最も罪悪感を感じない民族なのでは? ここのところ、親殺し、子殺し、無理心中と慙愧に絶えない事件が、以前よりも多くなっている気がする。 残される苦労よりも、近しい人間に殺されるほうがどんなに不幸なことか。 この作品は、殺していないが「可哀そうだから」という発想で、子供が自由に生きる可能性を奪った点では同罪。 さて、いろいろ書いてしまったが、肝心の作品の出来は、塩田監督の中では一番だと思う。 オウム事件からインスピを得たのだと思うが、あの事件を風化させないためにも見ておきたい作品でもある。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-13 19:20:48) |
7. 雲のように風のように<TVM>
《ネタバレ》 原作の「後宮小説」を読みたいな、と思いながら果たせずDVDにて本作を鑑賞。 劇場ではなくTV用の作品とのことだが、お金をかけなくても良い脚本(原作)があれば、ここまで出来るということを再認識。 いやぁ、切ない作品ですな。 佐野量子のアドリブが心配だったが杞憂だった、というかむしろ好演していてビックリ。 でも一番唸ったのは、やはりラストの女性ならではの復讐!? [DVD(字幕)] 8点(2008-04-13 19:06:23) |
8. バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
タイムスリップものだが、そんなに遠くない過去である80年代が舞台。 でも、位置づけ的には最近多い昭和ネタの作品と、扱いはそんなに変わらないと思う。 バブルを体験した世代には郷愁を、未体験世代には驚きを与えるには十分だった。 ホイチョイはバブル崩壊以後映画の舞台から消えていたが、一番脂の乗っていた、トレンドを作り出した時代を取り上げることで過去を総括し、再浮上のきっかけにしたかったのか? ラストで、「君の瞳に恋してる」(80年代)→「Eyes on you」(現代)に曲が変わるところは、作品の内容にリンクしていて、ちょっとだけ感心した。曲の内容も対になっているし。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-13 02:11:37) |
9. 運命じゃない人
サスペンスでもないのに、鑑賞中に「あれっ?」と思ったところや違和感が少しずつ明らかにされていく構成、それを誰かが説明するのではなく、登場人物の様々な視点から描くことで表現するという手法に唸り、脱帽しました。 まさに、パズル感覚の作品です。 せっかくだから、ラストも更にもう一捻り欲しかったなぁというのは欲張りでしょうか? [DVD(字幕)] 9点(2008-04-13 01:50:51) |
10. スクールウォーズ HERO
あざとさが無かった分、TV版以上に泣きました。 かなり地味ですが、学校や部活の素晴らしさを真面目に描いた良作です。 今の時代、山上先生のような教師や管理職が少なくなったなぁと思うのは私だけ? そういう方用の研修用の教材として、各所で是非とも採用して欲しい作品である。 [DVD(字幕)] 9点(2008-02-17 01:21:44) |
11. 空中庭園
小泉今日子演じる母親の家族観は、ある種の宗教めいていて怖かったです。 最近、家族に対する期待感や妄想が裏切られた時の怖さをニュースでも嫌というほど見せられてもいるので、この作品を観て、何事もほどほどが大事なのだという思いを強くしました。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-11 15:24:44) |
12. 雪に願うこと
帰るところがあることを、素直に感謝出来るようになる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 14:59:08) |
13. SURVIVE STYLE5+
題材的にはアニメ向きに感じますが、実写にした点を評価したいと思います。 愛の形を手を変え品を変え見せてくれますが、一番印象に残ったのは、小泉今日子の頭の中で繰り広げられる「妄想」でした。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-11 14:55:29) |
14. ALWAYS 三丁目の夕日
ストーリー以外の、作品全体の出来に7点です。 パッチギの感想にも書きましたが、ここのところ時代劇はさて置き、ちょっと前のことを題材にした邦画が多くなってきたように感じます。 で、この作品ですが、何も考えずただ前に進んで行けば良かった時代への郷愁を感じさせてくれますが、その一方でそれだけだったようにも思います。 家族の素晴らしさを言いたかったのかもしれませんが、あの時代以後、さらにアメリカに洗脳されて、地域や家族を崩壊させられたことはちょっと皮肉ですね。 とは言え、「現在」は、取るに足らないようなつまらない時代なのでしょうか?「未来」には、絶望しか待っていないのでしょうか? もう、原作もの、ノスタルジーものはお腹が一杯になってきたので、せめて映画だけでも「現在」「未来」に希望が持てるような作品を作ってほしいものです。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 14:43:10) |
15. パッチギ!
デリケートな題材をとても上手く処理して、嫌味にならない程度にメッセージ性を盛り込めた作品だと思います。 京都在住歴があるので、より身近に感じられたこともあるかと思いますが…。 最近、昭和を題材にした作品が多くなり、しかも高評価を得ていると感じますが、「現在」に何となく違和感を感じたり、「未来」のことに思いを馳せる余裕も無くなってきたことの表れでしょうか? [DVD(字幕)] 8点(2008-02-11 14:25:25)(良:1票) |
16. ピーナッツ
手作り感が、とても心地よかったです。 うちPのメンバーから離れたところで、うっちゃんの別の作品を観てみたいです。 少ししか出てこない桜井幸子が、一番印象に残りました。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-10 01:29:12) |
17. リンダ リンダ リンダ
この映画のテーマとも思える『現在を生きる!』が、ブルーハーツの曲の数々で上手く表現できていると感じました。 エンタメに走りすぎず、実際にありそう感を醸し出していたところに共感できました。 ある一日の出来事、学校内のみではありませんが、学園祭ものの名作「櫻の園」を思い出しました。 また、ちょっとノスタルジックな、センチな気持ちになりました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-10 01:18:57) |
18. パプリカ(2006)
映像と音楽は、かなり良かったと思う。 ストーリーは今監督お得意の現実と妄想(想像)を行き来する話。 でも過去の作品と比較して、何か後に残るものが少なかったなぁ、という印象。 [DVD(字幕)] 5点(2008-02-09 18:20:25) |
19. 手紙(2006)
沢尻エリカのいじらしさ、玉山鉄二の泣きに8点!! でも、山田孝之が何かいまいちで-1点…。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-09 18:14:04) |
20. 花とアリス〈劇場版〉
ふわふわした季節感、緩急のつけ方、女の子チックなメルヘンを撮らせたら、やはり岩井監督の右に出るものはいないと思う。 これは、学年は違えども、「リリィシュシュの全て」と表裏一体の作品だな。 痛さ・つらさとは違う、もの凄く“リアル”な作品だなと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2005-07-05 01:48:14) |